RLDG_000 去る2012年12月22日、東京は文京区にあるローランド ディー.ジー.東京営業所ショールームにて、同社の超小型加工機「iModela」発売1周年を記念して『iMODELA TOKYO SUMMIT 2012』と題するユーザーオフ会が開催された。
当日はネットで応募したiMODELAのユーザー約20名が集合。約4時間にわたって用意されたプログラムやユーザー同士のコミュニケーションを楽しんだ。モデラーズ・プレス・ジャパンでは当サイトのメインモデラー、線香亭無暗氏にイベントのレポートお願いし、当日の様子を伝えていただこうと思う。

◆意外な経緯で開発?! “みやもん”開発秘話を語る

RLDG_002編集部(以下:編)「線香亭師匠には当日会場に行っていただいた訳ですが、全体的にどんな印象をもたれましたか」
線香亭無暗(以下:無)「当日、会場にうかがって最初に感じたのはメーカーの担当者の方も、ユーザーの方同士も、非常にフレンドリーな関係なんだな、ということ。今のところiMODELAを上手に使うための有効な情報はネットをベースにして交換されているのがメインだから、みなさんすでにネット上では知り合いなんだよね。だから、ネットのオフ会みたいなフレンドリーさがあった」
「具体的にはどんなプログラムでで進行したんでしょう」
「まず最初は『みやもん』こと、iMODELAの開発をされたローランド ディー.ジー.の宮元数人さんの開発秘話から始まったんだけど、これが非常に面白かった。実は開発のきっかけは今の製品と全く違う所から始まっていたとか、開発のイメージソースとなったのは誰もが知っている意外なものだったり、最初の試作機は全部手作りだったとかね。試作1号機は会場にも展示されていた」
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「へえ、それは興味深いですね。もうちょっと詳しく教えてくださいよ」
「いや、それは『そんなことまで言っちゃっていいの?!』みたいなこともあるんで、詳しくはいえないんだけど(笑)。とにかく、意外な経緯でこのiMODELAが開発されたとだけ言っておきましょう」
「じゃあ、当日現場にいた方の間だけのお楽しみということで(笑)」
「そうだね(笑)。ただ言えることは人間が何かを形にしようとする時の熱意や拘り、それにまつわる苦労話などは大変に参考になった。例えば『円は円として削れないといやなんだ』とか『電磁ノイズを極限まで減らす工夫』とか。そんなふうに色んな苦労の末に出来上がってるんだよね、このiMODELA も」
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◆エキスパートが語るiMODELA

RLDG_006編「続いてはどんなプログラムだったんですか?」
「次はMG誌などでも活躍される“ニノさん”こと二宮茂幸さんと“ボンクラーズ総長”のトークショー」
「ボンクラーズってなんですか(笑)?」
「いや、ハンドルネームなんだけどね。一応一般の方なんで(笑)」
「ああ、なるほど(笑)」
「ただ、イベントなんかにディーラーとして参加していらっしゃる、いわゆる“エキスパート・モデラー”の方だね」
「へぇ、他にもそういった方が参加されていたんですか?」
「他にはモデリズムさんにお会いすることもできたし、他にも何名かいらっしゃった。そういう意味ではやはりデジタルモデリングのエキスパートの方がいらっしゃってたね。で、このパートでは実際にiMODELAを使う上で、どんな工夫をして何が出来上がるのか、というお話が興味深かった」
RLDG_008「具体的にはどんなお話があったんでしょう?」
「iMODELAといっても『何でもできる魔法の箱』という訳ではなく、やっぱり制約はある。例えば逆テーパーは削れないとかね。それをどうやって解決するのかとか、塗装ではひと苦労しそうな極細のストライプラインを色つきの素材を重ねて作った造型材を削り出すことで再現したり。どちらかというと『このパーツが欲しいから』という感じではなく、『iMODELAで制作できるものの可能性を探っている』って感じがあった」
「やっぱりiMODELAも万能ではないと」
「どんな道具でも万能なんてものはないと思うよ。要は特性を理解してどういうふうに使えるかを考える事が面白いんじゃないかな。そういう部分はすごく刺激になった。まあ、そういう工夫の末に出来上がってるのがフィギュアの下乳だったり小スケールの縞パンだったりっていうのが、またいいんだよね」
「なんですかそれは(笑)」
「いや、当然、他にも素晴らしい作品を発表してらっしゃる方々なんだけど、当日会場で出た話が、たまたまそういう話だったって事なんだけどね(笑)。要はiMODELAを使ってパーツを作る事が目的なんじゃなくて、iMODELAをどう使いこなすかを考えてるって事なんだよね。それってすごく楽しそうじゃない」
「確かにそうですね」

◆「Shadeシリーズ」を使った新たな3D表現の可能性

RLDG_011「続いては3DCGソフトウェア『Shadeシリーズ』で有名な株式会社イーフロンティアの園田氏の講演という事ですが」
「非常ににこやかな方で、終始笑顔で話しておられた。Shadeってもう十年以上前にPC雑誌の連載で半年ばかりさわった事があるだけなんだけど、今回の講演を見て驚いた。いやぁ、技術は進歩するもんだねぇ」
「その辺り、恥ずかしながら詳しくないので、ちょっとよくわからないんですが……」
「簡単に言うと、iMODELAっていうのは手作業で言う所のカッターやリューターみたいなものだから、どういう形を削り出すのかっていうのはデータで与えてあげないといけない。それはわかるよね」
「なんとなくわかります」
「実はそれって、手作業が中心で作業をしている自分みたいな人間にとっては、パーツが出来上がるための工程がひとつ増えることになるんだよね。『3DCG制作作業』っていうのが」
「なるほど。言われてみればそうですね」
「そう考えると、データの制作はなるべく直感的に高品質のものができたほうがいい。その点、今回の講演で見た新しいShadeの機能は非常に魅力的だった。SheadeっていうとハイエンドCGムービーを作るソフトってイメージがあったんだけど、実はモデリングも非常に充実してる。まあ、このあたりの話を始めると長くなっちゃうんで、どこかであらためてという事にしたいんだけど、実際にiMODELAで使用する3Dデータを作るんなら『Sheadeベーシック』で十分な機能があると思うんで、一度使ってみたいなぁと思った。非常に個人的なことをいえば、めったにみられないハイエンドCGのワイヤーフレームや製作法などが見られて大満足したんだけどね」
「なんか役得な感じですね(笑)」

◆3DCG立体化プロジェクト『Modeking-Lab』とは

RLDG_012編「続いては3DCG立体化プロジェクト『Modeking-Lab』の進捗報告との事ですが」
「これはローランド ディー.ジー.さんのイメージキャラクター(予定)の『舞ちゃん』のフィギュアを“DNDK”さんが作り上げるまでの過程を、Modeling-Lab(http://modelinglab.blog.fc2.com)というHPで紹介されているものなんだけど、ラフからデータ制作、iMODELAによる切削まで、工程を追って紹介されているので、非常に参考になる。このイベントのこともご紹介されているね」
「私でも読んで理解できますか?」
「そこは理解するまで読み込まないと(笑)。まだフィギュアが出来上がっているわけではないので、これからがより楽しみなページだよ。いよいよ切削作業に入った所だし。なにより試行錯誤や失敗した事がしっかりと書かれているのがいい。実制作ではそういったところが最も重要になる所だと思うんで」
「なるほど、しっかり読み込んでみます」

◆最後はじゃんけん大会で豪華商品GET!!

RLDG_013「そうやって興味深い話を聞いて楽しく過ごした後は、じゃんけん大会で豪華商品を競い合ってイベント終了。まあ、非常に濃い内容だった」
「豪華商品って、何があったんですか?」
「それはちょっといえない。差しさわりがあると困るんで(笑)。ただ、商品だけではなく『お土産』と称してiMODELAに取り付けるシャフト掃除用のブラシの試作品とか、回転数を抑えるギアセットや、これも試作品なんだけど4mmシャンクを取り付けるためのシャフトなんかが用意されていた。こういうお土産って、このミーティングに来ていた方々がどれだけiMODELAのエキスパートかっていうのを物語ってるよね。なにせ可動部のX軸を掃除するブラシなんかは、ユーザーの方の発案で開発されたというくらいだから」
「そりゃスゴイですね。師匠ももらってきたんですか?」
RLDG_014 「もらってくるわけないだろ、取材で行ったんだよ。大体iMODELA持ってないし。あ、でもShade Tシャツはちょっと欲しかった……」
「なんだ、またそのパターンですか! もう絶対持ってると思ったのに!!」
「いや、その点に関しては、じつは今、ちょっと長期でインプレッションさせていただけないかとメーカーさんと交渉中でね。今のところどんな形になるかわからないけど、もしそうなったらモデラーズ・プレス・ジャパンで紹介させていただこうと思ってる」
「ああ、それ良いですね。完全マニュアル派の師匠がどうiMODELAを使うのか興味あります」
「まあ、それはそれとして、今回の取材で感じたのは、こういった小規模のイベントっていうのは非常に可能性があるなぁということ。ネットの中だけのコミュニティではなく、皆が集まって、という所に可能性を感じる。知り合い同士で集まるのとも違う刺激があるしね。昔の模型店の店頭みたいな雰囲気とも違う。もっと色んなメーカーさんがこういった小規模イベントをやってくれると、模型シーンが面白くなるのかもしれないね。なにより来年のこのiMODELAミーティングが楽しみになった」
「その頃にはiMODELAエキスパートになっててくださいよ」
「なんだよ、そのオチ。とにかくiMODELAにはまだまだ可能性があると思うんで、興味のある方は是非とも一度触れてみて欲しいと思う。じゃあ最後に、当日お世話になった参加者の皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。来年も開催の折には呼んで下さいね」

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詳しくはローランド ディー.ジー.HP

 


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