◆白く塗りつぶせ!

前回からずいぶん時間だ起ってしまいましたが、「MPJ技の泉」第2回目のテーマは「白い塗装上達法」と題して、下塗りからフィニッシュまで、そのテクニックやノウハウ等を紹介していきます。解説は毎度おなじみ線香亭無暗師匠。今回もいろいろなお話が聞けると思いますのでお楽しみに。

編集部(以下 編):どうも師匠。今日は“技の泉”2つめのテーマですよ。
線香亭無暗(以下 無):お久しぶりです。何か、前回からずいぶん間が開きましたね。
編:それは師匠が「忙しいっ!!」って取り合ってくれなかったからじゃないですか!
無:ああ、そうか。ゴメンゴメン。
編:全くこの人は……。じゃあ早速、ユーザーの方から寄せられたリクエストメールを紹介しますよ。
無:はいはい。
編:まずは“shinomariNo1”さんからのメール。
自分はエアブラシを買って3ヶ月の初心者モデラーです。最近の悩みは黒っぽい部品を白く塗りたいのにうまくいかないことです。部品の角の部分が黒っぽく残ってしまい、それを塗りつぶそうとしているうちに塗装がたれてしまいます。良い方法があったら教えてください

続いて“Alegro”さんからのメール
今回質問させていただきたいのは「白塗装」です。ベタ塗りで白を厚ぼったくなく綺麗にエアブラシ塗装するのって意外と難しくないでしょうか。最近販売されてる隠蔽力の強い白塗料を使って「最初にエッジや奥まった所に~」という基本は踏んでるのですが、全体的に見るとムラがあって下地が透けてる部分があったりします。また、そうならないようにしっかり吹くと、吹き終えるタイミングがよくわからず塗膜が厚くなってしまいます。キャラクターものは白から塗り始めるものが多いと思うので、これに悩んでるモデラーさんが少なからずいらっしゃるんじゃないでしょうか。何かコツがありましたら、ぜひお教えください
という事なんですが。
無:うーん、なるほど。篠田はNo.3じゃなかったかな?
編:AKBネタはいいです。
無:ああ、はいはい。まあ白い塗装って基本的な塗装テクニックを知る上で重要だと思うんで、解説していきましょう。
編:まずお二方のご質問を読んで、何か気づいたことがありますか?
無:うん、まず最初の方の「エッジが黒っぽく残る」という事に関しては、多分、下地の処理をしてないんでしょうね。
編:下地の処理というと?
無:まずはパーツについた油分や離型材を落とすとか、サフを吹くとか。
編:処理をすればうまく塗れる、と。
無:いやいや、必ずしもそうではなくてね。これは白に限らずどんな塗料でもそうなんですが、エアブラシに適正な濃度で塗装するとエッジの部分は若干塗料が逃げるもんなんです。二番目の質問の方も書いてますが。だから先にエッジから吹いたりする。一度塗料の乗った場所は次の塗料が乗りやすいので、結果的にエッジから塗料が逃げなくなる、という事です。サフを吹くというのはあらかじめ下地に塗料が乗っているわけだから、エッジでもきれいに塗料が乗りやすいと。パーツについた油分や離型材が残っていたりすると、それだけ塗料が乗りにくいわけですから、当然エッジが残りやすい。
編:はあ、なるほど。

◆“適正な塗装環境”に注意せよ

無:それから、意外と皆さん気になさらない方が多いんですが、塗装するときの気温と湿度は非常に重要です。これは塗料の種類や、細かく言えば色自体によっても乾燥時間や定着性が変わるので、一概に“この気温と湿度”というふうにはいえないんですが、最適な環境で塗装されたパーツはムラやエッジ残りが起こることが少ない。
編:種類によって、そんなに変わるもんなんですか?
無:自分は殆んどラッカー、正式に言うと有機溶剤を使用する「油性アクリル塗料」を使うので、室温は20度以上、湿度は30パーセント以下で塗装するようにしています。これが水性アクリル塗料の場合は乾燥が遅いので、室温20度以上、湿度20パーセント以下、本当は10%位に整えないといけないのかなぁ、と思います。油性エナメル塗料だと乾燥するのではなく酸化固着するので湿度よりも温度が重要になるんですけどね。油性エナメルの場合は室温は25度以上あったほうがいい。できれば30度ぐらい。まあ、ラッカー塗料だと基本的に乾燥が速いので多少不利な状況でも塗れちゃったりするんですけどね。
編:そんなに都合よく湿度と温度が揃いますか?
無:エアコンつければいいじゃない。それで塗装する机の上に温度計と湿度計が一緒になったヤツをおいとけば環境を整えるのはそんなに難しくない。
編:そりゃあ師匠みたいに独身者なら、いつラッカー塗装しても文句はいわれないでしょうが、家族のいる方はエアコンかけて塗装っていうのは難しいんじゃないかと思いますけど。
無:む……、この際独り者かどうかは置いといて、より塗装環境に敏感な水性塗料を使うならエアコンをかけたほうがいいと思いますけどね。後は天気と相談するしかない。あ、そういえばこの間、塗料メーカーの人に聞いたんですけど、スプレーブースの排気パイプの先っちょを段ボール箱に入れて新聞紙をごそっと突っ込んでおくと、ある程度臭気の緩和になるって言ってましたよ。やってみてないのでどれだけの効果があるのかわからないけど。
編:なんだか話がだんだんずれてきたんで元に戻しますけど、この間ガイアノーツさんからいただいた塗料、試してみていただけましたか?
無:これですね。

編:お、ちゃんと写真撮ってるじゃないですか。
無:そりゃそうだよ。他にも実際に塗ってみて色々試してみた。なんだかハウツーというより実験みたいなことになったけど。
編:じゃあ次回はそういった実験をお届けしましょう。次回もお願いしますね。
無:はい、ではまた。

次回は線香亭氏による白塗装実践(実験?)編をお送りします。どうぞお楽しみに。


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