線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 つい先日の4月28日、半年に一度恒例の上井草模型倶楽部の展示会に行ってまいりました。30名ほどの方々が自分で作った模型を持ち寄って見せ合おうじゃないかという趣旨でして、毎度楽しませていただいております。そんでもって5月1日はワタクシ線香亭の誕生日。そして5月5日にはトレジャーフェスタin有明9で行われる塗料塗装講座に出演予定というイベント満載な日々を送っております。とはいえ通常の作例作業やライティング業務がなくなるわけではないので、体力はやや売り切れ気味。もうよる年波でちょっとキツイ。ですんでね、トレフェス会場なんかで見かけたらやさしく接してやってくださいね(笑)。というわけで空元気も元気のうち。この「やたら模型制作室」も元気にお送りしたいと思います!

 さて、今回は5回にわたってお送りしたWAVE製「スコープドッグ・アップデートパーツセット」もいよいよ完成編。張り切ってまいりましょう!

 前回でこのあたりまで出来上がっていたスコープドッグ。
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 ノーマルのスコタコにレッドショルダー装備もくっ付いて、プレーンな仕上がりがお好みの方にとっては「もう完成でいいんじゃないの?」ってな所まで出来上がっていました。でもな、まだまだあるんですよ。やっておきたいことが!

 てなわけで、今回最初の作業はこんなパーツを用意するところから始まります。
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 皆さんお馴染みWAVEのH・アイズ2種。元となるプラキットではターレットレンズのレンズ部分を塗装で再現するようになっているので、クリアーパーツを仕込みます。
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 使うのは写真左から5mm、3mm、3.5mm、1.5mm。「あれ、4枚ある?」と思った方。あなたはスルドイ。これ、メインカメラだけレンズパーツを2枚使って複合レンズを再現しようという算段です。
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 レンズの彩色は塗装ではなくハセガワのTFシート「クリアーブルーフィニッシュ」「クリアーレッドフィニッシュ」「クリアーグリーンフィニッシュ」を使います。これ、手軽に美しいクリアーカラーを再現できるばかりでなく、独特の濡れたような質感があって面白い効果が得られます。
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 プラキットパーツの方はレンズパーツを取り付けられるようにリューターで加工。レンズを表した球形の部分は平らに削り、メインカメラ部分は3mmピンバイスで穴を空けておきます。そうしたら左の写真のようにグリーンを貼った3mmのパーツをメインカメラの奥に取り付け。その上にブルーの5mmレンズを取り付ければ2重構造レンズのできあがり。見る角度によってちょっと面白い感じに色が変わります。
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 あとはそれぞれに残りのレンズパーツを貼り付け。接着にはアクアリンカーという接着剤を使っています。

 さて、お次は塗装。実は前回の塗装は下地のつもりで塗ったもの。どんな色で塗ったかというと、
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 こんな色で塗装しました。これで塗った状態が次の写真。
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 で、今回用意したのはこんな塗料。
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 うっかり並び順を逆に撮っちゃったんですが、前回調色した塗料にビリジアングリーンやオリーブグリーン、ナチュラルブラウンなどを足して暗く調色しました。それに加えてクリアーカラーを5割くらい足し、オリジナルのクリアーカラーをエアブラシで重ねていこうと思います。
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 で、ざっと吹き重ねてみたのがこちら。
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 並べてみると結構違う。写真左が塗装を重ねたもの、右は下塗りのままの状態です。
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 胴体や碗部なども同じように塗り重ね。今回の重ね塗りはグラデーションというよりもウェザリングに近い「テクスチャー感」を目指していますんで、わざとムラになるように塗装しています。
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 2回目の塗装が終わったら塗料の乾くのを待ってタミヤエナメルのフラットブラックでスミイレ。

さて、お次はブルーやグレー系で塗装する部分の仕上げ。
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 まずはバイザー部分。ここはアップデートパーツに付属するレジンパーツを使用しました。塗装は下地にシルバーを塗っておいて、ブルーグレーとニュートラルグレーを混ぜたものを薄めに重ねました。アンテナはいつもの如く洋白線と細い真鍮線で制作。アンテナの作り方はこちらをご参考に
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 続いてのブルー部分はヘヴィマシンガン。これも下地にEx-シルバーを塗っておいてバイザーと同じ色を重ねた状態。ますはこの色のまま残したい部分をマスキングしておきます。
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 その上にクリアーを足してごく薄くしたクリアブルーを吹き重ねました。設定画のマシンガンって意外と青いんですよね。
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 そして塗料乾燥後にざっくりスミイレをした状態。このマシンガンはパーツ差し替えでショートバレル・タイプも再現できるというのが良いところ。

 続いては武器つながりでショルダーミサイルガンポッドの仕上げ。
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 これに追加するのがスリングです。
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 ますはWAVEのAL・ライン1mmを使ってスリングを付ける金具を作ります。こういう加工の場合、2個同じパーツを作るのはなかなか難しいもの。今回は2本重ねた3mm角のプラ棒に2重に巻きつけておいてから切断、同じ形のパーツを作りました。つまり内径が3×6mmの金具が2個できたわけです。こういう細かい曲げにも対応するのがアルミ線の良いところですな。
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 金具ができたらスリング部分を制作。といっても6mmのマスキングテープをメンズフレッシュセットの4番で塗っただけなんですが。このメンズフレッシュセット、フィギュアに使うだけでなく実に仕様用途の多い色が揃っていますので、ストックしておいてそんはありません。スリング部分は手元にあるもの使った簡単制作にしましたが、皮素材や平リボンを使うなど工夫次第でいろんな仕上がりが楽しめるところです。
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 ミサイルガンポッドに金具を取り付けたら色を塗ったマスキングテープを取り付けます。
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 はい、これでスリングができあがり。ちょっとした手間で盛り上がる作業です。これでミサイルガンポッドも一応のできあがり。
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 あ、ちなみにこのミサイルガンポッドを右手で持たせるために、ハンドパーツセットの銃の持ち手をチョコッと改造しました。まあ、写真をご覧いただければおわかりかと思いますが、接続部の一部を切り取って1mm真鍮線を仕込み、取り外し可能にするという小改造です。

 で、今回のテーマ「ターボカスタム配備前のレッドショルダー機」を表現するのに欠かせないのが右肩のショルダーアーマーの塗装。
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 当然ながら赤く塗るわけですが、劇中のセリフにあるように「もっと暗い血の色」ぽい雰囲気をだすためにオキサイドレッドを下地にします。ちなみに今回は2種類のショルダーアーマーを制作、ノーマルスコープドッグのグリーンのものはアップデートパーツセットに付属するのもを使用し、レッドショルダー仕様のものはプラキットに付属するものを改造して制作しました。
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 その上に重ねる赤はこんな感じ。この塗料、実は前の作例「タチアナのヴァンシップ」に使用したものと同じ。ちょっと明るい感じですが、この後にまだ手を加えようと思うのでとりあえずこのままで。

 さて、このあたりで一度組んでみて全体の確認をしてみましょう。
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 はい、こんな感じ。今のところすっきりウェザリングな感じですね。
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 この状態でデカールを貼りました。いつもならATにデカールは貼らないんですが、今回はよりレッドショルダー色を濃厚にするための手段として貼ってみました。
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 前後でみるとやっぱりちょぉっとおとなし過ぎるかなぁ。
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 ということでクリアーブラックを使ってテクスチャーの追加。エアブラシで軽めに模様を描いてみました。
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 ということで再度組み立てて確認。同じ装備でも芸がないので、今度はレッドショルダー装備で。うむ、なかなかいいんじゃないのテクスチャー感は。じゃあ後は土や砂で汚れた感じを追加してみよう。
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 あ、ちなみに、さんざん探し回った6連装のミサイルポッドも装備できます。

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 じゃあ続いて泥汚れなどの表現。
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 使用するのは最近使い始めたこの手のアクリル塗料。複数のメーカーから数種類の塗料が販売されていますが、使用感はほぼ同じ。薄め方によって掠れや透明感の調整ができ、乾きはラッカー塗料より遅いので、こういう塗装には適しているのでは? と思って使ってみることにしました。
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 使い方はペーパーパレットに塗料を出して筆で混ぜながらドライブラシや平筆で薄く塗り重ねるなどして複雑な色を重ねていきます。
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 はい、まずは全体にサンドイエローっぽい色でドライブラシ。
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 あとは様子をみながら濃い茶色を重ねてみたり、ちょっとだけブルーを塗り重ねてみたり。これはAFVなどによく使われる手法です。
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 全体が仕上がったノーマル状態のスコープドッグ。パイロットもしっかり乗っています。
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 そうなるとやってみたいのがこのアップデートパーツの目玉「マシンガンの両手持ち」。いや、これがなかなか格好良く決まります。ううむ、盛り上がるなぁ。

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 で、盛り上がったついでに作っちゃったのがこんなパーツ。
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 これ、何かというとパラシュートザック装備時の腰サイドアーマーに付いているパーツです。実はパラシュートザック装備時にはノーマルとは違うデザインのパーツが付いてるんですね。これ、前から気になってたんですが、今回上手いことにサイドアーマーの装備を変えられる工作をしたので作ってみたというわけです。

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 さて、最後はタミヤのウェザリングマスターを使って粉っぽさを加えてフィニッシュ!
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 そんなこんなでWAVE「スコープドッグ・アップデートパーツセット」完成です!! フラッシュ撮影でちょっと色が変になっちゃてるけど、きれいな画像はギャラリーでお楽しみくださいね。

 いやぁ、今回の作例、作っていて非常に面白かった! やっぱりスコープドッグはいいですなぁ。今年放映30周年を迎えた「装甲騎兵ボトムズ」。皆さんもぜひ一緒に盛り上がって行きましょうよ!!

 てなわけで今回の作例も無事完成。次は何をつくろうかな。
ってところで、お後がよろしいようで。

(C)サンライズ


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