線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 つい先日行われた上井草模型倶楽部の展示会。ワタクシ線香亭も行ってまいりまして、大変楽しませていただきました。この連載をご覧の方は何回か話題にしているんでご存知かとも思いますが、アニメや模型業界関連の同好の氏が集まって、模型を見せ合って楽しもうじゃないか、という趣向の展示会でして、ジャンルも何も関係なく、実に色んな造形物が並んでいて非常に楽しい!

IMGP6904 中でもちょっと嬉しかったのは、先日内々に作らせていただいていたコトブキヤさんのD-STYLE スコープドッグに再会できたこと。最初は何のことやらわからず作ってたんですが、どうやらキット発売のプロモーションとして、業界のいろんな方が作っておられたようで、そのうちのいくつかが展示されていました。そんな中にあった自分の作った模型。いつもショーや店頭展示用の模型を作らせていただくことの多いワタクシとしては、思わぬところで旧友に再会した様な心持でした。どうやら今月発売の模型誌にも載せていただいているようなので、皆さんご覧になったら「ああ、アイツはこんなん作ってたんだなぁ」なんて思っていただければ幸いです。実物は4月26日より秋葉原のコトブキヤさんで、皆さんが作られた作品と一緒に展示されるとのこと。ご縁のある方はぜひご覧下さい。他にも力の入った作品が沢山展示されてますからね! てな按配で、今回も張り切って模型を作りましょう!!


 今回はコトブキヤ 1/35「タチコマWith草薙素子&バトー」その2回目。早速張り切ってまいりましょう!

 前回はランナーチェックから仮組みして、あら、こんなに簡単にできちゃった。というところで終わってました。
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 ここまで組むのにほんの1時間ほど。簡単に組めて充実度の高い「良いキット」の見本みたいなキットです。本当ならこのまま遊び倒して「ああ、面白い!」なんていうのが健全なのかもしれませんが、そこはそれ、モデラーというものは強欲ですから「ここがこうなってたらもっと良いのに」なんてことを考えてしまうんですよね。
 では、今回はその辺を中心にあちこちにチマチマト手を入れていきましょう。

 まず最初に手を付けたのは脚。
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 キットは脚先のタイヤ部分を外側と内側のパーツで挟み込む構造になっています。この部分、非常に合わせが良く、そのまま組んでもほとんど合せ目が気にならないレベルに仕上がっています。ただ、塗装して仕上げるとなるとこの部分の合せ目は消しておきたいところ。
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 そこでタイヤ基部の取り付け部分を赤丸の中のように加工してアトハメを可能にします。
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 アトハメ加工が終わったら接着成型。写真は接着剤が乾いた位のタイミングです。
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 接着剤が乾いたらセッセセッセと表面処理。こういう時に活躍するのがスポンジヤスリ。今回はそれに加えて最近WAVEから発売されたヤスリスティックSOFT-2 (細型) が活躍してくれました。塗装に備えてスジボリやディテールなども彫りなおしておきます。
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 続いてはコア・ユニットの上部ドーム。キットでは前後分割であったものを接着整形しています。
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 実はこの部分、なぜあわせパーツになっているかというと、写真の赤線のように“鏡餅”的なフォルムを再現するためだと思われます。なるほど、こりゃあワンパーツじゃ打てない。せっかく再現されたフォルムですから、しっかり“鏡餅”に見えるように整形しましょう。
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 ここに付くのがボール状のセンサー。前回の記事にも書いたんですが、このパーツ、1回取り付けてしまうと外すのに一苦労します。
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 今回も一度組んでしまったあと、どうしても外れなくなっちゃったので基部パーツの裏側に1.5mmほどの穴を空けて突き出しができるようにしました。この部分ならば組立後に見えることはありませんからね。
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 そうやって外したパーツはしっかりとパーティングラインを消しておきます。ボール状のパーツって結構目立つんですよ。パーティングラインが。
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 前の写真でセンサーのパーツが4個あったのは搭乗ポッドの下部に1個付くため。このセンサーの基部に付属のスタンドを取り付けると写真のように中に浮かせた状態でディスプレイすることができます。
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 その搭乗ポッドの左右と下部にあるのがリキッドワイヤーの発射装置。速乾性の液体を発射してワイヤーのようにし、スパイダーマンの如く空中移動したり目標を拘束したりするのに使用します。
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 キットパーツでは抜きの関係でリキッドの発射口がありません。そこで、左の写真の赤丸の中のように0.6mmの穴を空けておきました。

 さて、続いては腕。ここは今回一番の大仕事になりましたよ。
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 左右で多少の違いはあるのものの、基本的な構造はこんな感じ。まずは接着して合せ目を消します。
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 はい、こんな感じ。スジボリも彫りなおしています。
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 上の写真でもチョロリと見えてますが、関節部の内側が肉抜きにされています。これは埋めておきたいところ。
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 肉抜き穴は丁度3mm程なので、まずは3mmプラ棒を差込んで接着。面位置で切り離しておきます。この部分、全部プラ棒で整形すれば良さそうなもんなんですが、実は肉抜き穴のフチに微妙な平面がありまして、差し込んだプラ棒をそのまま整形したのでは球形にならないんですね。
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 そこで接着したプラ棒の上からエポパテを盛り付けて整形。おおよその形にしたら硬化を待って球状に整形します。
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 パテの硬化待ちの間に碗部を眺めていて、どうしても気になっちゃったのがコチラ。
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 左腕のマニピュレーター。タチコマは左右でマニピュレーターの形が異なってまして、劇中では右側は円筒形の指先に光学機器を備え、中央部にはチェーンガンの発射口があり、左側は上面にアールが付いた形状で先端部内側に滑り止めが付いており、中央からは外部機器接続用のインターフェイスが伸びてくるというふうに描かれています。そうなるとこのハサミみたいな形状は何とかしたいなぁ。ううむ。何とかしたいと思ってるだけじゃなんともならないので、ここは自作だ。
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 ということで、まずはプラ版の切り出し。1mmプラバンを2mm幅で切り出しました。
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 まずは平面形の加工から。ヤスリやリューターなどを使って真横から見た時の形状を作ります。
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 そうしたら上面のアールと厚みを調整。
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 関節部のディテールを加えたら指1本出来上がり。ワタシの場合、こういった作業はほとんどリューターの削り出しで行います。あんまり一般的ではないと思われるので、皆さん挑戦される際はそれぞれが得意な手法で作業してくださいね。
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 一本出来たら瞬着で塗料皿に貼り付け。これ、何をするのかというと……、
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 ここにシリコーンゴムを流し込んで簡易な型取り。これで同じ作業を何回もせずに済むな(笑)。

 シリコーンゴムの硬化待ちの間にマニピュレーターの基部を作っておきましょう。
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 用意したのはWAVEプラパイプ。肉厚の4.5mmと肉薄の6.5mmを欲しい高さに切っておきます。ちなみにキットパーツの取り付けダボは直径2.9mmなので、4.5mmの方の内径はピンバイスで3mmに広げておきました。
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 切り出したパイプを接着すると、丁度ピッタリ写真のように納まります。センターに空いている穴には3mmプラ棒を差し込んで接着。整形します。奇しくもキットパーツとほとんど同じ色ですね。
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 はい、前の写真のパイプを加工したところ。写真左はキットパーツです。ううむ、ちょっと高さを削りすぎたな。
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 ということで、もうひとつ制作。うむ、これならイイだろ。
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 採用になったほうのパーツは先端に真鍮パイプを差込んでインターフェイス部分を再現。指が付く基部は太目のスジボリをしておきます。
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 こんな一連の作業をしている間にシリコンが硬化したかな? と思ってみてみたら、ああーーーー、なんと硬化不良!! よく考えたらコレ、2年くらい置いてあったやつだ。そりゃあ硬化不良も起すはなぁ。
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 ということでシリコンの海に沈んだ自作の指は潔くあきらめて、勢いで3本自作。最初からこうしてりゃ良かった、というのは後の祭りです(笑)。
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 自作の基部に指を接着したらご覧のとおり。うむ、なかなか良いじゃないか(ご満悦)。
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 で、作りなおした左側を見てたら、どうしても寂しく見えてきた右側のマニピュレーター。いっそのことこっちも作っちゃえ。
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 ということで引っ張り出してきた真鍮パイプ。直径は1.3mm、内径は1.13mm。キットパーツの関節までの長さに切り出しました。この真鍮パイプの内径に合ったパイプをもう1本差込んで、それっぽいマニピュレーターを作ろうという魂胆です。
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 はーい出来たっと。中に差込んだ真鍮パイプの曲がりの内側に目立てやすりで切れ込みを入れて曲げた状態にしてあります。取り付けを考えて根元はペンチで平たく潰しました。ちなみに使っている真鍮パイプはWAVEのC-PIPEのNo.3とNo.4。何も考えずとも内径と外形が合うように考えられているので、こういう作業の時は非常に楽チンです。
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 モノのついでにこの指が付く基部も自作。同じく1.3mmの真鍮パイプにプラバンで作ったブロックを差込み、リューターでそれらしく加工しました。
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 前の写真のパーツに指を接着して、右側のマニピュレーターも完成。実は一瞬「あれ、可動させられるんじゃないの?」なんて思ったんですが。前に作ったスコープドッグの可動指の事を思い出して意図なの判断で接着することにしました(笑)。うむ、ちょっといいんじゃない(ご満悦PART 2)。
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 碗部に取り付けたところちょっとガタ付いたので、ひとまわり径の大きい真鍮線を埋め込んで差込みできるようにしました。これで差替えも回転可動もできる。
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 ボディに付けてみました。ありゃ右手の指がちょっと長いか? まあいいや、それは後で調節しよう。

 で、まあ、こんな作業の間に、外装のパーツはこんな感じになっております。
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 キュッキュキュッキュ磨き倒しております。まだちゃんとした仕上げは決めてないんですが、やっぱりタチコマはテカテカのグロスだろ、ということで下地をしっかりしておこうかと。
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 脚のあたりなんか気持ち良い感じになっております。

 てな感じで、今回はこのあたりまでかなぁ。
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 ということで今回までの成果。大分イイ感じになってきたかな? コレだけ見るともう塗装すれば終りみたいに見えますが、
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 ポッドの中身は全然手付かず。
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 よく考えたら、まだポッドの下にリキッドワイヤーの発射口があったり。まあ、色々と手を入れるところは残ってますな。

 それでは今回はこの辺で。
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 次回も、乞御期待!!

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

詳しくはコトブキヤホームページへ
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