線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 3月に入って暖かくなるかと思いきや急に冷え込んだり大風が吹いたり、果てには名残雪までふるという慌しい天候が続く今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 ワタクシ線香亭はあいも変わらず原稿書きと模型制作に追われる日々を送っているわけですが、ワンジャンルの模型をつくり続けていると、どうしても他のジャンルの模型がつくりたくなってくるんですね。これが模型じゃなくて他のことをやりたくなるんならまだしも、我ながら我が身が少々心配になってくる昨今です。まあ心配してても模型は出来上がらないんで、手は動かしてるんですけどね。なんせ手を動かしてないと不安になるという、器用貧乏の鏡のような性質なもんで。
 さて、今回からは新ネタ。早速張りきって手を動かして参りましょう!!

 それでは今回からのお題発表!
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 はい、タミヤ 1/35MMシリーズ「イギリス陸軍 S.A.Sランドローバー ピンクパンサー」です。

 タミヤMM(=ミリタリーミニチュア)シリーズは言わずと知れた国産ミリタリーモデルのスタンダード・シリーズ。その歴史は非常に古く、たしか1960年代後半に「ドイツ戦車兵セット」が発売されたのが最初だと記憶しています。当時はまだモーターライズの戦車模型が主流だったため、そのアクセサリ的な要素が強かったんですが、シリーズを経るうちに次第にバリエーション豊かなモデルがラインナップされ、モーターライズとは一線を画したディスプレイモデルとして発展してきました。特筆すべきは戦闘車輌やフィギュアだけでなく、多くの非装甲車輌や、土嚢、レンガの壁、ジェリカン、ドラム缶、標識、果ては馬や動物セットに至るまで、非常に多くのアクセサリーをシリーズ化することによりジオラマ制作の楽しみを大きく広げてくれました。

 そんなMMシリーズも現在ではNo.336。今回のお題「イギリス陸軍 S.A.Sランドローバー ピンクパンサー」はNo.76ですから、結構前のキットということになります。

 ご存じない方にとっては「じゃあ、そのS.A.Sってなんなの?」ってことになると思うんですが、これはシンプルに言うとイギリスの特殊部隊「Special Air Service」のこと。世界最高水準の特殊部隊のひとつといわれていて、現在では英国内のテロ対策なども担当しています。名前にはAirと付いていますが空軍ではなく、陸軍に所属する部隊です。
 元々は第二次大戦中の北アフリカで、小規模の小隊で砂漠を走破し、様々な工作を行っていました。その頃のS.A.Sの足であり、生命線ともいえるのがMMシリーズにもなっている「イギリス S.A.S.ジープ」。複水機や重武装のマシンガン、大量のジェリカンやスタックボードなどを小さな車体に満載した姿は、模型的にも大変魅力的なアイテムです。

 第二次大戦終了と共に一旦解散したS.A.Sですが、植民地紛争の激化により再編成され、1970年代には今回のお題のランドローバーを使用するようになりました。
 ブローニング機銃とヴィッカースK機関銃で武装し、低圧タイヤや様々な特殊装備を備えたこの車輌は、車体色の特徴から「ピンクパンサー」と呼ばれ、そのルーツは大戦中に墜落した航空機がピンクに変色していたため、発見しにくかったところからヒントを得たといわれています。とにかく車体色も装備も非常に魅力的なこの車輌。どう料理しようか非常に楽しみです。

 さて、能書きはこれくらいにして、恒例のランナーチェックと参りましょう。
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 はい、これで箱の中身全部! フル可動のキャラクターモデルなんかを見慣れていると、非常にシンプルに見えますが、ところがどっこい、これが中々凝った作りになっています。
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 まずはAランナー。足まわりとシャシー車体のボンネット周りが収まっています。
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 このシャシーのくっ付き方が、なんだかカーモデルっぽくて面白いですね。やっぱりカーモデルも扱うタミヤさんだからでしょうか。
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 続いてBランナー。車体後部の荷台とシートに加えS.A.Sならではの装備品が入るランナーです。
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 スタックボードやネット、カバーシートなど、もうこの辺はヨダレガ出そうな装備ですね。数百キロを走破して特殊任務を行うS.A.Sならではの重装備といえます。
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 太陽の位置を利用して現在地を割り出すサンコンパスやチェーンなども細かくディテーリングされています。
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 さて、続いてはCランナー。タイヤと武装類がメインとなる枠ですね。
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 S.A.S仕様の車輌はとにかく重武装。火力充実です。
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 スコップは2本装備。
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 スモーク・ディスチャージャーは前後に3連装2門すつ装備します。これもまた重装備ですな。左上に写っているのは付属するドライバーのフィギュアの上半身。下半身はどこかというと……、
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 下半身だけAランナーに入っているのでした。
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 もうひとつの楽しみが組立説明書。
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 この解説がまた、いつにもまして充実してます。子供の頃からこれを読むのが楽しみだったんだよなぁ。こうして、しっかりとバックヤードを解説してもらえると模型制作にも力が入るというものです。
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 中面にはS.A.Sならではの特殊装備の解説が載っています。これもまた非常に楽しい。これで用途がわかると作り易いんですよねぇ。

 というわけで制作に入ります。ますはシャーシーまわりから。
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 いつもなら塗装しながらチマチマと組みたてていくのが好みなんですが、今回はちと趣向を変えてとりあえず形を作ってみたいと思います。
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 このキットで面白いのはフロントタイヤが組立後も可動すること。上の写真はフロントアクルスなんですが、非常にシンプルな構造ながらちゃんと可動します。ミリタリーモデルでは珍しい仕様だといえます。
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 そんなこんなでシャシーの下面の組立終り。部品数が抑えられているので、ものの数十分でここまでたどり着きました。ありゃ? マフラーがずいぶん斜めに付いてないか?
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 なんて時に頼りになるのがタミヤの説明書。組立解説の横には工程に沿った形で、補助的な解説や組み付け写真などが掲載されています。ほうなるほど、マフラーはこれで良いんだな、なんて確認ができて大変親切。
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 実はまだ接着していないパーツもあります。これは後から細かい塗り分けを容易にするため。
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 アンダーガードなどは接着してしまうとミッションケースなどが塗りにくいですからね。実はワタクシこのキット、これまで2回くらい作った事がありまして、その時の経験が生きているということですな(笑)。
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 このキット、前輪だけでなくタイヤも可動するようにできています。なかなか意欲的なキットなんですね。
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 ただ、可動のためにタイヤの内側に接着後ができてしまいます。内側で目立たないところなんで、気にならない方はそのままでもいいかと思いますが、写真の赤丸の中ようになってしまうとさすがにちょっと気になるので、後でパテ埋めしておきましょう。
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 てな感じで、車体下部分は組みあがりました。ううむ、塗装しないと組み上がりが早いな。

 じゃあ、お次は車体の上側。
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 今回組んでいて感心したのがシートの取付け方。
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 シートの方にサイドステップと車体の出っ張りが付いていて、組上げることで車内の凹凸が出来上がるようになっています。これ、普通に考えたら出っ張りの上にシートを付けちゃいそうな所ですが、こんなパーツ分割にすることでパーツ数を減らし、なおかつシンプルな型構成になるように考えられているんですね。ううむ、同じキット3回組んでやっと気が付いた。まだまだだな、オレも(笑)。
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 お次はボンネットからタイヤハウス周り。まずは仮組みして組み付け様子を確認します。
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 「おやぁ?」と思ったのはボンネットが付くダッシュボード前面の突き出しピンの後。これ、組立後に見えちゃうんじゃないか?
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 と思ったらボンネットでしっかり隠れるようになってました。良くできとるなぁ。ただ、フロント側のパーツとの合いがあまり良くないため、フェンダーに大きな段差ができてしまいます。ここは上手いこと修正が必要ですね。実車でもフロント側は別パーツになっているので、ラインを繋げてスジボリすれば良さそうです。
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 続いては後部の荷台。ここは細かい細工が必要かな? という予感(あくまで予感ね)があったので、テープによる仮組みとしました。パーツの合いは中々良好です。で、この荷台を載せれば……、
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 なんとなく仮組み完成! まだ車体だけですけどね。
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 ううむ、かわいいな。実はこのピンクパンサー、そのインパクトからか色んなアニメにも登場してます。古くはルパン三世とか、最近では話題のお嬢さん方が戦車で戦うアニメとかね。こうやって装備品が無い状態で見ると非常に可愛いんで、そんな使われ方にも納得しちゃいますな。
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 後ろから見た姿も魅力的。さて、ここから後どうやって仕上げていくのか、それは今後のお楽しみ、というところで今回はここまで。
 実は今回の作例、急に思い立って取り上げさせていただいたため制作プランがまとまってません(オイ!)。色々とアイディアはあるんですが、どうやって作れば一番面白いかな、なんて考えながら作業を進めているところ。はてさて、どんなオチが付くのやら、期待して最期までお付き合い下さい。

 それでは今回はこの辺で。
 次回も、乞御期待!!


詳しくはタミヤホームページへ
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