線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、明けましておめでとうございます。
 2014年より毎週金曜日午前3時の更新から、毎週金曜日15:00の更新となりました、この「やたら模型制作室」。本年も宜しくお願いいたします。
 さて、この年末年始、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 日頃の忙しさで手を付けられなかったキットなんかを作ったりされてますか? ワタクシ線香亭はあいも変わらず年末年始も模型三昧。というより、いつもより忙しく模型を作り続けております。なんせ模型を作りながら新年を迎え、そのまま朝を迎え、体力の限界を感じてひと眠りして、起きたら模型を作っているという、なんだか全然年が変わった感じがしない新年(笑)。まあ、それでも年が変わったことは確からしいので、気分だけは新たに今年もガンガンと模型を作りましょう!

 てなことで、今年の初ネタはこれだっ!!
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 はい、WAVE 装甲騎兵ボトムズ 1/24レジンキャストキット・シリーズ「ラビドリードッグ」! WAVEさんの通販サイトBJで限定で予約販売されたキットです。残念ながら予約は2013年10月28日で終了。手に入れるには中古市場を漁るしかないというキットですが、予約購入された方はちょうど手元に届いているハズ。この年末年始で制作に取り掛かった、なんて方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
 そこで今回はこのキットを購入した方の参考になるように、また、「レジンキャスト・キットってどうやって作んの?」なんて思ってる方のために、このキットを作ってみたいと思います。どうぞ最期までお付き合いのほどを。

 このWAVEの1/24ボトムズ レジンキャスト・キット・シリーズ。基本的には類似のパーツ構成で、多色整形、簡単組立でプラキットでは発売されなかったATを立体化するシリーズです。簡単組立とはいっても、そこはやはりレジンキット。普通のプラモデルを小改造できる位のスキルは必要ですが、決して初心者の方には無理、というほど難しいものではありません。「整形」「接着」「穴あけ」などの基本的なスキルさえあれば組み立てることが可能です。何といってもスゴイのは多色整形の懲りよう。このラビドリードッグも本体2色、関節部、武器などのグレー2色だけでなく、クローのシルバー、各部レンズに2色、果ては付属武器の先端だけに使用される赤褐色まで色違いのレジンで整形されるという徹底ぶりです。何でも塗装派のワタクシとしては若干心苦しいくらい。

 で、このラビドリードッグ、どういう機体かというと、TVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場するAT(アーマード・トルーパー)で、物語終盤の第50話「乱雲」以降に登場。主人公キリコの搭乗機として活躍します。開発系統としてはストライクドッグの後継機として設計された機体で、H級の大型ドッグ系ATとしては最終形態といってもいい完成度を誇ります。またTV版だけでなく、OVA「ビッグバトル」では量産型がメルキア軍に正式採用されています。とにかくTV版キリコ最初で最期の専用機として大変人気の高い機体です。

 ちなみに前にこの連載で取り上げたストライクドッグはこんな感じ。
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 そしてWAVEさんからお借りしたラビドリードッグの完成図はこんな感じ。
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 原型制作は両機ともハタ@モグ工房さんですね。WAVEさんもわかってらっしゃる。

 さて、それではまずパーツチェックと参りましょう。
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 どーん。パーツ数は150超えと多め。まあ、このサイズのフル可動キットとしては表銃的なパーツ数ですが。
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 まずは青いパーツ。ボディのほとんどはこの色のパーツです。テストショットでは随分紫っぽい成形色でしたが、キットではしっかりと修正。劇中のカラーをイメージさせてくれます。
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 これはボディに使われるホワイト部分。ホワイトといっても絶妙に淡いブルーで整形されています。このあたりは写真に出にくいんだよなぁ……。
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 これはグレーの1色目。主に関節部などに使用されるパーツです。
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 脚部サンドトリッパーの造型と抜きはお見事。こんなパーツがよく上手く抜けるもんだなあ。
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 これはハンディ・ソリッドシューターのグレー2色目。多色整形、凝ってますよねぇ。
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 左手のクローはシルバーで整形。ストライクドッグの時はグレー整形でしたから、キット自体が進歩してますね。細かいパーツはセンサーの中に入るディテール・パーツ。クローが2個分あるのは、今回のキットが「デラックス版」であるため。
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 これはWAVEさんからお借りした写真ですが、デラックス版にはベルゼルガ用のライフルと劇中のイメージを再現する破損した腕パーツ、クローが開いた状態をより強烈にイメージさせるエフェクトパーツが付属します。つまり、劇中に登場するシチュエーションを再現できるということになってるわけですね。
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 で、このベルゼルガ用のライフルの先端も成形色違いで再現。もう懲りすぎじゃないですか?(笑)。
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 もうひとつの注目はレンズ部分の半透明パーツ。立体感のあるパーツは半透明のレジンで整形されています。これは非常に新しいチャレンジ。表面の仕上がりはフラットになってるんで、ピカピカのレンズにしたい方はちょっと加工が必要ですね。
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 そしてお馴染みWAVEのポリパーツ類。主に可動部分に使用します。レンズパーツも最初から付属しています。

 もうここまで見ていただければおわかりかと思いますが、このまま組んでしまえば「ラビドリードッグ出来上がり!」ってな仕様ですね。これだけキットの完成度が高いと、プロとしちゃァちょっと扱いにくい(笑)。完成後の仕上がりの差が出にくいんですよねぇ……。という職業モデラー泣かせの好キットです。

 と先に言訳をしたところで早速制作に入りましょう。
 写真はありませんが、いつもの如くレジンウォッシュでパーツを洗浄しながらパーツチェック。よく乾かしたら作業開始です。このキット、離型剤を使っていないので、本当なら必要ない作業なんですが、なんとなくやらないと気分が乗らないもんで。まあ一応念のためということで。
ではまずは頭部から。
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 最初はバイザー部分。まずはパーツについているバリやゲート跡をデザインナイフやヤスリなどで整形します。これはバイザーだけでなく、全ての工程での共通作業。
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 ココでいきなりの小改造。バイザーの両端に付くアンテナパーツの加工です。
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 キットパーツは細かいディテールもよく抜けていて、なかなか魅力的なんですが、いかにせんアンテナシャフトがよれているのが気になります。そこで強度アップを兼ねてアンテナシャフト部分を金属線に差し替えてみようと思います。
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 まずはキットパーツのアンテナシャフトと取り付け軸を切り放します。
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 残った基部パーツに0.6mmピンバイスで穴あけ。貫通させてアンテナシャフトと取り付け軸を一体化させて取り付け強度を稼ぎます。穴あけは0.3mm程度から初めて徐々に太いピンバイスで広げていくときれキレイに開通できます。
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 そこへ0.6mmのピアノ線を差込みました。アンテナシャフトのテーパーは後で付けることにしました。後は必要な長さに切って取り付ければOK。
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 はい、こんな感じ。バイザーの取付け部にも0.6mmの穴を空けておくのをお忘れなく。
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 続いてはメインカメラ部分。ストライクドッグの片側のサブカメラを切取ったような形状です。
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 使用するパーツはこちら。シルバーのディテールパーツと半透明レジンのレンズパーツが新機軸です。
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 まずはレンズ底面のディテールパーツを取付け。
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 そこにレンズパーツを取付けるわけですが、この部分。まずは大体のサイズに切り出しておいて……、
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 その後にしっかりと整形するのが良い手です。
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 で、先ほどのディテールの上に貼り付ければ出来上がり。ううむ、簡単に、あっけなくできてしまった。こういうところが職業モデラー泣かせなんだよなぁ(笑)。
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 ちなみに後頭部のカメラも、同じようにシルバーのディテールパーツを取付けた後にレンズパーツを取付ける仕様となっています。細かい塗り分けに苦労する必要がないわけですね。このあたりのパーツの取付けは塗装後にしたほうが良さそうなので、塗装派の方は注意してください。
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 で、このカメラ部分のパーツをバイザーに取付けるわけですが、カメラパーツ裏面の取り付けダボには注型用のガイドが付いています。これもしっかり取り除いておかないと、しっかり取付けできませんから、ここもご注意を。
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 さて、そんな感じであっけなく頭部の仮組み出来上がり。メインカメラ部分のガードも、塗り分けてから接着した方が良さそうなので、まだ接着していません。

 さて、続いては上半身。
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 まずはキットのままのパーツ。もうこのまま組んじゃっていいんじゃないの? というシャープな状態です。
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 上半身の中は中空。ここが結構重要で、中身がムクだったりすると組上げた後で“上半身がクルッ!”ということがおこります。
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 こっちは頭部の裏側と頭のベースになるパーツ。中央に穴が空いているのは頭部回転用のシャフトを取付けるため。
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 で、このベースになるパーツを接着しようとしたんですが、上手く止まらない。これ、色々調べてみたところ、パーツが歪んでいるというよりも、若干ヒケていて上手く密着してないのが原因だということがわかりました。
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 そこで一計。こんなふうに接着面に3mmの穴を開けます。
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 で、とりあえず接着するパーツを丁度良い位置に取り付けたら、
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 あけた穴から低粘度の瞬間接着剤を流し込みます。
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 はい、この方法でしっかり接着できました。この方法、レジンキットに限らず、似たような構造の接着には使える手ですんで、覚えておくと良いかもしれません。
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 しっかりと接着したら中央に2.9mmの穴を空けておきます。
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 頭部取付けに使うのは付属のポリパーツ「PC-03」のランナー。写真の赤で囲った部分のランナーが3mmなので、この部分を切り取って使用します。
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 接着に使用するのはSUPER X2のクリア。接着しにくい異なる素材同士でも強力に接着してくれるスグレモノです。
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 はい、こんな感じで接着。この接着剤は硬化時間がかかるのでじっくり待ちましょう。
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 他にもこんな場所の接着にもSUPER X2を使っています。まあ、強度が必要な所はこっちの方が安心ということですな。

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 続いてはドッグ系ATの泣き所、腹部の取っ手。この部分完成後に破損しやすい箇所No.1なんですよね。いつもはアッサリ真鍮線で置き換えたりするんですが、今回はちょっと違った手法で補強しようと思います。
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 まずは取っ手のダボを切取って、1mmピンバイスで穴を開けます。こういうところも細い穴から何段階かに分けて目的のサイズに広げていくと、キレイに仕上がりやすいと思います。
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 ここで登場するのはWAVEのC-LINE No.1。まあ、1mmの真鍮線なんですけどね。少量で複数のサイズを揃えるには便利なシリーズです。
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 この1mm真鍮線をキットパーツに差込んで角度を付ければ補強完了。
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 取付け部の穴も1mmピンバイスで深くしておいて瞬間接着剤で接着します。

 じゃあここまで出来上がったパーツを組んでみましょう。
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 はい、ほとんどストレス無く組みあがりました。ホントに優秀だな、このキット。

 てなところで今回はそろそろここまで。次回からもバリバリ模型を作りますんで本年も宜しくお願いしますね。
 あ、そうそう、2014年からは金曜の午後3時更新になりましたんで、時間をお間違いないように。

 というところで、今回はここまで。
 次回も、乞御期待!!

 

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