線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 ええー、実はワタクシ線香亭、昨年末に引越しをいたしまして、模型関係の作業場も若干広くなりました。ところが、広くなったのはいいものの、作業場が非常に寒い! この時期、朝起きて作業を始めようという時の温度は3~5度くらい。昼間でも15度くらいにしかなりません。そんな場所で作業をしていると、不思議なもんで妙なミスが多くなります。例えば力余ってパーツを壊しちゃったり、スジボリが変な方向にいっちゃったり。寒いと余計な力が入るのか、微妙な力加減が上手くできてないんでしょうね。仕方がないのでカーボンヒーターなるものを導入。なんとか通常作業が可能な温度となりました。北の方にお住まいの方にとっちゃぁ「そんなのあったりまえだ!」くらいの気温なんでしょうけれどもね。模型の制作環境というのは設備や広さだけじゃないんだなぁ、というお話。とはいえカーボンヒーターの導入でしっかり暖かく作業ができますんでね。今回も張り切って模型を作りましょう!

 さて今回のお題のHGグリモア君。前回までは仮組みした所で終わってました。
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 で、どこを接着成型するのかなんて眺め回してました。

 それでは今回の作業。
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 まずは合せ目が出てしまうところを接着し、各パーツの表面を均してヒケや合せ目を解消するというプラモデル制作の基本ともいえる作業。普段はこのあたり、説明をすっ飛ばして進むことの多いこの連載ですが、今回は人気のグリモア君ということで、模型に慣れていない方でも参考にしていただけるようにという、いわゆる「初心者サービ~ス」でまいります。

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 このグリモア君。接着成型が必要なのはこのあたりのパーツ。パツ構成が上手くできているので、それほど多くありません。で、初心者の方にとっては「接着剤がいらないキットなのに、何でわざわざ接着するの?」ってな疑問がわいてくると思います。ということで次の写真。
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 グリモア君の腕と足のパーツ。それぞれの写真の左側は接着しただけの状態です。接着せずにただ組み立てた状態だと、パーツの合せ目の線が残ってしまいます。それを解消するために接着し、ヤスリなどで成型したのが右側の状態。「本来は無い線を消して表面を均一にする」という作業なんですね。この作業、非常に地味で面倒なんですが、やるとやらないのでは仕上がりに雲泥の差が出ます。「面倒なのは重々承知だけれど、やれば仕上がりが違うのがわかっているからやる」という類の作業です。
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 実際の作業には様々な種類の工具を使います。写真に写っているのは金ヤスリとWAVEのヤスリスティックというディスポーザブルタイプのヤスリ。もちろんお馴染みの紙ヤスリも使います。この外にもデザインカッターや市販のスクレイパー(欠取りカンナ)を使うこともあります。特にグリモアの上半身のような複雑な形のパーツの場合、いろんな形の工具を上手く使って、なるべく効率良く合せ目を消していきます。
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 はい、こんな感じになりました。この後、番手の細かい表面を均していくと良い感じに仕上がります。接着は通常のプラモデル用の物でも流込み用を使ってもかまいませんが、隙間なくしっかりと接着されていることが重要。仮組みで隙間ができるような場合は接着面を均しておいて、隙間が空かないように調整しておきます。
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 グリモアのお腹のような丸いパーツの成型には3Mのスポンジヤスリが活躍します。通常のサンドペーパーでも処理はできますが、パーツの形状に応じていろんな道具を使い分けるというのが効率よく作業を進めるコツです。
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 さて、これが表面処理を終えたパーツ。実は接着が必要なパーツの接着剤の乾燥を待つ間に、他のパーツの表面処理を終えてしまっています。接着の必要のないパーツでもヒケ(成型の際のプラスチックの収縮で起こるパーツ表面のヘコミ)やパーティングライン(成型の際の型の合せ目に出るライン)が出ていたりしますから、一通りサンドペーパーを当てておきます。これも仕上がりを良くするための地道な作業。この手の作業は工程を考えて手順を組むと最小の時間で仕上げることができます。

 という訳で基本作業は終了。成形色を活かしてフィニッシュする場合はもう少し表面を均したらトップコート、スミ入れなどを終えて付属のホイルシールを張れば出来上がりということになります。今回は気になる所に若干手を加えて、後は塗装に懲りたいと思ってます。

 ということで、ここからは小改造作業。
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 まず気になったのは足の裏の肉抜き。目立たない場所なんで気にならない方はそのままでも良いかと思いますが、自分は気になっちゃったのでコレを埋めたいと思います。
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 今回肉抜きを埋めに使用するのはエポキシパテ。タミヤの速硬化タイプを使っています。まずはスパチュラなどを使って空気が入らないように丁寧にパテを押し込んでいきます。
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 パーツの表面までパテを充填したら、水を付けた指で表面を均しておきます。これはこの後の成型作業をやりやすくするため。いろんな道具を試しましたが、表面均しに最適なのはやっぱり指。手は最高の道具ですなぁ。
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 この手の作業はポリエステルパテ、いわゆるポリパテでもできるんですが、このパーツには写真のような段差がたくさんあるのでエポパテで作業することにしました。「多く盛り付けて削る」という作業が基本のポリパテだと、後で凹んだ部分を彫刻刀などで掘り込んでいかなきゃなりませんからね。その点、「適量を盛り付けて成型する」エポパテなら盛り付けの時点で成型ができるので後で楽ができるというわけです。
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 はい、足裏の肉抜き埋め完了。パテの硬化は半日ほど先。効果の具合を確かめるには、余ったパテを捨てずに置いておくと便利です。
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 パテが硬化したら一通りヤスリをかけて、はみ出した部分や盛り上がってしまったところを修正します。
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 ついでにパテとキットパーツの隙間にスジボリを入れておきました。これでパテ埋めした部分がパネルのようなディテールに見えるはず。

 続いては頭。
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 このグリモア君、本編映像で見ると頭部のバルカン砲が左右に2門あるものと、キットのように左側1門の機体があります。2門のものは隊長機ってな感じだと思うんですが、そうなると元々左右に付けられる構造になってるんじゃないかと考えました。
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 反対側にバルカンを新造して隊長機っていうのもいいんですが、ここは渋めに「もう1門付けられる雰囲気」を再現したいと思います。そこでまずはキットパーツに鉛筆で下書き。反対側のバルカンはこの辺? ってなラインを書きます。
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 ラインが決まったらマスキングテープを貼ってラインに沿って切り抜きます。これはスジボリするための目印。市販のダイモテープやガイドテープなどを使っても良いんですが、曲面で上手く馴染まなかったため、マスキングテープで目印を作っておいて、フリーハンドでスジボリすることにしました。
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 で、案の定一部失敗(笑)。失敗した部分は溶剤系のパテ、いわゆるプラパテで埋めて、硬化後に彫り直します。
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 はい、出来上がり。この後サンドペーパーで表面を均せば「オプションでバルカンが付くところのパネル」の完成です。
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 これで基本的な改造は終了。あとは、ひとつだけ付属する平手の指の根元が成型上の都合でくっ付いていて、水かきっぽかったので切り離して成型したくらい。

 じゃあ、一度組み立ててみましょう。
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 基本作業が終わったグリモア君、中々男前です(笑)。成形色を活かした簡単フィニッシュならば、この状態でトップコート、スミ入れをして、部分塗装を終えたら完成! ってな塩梅になります。最初の写真と比べてみていただけるとわかると思うんですが、一連の作業を終えた状態だと「素組み感」がなくなって、なんだか存在感がましたように見えますね。これが「模型は手を入れただけ完成度が上がる」っていうのの証明。これがわかってくると模型を作るのが楽しくなってきます。まあ、時にはこれを拗らせて「完成しない病」を発症したりするんですけどね(笑)。

 てなところで今回はここまで。次回は塗装からフィニッシュまで行きたいと思います。

 それではそろそろこの辺で。
 次回も、乞ご期待!!


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