◆新コンテンツ最初のテーマは「ヤスリがけ」

さて、いよいよ始まったMPJ新コンテンツ「技の泉」。早速メールをいただきました。

まずは「コマゾウ」さんからのメール。
「エッジがうまく出せません。400→600→800番と順に処理しているのですが、どうしてもエッジをなめてしまったり、面がゆがんでしまったりします。うまくいくような方法か専用の工具などを紹介していただけるとうれしいです」

続いて、「あさや」さんからのご意見。
「『ヤスリがけ』なのですが、入り組んだ場所など、小さくカットしたヤスリでも対応が難しいと思えるような場所や、カットして後で貼りつけたくない障害物があり、その周りの合わせ目消しをしたい場合など、ヤスった部分とヤスっていない部分で段差ができてしまいます。それを消そうと障害物を避けて先程と90度回転した方向でヤスリをかけるとまた別の段差が……となかなか上手くできない時があります。あとは、どうしてもストロークが稼げない場所のヤスリがけなどはどうしたらいいのでしょうか? 0.3~0.5mm程度の浅い凹みモールドの場合は、プラバンを貼って合わせ目を消すこともできません。
等々、ヤスリがけが難しい部分などのヤスリのかけ方、または逃げ方? など特集していただけるとすごく参考になります」


いきなり難問をいただきましたが、何とかお答えしましょう。MPJ「技の泉」、第一回目のテーマは「ヤスリがけ」です。

◆まずは基本の基本から

最も基本的な疑問として「なぜ模型を作るのにヤスリがけが必要なのか?」ということが挙げられるでしょう。プラスチックモデルの場合、素材や製法の特性として、どうしても「ヒケ」や「パーティングライン」というものが発生してしまいます。これを消すためにヤスリをかけるのが「その1」

   一見平面に見えても、軽くヤスリをかけると平面でないことがわかります。


   ライトとノーズの間にパーティングラインが。スライド金型を使用した場合に起こりやすい現象。


「その2」はパーツ同士の合わせ目を消すためにヤスリをかける場合。

模型というのは何かを模したもの。つまり「本物」があるというのが前提です。本物には無いのに(あるいは無いはずなのに)、模型には合わせ目という「線」が出てしまうのを解消するためにヤスリがけする場合です。

「その3」はパーツの形を変えたり、改造したりした部分をなじませたい場合。

パーツの幅詰や延長、パテを使った成型後に行います。 

これらの作業をするのにどんな道具が必要で、どんなコツがあるのでしょう。編集部だけでは心許ないので線香亭無暗師匠にお話を伺いましょう。

◆ヤスリがけに使う道具

編集部(以下 編):どうも師匠。早速ですがヤスリがけについての質問がこんなに来てるんですけど、どんな道具を使うのかについて教えてください。
線香亭無暗(以下 無):ええと、まず基本は金属製のヤスリですね。これは各社からいろんな種類のものが発売されています。プラモデル専用に作られているものもあれば、一般的なものを流用することもあります。専用のものではタミヤの「クラフトヤスリPRO」がオススメですね。目立てもしっかりしているし、削りカスが溜まりにくいんで作業効率がアップします。それ以外だとこんなもんかな。

編:意外と普通ですね。というかヤスリの種類少なくありませんか?
無:そうかも。変わったところといえば一番上の目立てやすりぐらいかな? そんなに変わってもないか。結構いろんな種類のものを買って使ってみるんだけど、使い心地のいいものだけが残ったって感じかな。それと金ヤスリを使うときの必須アイテムがブラシ。

無:これが無いと作業が中々進まない。金ヤスリはこんなもんかな。

編:あと次のアイテムとしてはサンドペーパーがありますね。
無:そうですね。でも最近はあまり使わないかな。最近は殆んどHiQpartsのサンディングスティックで済ませちゃってることが多い。

無:サンドペーパーを使うときでも、あて木や何かに貼って使うでしょう。これだとその手間がかからないし、暖衝材の硬さがいいんですよ。荒い番手のものは固くて、細かくなるにつれて柔らかくなっている。水研ぎもできるしね。もし購入するのが難しければ、ハレパネ(POPなどを作るときに使うのり付きのスチロールボード)にサンドペーパーを貼るのもいい。結構理想的な柔らかさですよ。
編:硬ければいいというわけではないんですか?
無:ヤスる道具が硬ければ硬いほど一回動かしたときのパーツへの影響が大きくなります。もう、形状なんか関係なくガシガシ削るときは硬いほうがいいんですけど、きれいにエッジを立てたいときや、微妙な形状のものを仕上げたいときには、それなりに柔らかいほうが使いやすいと思います。思いどうりの形状にヤスるための基本は微妙な力加減ですから、ワンストロークしたときの影響が大きければいいというものではないんじゃないかと。ああ、そうだ、忘れちゃいけないのがスポンジヤスリですね。

編:スポンジヤスリはどんなところに使うんですか?
無:局面が多い場所には最適です。今、模型制作室でやっているフェラーリの250GTOのボディなんかは殆んどが曲面ですから、大体これで処理してます。曲面になじみながら削れるので変な角度で削れたり、削り後が残る事がすくない。
編:なるほど。適材適所というわけですね。
無:ホントにそうですね。模型を作るのに絶対必要な道具はそう多くないと思っているんですが、「これがあると非常に便利!!」という道具は多い。用途によってうまく使い分けることが大切だと思いますよ。
編:そろそろページもなくなってきましたので、今回はこの辺という事で。次回は「ヤスリがけ その2」として実際に起こりそうなヤスリがけの問題について解説していただきたいと思います。
無:ご質問でいただいた「入り組んだ場所のヤスリがけ」や「障害物がある場合のヤスリがけ」ですね。「エッジの立て方」も解説しましょう。
編:それでは次回も宜しくお願いします。
無:はい、じゃあこちらも「乞御期待!」で。
編:ありがとうございました。

ヤスリがけ その2へ続く


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