線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 ええ、ある程度ヘビーユーザーのモデラーの部屋というのはどこも同じだと思うんですが、やたらと物が多い。積んである模型はかさばるし、よその家にはないような道具が散乱してたり、塗料や塗装道具が結構な面積を占領してたり。ある程度は仕方ないとあきらめているんですが、限度を超えると作業効率に影響を与えますんで、一念発起、たまには整理整頓しよう、なんてことになるわけです。ところがこれが、実際に始めてみると、あっちこっちの山の下のほうから面白いものを見つけちゃったりして、一向に片づけが捗らない。子供だったら、もう完全にお母さんに叱られる按配に遊んじゃって、オマケに前よりも部屋が散らかったりして。中々上手くいかないもんです。そんな子供心を無くさない全てのモデラー諸氏に向けて、今回も張り切って模型を作りましょう!!


 さぁて、今回からのお題はこれだ!!
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 コトブキヤ 1/35「ロジコマ with 草薙素子&荒巻大輔」。コトブキヤ攻殻機動隊シリーズの今年9月に発売された最新作です。

 まずは最初にチョコっと機体&作品解説。
 攻殻機動隊は元々、士郎正宗氏によるコミックスですが、1995年公開の押井 守監督作品「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」が大ヒット。世界的なブームとなり、SFを初めとするその後の映像作品に大きな影響を与えました。2008年にはCG部分を中心にリニューアルした「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0」が公開され、その後2004年には、その続編となる「イノセンス」が公開。第25回日本SF大賞を受賞し、第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映されるなど、大きな話題を呼びました。

 また、2002年、2004年、2006年にTVアニメーションとして神山健治監督による「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズが放映。後に映画化もされ、DVD/ビデオ出荷枚数150万枚を超える大ヒット作品となりました。

 そして、このロジコマが登場する「攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL-」は2013年から4部構成の作品として劇場公開されている最新作。少佐こと草薙素子の出自や公安9課の設立、謎の電脳ウィルスとの戦いなどが描かれています。現在のところborder:4の「Ghost Stands Alone」が公開され、シリーズ完結となりました。

 実はこの3シリーズの映像作品、設定がそれぞれ微妙に異なってまして、士郎正宗氏のコミックスをベースに役名や設定などを引き継ぎながらも、それぞれがパラレルワールド的に存在する作品となっています。ファンの間では士郎正宗氏のコミックスに映像3作品のシリーズを含めて「攻殻機動隊4部作」なんて呼ばれ方もしています。

 そして今回のお題のロジコマ(=ロジスティクス・コンベイヤー・マシン)は「攻殻機動隊ARISE」に登場する機体。実の所、この連載でも制作した「STAND ALONE COMPLEX」に登場するタチコマの原型とも言える特徴を備えてまして、そのあたりがファンとしては非常に興味深かったりします。劇中でも、9課設立前の少佐の護衛として投入されたのを始めに、回を重ねるごとに仕様を進化させていたりして、そちらも興味が尽きないところです。

 そんなこんなで、攻殻ファンとしては当然外せないロジコマ。ひとつ気合を入れて制作したいと思います。


 ではまず、恒例のランナーチェック。
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 まずはAランナー。機体のフレーム部や補機類、オプションのマシンガンなどが見えますね。
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 Bランナーは2枚。こちらは脚部のフレームやら関節やらが収まります。同型の脚が2本づつ、計4本ですから、こんな構成になってるんですね。
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 Cランナーはやっと出てきた赤い成形色のランナー。機体の中心部のドームがメインですが、オプションのウェポンコンテナもこのランナーです。
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 Dランナーは大型の赤い成形色のものが2枚。脚部とその周辺のパーツです。結構パーツ数多いな。
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 E、F、G、Hランナーはまとめてご紹介。Eランナーはマニュピレーターのアームや脚の関節部など。Fランナーはタチコマちゃんとよく似たセンサー。Gランナーはタイヤ、そしてHランナーは付属するフィギュア「人型自走地雷」用のスタンドです。

 ちなみに、劇中ではわらわらと大量に出てきた、この「人型自走地雷」、コトブキヤさんのネット通販ショップ「コトブキヤ オンラインショップ」で関連商品を購入すると2対セットが手に入ります。関連商品はタチコマに剣菱の多脚戦車、ジガバチAVのリパッケージ版、そしてこのロジコマですから、全部コトブキヤ ダイレクトで買うと8体+ロジコマにに付属する1体の9体そろえることができるわけですな。ちょっと欲しいな、大量に。まあフィギュアが苦手なワタクシは塗装で苦労しそうだけど(笑)。

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 ポリパーツはタチコマにも付属したボールジョイントと脚関節部に使用する平たいものが付属。
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 このシリーズで楽しみな付属フィギュアは射撃姿勢の草薙素子、荒巻課長と自走地雷の3体が付属します。
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 組立説明書は片面カラーの物が付属。塗装図はやっぱりカラーの方がありがたい。

 というような構成のロジコマちゃん。攻殻ファンとしてはテンション高めに一気に仮組みしてみました。
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 はい、どーん。うむ、確かにロジコマ。劇中のイメージをしっかりと再現しています。組んでみて驚くのは、その小ささ。劇中では大分大きい印象ですが、組んでみると同シリーズのタチコマとセンターの球形サイズがほぼ同じくらい。小さく、小気味よくまとまっているといった印象です。
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 手堅くまとまっているばかりでなく、ギミックもしっかり再現。この脚が伸びるギミックのおかげで、劇中でのイメージがより大きく感じられるのかもしれません。
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 じゃあ伸縮ギミックが仕込まれた脚部をアップで。こうしてみても何の違和感もなく収まってますね。
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 それがこんな具合にびよ~んと伸びます。ディテールもしっかり再現しながら、破綻ない伸縮ギミック。結構すごいな、これ。
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 可動部は他にもありますよ。これ、劇中でも「どうなってんだ?」って思って何回か見直しちゃったセンサー部のガード可動ギミック。模型でみると当たり前のようにわかるギミックでも映像で見ると意外とわかりにくい。そういうところがわかるのも模型の面白さのひとつです。
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 上部ハッチも当然開閉式。ただ、タチコマのように中に人が乗るわけではありませんからコクピットはありません。
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 脚部の構造もタチコマに比べてずいぶん複雑になっています。ホントはタチコマちゃんと並べるとわかりやすいんですけどね。この連載で制作した3機は秋葉原のコトブキヤさんで展示していただいているので手元にないんですよ。残念。
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 その他、各部のディテールもしっかりと再現されています。この「まあるいボディ」に「メカむき出し」的なディテールの組み合わせがロジコマの大きな魅力でもあります。

 で、このキットで感心したのは、劇中でバージョンアップしていく状況が再現できるということ。ここまでの写真は初登場時、いうなればバージョン1の状態。
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 これがバージョンアップしたところ。
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 例えばアンカー射出装置が三連になったり、
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 後部にコンテナが付いたり。
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 border:2ではマニュピレーターが装備され、よりタチコマっぽい印象になりました。
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 デザイン的に優れてるなぁ、と思ったのはマニュピレーターを装備したことにより、デッドになりそうな本体フレームのライトに加えて、マニュピレーター前面にもライトが装備されているというところ。劇中ではすっかり見逃しちゃってたんですが、なるほど後付っぽさがしっかり演出されています。好きなんだよなぁ、こういう感じ。
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 マニュピレーターの展開は差替えで再現します。ずいぶん大型ですが劇中では繊細な作業も難なくこなします。
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 これは収納時のマニュピレーターの裏側。展開の仕組みが見える形状です。腕に覚えのある方は完全可動に挑戦! なんていうのも良いかも。
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 そしてこれは今のところ1回だけ装備されたガトリングガン。
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 こんなふうにお腹の下に装備します。
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 ただマニュピレーターを装備してると、邪魔そうな感じがしますね(笑)。だからあんまり有用されなかったのかな?

 てな具合に進化の具合が再現できるこのキット、それだけでも十分楽しめます。劇中ではだんだん言葉が達者になったり、バトーに「人が乗れるようにしたら面白いんじゃないか?」なんていわれたり、border:3では複数機が配備されて対象確保に一役買ったりといったふうに活躍の度合いを深めていくロジコマちゃん。あ、border:4では機体の上の少佐を振り落としちゃって「手摺くらい付けとけっ!」って言われてたから、いづれ手摺は付くのかも(笑)。

 さて、ここからは付属のフィギュア。
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 左から少佐、荒巻、自走地雷。1/35の小型フィギュアながら中々よくできています。
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 今回のフィギュアにはちょっと見慣れないゲートが付いていますが、これは成型をよりきれいに行うためのものだと思われます。デザインナイフなどで丁寧に切取って仕上げましょう。
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 う~ん、やっぱり機体とフィギュアが絡むと盛り上がりますね。フィギュアがもっと上手く塗れるように頑張ろう!

 てな按配に一通り素組み状態で眺め回して見ました。うむ、そんなふうに仕上げようかな?
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 まず、ちょっと大変そうなのは各部の細かい鰤分け。このヘキサゴンボルト風の丸いディテールはグレーで塗らなくちゃいけません。
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 塗り分けが必要な丸いディテールは胴体部分にもあります。その他、脚の内側なんかも細かい塗り分けがあるんで、結構手間がかかりそう。

 まあ、元がしっかりしたキットなんで、面出しと塗り分けをしっかりすればイイ感じに仕上がると思うんですが、それだけじゃ物足りないなぁ……。なんて考えてる時が一番楽しいんですけどね。

 てな具合に制作プランを練りながら、今回はここまで。最後は集合写真でお別れです。
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 ということで、今回はここまで。
 次回も、乞御期待!!


(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

詳しくはコトブキヤホームページへ
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