線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 前回の原稿では「なんか時間があるんだよねぇ~」的な余裕をかましてましたら、来ましたよ、超特急作業。しかも他のクライアントさんからも急な特急催促。なんかね、おかしいと思ってたんだ(笑)。だってこんなに余裕あるわけないもん、オレの生活(大笑)。てなわけで、やる時はやるワタクシ線香亭。今回もしっかり模型を作りますよ!
 今回はバンダイ MG 1/100「RX-78-1 プロトタイプガンダム」その2回目。早速張り切ってまいりましょう!!


 前回は素組みで組み終わったところまで進んでました。
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 素組みでもなんとなくイケてる感じがするプロトタイプガンダム。今回は本題に入る前にチョコっと読者サービスから入りましょう。

 前回の記事で「組立は面だししながらやってます」なんて書いたところ、「面だしってなんですか?」と言うフレッシュなご質問をいただきました。普段の記事ではあんまり取り上げない内容なので、ここでご説明しておきましょう。

 「面だし」とは、単純に言えばヤスリなどでパーツの面を均一にしたり、エッジをシャープに成型したりする作業のこと。この作業をすることでプラスチック・インジェクションの宿命ともいえるヒケを解消したり、成型上の都合でダルな印象になっている部分をシャープに見せることができます。ついでにパーティングラインなどの処理もできるので一石二鳥です。また、場合によってはスケール感を演出する手助けになったりもします。「場合によっては」と書いたのはスケール感の演出は単一の条件ではなく、総合的な演出で成り立つものだから。まあ、そのあたりはまた別の話なんで次の機会に譲るとして、このキットの場合、複雑な装甲裏のディテール再現や、ほとんどポリキャップを使用せずプラスチック同士の嵌合で組み立てる仕様のためヒケが出やすい傾向があります。まずはそれを解消してやろうと言うのが第一の目的。
 まあ、能書きばっかり書いててもしょうがないので実際に見ていただきましょう。
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 この写真は向かって左側の脚だけ面だしをした状態。
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 腰前面アーマーもこっち側は何も手を入れていない状態です。こうしてみると「これじゃダメなの?」って感じがするんですが……、
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 反対側の面だしをした状態と比べると、前の写真がダル~っとした感じなのがわかります。こんなふうに小まめに手を加えてやることで、一見素組みでも仕上がったときの全体の印象が変わります。
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 人型の模型を作る時に重要なのが「手」。ここもしっかりパーティングラインを消して面を出しておくと違和感なく豊かな表情が作れます。
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 この「面だし」のテクニックを利用して効果を発揮するのがパーツのシャープ化。写真は股間のVマークですが、向かって左側だけヤスリを当ててシャープに成型してあります。じゃあ、右側を例に挙げてシャープにする際の手順を説明しましょう。
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 まずは平面形状、つまり上面から見た時の形を整えます。写真の赤い矢印の方向にヤスリをかけてパーツを尖らせます。
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 平面形状が出来たら側面形状、今度は横から見た時の形を整えます。上の写真はまだヤスリを当てる前の状態。矢印の方向に削って先っちょの厚みをなくします。そうすると、当然ながら上面に平面ができます。
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 側面形状を整えたことによってできた上面を、上と下から斜めに削って解消するれば、この作業は終了。
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 ガンダムに付き物のアンテナなども同じ手法でシャープに成型できます。慣れてしまえば簡単な作業ですが、ヤスリを操る力加減が重要なポイント。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
 こんなふうに地味な作業は普通紹介しないんですが、実は製作中一番時間をとられるのがこの手の作業。こんな作業の積み重ねが充実した仕上がりの元となるんですね。手先の作業は地道な積み重ねこそが本道(笑)。

 ちゅうことで本題。

 今回の制作に当たって、いろんな資料を見ながらどう料理しようか考えてたんですが、まず最初に気になったのがココ。
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 肩アーマーの部分です。キットではガンダムVer.2.0と同様のパーツを使用していますから、RX-78-2と同じ形をしています。ただこれ、設定画の中には明らかに違う形状のものがあるんですね。
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 そこで引っ張り出してきた旧1/144キットの説明書。これで見ると肩アーマーの形状が明らかに違う。ここは旧キットに敬意を表して、この形状を再現してみよう。
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 具体的にはこんな形状になれば良いわけですね。この形状にするに当たって考えたオレ設定は、RX-78-2の肩アーマーより前後面の面積が多いところから「初期の形状より生産効率がよく、軽量化できる形状に変更された」というもの。よし、これで納得して作業ができる(笑)。
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 これがキットの形状と構造。削りようによってはフレームにも手を加えないといけなそうだ。まあ、色々考えてても出来上がらないので、とりあえず切っちゃえ!
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 切断に使うのはまいどお馴染みハイパーカットソー。潔くスッパリやっちゃいます。
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 カットしたパーツを腕に付けてみました。予想どうり大分短い。
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 目的の形状を作るため切断面を整えて1mmプラバンを貼り付けます。
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 貼り付けたプラバンをカットして大体の形状を整えながら、仮組みを繰り返して形状を作っていきます。今回の場合は切断箇所を広くとりすぎて、結局1mmプラバンの2枚重ねすることになりました。
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 で、出来上がったのがこんな形。形状としてはまずまず。
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 違う角度から。よし、これで良いだろう。
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 ということで反対側も同じように加工、と思ったんですが、反対側のパーツに当ててみたら、こんなに面倒くさいことをしなくても同じ形にできる事が判明しました。ううむ、まあ、よくあることさ。
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 この角度で見ると労力の違いがわかりますな(笑)。最初に作った方はフレームも一部切っちゃったんで新たに嵌合部が作ってあります。まあ、このあたりでメゲないのが模型を完成させるコツだ(と思いたい)。とりあえず肩アーマーが出来上がってよかったじゃないか(とさらに思いたい)。

 さて、次に手を付けるのは各部のボリュームアップ。これはガンダムVer.2.0でもそうなんですが、「ここ、もうちょっとボリュームあったほうがいいんじゃないか?」というところがあちこちにあります。
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 例えば爪先。もうちょっと長い方がいいんじゃない? とか。
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 フクラハギ、いわゆる“ダム”の部分は抜きの関係か、後ろ側が妙に扁平っぽい感じだったり。
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 後頭部はなんか絶壁っぽい。

 このあたりはあくまで主観なんで人それぞれだと思うんですが、このあたりを改修してやるとグッと見栄えがよくなりそうです。
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 じゃあまず爪先の改修から。ここは前方に伸ばしてやりたい感じですね。
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 肩アーマーの反省も活かさないで、いきなりお得意のポリパテを盛りました。もうこのあたり、プラバンで作るとか考えてない(笑)。下に敷いてあるのはペーパーパレット。ポリパテもこの上で練っちゃいます。使用した後は捨ててしまえるのと、パテが硬化した後に剥がす時もくっついてしまうことがないので非常に便利です。
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 パテが硬化したらナイフやヤスリなどで削って形状を整えていきます。最終的には仮組みしながら形状を決めていきます。
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 大体の形状が決まった改修済みパーツ。左はキットのまま。結構長くなりました。
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 脚にくっつけてみましたよ。基本的な形状は設定画を見ながら決めました。
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 別の角度から。前の写真とは印象が違いますね。実はこれが狙い。ガンダムの足の形状は見る角度によって印象が異なるので、それぞれの形状の異なる立体物があるんじゃないかとずっと思ってたもんで、それを再現してみたいなぁ、と。具体的なポイントとしては、決して平面的にならない微妙な三次曲面同志の組み合わせでできている感じ。こういう形状を作るには、やっぱりパテのほうが使い勝手が良いんですね。
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 足の裏のディテールは先端部を削り取って0.3mmプラバンで再生。爪先の延長にあわせて長くしてあります。
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 さて、できた。と思って軽く磨いてたらポロリ穴が空きましたよ。ええ、これはもうポリパテ細工の宿命。ポリパテにできた穴はポリパテで塞げ。

 で、お次は頭。
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 後頭部のボリュームアップのためにポリパテを盛ったところ。真ん中にはさんであるのはペーパーパレットを切ったもの。こうしておけば成型後もパーツ分割が可能です。
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 ポリパテの硬化を待って削り出し。どうでしょう、結構良い感じじゃないですか?
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 後頭部の加工のついでに頬の裏側にポリパテを詰めておきました。これは何のためかと言うと、
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 こんなふうにするため。向かって右側の頬の部分、終端面の角度が変わっているのがわかっていただけますでしょうか? 曲面を描いている頬部分に対してできるだけ直角にしたいなあ、という個人的なコダワリ。なんだかそっちの方がしっくりくる感じがするんですよね。
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 別角度から。ありゃヒサシ部分から繫がる面の角度が変になっちゃってるな。ここは後で修正しておこう。あ、書き忘れましたが爪先、頭部、脹脛のポリパテ作業、パテの盛り付けは一度にやっています。そのほうがパテの無駄も少なく、効率よく作業できますからね。
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 で、残りの脹脛のボリュームアップ。パテの盛り付け時には頭部と同じようにペーパーパレットの切れ端を挟んで作業しました。ボリュームアップはほんのちょっと。ボリュームを増すというよりもラインを整えるような雰囲気です。
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 でまぁ、こういうことはよくあるよね、という状況。後でパテを盛りなおして修正します。こういうところでもメゲないのが――、まあいいや(笑)。
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 で、モノのついで、といっちゃぁなんですが、ふと思いついたのがキットパーツにあるディテールの開口作業。写真の丸で囲ったスリットを開口しようと思います。
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 では開口作業の手順を追っていきましょう。まずは端っこの丸い部分に、ピンバイスで0.5mmの穴を開けます。写真の上側がちょっとずれちゃってますが、これは悪い見本。修正に手間取るパターンですな。修正はリューターやデザインナイフなどで何とかしましたが、皆さんはこういうことの無いように(笑)
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 お次はあいた穴の間を0.5mmのスジボリツールで繋ぎます。写真に写っているのは雲母堂本舗さんのスジボリツール。
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 これを何度の繰り返して溝を深くしていけば、最終的に写真のように穴があきます。形状が不安定な場合は細いヤスリや細かく切ったサンドペーパーなどで修正。こんな手法を使うと、元にディテールのない箇所にも、意外と簡単に穴が開けられます。

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 さて、今回はこの辺で終わりかなぁ、なんて考えながらパーツを見ていたら、どうにも気になる場所を見つけちゃった。
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 それがここ。バックパックのマルイチパーツ、やけに淡白な感じがする。
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 で、何も考えずに削っちゃったはいいが、そこに丁度良いパーツが見当たらない。ううむ、これは次回までに考えよう。

 ということで今回はそろそろ終了。
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 もうこのまま塗装しちゃえばいいんじゃないの? ってな気もしますが、そこはそれ。もう少し楽しんでからフィニッシュしたいと思います。塗装以外の作業で残っていることと言えば、各部のスジボリや、ちょっとした改修って所でしょうか。まあ、その辺も後でよく考えておこう。

 てなところで今回はここまで。
 次回も、乞御期待!!

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