線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 最近、新しい友人ができまして、その名はS君。11歳の小学5年生であります。彼は非常に模型に興味があるらしく、やたら部屋に遊びに来たがります。そこで、部屋にあったストックのプラモを与えてみた所、いきなりパーツを手でもぎろうとする始末。聞いてみればこれまでLBXとワンピースの船を数個作った事はあるらしいんですが、本人曰く「あんまり真剣に作ったことはない」とのこと。そこでニッパーの使い方を教え、ヤスリがけの方法を教え、エアブラシを使わせてみたりと、やおら「未来の天才モデラー養成 虎の穴」ぽい状況になっております(笑)。
 しかしまあ――子供の吸収力はものすごい。ニッパーの使い方を教えたら「チョー便利!」とかいいながらしっかりゲート処理してるし、ヤスリがけの基本はほぼマスターしちゃった。エアブラシ塗装も下手くそながら一応できるようになりました。まるで砂が水を吸い込む如く、どんどんといろんなことを吸収していきます。おまけに傍で見ていても集中力がすごい。何かと理屈をつけてキットを積んじゃう大人に比べて「手を動かせば何とかなる」を身をもって実践しているS君。なんだかこっちも妙に創作意欲を掻き立てられたりして(笑)。そんなS君に負けないよう、今回も張り切って参りましょう!! ただ帰り際に「次はいつ来ていい? 明日??」と聞かれるのには困ります。おじさんにも仕事をさせておくれよ(笑)。

 さて、今回はバンダイ 1/72 零式52型 空間艦上戦闘機 コスモゼロ アルファ1 [古代機]、その4回目。風邪も嵐も乗り越えて、めでたく完成編となります。それでは早速張り切ってまいりましょう!!
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 前回はデカールを貼っていよいよ仕上げに入るぞ! ってところで力尽きてました。今回はまずこのあたりの仕上げから。
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 3種類付属する兵装の仕上げです。写真の左側は空対空ミサイル、右側は空対艦ミサイル。取り付けるためのパイロンは2基しか付属しないので、1キットしかない場合は選択して接着するということになります。
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 こちらがパイロンに接着した状態。ミサイルが斜めに付かないように平行/垂直に注意して接着します。今回は古代機、山本機2機同時制作ですから、それぞれに1セットづつ作ってみました。
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 兵装の取り付けは差し替えができるようPiT MULTI2を使って――みたんですが、イマイチ固定強度が出ませんでした。全く止まらないわけじゃあないんですが、やっぱりちょっと不安定。皆さん方は潔く仕様を決めて接着してしまう方がいいかもしれません。写真下側は対空地ミサイルと高機動ユニット。主にこのあたりを差換えしたい心持なんですけどね。
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 この接続部のでっぱりのところにPiT MULTI2をつけて乾燥後に取り付けるわけですね。まあ、撮影中くらいは持ちそうなので、古代機のみ差換えにして、山本機は固定してしまうことにしました。

 さて、お次はスミイレ。いつもは「この後スミイレして完成!」なんて書いてるので、今回はスミイレの工程をちょっと詳しくご紹介したいと思います。
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 このコスモゼロ、非常に繊細なモールドが多いので、スミイレすることでより模型の細密感が引き立ちます。スミイレについては人によっていろんな手順がありまして、基本塗装が済んだらスミイレしてトップコートという方もいるし、トップコートが済んでからスミイレという方もいる。前者の場合は基本塗装をグロスで行っておくとスミが流しやすい、最終的にトップコートすることでスミイレした部分との光沢の差が少ない、などのメリットがあります。後者の場合、スミイレの失敗のリカバーがしやすい、デカールの下にスミが流れ込むといったトラブルが防げる、などのメリットがあります。
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 とはいうものの、「スミイレって何じゃ?」という方にとってはチンプンカンプンなお話でしょう。要はキットのディテールに薄めた塗料を流し込んで、ディテールをより明確に見せようというテクニック。昔からよくやるのはラッカー塗料で基本塗装を終えた上に薄めたエナメル塗料を使ってスミイレするという手法。エナメルはラッカーの皮膜を侵さないので、下地が溶けたり剥がれたりという心配がないんですね。写真は最近発売されているタミヤのスミイレ用の塗料。あらかじめスミイレに適した濃度に調整されたエナメル塗料です。この色でいいや、という場合には手軽に使えるので結構重宝します。じゃあ今回はこのスミイレ用塗料のブラックを使ってスミイレしてみましょうか。
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 この塗料のキャップには、すぐに使えるようにブラシが付いています。ちょっとした所に塗るならこのブラシを使えばいいんですが、しっかり作業したい場合には、やはり別に筆を用意した方が便利です。
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 ワタシが普段スミイレに使っているのはこんな筆。穂先が長く筆先が細いので塗料の含みが良く、非常に重宝します。
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 この筆に塗料を含ませてディテールの所におくとあら不思議。溝に沿って「スーッ」と流れていって、へこんだ部分に塗料が溜まります。写真でも大分塗料がはみ出してますが、これは後で拭き取ることができるので心配ありません。
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 全部が全部「スーッ」といけばいいんですが、ディテールの浅い所などはそう上手くいかない場合もあります。そういう時はもうディテールの上に筆で塗っちゃう。あ、ちなみに今回はセミグロスのクリアー塗料でトップコートした上からスミイレをしています。
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 ちなみに、こういう「穴」的なディテールにはしっかりと塗料を入れておいて乾燥を待ち、拭き取りをすると後でフラットブラックで塗る手間が省けます。

全体のスミイレが終わったら塗料の乾燥を待ち、拭き取り作業に入ります。
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 「拭き取り」とは、スミイレした後にはみ出した部分やスミを残したくない部分のエナメル塗料を、エナメル用の溶剤で拭き取る作業のこと。この時の必需品といえばやっぱり綿棒。他にも柔らかい布やティッシュなどを使うこともあります。ティッシュペーパーを使う場合は細かい繊維が模型の表面に残らないように注意してください。ワタシはいつも繊維の残らない「キムワイプ」という工業用のティッシュペーパーを使ってるんですが、今回はちょうど切らしてまして、ティッシュを使ったりしてます。買出しの時に必ず忘れるんだよなぁ、キムワイプ。
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 綿棒にもいろんな種類があるのでいくつか用意しておくと重宝します。巻きが固いものはスミイレした塗料をしっかり残したい時に便利ですし、巻きのゆるいものはしっかり拭き取りたい時に便利。ちなみにメイク用の綿棒は巻きがゆるく、耳掃除などに使うものは比較的巻きが固いことが多いみたい。
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 それから忘れちゃならない最終拭き取り用具。ガイアノーツのフィニッシュマスター。これ、ほんとに綺麗に拭き取れます。溶剤で洗えば何回か使えるし、非常に“あれはいいものだ”なんですが、やっぱり綿棒に比べるとだいぶん値段が張るので、綿棒で拭き取った後の仕上げに使うのがいいかもしれません。どうぞ皆さんもお試しアレ。
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 実際に拭き取り作業をする場合のちょっとしたコツなんですが、スミイレしたミゾに沿って拭き取るとスミは残りにくく、直角に拭き取るとスミが残りやすくなります。ですから溝が浅くて拭き取ってるとスミがなくなっちゃうような場合は直角に拭き取るといいですよってことですね。まあ、ご存知の方にとっては「何をいまさら」って話なんですが、一応念のため。
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 で、今回の制作ではこんな所もスミイレの要領で塗り分けています。各翼を折りたたんだ状態を再現するためのパーツなんですが、ラッカーのシルバーで下地を塗った後、濃い目に調整したエナメルのフラットブラックを全体に塗り、乾燥後に拭き取ったもの。写真左はシルバーのみ、右はスミイレ後。結構雰囲気が変わります。

 さて、スミイレも終わった所でスタンドも塗装しておきましょう。
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 スタンドはフラットブラックで塗装、キットにはネームプレートの他に4種類のマークが付属するので、お好みで。ちなみに余ったマークは携帯に張ったりすると、ちょっとしたにわかヤマト乗務員気分が味わえます(笑)。
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 さあ、スミイレも終わったしスタンドの塗装も終わったのでちょいと乗っけてみましたよ。ううむ、なかなかいい感じ。
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 ただよくみると所々スミイレが抜けがちだったので、この後もう一度、部分的にスミイレしました。
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 そろそろ最終仕上げ、ということで、今回一番手の入っているコクピットに塗装したフィギュアを乗せて見ました。ちなみにキャノピーは外側からマスキング、機体と同じ色で塗った後、裏側からクリアーグリーンとクリアーブルーを足したものをエアブラシで塗っています。フロントコンソール上の照準機は、キットのディテールを削り取った後、0.4mmプラバンを切り出して貼り付けたもの。これだけでだいぶ充実感が違います。
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 メーターパネル類は全て筆塗り。このあたりディテールが大きめなのでコクピットを閉じても目立ちますから、しっかり塗り分けておきたいところ。
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 で、こちらは山本機「α2」。武装は劇中で活躍したものを選択。固定式で仕上げてあります。
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 コクピットは古代機同様しっかり塗り分け。あ、スミイレのはみ出しを見っけちゃった。後で処理しておこう。

 さて、これで完成かな? と思ったらこれを忘れてた。
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 市販のメタルパーツを仕込めるように機銃まわりに穴を開けておいたんだった。
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 そこで早速メタルパーツ取り付け。接着にはアクアリンカーという接着剤を使用しています。
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 よしこれで! とおもったらまだ残ってた!! 立ち姿の古代君と山本さん。むふう、一生懸命塗ったんだけど、おじさんには1/72のフィギュアはこれで限界だったよ……。許してくれたまえ、古代君。

 さて、これでいよいよ完成!
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 いやぁ、途中で風邪ひいたりしてどうなることかと思ってましたが、ちゃんと完成しましたね(笑)。古代機と山本機、使った塗料、塗装法は全く同じなのに、下地だけでこれだけ差がでます。ちょっと面白いと思うんですけど、いかがだしょう?
 このキット、作りやすくて完成後の満足感も高い。ただ、みんなそれなりの完成度まで持っていけちゃうと思うんで、腕に覚えのある方はもっと個性的な仕上がりなんかを目指してみるといいかもしれません。オリジナルのコスモゼロがたくさん並んでるなんて考えただけでも楽しいじゃないですか!

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 てなわけで、今回のバンダイ 1/72 零式52型 空間艦上戦闘機 コスモゼロ アルファ1 [古代機] 、アルファ2 [山本機]も無事完成。
 次回からはワタシも大好きな“アレ”をやりますよ。何をやるかは次回までのお楽しみ。

 それではそろそろこの辺で。
 お後が宜しい様で。

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会


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