線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、今回は1週間以上のご無沙汰しちゃいました。
 実はサーバ的なトラブルでデータの更新ができない状態になっておりまして、ここに来てようやく回復。無事新しい記事が公開可能となりました。記事をお待ちいただいていた方々、申し訳ありませんでした。でもここからは更新できますからね(たぶん)。忙しい年末に向けてしっかり模型を作りますよ。どうぞ御期待いただいてご覧いただければと思います。というわけで久しぶりの更新となった「やたら模型制作室」、早速張り切ってまいりましょう!!

 今回はハセガワ 1/32「川西 N1K2-J 局地戦闘機 紫電改」その3回目。ちょっと時間があいちゃったので前回の作業を確認しておきましょう。
a_064
 まず1回目ではランナーチェックなどをした後に機体全体を組上げるところまでいってました。
b_042b_043
 2回目はコクピットを塗装して仕上げたりパイロットを塗ったり。それからランディングアまわりなどの小物パーツを組んだりもしました。しかし下手だなフィギュアの塗装(笑)。

 ということで今回最初の作業はフィギュアの顔の塗りなおしから。
c_001c_002
 全体はほとんど前のまま。細かい所の塗り分けなどを追加しただけです。
c_003
 顔はこんなふうになりました。ううむ、下手だけど前よりましだな。

 続いてはこのキット最大のディテールアップポイント、と勝手に決めたエンジン部分に取り掛かります。
c_004
 まず最初のディテールアップはシリンダー上部のリンケージ(と思われる)シャフトの追加。
c_005
 シリンダーの上部、吸気側と排気側を繋いでいるシャフトがあるんですが、キットではこれが再現されていません。そこで写真の赤丸の部分に0.5mmの穴を開け、ちょうどいい長さに曲げた0.5mm真鍮線(写真右に写っているやつね)を取り付けます。紫電改に搭載された「誉」エンジンは9気筒星形のシリンダーをタンデムにした形、つまり18気筒。全部にこの加工をすると結構シンドイ(笑)。
c_006
 そして次に手を付けたのは排気管の加工。本来なら前側のシリンダー排気ポートに繋がっている排気管は途中で途切れた形状になっています。これは組立の容易さを優先した設計になっているためだと思われます。繋げるとしたら写真の赤線のような形状にする必要がありますからね。それじゃあキットのように後からまとめてはめ込むなんてことはできません。このあたりは考えようで、最終的にはエンジンカウルで隠れてしまうのでこれでいいや、ってふうにも考えられますし、やっぱり繋げたいよねぇ、って考え方もある。そのあたりは作る方それぞれのこだわりで再現するのが大人の模型制作。
c_007
 で、今回の作例ではどうするの? と問われればやるでしょ、やっぱり(笑)。
c_008
 途切れていた排気管の端っこに熱を当てて曲げた2mmプラ棒を接着し、それらしい形に加工しました。実はこれも結構根気のいる作業。延長部分は基本的に同じ形なので一本作って複製した方が早いかもしれない。今回は全部手作業でやっちゃったケド。
c_009
 問題は延長した排気管の取付けです。キットパーツのように後からスポッっと取り付けられなくなっちゃいます。
c_010c_011
 しばらく悩んだ後に潔く延長する排気管を切断。最初にベースになる円を半分にしたのは排気管の切り取りを容易にするため。「こんなことしてちゃんと組みあがるのかよ?」と思った方。はい、ワタシもそう思いました(笑)。
c_012c_013
 そこで若干工夫を凝らしまして、切り取る排気管の基部にあらかじめ0.5mmの穴を開けておきました。その後切り取ったパーツの底にあいた穴に0.5mm真鍮線を差込めば、とりあえず取り付け目安と接着後の補強にはなるかと。
c_020
 問題は取り付けの位置、というか順番。実は相当わかんなくなっちゃって、自分で撮ったパーツの写真を見ながら組上げるという作業になりました。まったく、なにやってんだか(笑)。でも個人的には相当満足。
c_014c_015
 排気をやったら吸気側もやらないと、ということで吸気ポートのパーツを加工。1本飛ばしに切放します。あ、同じ加工をする場合、この部分のパーツの組みつけに位置に注意してください。切り取るのは前方のシリンダーにくっ付く方ですからね。前方と後方、どちらに付くポートも同じ形ですから間違えないようにしないと大変面倒なことになります。
c_017c_016
 切り取った前方シリンダー用の吸気ポートは1.5mmアルミ線で制作。実はキットパーツの吸気管よりほんのちょっと細いんですが、曲げやすくて固定も楽なアルミ線でぴったりのサイズが見つからなかったんです。
c_018
 これが組みあがり。まあ、これくらいなら妥協範囲でしょう。ということで吸排気とも管の延長は終了。

 続いてはプラグコードの追加。
c_019
 誉エンジンは前方に付く円形の部品からプラグコードが出ているのが特徴。プラグコードを取り付ける基部を加工する必要があります。キットパーツに直接穴を開けてもいいんですが、今回は0.7mmの真鍮管を埋め込むことにしました。キットパーツの出っ張り部分全てに0.7mmの真鍮管を埋め込み終わってから飛び出している真鍮管の部分の長さをヤスリで同じ高さに加工しました。
c_021
 基部の加工が終わったら仮組みして0.8mmの細いリード線を取り付けます。あ、仮組みする前にエンジン部分の塗装を終えておいたほうが良かろうと思ってシリンダーはグロスブラックに、プッシュロッドはシルバーで、プラグコードのリングは明灰色にチョコッと紫を足した色で塗りました。
c_022c_023
 取り付けたリード線をシリンダーに空けた穴に全て差込んだらプラグコードは終了。プラグコードの配置は手元の古い資料を参考にしているんで、もしかしたら違うかもしれませんが、海外の博物館に展示されている誉エンジンの写真と見比べても違いはないようだったので、まあこれでいいんじゃないかと。
c_025
 で、ここら辺でエンジンのディテールアップは終了。まだ排気管が付いてませんけど。いやー約5日間、エンジンばっかりいじってました。最近、どうもヤリスギな病が出て困ります(笑)。

 さて、エンジンが終わったら機体のほうも進めておかないと。
c_026
 ということで、まずは加工を終えた機体パーツにガイアノーツのサーフェイサーエヴォ シルバーを吹いてみました。今回の下地にはシルバーを使おうと思っているので、まずはシルバーで、というわけです。
c_027
 サフを吹いてみるとやっぱりあるんですね。上手く加工できていないところが。特に後端の接続部に段差が出ています。
c_028c_029
 そこでもう一度、徹底的に合せ目修正。この時代の機体は表面が結構ベコベコだったりするので、それほど神経質にならなくてもいいかな? とも思いますが、こういう直線的な接続部などはやっぱり目立ちますから、しっかりと加工しておいたほうがいいでしょう。
c_030
 なんて、調子に乗ってガシガシやってたらやっちまいましたよ。写真の赤で囲った部分、凸のディテールがあったんですが、思わず削っちゃった。
c_031
 仕方がないので0.3mmプラバンを貼り付けて再生。厚みは接着後にヤスリをかけて調整しました。ほらもう、すぐ調子に乗るから……。
c_033
 そんなふうに機体の加工を終えたらもう一度サフ吹き。各所のチェックを終えたら今度はEx-シルバーを塗ります。「なんでシルバーの上にわざわざシルバーを塗るんだ?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、シルバーのサフとEx-シルバーでは銀の粒子の細かさが違うんです。まあ、サフの方は普通のグレーでもいいんですけどね。シルバーサフの方が実機製作中の気分が出ていい感じなんで(笑)。
c_032
 合せ目もしっかり消えております。ヨカッタヨカッタ。あ、ちなみに今回下地にシルバーを塗ったのは実機の紫電改の機体下面もシルバーだったから。これは終戦間近で塗料用の物資も不足していたため、下面に塗る塗料を省略していたためと言われています。このほかジンクロメイト(サビ止)も不足していたらしく、いわゆる青竹色と言われる部分も機体色などで塗られていたり、金属地むき出しだったりします。なんだか身につまされる話ではありますが、これもこの時期の戦闘機の魅力のひとつなんですね。

 で、シルバーが乾く間に他のパーツもチョイと追加加工。
c_034
 まずは前輪のタイヤ。キットでは機体重量によるヘコミが再現されていませんが、ヤスリで加工して再現しました。
c_035
 続いては前輪主脚のリンケージのパーツ。
c_036
 仮組みしてみるとわかるんですがスプリング状のパーツの端っこが宙ぶらりん。これは何とかしたいところなんですが、この部分の詳細な資料が無い! つまりどうやってくっ付いてるのかわかりません。
c_037
 わからないならば、わからないなりにそれっぽく。ということでWAVEのRリベット角の登場。
c_038
 こんな感じにくっ付けてみました。なんかちょっと違う感じもするけど、宙ぶらりんよりはよかろう。

 このあたりで下地のシルバーも乾いたのでその他の塗料の準備などを始めましょう。
c_042
 ますは機体上面のメインとなる緑色から。ベースにしたのはガイアノーツの「緑色」。これは戦争当時に各工場に支給された塗装資料から忠実に塗装色を再現したというスグレモノ。ただし現在は入手困難な塗料なので再販を強く希望したいところ。こういう塗料があると楽しいんですよね。大戦機を作るのが。で、この緑色はいわゆる「三菱系」といわれる零戦などに使用された色。紫電改は川西航空機ですから、いわゆる「川西系」といわれる緑を作らなくちゃいけません。
c_041
 今回調色したのはこんな感じの色です。ガイアノーツの緑色をベースにEx-ホワイトと純色シアンを混ぜてみました。
c_043
 元の緑と比べるとこれくらいの差があります。本来なら軍指定の緑ですから同じ色になるはずなんですが、それでも違いが出るというのが実に興味深いですね。だれが作っても同じ色にならない「ガンダムの青」と同じ。この色の差の元となったのは戦後米軍に接収されていた機体を比較した所から始まっているということで、有名な所では国内から接収された零戦52型の「三菱系」グリーンと、戦後日本に返還された川西の二式大艇の「川西系」グリーンの比較などが挙げられます。
 ちなみに紫電改は戦後米軍によって接収、飛行テストが行われ、高品質の燃料とオイルを使用したことにより非常に高い性能を発揮、米軍側を驚かせるたという記録が残っています。このテスト時の紫電はグリーンの機体に米軍のマークが描かれています。そんなバージョンで作ってみるのも面白いかもしれませんね。
 あ、ちなみにこの紫電改の発売にあわせてGSIクレオスから川西系の専用カラーも発売されています。改めて塗料を購入する方は候補に入れてもいいかもしれませんね。

 で、塗装の続き。
c_044
 お次に登場するのはガイアノーツの緑灰色。これも緑色と同様、当時の指示書から色味を忠実に再現したというもの。あまりにイメージと違うため発売当時には物議をかもしたという曰くつきの塗料。かなり緑っぽい灰色ですが、当時の緑色の塗料の褪色の速さを考えると納得できる感じがします。
c_045
 で、この色はドロップタンクにそのまま使用。紫電改は機体下面こそシルバーですがドロップタンクは緑灰色で塗られていたようです。資料として明確なものはありませんが、他の機体との流用も考えられていたため別工程で製造されていたんでしょうね。

 で、こんなことをやっている間にふと気になったところが。
c_046
 それはコクピット後方のアンテナ主柱。形状的に問題はありませんが、これ、持ち運びする時に絶対折れそうだなぁ。
c_047
 そこで一念発起。金属パーツに差し替えることにしました。といっても専用パーツを使うわけではなく自作。ますは2mm真鍮線を平たく削ります。
c_048
 厚さの加工を終えたらブレード状に加工。大体の形状を作っておきます。
c_049
 根元のふくらみとアンテナ線の取り付けガイドは半田をパテ代わりに盛り付けて加工。
c_050
 ヤスリを使って元パーツを見ながら慎重に形状を整えていきます。最終的にアンテナ線のガイドに穴を空けて完成。手元の資料を参考に主柱の中央部にもガイドを追加しました。これでアンテナ完成。

 てなところで今回はそろそろ時間切れ。いやー楽しい。やっぱり好きだなぁ、この時代の戦闘機。盛り上がりすぎて作業量が増大してますが、全然気にならない(笑)。とはいえ、いつまでも完成しないんじゃ話しになりませんから、次回、塗装を終えて完成させたいと思います。

 それではそろそろこの辺で。
 次回も、乞御期待!!

詳しくはハセガワホームページへ
<前の記事へ ◆ 後の記事へ>


Leave a Reply

CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.