線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 さて、今回はいきなりクイズです。この記事が公開されるのは4月5日。ではその4日前の4月1日は、一体何の日だったでしょう?
 エイプリル・フール? 新年度スタート? めがね供養? トレーニングの日? はい、皆さん不正解。モデラーだったら、ましてやロボット好きなら欠かせない正解があるでしょ!
 では正解。1983年4月1日は名作アニメ「装甲騎兵ボトムズ」が放映された記念すべき日であります。そして今年は2013年。なんと放映30周年なんですね。そこで今回はボトムズ生誕30周年をてんで勝手に記念してスコープドッグを作ってみたいと思います。今回も完成までお付き合いくださいね。
 この連載でも何回か取り上げさせていただいていますが、この「装甲騎兵ボトムズ」、すっかり大人、というか年寄りになった今見ても面白い!! やはり名作というものはいつ見ても衰えませんなぁ。今回の制作に当たって映像作品を何本か見直したんですが、結局面白くなっちゃって全編最後まで見ちゃうという制作時間削減地獄的な状況に陥りそうでコワイ(笑)。

 で、今回からのお題はウェーブ製「スコープドッグ・アップデートパーツセット」4種。ウェーブさんが主催する現在開催中のイベント『ウェーブ・モデラーズミーティング in コトブキヤベース・アキバ』会場で限定販売されるレジンキットです。イベントについてはMPJの記事にもなっているようなので、そちらをご覧ください。で、今回はウェーブさんに発売前のテストショット、なんと最後の1個をご提供いただきました。いつも無理いってスイマセン。この場を借りて御礼申し上げます。

 さて、この「スコープドッグアップデートパーツセット」、キットの仕組みは前に制作したバーグラリードッグと同じように、ウェーブ製1/24スコープドッグのプラモデルをベースとして組み立てるレジンキット、いわゆる「トランスキット」という形態です。正確に言うとトランスするわけではなくアップデートするパーツなので、トランスキットとは言えないんでしょうけれども。それではまずキットの紹介。

 最初は「アップデート・ボディパーツセット」から。
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 コクピット部分と両肩、股関節がセットとなっているもので、写真のカラー部分がキットに含まれる部分。パーツ構成はこんな感じです。
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 このレジンパーツ・キットに加えて必要になるのが、「1/24スコープドッグ」のプラキットと「PC-03」「PC-05」「BJ-06」「BJ-05プラサポ」「BJ-06プラサポ」といった可動用のオプションパーツ。今回のレジンキットではポリキャップやプラサポは別売りとなっているので注意してください。最近のウェーブ製レジンキットの定番となっていたカラーレジンは、今回は採用されていません。コクピット部分は中空、というかプラキットのシートなんかを付ければコクピットが再現できるようになっていますね。それから一番の見所はココ。
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 肩のパーツが引き出し式の凝った造りとなっていて、マシンガンを両手もちにしたポーズが再現可能というところ。まあ、パーツの状態で見てもよくわからないと思うんで、そのあたりは追々。
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 バイザーや肩アーマーのパーツは非常にきれいに造型されています。それもそのはず、この原型を制作されたのはデジタル造型を駆使して、彼のウェーブ製レジンキット「1/100 バイファム」を制作された毛利重夫さんなんですね。他にも協力としてお馴染みの柳生圭太さんの名前もクレジットされています。つまりこのキット、デジタル造型を駆使して作られているということですな。

 お次は「ヘヴィマシンガン・アップデートパーツセット」
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 プラキットのマシンガンは厚みも無くてちょっと貧弱なのに対して、こちらはしっかりとした重量感があり、フロントグリップは当然可動。ショートバレル・タイプも差し替えで再現可能となっています。加えてグリップ部は同じパーツが2個付属していて、片方は単体展示用、もう片方は手首に接着してグラグラしないように、といった細かい配慮がなされています。
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 パーツで見ると意外とシンプル。しっかり仕上げてカッコイイヘヴィマシンガンを作りたいところ。

 さて続いては「ショルダーミサイルガンポッド」
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 カスタムタイプのミッションパックに取り付けられているミサイルポッドを手持ちに流用したようなデザインが特徴。TV版劇中にも何度か出てくるんですが、おそらく大々的にキット化されるのははじめてじゃないかな? 非常にボトムズらしい装備なのでファンにとってはありがたいアイテム。
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 パーツ構成はいたってシンプル。専用の手首も付属します。で、ちょっと面白いのがパーツの裏側。
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 非常にインジェクションキットっぽい構造になっています。そしてよく見るといかにもデジタル造型らしきテクスチャーが見える。こういうところにレジンキットの進歩を見ちゃったりして。

 そして最後は「アップデート・ハンドパーツセット」
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 平手、拳、持手それぞれ左右、合計6個の手首に加え、可動タイプと固定タイプ、2種類のジョイントも付属します。
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 パーツ構成は凝った作りの割りにシンプル。形状は非常によくできています。プラキットを実際に作ってみると意外に手のかかるのがここですから、手首だけでも購入する価値があるといえます。

 さて、今ご紹介した「アップデート・ボディパーツセット」「ヘヴィマシンガン・アップデートパーツセット」「アップデート・ハンドパーツセット」の3種を使うとこんなポーズが再現できます!
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 どーん。ボトムズファンにはお馴染みのポーズながら、これまでのウェーブキットでは再現不可能だったマシンガン両手持ちアクション。もうこれだけのためにキットを買ってもいいんじゃないかと思います。

 それじゃあ、そろそろ制作にとりかかりましょうか。
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 まずはいつもの如く、離型剤を落とすためガイアノーツのレジンウォッシュにパーツを浸けておきます。まあ、キットパーツを触った印象ではほとんど離型剤は使われていないようなので問題はないと思いますが、一応念のため。パーツを浸けて20分くらい経ったら、今度は中性洗剤と歯ブラシで磨きます。このときにパーツチェックなどをしておくと、大変効率がよろしい。
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 で、まずは「アップデート・ボディパーツセット」のコクピットまわりから。
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 組み立てる際の基本的な注意点としては、仮組み、スリ合わせをしておくということ。特に写真左の赤丸の中にあるような接合ダボの部分は、ダボがきっちり抜けるようにガイドがつけられている場合があるので注意してください。組み立て前にデザインナイフなどでしっかり処理しておかないと、パーツ同士妙にスキマが開いてきっちり収まらない、なんてことになっちゃいますからね。
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 それから、可動部の組み立てもしっかりと仮組みし、ポリキャップの動作を確かめてから接着すること。このあたりがイイカゲンだと可動部の強度も保てないし、何より上手く可動しなかったりしますからね。
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 さて、そんな作業をしながら組めるところはどんどん組んじゃう。写真はコクピットの底面と背面を組んだところですが、この状態ですでに3パーツ。中々凝った造りです。
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 これに他のパーツも付けてみて接合と形状の確認。若干スキマが開く所がありますが、それはスリ合わせとドライヤーを使ってパーツのゆがみを修正することで解決できそうです。ドライヤーを使ったレジンパーツの修正方法はこのあたりの記事に書いてますんでご参考に。
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 あ、ちなみに今回は腹の部分の取っ手は最初から2.0mm真鍮線で作り直しました。これまでの経験でスコープドッグの場合、この取っ手の破損率が一番高いんですよね。仕事柄完成品を持ち歩くことも多いので、あらかじめ防衛策をとっておこうという魂胆です。
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 コクピットハッチは2重構造になっています。このあたりは塗装で上手く別パーツの雰囲気が出せると面白そうだな。
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 ハッチの引き出しに使うジョイント部分はちょっと強度的に不安だったので1mmのピンバイスで穴を空け、1mm真鍮線で補強を入れてあります。ちなみに使っているピンバイスはウェーブ製ワンタッチピンバイス。そして真鍮線もウェーブのC-LINE1mm。もう今回は「MADE IN WAVE」な感じでお送りしております(笑)。
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 そんな作業をしながらコクピット部の仮組み終了。もしもコクピットを再現しない場合はハッチを接着成形すれば上半身は完成ということになります。
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 でもねぇ――ココまでキットが出来ているとやっぱり再現したくなるコクピット。そこで1/24スコープドッグのコクピット内に収まるパーツを引っ張り出してきました。
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 いろいろといじくり回していて「スゲェ!」と思ったのはコクピット内部の両サイドに付くディテール。レジンキットでは何もない状態ですが、プラキットのディテールパーツの上半分を切放すと……
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 しっかりくっ付いちゃうんですよ。これが。もちろん、まったくそのままというわけにはいかず、ちょっと加工は必要なんですが、それでもこういう配慮は嬉しい。こういう造型はきっと大変だろうと思うんですけどね。原型師のボトムズ愛を感じてしまいます。毛利さん、きっとボトムズ大好きなんだろうなぁ……。
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 プラキットのパーツを使う上でちょっと改造したのがココ。パーツの裏側をリューターで削って収まりがいいように改造しました。削らなくても入るんですが、こうするともっと収まりが良くなるんです。
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 それからちょっと問題なのがシートのヒザ下部分とペダル(?)部分。プラキットのままだとフィギュアを乗せた時に足が入りそうもなかったのでシートの両サイドのプレートを切断し、角度を変えて取り付けることにしました。
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 そんでもってコクピットの中身を入れてハッチを閉じようとしたら、あれ、閉まらない。
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 よく見ると操縦桿のワイヤーが引っかかってる。じゃあこの部分はもっと柔軟な素材のものに差換えて、操縦棹事態もちょっと高さを下げよう。
で、なんとかハッチは収まったのでパイロットを乗せてみたら……、
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 オイ、オッサン! 出過ぎだよ!! まあ、プラキットに付属するパイロットフィギュアは大分大きめでダイエットが必要なので、後で考えることにしましょう。今はこのボディパーツセットを早く組みたい。

 じゃあ、今度はこのキット最大の特徴である肩部分。
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 肩に使用するのは写真のパーツとポリキャップ。キット付属のものだけでなく、一部プラキットに使うポリパーツも使用するので注して、良く説明書を読んでくださいね。
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 組み立てに際しては特に注意するところもありませんが、ポリキャップの軸の長さを加工する場合、写真のように突き通しで軸が出るなら、組み立ててから不要部分を切り取った方が確実です。まあ、ちょっとしたコツですが。
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 こういう組みつけの場合は説明書にしたがってポリキャップの軸を切るしかありませんけど。ワタシはより確実に組み付けるため、ノギスでポリ軸の収まる深さを測っておいて、ノギスにあわせて軸を切ったりします。
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 さて、そんな作業を繰り返してたら肩のパーツができましたよ。写真は各パーツを接着しただけの状態。あ、ちなみに今回のキットの接着には瞬間接着剤を多用してます。仮組みで確認した所パーツ自体の重量が軽いのと、強烈な力がかかるところはほとんどないと判断したためです。
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 肩が出来たらくっ付けてみたい、ということで早速仮組み。
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このあたりの可動はプラキットと同様です。
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 ただ肩口の取り付けにボールジョイントとポリキャップを使用しているため、引き出して稼動させる事ができるようになっています。
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 特筆すべきはココ。肩パーツの外装部分が“ニョン!”と伸びて腕画全体の長さを稼げるようになっています。これで例の「マシンガン両手持ち」が再現できるわけですね。

 さて、動きを確認したら肩パーツの成形。
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 まず考えなきゃならないのが写真の赤丸で囲ったでっぱり部分。キットの説明書には切り取った方がいいかもよ、的な説明が載ってますが、フラットブラックに塗って肩アーマーの接触防止用のゴムなんて解釈も面白そうです。
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 実はこの部分、内部の可動構造をスムーズに造型しながら組みつけの際の位置決めや接着がしやすいようにパーツの外側にダボがついるんですね。どうしようかとしばしパーツを眺めながら考えるワタクシ線香亭。まあいいか、いつもの形状で行こう!
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 そうと決まれば接着が済んだパーツの出っ張り部分をハイパーカットソーで切放し。
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 あとは全体にヤスリをかけて成形終了。このでっぱり部分はあらかじめ切り取ることを考慮して成形されているので、切り取ってしまえば通常の処理と同じように成形することができます。良く考えられてます。反対側も同じように作業したら、キットの基本的な組み付けは終了。
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 あとは肩アーマーとか、
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 背面のフック、ボディサイドのダクトパーツなどをが残っているだけです。ちなみに背面のパーツとサイドのダクトは再現したいスコープドッグの装備に合わせて2種類が付属しています。

 さて、今回はこのあたりで終了かな?
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 現在の状態はこれ。只今コクピットとパイロットを乗せるための改造作業に入っております。

 いやぁ、でもこのキット、中々作り甲斐があるキットです。いや、組み立てが面倒なわけじゃなく、随所に開発者の思い入れが見えるので、何とかそれにお答えしたい! ということで気合が入るという意味です。ちょっと自分でも完成が楽しみになってきたぞ!

 というところで今回はここまで。
 次回も、乞御期待!!

(C)サンライズ


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