線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 世間ではお盆休みの真っ最中。この記事も行楽先や帰郷先でご覧いただいている方もいらっしゃるかもしれません。ワタクシ線香亭は特段普段と変わらず、というかちょっとしたイベントなんかに出させていただいたりして、普段よりやや急がしめな毎日を送っております。加えて夏休み前の駆け込み需要とでも申しましょうか、「休み明けまでにやっておいてください」てきなお仕事も何本かいただいたりして、毎年の如く「お盆休み? なにそれ食べられんの??」的な状況であります。まあ、これこそフリーの醍醐味。お仕事はいつでも歓迎なんで文句はございません。

 というわけで連日猛暑の続く中、今回はバンダイ 1/1000「ガミラス艦セット」2その4回目にして完成編。張り切ってまいりましょう!!

 さて、前回はガイデロール級に続きクリピテラ級一隻の工作も済んで、残りはクリピテラ級一隻と塗装を残すのみとなっていました。
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 今回の作業はまず残った一隻のクリピテラ級の工作から始めましょう。
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 前回で仕上げたクリピテラ級は、これまで作ってきたガミラス艦艇やガイデロール級と同様、100均で買ったレインボーライトなるものの基盤を利用して可変する電飾を仕込んでみました。で、ここでちょっと考えたワタクシ線香亭。同じクリピテラ級が2隻付いている「ガミラス艦セット2」ですから、全く同じ仕上げで2隻というのも芸がない。何か違うことはできないものか?
 そこでふと思ったのは「もうちょっと簡単に電飾ができないものか?」ということ。100均レインボーライトを使った電飾はひとつのスイッチで色が切り替わる上、順繰りに電飾が可変するという機能もあったりして面白さは満点なんですが、やっぱり組み込みに手間がかかるのと、このレインボーライトが手元に無いと再現しにくいというのがデメリット。じゃあ、手に入りやすいパーツを使って、なるべく簡易に電飾をしてみようじゃないかと思い立ちました。
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 そこでキットの中身を眺めながら、新たに考えた仕様はこんな感じ。
1)基本的には基板やICは使わず、シンプルにLEDとスイッチのみで電飾する。
2)でもそれじゃあちょっと寂しいので、スイッチの切り替えで通常運行時のライトグリーンとオレンジ  +赤の発光を再現する。

 というもの。
 そうと決まればまずはお馴染み電飾を入れるスペースの確保です。
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 まずは先端に挟み込む仕様のトンガリの中身を切放し。これは前回のクリピテラ旧の時と同じ作業ですね。こうすることで最小のLEDで左右の目玉を光らせることができるのと、アトハメができるという改造。この部分だけ色が違うので、塗装後に組みつけられるようにしておくと便利がいいんですね。
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 船体の方は基板を入れない仕様なので主にLEDが収まる先端部分のスペースを確保します。もうこの辺はすっかり手馴れた作業(笑)。
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 あ、前回書き忘れちゃったんですが、この目玉の中側の見えにくい部分にパーティングラインがありますから、気になる方はしっかり処理しておいてください。まあ、ほとんど目立たないところなんでそのままでも特に問題はないんですが。
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 先端部分の処理が終わったら、内部をブラック→シルバーで塗っておき、そこへ先端部分をクリアーレッドに塗った透明パーツを接着。これも前回のクリピテラ級と同様の加工です。このほか船体後部の電池ボックスを収納する部分なども前回と同様に加工しています。そのあたりは前回の記事を参考にしてください。

 で、ちょっと違うのがここから先。
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 電飾部分です。LEDはグリーンとレッドとイエローの3つ。スイッチが2つ付いているのは電源のON/OFFとグリーン→イエロー+レッドの切り替え用。本当なら2回路で3ポジションのスイッチがあればひとつで足りるんですが、探してみてもぴったりのものがないのでこんな仕組みにしてみました。
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 で、点等テスト。まずはON/OFFスイッチでグリーンが点等。
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 切り替えスイッチでイエロー+レッドに切り替え。これなら普通に販売されている電子パーツを使って作れますね。
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 じゃあ早速組み込み。これも基本的には前回の時期と同様。
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 前回の工作と違って基盤がない分、そのスペースにスイッチを取り付けることにしました。スイッチのON/OFFは船底のパーツを取り外して行います。じゃあ早速点等テスト。
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 よしよし、ちゃんと光っとる。
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 表側から見るとこんな感じ。問題なく、というよりも基盤を使用したバージョンよりもしっかり光ってます。光量を確保するにはこっちの電飾のほうがいいかもしれませんね。
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 後は船体の左右のパーツを接着してそれぞれのパーツを前回の工作に習って加工。これでクリピテラ級2隻の出来上がり、というわけ。
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 それぞれ仕様は違ってもしっかりと目玉が点等。こういうのは作っていて結構気持ちがいいなぁ(笑)。

 それじゃあお次はいよいよ塗装だ! ということでガイデロール級、クリピテラ級ともクリアーパーツ部分はしっかりとマスキングしておきます。
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 ガイデロール級は船底と上部の塗装色が違うのであらかじめバラしておきます。
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 で、まず最初に塗るのはガイアノーツのブルーイッシュブラック。元々はカーモデル用の色なんですが、非常に良い紺色なのでいろんなものの塗装に流用が可能です。
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 これが塗料皿に出してみたところ。写真だとほとんど黒に見えちゃうんですが、肉眼で見るとしっかりと紺色なんですね。このあたりが良い感じ。
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 まずこれを暗いグリーンの下地としてエアブラシでベタ塗りします。
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 ガイデロール級の船底は黄緑色なので、その部分はEX-ホワイトを混ぜて明度を上げたブルーイッシュブラックで塗装。これが下地色となります。

 じゃあ、この「下地色」について、いくつかご質問をいただいているんで、ちょっと書いておきましょうか。

 まず、下地に仕上がりと違う色を塗るのはどういう意味があるのかということなんですが、その理由はいくつかあります。
 まずはグラデーション塗装をする場合の下地として使うという場合。最もよく見るグラデーションだと、同系統の明るい色と暗い色といった選択が多いように思います。この場合は単純に「明度差によるグラデーション」ということになります。対して下地に違う系統の色を持ってくる場合は「色相差によるグラデーション」となり、ちょっと複雑で面白い効果が出ます。加えて当然明度差もありますから、実際には「明度+色相差によるグラデーション」となるわけですね。
 それからもうひとつ、こういったエアブラシによる塗装の場合、塗装膜はミクロン単位の厚さになりますから当然下地の影響を受けます。これは実験してみるとよくわかるんですが、何も塗らない白い部分と下地色塗った板の上に同じように塗料を重ねると、やっぱり仕上がりの色が違うんですね。これを上手く利用して深みのある色を表現してみようということなんです。もちろんこの効果は塗り重ねる塗装膜の厚さによって変わってきますから、どれ位の暑さで塗料を乗せるというコントロールが必要になってきます。また、似たような手法でクリアー系の塗料を吹き重ねることで色相や彩度のコントロールをする、なんていう手法もあります。こういう作業をすることで質感が変わったり、仕上がりの表情が豊かになる、なんていう効果があります。広義の意味で言えばAFVのフィルタリングなんていう手法もこういう効果をねらっているんですね。
 オマケにちょっと解説しておくと、今回の塗装のメインとなる「グリーン」は色相的にブルーとイエローの間にある色です。この“間にある”というのがポイントで、ブルー寄りのグリーンは落ち着いた硬質なイメージとなり、イエローに寄ったグリーンはどぎつい感じのグリーとなります。こんなふうに同じグリーンでもアレンジによっていろんな表情があるのでイメージによって使い分けると面白いんじゃないかと思います。今回の仕上げはエアブラシを使って両方の系統のグリーンを同居させようという魂胆。はてさて上手くいきますやら。
 どうでしょう、下地色の意味、なんとなくおわかりいただけましたでしょうか? とにかくこの手の手法は自分でやってみて効果を確かめるのが一番。興味のある方はぜひ試してみてください。やってみると中々奥が深くて面白いですよ!

 閑話休題。

 それじゃあ作業に戻りましょうか。
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 下地色の塗装が終わったら次に塗るのは船体のグリーン。ダークグリーンを基本にビリジアングリーンオリーブグリーンを加えたもの。これを控えめなグラデーションで重ねてみたのが次の写真。
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 なんだか随分青っぽく写っていますが、これもまた色を重ねて塗るという塗装法の効果のひとつ。フラッシュの強い光で撮影しているために下地の色が反応しているんですね。
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 アップで見るとこんな色。船底の明るいグリーンはストーングリーンをベースにEx-ホワイト、サンシャインイエローを足した色で塗りました。
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 クリピテラ級はこんな感じ。手前は下地のブルーイッシュブラックのまま、後ろ側のほうはガイデロール級のグリーンと同じ色を重ねたもの。手前のほうは親衛隊仕様みたいな感じですね。あ、このあと手前のヤツもグリーンを重ねました。一応念のため。
で、ビックリしちゃったのはこの色。
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 はいガイデロール級のオレンジ色の部分。これ説明書の塗装師弟を見たらゴールドとオレンジイエロー半々という指定になってます。そうなんですね、この部分、実はゴールドだったんですね。で、今回はスターブライトゴールド橙黄色(とうこうしょく)、サンシャインイエローを足して作りました。
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 で、塗ってみたのが上の写真。なんかね、劇中に出てきたときからプロクソンズのリューターみたいな色だなぁと、密かに思ってたんですけど、塗ってみたらホントにそんなイメージ(笑)。
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 アップで見るとこんな感じ。今回はこの段階でスミイレを行っています。これはトップコートにフラットクリアーを塗る前のほうがスミイレも拭き取りも楽だから。

 で、ここからがちょっと面白いグラデーション。
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 スミイレの拭き取りを行った後にクリアーイエローを部分的に重ねてみました。
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 これは先ほど書いた「色相が違う色のグラデーション」を実践してみたの図。
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 それぞれにみるとやけに彩度が高い、“生っぽい”色に見えますが、このあとに全体にフラットクリアーを吹くと落ち着いた色味になるはず。各部の魚雷発射管は筆塗りで。発射管の溝の暗いグリーンはアネスト岩田のカスタムマイクロンを使って超細吹き、ノンマスクで塗りました。さあ、このあとフラットクリアーを重ねた状態はどんなふうになるのか、はギャラリーでお楽しみください。

 さて、今回のバンダイ「1/1000 ガミラス艦セット 2」いかがだったでしょうか? 今回はただ電飾だけの加工というのではなく、大味になりがちな大スケール戦艦を塗装でどう見せるか?! にこだわってみました。都合のよいことに大型のガイデロール級と小型艦のクリピテラ級のセットとなっていますから、余計に面白い効果が出たのでは、と自画自賛しております(笑)。

 それでは今回のお題も無事完成。次回は何を作ろうかな?ってところで、
 お後がよろしいようで。

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会


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