線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 何かと話題の「宇宙戦艦ヤマト2199」、いよいよ地上波オンエアが始まりましたね! 旧作の放映が1974年ですから39年ぶりのテレビ放映となるわけです。そこから換算すると、旧作リアルタイム世代はおおよそ50~40代、家族なんかも持っちゃってお子さんもだいぶん大きくなってるなんて年代です。そういうご家庭ではどうなんでしょうね? 「これ父さんも昔見てたんだ」「ふうん」なんて会話が交わされてたりするんでしょうか。旧作リアルタイム世代のワタシとしては、願わくば新しい世代の方にもじっくりご覧いただきたいなぁ、なんて思います。ついでに宣伝しておくと、番組中のバンダイさんのCMも見逃さないように!! 実はワタクシ線香亭、彼のCMに登場する2199のキットを作らせていただくという栄光に浴しまして、長いこと模型を作ってきましたが、あの「~バンダイのプラモデル~」というサウンドロゴと自分が作らせていただいた模型が競演する日が来るとは夢にも思いませんでした。でもって、柄にも無くCF見て胸を熱くしちゃったりして(笑)。でもやっぱり古代君とヤマト本編のパートの方が目立ってたりして(笑)。たかが模型、されど模型。長いことひとつのことをやっていると思いもしないこともあるもんです。

 時に今回のやたら模型制作室は「WAVE スコープドッグ・アップデートパーツセット」その2回目。今年で放映30周年を迎える『装甲騎兵ボトムズ』に登場するAT(アーマードトルーパー)です。こちらも個人的に大好き、大プッシュなボトムズネタ。「ウェーブ モデラーズミーティング5」も好評のうちに終了したようで、大変おめでたい。あ、ついでにちょっとお知らせしておくと、現在コトブキヤベース・アキバで開催されている「ボトムズパーフェクトモデルズ02 発売記念作例展示イベント」会場でも、今回のお題のWAVE製「スコープドッグ・アップデートパーツセット」が購入できるそうです。まだ手に入れていない方は会場に急げ!! ということで、今回も超絶に張り切ってテンション全開でまいりましょう!!

 さて、前回までで上半身の仮組みが大体済んだスコープドッグ。
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 前回の記事の最後に「コクピットの中身をいじくってます」なんてことを書いたんですが、これが一筋縄じゃぁいかなかった。どんな具合になっているかというと……、
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 こんな具合になっています。写真右はキットのまま。左は改造中のパイロット。コクピットの中身は1/24プラキットのスコープドッグのものを流用するわけですが、このフィギュア、今日の目で見るとやっぱり厳しい! キットのままではコクピットに収まらないので、手首の角度を変えて操縦間の位置も調整する必要があるんですが、それをやり始めたら「足が短いよなぁ……」とか「頭がでかいよなぁ……」とか「ディテールが甘いよなぁ……」なんてところが気になっていじくり始めちゃった。ところが元々フィギュアは不得意なワタシ。案の定切った貼ったの繰り返しで、一向に完成する気配がない。こりゃあ、この部分は作業の合間にチマチマ進めることにして、全体の作業をやった方が効率が良かろう。ということで、下半身の作業に取りかかることにしました。

 ということで下半身の仮組み&工作に取り掛かります。
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 最初に手を付けたのが各部の装甲。この部分もプラキットのパーツを使用します。写真はキットのままの状態。
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 このあたりの線香亭的定番工作として上げられるのが装甲裏面のディテール追加。キットのままだと“いかにもプラパーツ”なので、チョコッと手を加えてそれらしく仕上げたいと思います。手順その1としてはまず装甲パーツの裏面にマスキングテープを貼り、装甲の内面の形に切り抜きます。
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 そうしたらマスキングテープを剥がし、プラバンに貼り付け。プラバンの厚さは欲しいディテールの厚さによって変えます。写真は1mmのものを使用しています。今回は改造箇所がわかりやすいようにウェーブのプラ=プレートのサンドイエローのものを使用してみました。もうひとつのポイントは、写真左のように必要な枚数分プラバンを瞬着で貼り付けているというところ。複数枚同じ形を切り抜くときには効率が良い方法です。
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 そうしたら貼り付けたマスキングテープよりひとまわり大きくプラバンを切り抜きます。これはキットパーツの裏面にテーパーが付いているため。計ってみた所0.89mmほど大きく切取ればいいということがわかりました。まあ、実際には1mmくらい大きめに切り出して、ヤスリなどでスリ合わせるという手法をとってるんですが。
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 大体収まりそうだな、という形になったらリブ状のディテールを制作するためマスキングテープの上に下書きをしておきます。こういうディテールってけっこうセンスが出ちゃうので、デザインは良く考えておきましょう。今回は量産機械らしいシンプルな、というか“ちょっと垢抜けない”感じを意識してみました。
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 下書きが済んだら要らない部分を切り抜き――なんですが、いきなりデザインナイフなどで切り抜こうとするとひどく労力がかかります。そこで1mmのドリルで不要部分に穴を開けておきます。こうすると板状のものを切り抜くよりずっと簡単に必要な形の穴を空ける事ができます。これ、懐かしのミニ4駆の軽量化なんかでやったのと同じ手法ですね。
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 こういう穴あけ作業はピンバイスでやってもいいんですが、写真のようなドリルビットとリューターを使うと作業がはかどります。写真左はリューター用の1mmと1.3mmのビット。右は愛用のウェーブのハンディリューター。ドリルビットは彫金の専門店や東急ハンズなどでも購入することができます。
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 穴あけが済んだらデザインナイフやリューターなどを駆使して不要部部を切り抜きます。写真はザックリと切り抜いた状態。キットパーツに合わせるためにエッジの部分にヤスリをかけて斜めにしているところ。このあたりは手動でパーツ形状に合わせていきます。
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 取り付ける場所が平坦なら問題ありませんが、曲面になっていたりする所には工夫が必要。写真のお尻の部分のアーマーなどは曲面になっているので、貼り付けるプラバンを真ん中から分割して貼り付けたりしています。このあたり、貼り付けるプラバンが薄ければ一体でも大丈夫だったりするので、それぞれの状況にあわせて考えてみてください。
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 そんな作業を繰り返して、装甲裏のディテール追加完了。この手法、他のキャラクターモデルなんかでもよくやる手法ですから、マスターしておいて損はありません。
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 で、今度は表面にプラバンを貼り付けて二重装甲を再現します。写真は足首前側に付く装甲。作業としては表面部分をヤスリで削り落としてプラバンを貼るというシンプルなもの。
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 キットのままでもいいんですが、写真の赤丸の所が妙に気になっちゃったんですよね。「なんでココだけ斜めになってんだ?」みたいな。キットパーツを修正してもいいんですがそれよりも確実に形状が出せるのでプラバンを貼り付けるという手法を選択しました。
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 貼り付けるとこんな感じになります。キットのままの形状だと「裏側の何かを止めている」感じなのに対して「装甲を貼り付けている」雰囲気が再現できます。

 続いて手を付けたのはフクラハギ裏側に付く装甲。ヒザ部分の関節パーツに取り付けるようになっている装甲です。
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 写真左はキットの表面をならした状態、右は接続部に真鍮線を通して改造した状態。キットのままではフトモモを接着する前に組み込んでおかないと取り付けに苦労するパーツです。
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 改造といっても大したことをするわけではなく、キットパーツの取り付けダボの部分に2mmの穴を空け、短く切ったC-LINEの2mmを通しただけ。写真左の赤丸のようにしておいた真鍮線を押し込むことでヒザ関節のパーツに取り付ける仕組みです。その後は瞬着で固定して目隠しにリベットパーツを取り付けるとよりそれらしく見えます。この連載のストライクドッグの時にやったのと同じ加工ですね。

 さて、装甲裏側の工作が済んだら今度は表側。
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 リベットの打ち直し。これもボトムズキット定番加工といっていいディテールアップです。
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 この作業に使うのは流し込み用の接着剤とデザインナイフ、そしてお馴染みのR・リベット。R・リベットには丸と角がありますが、それは適材適所とお好みで使い分けてください。
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 作業としてはキットパーツのリベットディテールを切り取っておき、ランナーから切り取ったリベットパーツをデザインナイフの先にチョコッと刺して接着剤を付け、貼り付けたい場所に取り付けていくという作業。この作業に使う接着剤は経験上流し込み用の溶剤系接着剤が一番適しています。瞬着だと微妙な位置の調整ができないし、粘度の高い接着剤だと接着に時間がかかりすぎて使いにくいんです。結構な数なので根気が要るんですが、このキットの場合ディテールを打ち直すことでグッと見栄えが良くなります。
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 こういう地道な作業を繰り返して、さぁできた。これで一通り装甲パーツの加工は終了です。

 装甲パーツができたら、お次はその取り付け。
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 ウェーブ製1/24のドッグ系キットの泣き所のひとつが腰まわりの装甲の取り付け。装甲取り付けのヒンジが上下分割になっているため、このままだと接着してから合せ目を消す必要があります。

 前回、「レッドショルダー・スペシャル」の作例をやった時にはヒンジ部分だけ接着しておいて、根本近くで切放すという手法をとりました。ただこれだと強度に不安が残る……。そこで今回は新しい手法を試してみたいと思います。
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 まずは赤丸の中のようにヒンジ部分の根元に切り込みを入れ、ヒンジを切り取ってしまいます。
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 そうしたらプラバンで新たにヒンジパーツを自作。
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 ヒンジパーツは1mmと0.3mmプラバンを重ねて貼った物を角柱状に切り、それを1mmプラバンで挟んだものを作り、ヒンジの形状に加工。最後は稼動軸が収まるように中側の加工をして完成。写真の左から順番に見ていただくと加工の過程がわかりやすいかと。これはウェーブさんのレジンキットなんかでよく使われている構造です。
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 さて、一通りできたぞ!
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 取り付けてみるとこんな感じ。なかなかいい感じです。ヒンジの取り付け部分の底面の色が違うのは高さの調整のため底面にのみ0.3mmプラバンを貼り付けたため。
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 全ての腰アーマーを取り付けて動作確認してみました。ヨシ、問題なさそうだ。これで見栄え良く、塗装後に取り付けることができるようになりました。

 さて、続いては股関節。良く考えてみたら、ここにきてようやくアップデートパーツが出てきたな。ここまではほとんどプラキットの改修だった(笑)。まあ、アップデートパーツにふさわしいベースキットの改修ということでご理解ください。
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 アップデートパーツでは股関節にBJ-06プラサポのボールジョイントとBJ-06のポリパーツを使用するようになっています、この部分には力がかかる事が多いので1mm真鍮線で補強しておきます。このあたりは最近のウェーブ製レジンキットの定番改造ですね。
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 取り付けのポイントは真っ直ぐに1mm真鍮線の通る穴を空けること。慎重にやらないと斜めになりがちなので注意してください。写真右はオレ的定番改修ポイント。股関節軸の根元に細く切った5mmプラパイプを接着することで強度アップとディテールアップを両立させます。

 さあ、このあたりでとりあえず全体を組み立ててみよう!
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 うむ、なかなか。
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 三面で見るとこんな感じ。ウェーブの1/24スコープドッグのキットを組んだ事のある方ならお気付きかもしれませんが、今回は腕、足とも古い方のパーツを使用しています。

 昔の原稿にも書いたんですがチョコッと解説しておくと、今回のベースキットとなるウェーブ製1/24プラキットはちょっと変わった経歴を持っていまして、元々は旧タカラさんが発売していたプラキットをベースとしています。旧タカラさんのプラモデル市場撤退に伴って長らく絶版となっていたものにウェーブさんが新たなパーツを追加して販売しているのが現在のウェーブ製1/24プラキットなんですね。新規追加された本体パーツとしては、最初は頭部、それから碗部と脚部がリニューアルされました。とはいえ旧タカラ製パーツも健在でキットにも含まれており、好みに応じて往年のタカラ製スコープドッグも再現できるようになっています。
 今回の作例にあたっては、この旧タカラバージョンの手足を使用することにしました。その理由はアップデートパーツ(レジンキットのほうのね)のディテールが、なんとなく旧タカラキットのディテールに似つかわしい感じがしたから。旧タカラ製のパーツの魅力はTV版エンディングに登場するスコープドッグを彷彿させるディテーリングがされているところです。このレジン製アップデートパーツのディテールを眺めているうちに、なんとなくそのあたりも意識してるんじゃないかなぁ(違ってたらゴメン!)?? と感じたので、こんな仕様で組み立てることにしました。ちなみにペールゼンファイルズ版以降のウェーブ製1/24キットの手足をつけても問題なく組み立てられますから、そのあたりはお好みでセレクトしてください。

 で、せっかく組みつけてみたんで実権実験!
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 はい、アップデートキット最大の特徴、マシンガンの両手持ちアクション。肩の付け根部分がニョキッと伸びてこんな感じになります。
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 後から見るとこんな感じ。肩アーマーのおかげで露出した肩パーツの中身も気になりません。良くできてるなぁ。
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 ちなみに背面のミッションパック用フックは厚手のものと薄手のもの2種類が付属します。ミッションパックの形状やお好みで選べる訳ですな。

 さて、仮組みしてみていくつか改修した方がいいかな? という所が見つかりました。
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 まずは旧タカラ版の足を使用しているため、足首の接地が悪いということろ。このあたりはいうなれば30年前のキットですから現在とは可動の観念自体が違います。しょうがないといえばしょうがない。ただローラーダッシュもあるスコープドッグですから、足首はきっちり接地させたいと思います。
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 それから気になるのは胴体両脇がちょっと寂しいというところ。これは最近のウェーブさんのトレンドで、従来のスコープドッグのイメージと比較してコクピット部分が縦長になっているから。
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 プラキットのパーツと比較してみるとこんなに違います。このあたりはもう好みの問題ですね。
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 で、ちょっと考えてレッドショルダー・スペシャルの武器をくっつけてみました。あ、いいんじゃない? これ。

 ということでまたまた考えました。よし、今回のスコープドッグ、レッドショルダー仕様にしてみようじゃないか。レッドショルダーといえばターボカスタムですが、ターボカスタムが配備される前は普通のスコープドッグも使っていたはず。現にOVA「野望のルーツ」に登場したリーマン機なんかは、通常のスコープドッグにレッドショルダー的な装備が付いてますからね。ううむ、できればノーマル・スコープドッグとコンパチにできればいいなぁ……、なんて、また自分でハードル上げてないか?!?!

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 ようやく制作コンセプトが定まったところで、今回はそろそろ終了。で、こんなことを書いていて資料を見直してみたら、なんだか色々と大変な事が判明してきました。こりゃあまた一荒れありそうだぞ……。まあ、自分で書いちゃったからしょうがないけど……。

 というところで今回はここまで。
 なんだか大変そうな予感がする次回も、乞御期待!!

(C)サンライズ


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