皆さん明けましておめでとうございます。
2011年最初のオリジナルコンテンツ更新は、この「技の泉」から。今年も一年よろしくお願いします。

今回のタイトルは「貼込みアイテム」活用法。様々な種類が発売されている「模型に“貼って”効果を得る」アイテムの活用法をご紹介します。解説は毎度おなじみ線香亭無暗師匠です。

編集部(以下)「師匠、あけましておめでとうございます」
線香亭無暗(以下)「はい、おめでとうございます。今年も宜しくね、じゃなくて、今日はリアルに正月2日だぞ!」
「そうですよ。新春企画ですもん」
「あのねぇ、昔から日本人っていうのは、お正月三慶日に仕事はしないって決まってるんだよ!」
「でもほら師匠。お正月は各メーカーさんもお休みでニュースも少ないですし」
「正月2日から仕事してると福が逃げるぞ、福が!!」
「どうせそんなに多くの福があるわけじゃないから良いんです。読者の皆さんに喜んでいただくのが一番の“福”ですから」
「まあそうか。そんなに福もないもんな……。ってオイ!!!」
「皆さん漫才は正月特番で見飽きてるでしょうからこの辺にして、本題に入りますよ」
「うう……」

◆“貼る”ことで、塗装では不可能な表現を

「師匠はよく作例でハイキューパーツさんのオーロラデカールやミラージュデカールを使ってらっしゃいますよね」
「うん、単純に言うと極薄のノリ付きシートに蒸着メッキのような偏光する加工をしたものなんだけど、光沢があるのでミラー調のセンサー類の表現なんかにはいいよね」

「効果絶大ですね」
「塗装では表現不可能だからね。でも貼るのは結構苦労するんだよ」
「どんなふうにですか?」
「このコアファイターみたいに平面の所ならいいんだけど、シート自体に伸縮性がないので三次曲面には向かない」

「あれ、でも昔、ガンタンクとかのコクピットに貼ってませんでしたっけ」
「ああ、これね」

「これはシートを熱湯に付けた後に無理やり引っ張りながら貼り付けたんだ。途中でドライヤーを使って暖めたりしてね。それでも冷えてくると縮んでシワができる。結局、何度もやり直してシートを半分以上使っちゃった。まあでも、これでしかできない表現だから仕方がない」
「こういうセンサー類のほかに使い道はあるんですか?」
「そうだねえ、下地の色によって色が変わるから考えようによっては色々使えるかもしれないね。そのあたりはそれぞれの工夫で使うといいと思うよ」

「それから師匠はハセガワさんのTFシリーズも使ってますよね」

「うん、これも極薄のノリ付きシートに様々な加工を施したものなんだけど、こちらは結構伸縮性があって曲面に貼れるのが良い。種類も多いしね。限定品も含めると20種類位ある」
「どんな種類があるんですか?」
「まずは鏡面加工やメタリック系の加工がされたもの」

「写真に写っているのは手元にあったミラーとカッパー、ジュラルミンの3種類だけど、他にチタンやゴールドなんていうのもある。前回の模型制作部のハイニューガンダムでも、ライフルのワンポイントに使ったね。他にもカーモデルの窓枠とかバックミラーの鏡面、モビルスーツのセンサーの中身にも使えたりする」

「なるほど」
「写真はないけど他に赤や白、蛍光イエローやオレンジ、艶消しのブラックなんていう単色のものもある。ちょっとしたワンポイントや、塗り分けが面倒な場合なんかに使えると思うよ」

「他の種類のものは?」
「あと非常に便利なのが、様々なパターンが印刷がされたもの」

「基本的にはカーボン柄がプリントされてるんだけど、これも塗装で表現するのは難しい。じゃあ端から紹介していこうか」
「お願いします」
「まずはブラックのカーボン柄。商品番号はTF9とTF10というヤツ。TF9とTF10はほぼおなじ模様でパターンのサイズが違う。スケール違いという感じだね」
 ●TF09

「これはTF09なんだけど、トップ画にも使ってるライデンのブラック部分に貼ってみた。ただ黒く塗るのと違って表情が出るので面白い効果が出る。まあ、本当はカーモデルやバイクなんかに使うように作られたんだろうけどね」
「何事も工夫ですね」

「次はTF16というカーボンパターン」
 ●TF16

「使用例の写真はハセガワさんのサンプルをお借りしたもの。このパターンはカーボンとケブラーが1:1で織り込まれた状態を再現したもの。強度があるのでF1のモノコックなんかにも使われているパターンだね。次はTF17というパターン」
 ●TF17

「TF16と同じようにカーボンケブラーのパターンを表したものなんだけど、こちらはカウリングなどに使われる柔軟性が高いパターン。同じカーボンケブラーでも性質によって折込のパターンが異なるんだね」
「なるほど」

「お次はシルバーのカーボンパターンを2種。TF18とTF19」
 ●TF18

 ●TF19

「シルバーのカーボンは、実物ではそれほど力がかからない所に使われることが多い。硬度はそれなりに高いんだけど強度は少ないというね。価格も高いらしいので実用性重視というよりファッション性重視のような使われ方をしていることが多い。一般車のエアロパーツなどに使われているものは殆んどがプリントだったりする」
「へぇぇ、カーボンにそんなに種類があるなんて知りませんでしたよ」
「でも、一度知ってしまうと変な所に無闇に使えなくなるでしょ。そこがまた模型の面白さでもあるんだよね」
「本当ですね」

「さて、続いてはメタリック系ともプリント系とも違う、いうなれば“偏光系”のシート。TF14とTF15という虹色に輝くホログラムのものがるんだけど残念ながら手元にない。紹介したいのは限定生産の“TF901 偏光フィニッシュ コバルトブルー~イエロー”。先に紹介したハイキューパーツのオーロラやミラージュデカールなんかとも違う、独特の効果がある」

「太陽電池パネル、かっこいいですね」
「このシートの使い方のポイントは、下地の作り方。光の当たり方で見え方が変化するので、プラバンに塗装した上に貼ってみた」

「あれ、よくわかりませんね」
「でも光が当たるとこうなる」

「ホントだ。見本の太陽電池パネルに近いのは黒ですね」
「そしてさらにライトを強くすると……」

「おおカッコいい!」
「気泡が多いのはご愛嬌で。ざっくり貼ったら失敗しちゃった。きれいな貼り方は後で解説します。」
「ここまで光が当たると下地があんまり関係なくなっちゃいますね」
「そこがポイントでね。普通の状態ではほぼ透けてるってとこがこのシートの使い道だと思うんだ」
「具体的にはどういう使い方ですか?」
「例えば車のウインドとかさ。ピッカピかに反射してると違和感があるけど、ハイライトが当たったときだけ反応してほしい所とかね。普通に貼って、もっと目立たせたいときには下地をメタリックに塗るとよさそうだし、とにかく欲しい効果にあわせて調整できるという所がいいんじゃないのかな」
「ふうむ、なるほど」
「じゃあ、実際の使い方も含めて、面白い作例を作ってみようか」
「あ、師匠。そこから先は後編で。ちょっと長くなっちゃったんで、一回〆ます」
「なんだよ。またかい」

ということで後編に続きます。

TFシリーズについての詳しい情報はハセガワHP


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