線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 最近、妙に寒い日が続いたり急に暑くなったり、それでなくても朝晩と日中の気温差が激しいのに、よる年波には意外と厳しい季節です。そのせいかどうか、最近同年代の知り合いで「ぎっくり腰」を患ってる人が非常に多い。「なんだキミたちは。運動不足だよ。ハッハッハッ!」なんて笑ってたら、つい昨日「ぎっくり肩甲骨」になりました(笑)。ほんのちょっと高い所にあるものを取ろうとしただけなのに、この体たらく。肩が痛くてしょうがない。調べてみたらやはりこの季節はぎっくり腰なんかが多いそうなので、皆さんもお気をつけて。なんて年寄りくさい話はおいといて、しっかり模型を作りましょう。

 さて、今回はファインモールド 『1/35「ガールズ&パンツァー」アヒルさんチーム 八九式中戦車甲型』 その2回目、早速張り切ってまいりましょう!!

 前回で車体、砲塔ともほぼ組みあがった八九式。
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 今回は足まわりの作成から始めましょう。
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 これが足まわりに使用するパーツ。「戦車は面倒派」の方にとっては最大の難関といわれる部分。同一形状のパーツの成形や組み付けなど、同じ作業を繰り返す事が多いのでそう思われがちなんですが、やってみると意外と簡単にできるもんです。
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 まず手を付けたのは上部転輪の基部パーツ。パーツにヒケが見られたので溶剤系のパテ、いわゆる“プラパテ”で修正します。ヒケが出ている部分は組み付け後に下側になる所なので、気にならない方はそのままでもいいんじゃないかと思います。最近“乾きが遅いのでプラパテは一切使わない”なんて方もいらっしゃるんですが、できる限り薄く盛り付ければそれほど長い硬化時間は要りません。考えようによってはちょいとチューブから出してチョチョイと使える便利なパテなんで、上手く使って効率よく作業を進めます。
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 続いては動輪が付く部分の突き出し穴の処理。ここも完成後にはほとんど見えなくなるところなので、気にならない方はそのままでもOKです。
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 そんなことをやっている間に先ほどのパテも硬化したのでヤスリで成形して接着。
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 このパーツの接着時に注意しておきたいのは「きちんと垂直に接着する」こと。実際の戦車でも、このあたりにダメージを食らって角度が狂うと離帯が外れる原因となるそうなので、写真のような角度から見て、しっかりチェックしながら接着してください。
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 上側がすんだら今度は下側。サスペションと転輪を組みます。1ブロックで全13パーツという構成なので、面倒くさがりの方にとっては最大の難関かもしれませんね。でも組んでいると「この時代の戦車としては結構凝った構造だったんだなぁ」なんて感心したりして、実車に触れているような満足感が得られます。これも模型制作の大きな楽しみのひとつなんですね。今回の制作に当たってはサスペションのパーティングラインをしっかりと処理していますが、完成後にはほとんど隠れてしまうのであんまり一所懸命処理しなくても大丈夫です。え、じゃあなんでオマエは一所懸命パーティングライン消したのかって? それは「処理しておかないと個人的に落ち着かないから」です(笑)。
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 サスペションに付く転輪はゲートをギリギリまで切取っておいて、接着後に紙ヤスリなどで処理するとラクチンに仕上がります。こういった小さいパーツは“手で持って処理する”こと自体が大変なので、固定してしまってからの方が安定して作業がしやすいんですね。
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 で、足まわりの作業をすること数時間。こんな状態に仕上がりました。思っていたよりはるかに簡単に仕上がりました。
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 こちらは別角度から。この八九式、前から見た時の印象と比較して後から見た時の「ナガァーイ」感じが特徴的。これ、スキッドが付いているせいなんですけどね。非常に面白い形です。
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 足まわりが組みあがったのでキット付属の履帯を取り付けてみました。普通のプラ用の接着剤で接着可能な軟質素材でできているので、取り付け後に転輪や動輪に馴染ませる形で接着すれば「履帯のたるみ」が表現できます。この“たるみ”の表現、昔から多くの戦車モデラーが苦心してきた「戦車の足まわりの魅力」のひとつなので実車の写真などを参考にしながら慎重に調整するといいでしょう。

 でもね――

 このまま組んじゃうと模型仲間から「ふうん、普通じゃん」攻撃をくらいそう。そこで今回はオプションとしてこんなパーツを用意しました。
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 はい、モデルカステンの「SK-71 1/35 89式中戦車用履帯」。模型歴の浅い方などから「別売りの履帯に挑戦してみたいけどハードルが高くて……」なんてお話も聞いたので、今回投入してみることにしました。
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 そして箱を開けたときはいつもながら「うっ!」ってなります(笑)。このモデルカステンの八九用履帯は一台分、全部で164枚のピースで構成されます。ランナー1枚で1ピースなので、要は164枚ランナーが入ってるって事ですね。いつもながら量に圧倒されちゃいます(笑)。定価は¥2,625-。たしかにお試しで買うにはちょっと勇気のいる値段かもしれません。ただ他の中型戦車に比べれば履帯の枚数もお値段も大分控えめ。購入を迷っている方はこの記事を見て検討してみてくださいね。
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 ランナーはこんな状態になっています。上の二つは履帯のパーツ。下の丸いのはサービスパーツ的に付属する転輪のパーツ。モデルカステンのSKシリーズは「連結可動履帯」。つまり組み立ててからでもグニャグニャと可動するタイプです。別売りの履帯のタイプとしては稼動せず、1ピースごとに接着するタイプもあります。この連載で取り上げたサイバーホビーのヴィルベルヴィントにはマジックトラックの接着タイプの履帯が付属してましたね。
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 とりあえ2枚分を切り出してみました。非常に繊細なディテールで、こうして見るとコストパフォーマンスは決して悪くないと思わせてくれます。
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 これをひとつひとつ切り出して接着剤で止めていくという作業。最初の1、2個を組んだ時にはちょっと気が遠くなるのもいつものこと(笑)。
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 それを繰り返していくことで稼動履帯が出来上がっていくわけですな。組み立てた履帯の端っこにチョコッと残っているゲート痕は次の履帯を組む前にヤスリできれいに整えておきます。

 では実際の作業風景。
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 ワタシはいつもこんな感じで履帯を組み立てています。
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 まず大事なのは小ぶりのタッパー。こういう繰り返し作業の場合、ひとつの作業はいっぺんに終わらせてしまった方が効率が良いので、ますは履帯1本分約80枚分を切り出してしまいます。履帯1枚は2パーツですから160個のパーツを切り出すわけですね。これ、机の上に散らばしていたりすると完全に収拾が付かなくなるので、あらかじめ2つのタッパーに取り分けておくと効率良く作業ができるんです。
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 続いて重要なのがランナーの取り出し方。10枚ずつ取り出して切り出し、残ったランナーを空箱に入れながら作業すると処理した枚数の計算がしやすい。これ、いっぺんに80枚取り出して処理しようとすると、たいてい途中で飽きちゃいます(笑)。ところが不思議な事に10枚ずつ作業すると意外とスムーズに終わるんですねぇ。「よし10枚終わった!」「今度は20枚終わった!!」なんて作業にしたほうが集中力が持続しやすいんですね。
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 そして今回新たに投入したツールがゴッドハンドの「SPN-120 アルティメットニッパー5.0」。これ、一部で大変な評判を呼んでいる薄刃ニッパーです。
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 ちょっと見た目は普通のニッパーと変わらないんですが、刃付けが変わっています。
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 写真でわかるかな? 向かって左の方には刃が付いていません。なんでも「まな板と包丁のイメージ」でゲートをカットするとのことで非常にシャープな切り口が得られます。手作りの少量生産でネット販売が中心なので手に入りにくいのと、価格が¥3,500-前後と少々お高いのが難点ですが、「切り出した後のゲートの残りをナイフやヤスリで処理する」という工程が省略できるほどの切れ味なので大量の切り出し作業には最適なタイプのニッパーです。あ、それとひとつ注意点。普通のニッパーに比べて刃が薄く、高硬度の金属を使っているため、取り扱いはデリケートにしなければなりません。机の上から落っことしたりすると先端が曲がったり欠けたりします。実はワタシも机の上から落として刃先を折っちゃったんで、実はこれで2丁め。ただ、このニッパーを作っているゴッドハンドさんではニッパーの研ぎ直しもしてくれるようなので、相談してみると良いかもしれません。ワタシも刃の折れちゃったほうを研ぎにだそうかな、なんて考えてます。

 あ、お道具自慢をしてる場合じゃないんだよ。履帯組まなきゃ。
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 ということでチョキチョキ、チョキチョキ作業します。パーツの接着はごく少量の流し込み用接着剤を使います。接着剤を付けすぎるとせっかくの可動履帯が不可動になっちゃいますから注意してください。
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 さあ、デキター! と1本出来上がったところで車体に取り付けて長さの確認。この履帯は全くの無改造でキットにピッタリ収まります。最初の1本は80枚で組んだんですが、取り付けてみたところ77枚くらいがちょうどいい事が判明。もう1本のほうは最初から77枚で組めばいいということですね。
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 デーキーターー!! 細かい作業は嫌いじゃないワタシも、さすがに2本分の履帯を組むと疲れる(笑)。所要時間は約6時間ほど。可動履帯なので写真右のようにグニャグニャと動きます。
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 そして可動履帯を組んだ後にいつも思う「この余ったパーツとランナー、何かに使えないかな?」現象(笑)。転輪はまだしもランナーはほぼ使えないので潔く捨てましょうね(笑)。
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 さて、出来上がった履帯を本格的に仮組み。なんだ本格的な仮組みって!?!?
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 これですよ! このピース毎のたるみ感が組立式履帯の魅力。この雰囲気を得るために苦労して履帯を組むわけです。
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 で、なんとなくはまりが悪い感じがすると思ったら、動輪部分のパーティングラインを処理するのを忘れてた! こういうところはリューターとダイヤモンドビットの細いので処理するとラクチンです。あ、もちろん後で紙ヤスリはかけますけどね。

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 さあ、これで組立は終了。じゃあ、早速塗っちゃいましょうか!

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 まずは車内を白っぽい茶色で塗装。塗装指定ではタンで塗るように指示されていますが、今回はインテリアカラーに少々ナチュラルブラウンを足したもので塗りました。つうかココ、出来上がったら完全に見えなくなります。いいんです!「俺だけが知っているオマエの中身」的な満足感があるから(笑)。
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 中身を塗装したら接着していなかった車体上部などを接着。じゃあ、とりあえずサフを吹こう。
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 ということでサフ吹き。
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 今回はサーフェイサーエヴォ オキサイドレッドを使いました。この上に何色か重ねて、今回の塗装色にしたいと思います。

 てな感じで今回の作業はそろそろ終了。では最後にオキサイドレッドの八九式中戦車でお別れ。
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 あー面白いなぁ、実車のレストア中みたい。色が変わるとやっぱりイメージも変わるもんですね。なんだか今回はガルパンのことを忘れて作業してたような気がする(笑)。さて、じゃあ次はそのあたりを意識して、ここからどう仕上げるか次回の完成編でお見せしたいと思います。どうぞお楽しみに。

 それではそろそろこの辺で。
 次回も、乞御期待!!

(C)GiRLS und PANZER Projekt


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