線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 ええ~、こんな商売をしていると、いろんな方からご質問やご意見をいただくことも多いんですが、お答えするのに一番苦労するのが「これやるのが面倒くさいんですけど、どうすれば良いでしょう」という類のご質問。時には「組み立てるだけで精一杯で、塗装や改造なんてとても出来ないよ」なんてことを言われたりもする。これね、ずっと昔から言われている問題なんですが、結局の所『面倒くさい』を全て解決できる方法は、残念ながらないんですねぇ。
 手順として「こっちの方がちょっと楽なんじゃないの?」ってことならいくらでも言るんですけどね。よく考えてみたら、昔に比べたら今の方がキットも良くなってきているし、色んな道具も多くなってるはずなんですが、やっぱりこういう論議はなくならない。結局は「完成させたい熱量」と「作業量」の兼ね合いなんだろうなぁ、なんて思っています。
 そして『熱量』の元になる何物かは提供できても、その『熱量』自体を、そのままを人様に与えることって、残念ながら出来ないんですねぇ。人に伝わった、あるいは伝わったと思った時点でその『熱』自体が変質している。やっぱりそれぞれのモチベーションとなる『熱』は、それぞれの方の中で育てていただくしかないんですね。
 まあ、元々面倒なことをやって楽しもうというのが模型制作の本質みたいなものなので、作業自体を楽しんでいただくのが一番の解決方法なのかもしれません。てなワケでレッツ面倒! という按配で、今回も模型を作ってまいりましょう。

 さて、今回はハセガワ「タチアナのヴァンシップ&ファムのヴェスパ」その3回目。それでは張り切ってまいりましょう!

 前回は3機制作予定のヴァンシップのうち、2機のボディ塗装が終わってましたね。
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 今回、最初にやるのは残り一機のヴァンシップのボディ塗装。
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 ガイアノーツの限定色ブリティッシュグリーンで塗ってみました。このグリーンのヴァンシップのみキット付属のデカールを使ってボディのホワイトラインとタイヤハウスの外側の白い部分を仕上げてみました。さすがシルクスクリーン製だけあって地色も透けません。これなら赤の機体もデカールでよかったな。
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 基本塗装とホワイト部分のデカールが仕上がったら、各部のマーキング。
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 このデカールが非常に繊細でなかなか心地よい。なんだか全然別のキットに流用したいほど高い完成度。
グリーンの機体のデカール貼りが終わったら、残る2機のヴァンシップにもデカールを貼っておきます。全機のデカールを張り終わったら、デカール貼りで汚れたボディをきれいにしてからクリアーコートしたいので、しばらく放置。ボディに付いた水分が乾燥するのを待ちます。

 ボディの乾燥を待つ間に、他の部分の格好&塗装も進めておきましょう。
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 まずはヴァンシップのインテーク部分。説明書の解説によると、このヴァンシップはクラウディア液の加熱循環に内燃機関を利用しているとのこと。つまりノーズ部分には自動車のようにエンジンが納まっているということですね。上の写真の塗装は、パーツ全体をブルーグレーを少しだけ足したEx-シルバーで塗装した後、奥まった部分にタミヤエナメルのフラットブラックを筆塗りし、乾燥後に拭き取りしました。それだけだとちょっと物足りない感じがしたので、右側のパーツのシルバー部分だけ「こすって銀さん」で磨いてみました。まあ、やらないよりはいいかな? って感じの効果ですが。
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 機首のマシンガンのパーツは銃口部分を0.6mmのピンバイスで開口。Ex-シルバーで塗装後、軽くスミイレして先ほどのインテーク部のパーツに取り付けます。

 さて、続いては機体下面のクラウディア・ユニットの塗装。まずは全体をEx-シルバーで塗装します。
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 シルバーが乾燥したら、その上からエアブラシで調子を付けながらスモークブラックを重ねていきます。写真左はシルバーのまま。中央は塗装途中で右側がスモークブラック吹き付け完了の図。
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 反対側からみるとこんな感じです。
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 スモークブラックの塗装が終わったら、クリアーオレンジやクリアーブルーなどを軽く重ねて焼け表現。劇中の様子を見ると、ほとんど調子が付いていない“フラットカラー”な雰囲気ですが、そこはそれ。模型的な面白さを優先して「熱循環機関」っぽい表現をしてみようかと。
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 クラウディア管もシルバーベースで同じように塗装しました。
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 これ、3機分、計6本塗るのはけっこう地味に大変でした(笑)。こういう類の塗装の場合、全部同じ仕上がりにしようとすると結構苦労します。「多少違っててもいいや」くらいのおおらかな気持ちで塗装すると、精神衛生上大変よろしい。
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 主要ユニットとクラウディア管を繋ぐ球状のパーツも同じくシルバーベースの塗装ですが、こちらはクリアーブラックを塗装後に軽くフラットクリアーを塗り、その上からエアブラシでクリアーオレンジ、クリアーブルーをノンマスクで重ねてみました。中央部分をフラットにしたのは、クラウディア・ユニットの各部で質感を変えたかったから。その後の塗りわけは、それほどシビアーでなくてもそれなりに見栄えがします。
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 機首の下に付く強行着陸用のアウトリガーもシルバーベースにスモークブラックを重ねたものですが、クラウディア・ユニットより一段暗めの仕上がりにしました。
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 それでもハイライトが当たるとメタリックなのがわかります。この辺りが狙いだったんで、大変満足。板バネの部分はクリアーブルーを重ねています。

 さて、お次はランディングギア。
 キットではスタンド取付け用の収納状態のものと、着陸時の展開状態のパーツのどちらかを選んで接着するように指示されています。ただ仮組みして確認したところ、着陸時のパーツのみチョコッと細工すれば差換えにできそう。
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 で、これはスタンド取付け用のランディングギア。クリアー成形のパーツの機械部分だけを塗装すれば良いよ、という仕様ですね。
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 クリアーを残したい部分のみマスキングして塗ったのが上の写真。機械部分は他の場所と同じくシルバーベースにクリアーブラックを重ねたもの。タイヤなどはフラットブラックを筆塗りしています。
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 こっちは着陸時用のパーツ。基本的な塗装法はクリアーのパーツと同じ。
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 塗り上がった6本のランディングギア。これも結構根気系の作業ですな(笑)。

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 おっと、忘れちゃいけないメーターパネル。実はしっかり確認できる資料が手元に無かったので、劇中わずかに映るシーンを見ながら筆塗りしました。まあ、雰囲気は出てるかなと。キット付属のデカールにはメーターパネルも用意されているので、後で貼っておきたいと思います。

 さぁて、このあたりでそろそろヴェスパに取り掛かっておこうかな。
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 はいこれ、前回紹介した、塗装を終えたファムのヴェスパ。
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 細かい所はさておき、まずはザックリと仕上げてみました、という感じ。これがね、組みあがってみると予想以上に良いんですよ。全長45mmほどの小型モデルなんですが、なんだかすごく気持ちがいい。「ちっちゃくて精密なものをみると嬉しくなる」という、模型好きのハート鷲掴みという出来。じゃあ、どんなふうに作ったか、手順を紹介していきましょう。

 まず、基本的なパーツはこれだけ。
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 これにライトと風防のパーツ4点を加えた計18点が全てのパーツ。ランディングギアは着陸時と飛行時の選択式なので、正確に言えば16点のパーツ数となります。非常にシンプルに見えますが、良く考えたら完成時45mmの模型に16パーツって、えらい懲りようです(笑)。それゆえの精密感なんですね。

 で、作り始める前にちょっとした注意点。
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 このヴェスパ、キットの説明書には3種類のバリエーションが描かれていますが、劇中に登場するこのタイプはファムのものだけです。設定では、空族の使用するヴェスパはそれぞれに独自のカスタマイズがされているとの事なので、模型ならではの楽しみとしてのバリエーションと捉えたほうが良さそうです。いうなれば“ファム・レプリカ”ってところでしょうか。「劇中に出てきたやつじゃないとイヤなんだよ」という方は注意してくださいね。ただ、このヴェスパ、色んなバリエーションを作るのがものすごく楽しそうなので、たくさん欲しい! と思ってしまうのはワタシだけ? 手頃な価格で、これだけ発売してくれないかなぁハセガワさん。

 そんなこと書いてないで、ヴェスパ作ろう。
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 まず手を付けたのはカウリングのフチのウスウス攻撃。写真左がパーツのフチを薄く加工した状態。
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 続いては本体ともいえるメインフレーム部の成形。バックシートの背もたれも兼ねたボディ部分の半分を接着し、各部のパーティングラインを処理しておきます。
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 ボディサイドのリンケージのカムは大分分厚い感じがしたので、裏側から薄く削りこみました。
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 後はそれぞれのパーツのパーティングラインなどを処理して塗装にかかります。が、ちょいと小改造。
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 さっきも書きましたが、このヴェスパ、ランディングギアは着陸時と飛行時の選択式で接着するようになっています。これを何とか差換えに出来まいか、と考えたのが接続部分の強化。まずは上の写真の赤で囲った所にある接続部を1mm真鍮線に差換え。
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 カウルの接続部には裏側から補強のプラバンの破片を当てて、1mmピンバイスで開口。
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 これで、完成後でも着陸時と飛行時を差換え再現することができます。小さいのでちょっと面倒ですが、出来上がるとなかなか充実感のある改造。
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 後は「一番モリィ~!」で有名(?)な銛の先端をシャープにしたくらい。

 さあ、お次は塗装! となるんですが、残念ながら今回はここまで。次回は塗装から完成まで、3機のヴァンシップとヴェスパの完成をご覧頂こうと思います。塗装に関しては新兵器も登場しますんでね。次回完成編も御期待ください。

 それではそろそろこの辺で、
 次回も、乞御期待!!

(C)2011 GONZO/ファムパートナーズ


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