線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 そろそろ年も押し詰まってまいりまして、年末進行や忘年会なんかに忙殺されて「模型なんか作ってる場合じゃねぇよ」なんて方も多いんじゃないかと思います。でまぁ、世間様が模型を作ってる暇がないほど忙しいときでも、模型を作ってて忙しいというのが職業モデラーの暮らしでございます。たまに読者の方から「プロモデラーの暮らしって普通のモデラーとどこが違うの?」なんて聞かれたりするんですけど、そりゃあもう、一番の違いは「飽きたらやめられるのが普通のモデラーさんで、飽きてもやめられないのが職業モデラー」という所に尽きます。かといって、自分が模型を作るのに飽きているのか? というとあんまり飽きてない(笑)。どんな状況でも何かを作ってる時は楽しいんですね。このあいだそんな話をしたら「病気ですよ、それは(笑)」なんていわれたりして、自分でも「ああ、そうなのかななぁ」なんて思ったりして(笑)。そんなわけで病状は悪化の一途を辿るワタクシ。こうなりゃあ行く所まで行きましょう。
 そして今回はバンダイ Figure-rise 6 「ワイルドタイガー」&「バーナビー・ブルックス Jr.」「ダブルチェイサー」完成編。張り切ってまいりましょう!!

 さて、前回はタイガーとバニーちゃんが完成、残るはダブルチェイサーという状況になってました。

 じゃあ、今回はダブルチェイサーのご紹介と共にコイツを一気に仕上げて「3週間3キット完成」を完遂したいと思います。まずはキットの内容のご紹介から。


 まずはパッケージ。今回もバンダイさんにキットのご提供をいただきました。どうもありがとうございます。で、このダブルチェイサー、箱が結構デカイ! 厚みはあるしサイズもタイガー&バニーよりひとまわり大き目。まあ、よく考えたら1/12相当のバイクが2台入ってるようなもんですから当たり前なんですけどね。

 それでは早速、恒例のランナーチェック。

 このキット、ランナーのナンバリングが変わっていて、「Ab1」とか「At1」なんていうナンバーがふられています。通常のABCの後に「b」や「t」が付いている。これはバニー用とタイガー用のマシンに使うパーツを明確にするためなんですね。慣れないとちょっと戸惑います。写真はバニー用のAランナー。車体の白い部分を構成するパーツです。

 バニー用ロンリーチェイサーの中央部分を構成する赤い部分は、大きめのパーツで左右合わせというシンプルな構成。

 グレーの枠は足回りや車体各部の細かいパーツが収まります。

 これはバニー用のタイヤの中身。美しいクリアーピンクで成形されています。

 こっちは車体まわりに使用するクリアーパーツ。劇中のイメージに非常に近い仕上がりになっているのにビックリ。

 バニー用最後の枠はゴムパーツ。シートとタイヤの接地面のパーツです。あえてゴムパーツを使うメリットは後ほど。

 さて、ここからはタイガー用のロンリーチェイサーのランナー。

 でたっ! バンダイお得意の多色成形ランナー。2色のクリアーと1色のメタリック、加えて単色1色という構成。こんなこともできるんだなぁ、と感心。

 タイガー用の白いパーツは2枠。カウリング部分とタイヤまわりのパーツですね。

 ガンメタリックっぽい成形色のランナーはフレームを構成するパーツ。このキット、ダブルチェイサー(サイドカー状態)とロンリーチェイサー(バイク状態)に変形させられるのが大きなウリのひとつですが、ほぼ全ての変形機構はタイガーのマシン側で行われます。そのためにフレームのパーツが多くなってるんですね。

 こちらはタイガー用のゴムパーツ。シート部分が2パーツとヘッドレストが見えますね。

 続いては付属のシール類。

 まずはお馴染みのホイールシール。バニー用のマシンのカラーリングを再現するほか、各部の発光部分の下地にするシルバーなどが収まります。前回のタイバニ本体の時に書いたんですが、このFigure-rise 6版のタイバニキットシリーズ、ホイールシールの色身が非常にい! なかなか気が付きにくい所なんですが、非常に凝った再現となっています。このおかげで素組みでも充分な充実感を演出できるんですな。

 こちらもお馴染みのマーキングシール。ロゴだけでなく、透けを利用してブレーキランプなども再現するようにできています。ううむ、よく考えられている。

 そしてこれが今回のキットで特徴的な蛍光の紙シール。タイヤのスリットから透けて見えるライトを再現するものです。紙なんで貼るのにちょっとコツがいるんですが効果は絶大。

 それじゃあ早速仮組み。

 まずはダブルチェイサー。タイガーとバニーのロンリーチェイサーが合体した状態。差換変形で非常に上手くまとまっています。タイヤは固定式なので回転しませんが、ひと帯になった接地面のゴムパーツの合わせ目が隠れるようになっていて、変にプラパーツで構成されていて合せ目消しが大変、という手間がありません。

 これはバニー用ロンリーチェイサー状態。先ほども書いたように変形機構はタイガー用のマシンに収まっているので、形状は変わりません。こうしてみると長いなっ! 前輪小径のロングホイールベースといったところでしょうか。

 こちらはタイガー用ロンリーチェイサー。変形モデルながら破綻なく上手くまとまっています。レーサーポジションのバニー用と比べてハンドル高も高く、若干楽そうなポジション。オジサンの腰を考慮してでしょうか(笑)。

 このキットで面白いのは付属のスタンド。

 各車にロンリーチェイサー状態時に車体を支えるクリアー成形のスタンドが付属するんですが、2パターンの取付け方ができるようになっています。まず直立させる時は写真右の状態。写真左のように取り付け方向を変えてくっ付けると、

 こんな風に車体をバンクさせてディスプレイすることができます。実際に2人を乗せてみると効果が実感できる楽しい仕掛けです。
 もうひとつ、面白いと思ったのがこれ。

 これ、バニー用の「チェイサー乗車時専用首パーツ」です。

 実際に取り付けてみるとこんな按配。写真左はノーマルの首、右はこのキットに付属する首パーツ。若干長くなっていて、頭部の可動範囲も広がっています。

 実際に乗せてみると効果を実感できます。やっぱりこれくらい前を向いてないと様になりません。あんまり下向いてると前方不注意になっちゃうしね。中々凝った作りです。ただですな、残念なことにハンドルを握る手首は付属せず、タイガーとバニーのキットに付属する平手を使うように指示されています。ううむ、これは欲しかったなぁ……。

 さて、このダブルチェイサー。ここまで見ていただいておわかりのように、非常に少ないパーツ数で構成されています。組み立てもほとんどノーストレス。チョコチョコッと組み立てて、タイガー&バニーを乗っけて楽しむ、といった感じのキット。しかも変形可能で遊べますって言うのがウリ。タイガーとバニーもそんな構成のキットだったので、本来なら全部素組みで楽しむのがいいかもしれません。でも、そこはそれ。モデラーとしてはやっぱりなんかやりたくなっちゃう。おじさんとバニーちゃんも塗装しちゃったし、せめて塗りたいなぁ、ということで、極力キットを活かしながら塗装だけしてみよう、ということで、作業化開始!!

 とはいえね、やっぱり組立てを始めると悩む所も出てくるんです。で、最初に考えちゃったのがココ。

 はい、タイヤまわり。塗装することを考えると、最初に処理しておかなきゃならない部分なんですが、まずココで引っかかっちゃった。

 普通なら、こんなふうにキット付属の蛍光シールを貼って組み立てればいいんですが、よく考えたらこのシール、組み立て後に見えるところ全部を覆ってるんです。つまり、タイヤの中身がクリアーってどういう意味があるの? って話なんですね。

 ちなみにこれがシールを貼った状態と貼っていない状態の差。シールを貼っていないと、ほとんどスリットの中が見えません。ということは発光させろって事か?!?!

 ということで手持ちのLEDライトで発光実験。ううむ、これ、とてもじゃないけどLED1個じゃ足りない。側面と接地面、両方を上手く光らせようとすると1輪で5~6個のLEDが必要な感じ。確かにね、劇中ではこれでもかってくらいギンギンに光ってる印象があるんですけど、今回はタイガー&バニーも発光させてないし、潔く塗りつぶして塗装で再現しにしようか。まあ、本体の中には電池が治まりそうなスペースもあるんで、腕に覚えのある方は挑戦しがいがあるんじゃないかと思います。

 ということで登場するのはガイアノーツのピグメント系蛍光カラー。

 イベントやオンラインショップで購入できる蛍光系の塗料です。写真はピグメント蛍光レッドピグメント蛍光オレンジ。特徴は蛍光系の顔料を使用することでフラットに塗りつぶせる蛍光面が作れること。名前が「ピグメント=顔料」なんてついてるんでわかりにくいんですが、早い話がこのキットに付属する蛍光紙シールのような塗装面が作れる塗料です。タイガーに使った試作塗料のグリーンもこの仲間です。

 ということで早速塗装。クリアーパーツをホワイトサフで塗った後にピグメント蛍光レッドを吹き、その上からクリアーコートした状態。この蛍光塗料、普通にクリアーコートができるんですね。

 こっちはタイガー用。左がキットのままの状態。右はガイアノーツさんのピグメント蛍光グリーンの試作塗料で塗りました。右の写真でわかるように、この塗料、普通に吹くとフラットに仕上がります。フラットな状態でいいのならキット付属のシールでいいんですが、こういう「スリットから覗く」系のカラーはグロスの方が効果が出やすいんで塗装で仕上げたという訳。紙シールにクリアーを吹くとどうしても明度が落ちてしまいますからね。

 あ、タイヤまわりでちょっとした注意点。このキットでは、バニー用ロンリーチェイサーのホイール部分の蛍光ピンクのラインが再現されていません。再現するためにはやっぱり塗装が必要、というわけで、上の写真のように塗装で再現しました。結構見逃しやすい所なので、劇中のカラーリングをしっかり再現したい方はご注意を。

 さて、ここから後は一気に組み立て。チョロッと手直し程度の改造なんかしながら、一気に完成させます。まずはチョロッと手直し部分。

 まずはボディのあっちこっちにある円形の発光部分。クリアーパーツになっているんですが、一部裏側が無く、素通しになってしまう部分があります。LED発光はさせないまでも、せっかくだからちょっとは光るようにしよう。ということでやったのが上の工作。キット付属のホイールシールの余白を利用してプラバンに貼り付け、それをクリアーパーツの裏側に貼り付けて成形したもの。簡単な加工でそれなりの効果が得られるので、オススメの小改造です。

 こちらも同様に加工したもの。結構ね、変わるんですよ、見た目が。


 これはバニー用ロンリーチェイサーのリアタイヤハウスを下から見たところ。写真左はキットのまま。ほとんど見えないところなんで、そのままでもいいんですが、なんだかちょっと気になっちゃったんで写真右のように加工しました。なんか、ほら、カウリングのフチってあんまり厚みがないほうがいいような気がしたんで。

 さて、お次はボディの塗装。

 タイガーの方はほとんどバラして塗装→組み立てが可能なので、そのまま塗装。バニーの方は裏側の接合線を消したかったので、一部アトハメ加工をしてからタイヤ部分をマスキングして塗装します。上の写真の白い部分はアルティメットホワイト、赤い部分はブライトレッドナチュラルブラウンをたしたもの、ピンク部分はバニーのピンク部分と同じくコーラルピンクをベースに黄橙色EX-ホワイトを足したもので塗装しました。

 そして白部分にもう一味。

 アルティメットホワイトを吹いた上に雲母堂本舗のビスマスパールを重ねて、白部分のみパールホワイトとしました。タイガーとバニーにもパールを使ったし、劇中の雰囲気がそんな感じだったもんで。

 各部の塗り分けはマスキングで。透明パーツの部分も組み立ててからマスキング→塗装という手順です。

 バニー用チェイサーのテールランプは、キットのままだとウインカーとテールランプの境目をシールで再現するようになっているので、ここもマスキングして塗装。

 それと、意外と見逃しがちなのがココ。バニー用チェイサーの赤い部分のフロントタイヤ側の端っこ。「よし、塗装が終わった!」と思ったら白い部分があるのに気付いて、あわてて塗装しました。白はパールなんで、細かい所なのに手間がかかっちゃった。皆さんはお忘れなく(笑)。

 さて、お次はタイガー用チェイサー。

 フロント側のタイヤは分割したまま塗れますが、リアタイヤの方はタイヤハウスの合せ目消しのため、マスキングで対応。

 あ、書き忘れましたがテールランプの後ろにはキット付属のホイールシールを貼っています。用意があるものは有効活用。

 キットではちょっと赤みが強いメタリックの成形色となっているフレーム部は、どうも劇中の雰囲気だとブラックに見えるのでフラットブラックで塗装。シルバー部分はタイガーの塗装に使用したのと同様Ex-シルバーに若干のブルーグレーを足したもの。

グリーンはビリジアングリーンシャインイエローを足して作りました。シートサイドのパーツは0.3mmプラバンで裏側を塞いでいます。

 で、細かい塗り分けをしようと思って見てたら、疑問な所を見つけちゃった。

 フロントタイヤ左右の板にくっ付いてるグリーンのクリアパーツの所。ここ、クリアーパーツのまわりが黒で囲まれてるんですが、どうもこのまわりのディテールを黒く塗ればいいって感じじゃなく、クリアーパーツの側面が黒いんですね。でも、でっぱりがないんで黒く塗れない。

 そこで一計を案じて写真左のようにクリアーパーツを加工。それぞれを切放し、底面のでっぱりを削り落としました。写真左の手前の方がキットのままのパーツ。こうすれば右の写真の左側のようにちょっと出っ張らせることができます。

 側面の黒はハセガワのTFシートフラットブラックを細切りにしたものを貼り付けました。ううむ、便利だなTFシート。

 あとは各車のハンドルやステップなど細かいパーツを塗り分けて塗装は完了。

 バニー車のフロントカウル前面にあるクリアーパーツの中身はフラットブラックを塗装後、キットのホイールシールを切り取って発光部分を再現。丸い部分は3mmのポンチで抜いて貼り付けました。

 さて、残るはシートのゴムパーツ。

 ランナーについている以上、やっぱりゲート跡なんかがあるのでヤスリをかけるわけですが、当然ながらヤスリガケしたところは艶消しになっちゃう。何とかそれを解消しようということで、まずは400→600→800→1000→1200番と紙ヤスリをかけた状態が上の写真。それでもまだ艶消し感はぬぐえません。

 そこで登場するのがエナメル用の溶剤。油分が含まれているため、これで磨くと均一なつやを取り戻すことができます。一部では「ゴムパーツは油研ぎしないとだめ」なんて言われていることもあるようですが、これでも充分に効果があります。

 はい、こんな状態に。ちゃんとゴムらしい質感になってます。さあ、これらのパーツを組み立てれば完成!!

 ということで、完成お披露目。

 まずは両車ロンリーチェイサー状態。写真奥が素組みです。

 続いてダブルチェイサー。パールがそれなりの効果を発揮してて嬉しい。

 そして、タイガー&バニー&ロンリーチェイサー。後はギャラリーでお楽しみください。

 てなワケで何とか3週で完成したバンダイ Figure-rise 6 「ワイルドタイガー」&「バーナビー・ブルックス Jr.」と「ダブルチェイサー」。やればできるもんだ。まあ、大幅な改造はせずに塗装で仕上げた形ですが、たぶんこの3キット、こんなふうにシンプルに楽しむのがよろしいんじゃないかと思います。MGFで挫折した初心者の方でも手軽に組めて楽しく遊べる好キットとなっております。やろうと思えばね、LED発光とか、形状の見直しとか、完全変形とか、いくらでも手を入れる余地のあるキットですからね。いつかはそんなバージョンも作ってみたいなぁ、なんて考えています。

 それでは今回はこの辺で。
 次回は待望のアレを作りますよ、ということで、お後がよろしいようで。

(C)SUNRISE/T&B MOVIE PARTNERS

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