線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 つい昨日のことなんですが、秋葉原の某大型量販店の模型売り場にいたところ、偶然にも某メーカーの方々と遭遇しまして、ちょうど夕食時だったもんで図々しくもご一緒させていただきました。夕食だけかと思いきや入った場所は居酒屋。酒なんぞかっ食らって非常に楽しい時間を過ごさせていただき、思いもかけない緊急オフ会な状況となりました。やれ、アレがこうだコレがこうだと、模型に関する話題は尽ず、やっぱりみんな模型が好きなんだなぁ、と実感しました。どんなことでもそうだと思いますが、「好き」こそが行動の原動力。それさえあれば、どんなものでもナントカ形になります。それは忘れないでおきたいな、なんて殊勝にも考えたりして。まあ、早い話がすっかりリフレッシュしちゃったよ、っていう話なんですけどね(笑)。
 さて、すっかりリフレッシュしてお送りする今回の「やたら模型制作室」。アオシマ 1/24 「サイバーフォーミュラ スーパーアスラーダ-AKF-11」3回目です。それでは張り切って参りましょう!

 前回まででおおよその形が出来上がってきたニューアスラーダ。

 今回は残った部分を加工して、この後の塗装作業にそなえたいと思います。

 まず小手始めに手を付けたのがここ。

 カウルの後端に付くブーストポッド。劇中では「ブースト、オン!」の掛け声と共にコクピット右側のレバーを前進させることでカウルからせり出し、数十秒の間高出力を得るという、見せ場として使われる部分です。

 この部分は上下貼り合わせの後ろに円形のパーツを取り付けるという構造になっています。まずは上下張り合わせた部分の合せ目を消し、形状を整えたら吸入工をサイドポンツーンと同様に滑らかに加工。加えて後端に取り付ける円形のパーツのフチも滑らかに加工しておきます。写真左が加工後、右がキットパーツを組み立てたままの状態です。

 ブーストポッドの上面に付くウイングはウスウス攻撃。デザインカッターやヤスリなどを使ってそれらしい厚さに加工しておきます。

 はい、こんな感じに仕上がりました。じつは実際のF1マシンなどでもリアウイングは意外と厚みがあります。それを意識して、若干厚めに仕上げました。

 ブーストポッドへのウイングの取り付けは補強も兼ねて0.5mmの真鍮線で。この後、表面に飛び出る真鍮線の長さを調整したら、真鍮線の頭を丸く加工してビスの表現にしちゃおうと思ってます。設定画を見るとカウルの止めビスなどは一切描かれていませんが、そこはそれ。実際にスーパーアスラーダがあるとすれば、やっぱりネジやビスでパーツを止めていると思われるので。

 さて、ブーストポッドを加工したついでに、リアカウルにもちょっとした加工。

 ブーストポッドが収まる窪みの吸入後側に穴を空けました。これはカウルのでっぱりの全面に小さいスリットが開いていることから、ブーストポッド冷却用の吸入口が通っているんじゃないかと想像してみたため。もしかしたら違うかもしれませんけどね(笑)。こういうふうに「既存の設定のディテールから機能を想像する」っていうのがキャラクターモデルの面白い所ですからね。

 アップで見るとこんな感じ。写真は作業途中のものなので若干形がアバウト。で、ここに使うのがこんなパーツ。

 ウェーブのCメッシュ#80。

これを、こんな形に切り出して、

 裏側からあてがえば、それらしい感じがしてきます。このCメッシュ、いろんな目の荒さのものがあるので、好みに応じて使い分けられるのがありがたい。塗装はプライマーを吹いておけば通常のラッカー塗料が使えます。

 さて、ここでひとつ問題が出ちゃったパーツをどうするか考えましょう。

 それがこの部分。「エフェクトファン」と呼ばれる可変式の空力パーツ。普段はサイドポッドの中に隠れていますが、ここ一番で展開してファン部分が回転、マシンを空力的に地面に押し付けるグランドエフェクトを発生させたり、時には逆回転させて車体を浮き上がらせたり(!)します。つまり新世紀GPXの”フューチャー”な部分。キットのままなら差し替えで再現できるんですが、今回の作例ではサイドポッドを大幅改造してしまったため、そのままじゃ使えなくなっちゃいました。

 そこで考えることしばし。こりゃあ自作するしかなさそうだ、ということでキットパーツのディテール部分だけを切り出し。

 サイドポッドの方はプラバン加工でジョイントパーツを制作。1mmプラバンと0.3mmプラバンを重ねて貼ったものをベースに、すでに出来上がっている取り付けダボとの厚みを調節して、付け外しができるようにしておきます。

 で、このジョイントパーツを取り外し、それらしい形に成形したら、さっき切り出したキットパーツのディテール部分を貼り付け。こうすれば複雑なディテールを全部作り直さなくて済みます。貼り付けたディテールには、この後のパテ盛りに備えて0.3mmプラバンで囲いを作っておきます。あ、プラバンがダークイエローなのはウェーブさんのプラ=プレートを使っているため。この方が写真に撮った時に改造箇所がわかりやすいかと。

 お次はパテ盛り。今回はポリパテを使いますが、エポパテでもかまいません。その辺りはお好みで。ポリパテでこういう形状を出す場合は一度のパテ盛りで終わらせようとせず、数回に分けて盛り付け、削りを繰り返すと比較的簡単に形がまとまりやすい。途中で組み付けも確認しながら作業を進めます。最終的な形状はまだ加工中。まあ、急がば回れって事で。

 さて、そんなポリパテ作業の間に手を付けたのがこちら。

 前回、形状を整えておいたカウルの先っちょのV字のパーツ。

 このV字パーツのライト部分をどうしようか? というところで、エフェクトファンのパテ盛りで余ったポリパテをチョコッと盛り付け、ライトの基部を作ってみました。ここには市販のレンズパーツを使いたいので、形状をどうしようか試行錯誤。なんせこの上からカバーパーツが付くので、上手く収めるのがなかなか難しいんですね。盛り削りを繰り返しているうちに思いついたのがこの形。外装のパーツに影響を与えないようにヘッドライトカバーの内側に溝を彫るという結構大胆な形状変更です。おそらく、カバーパーツを取り付ければほとんど違和感なく仕上がるハズ。ミゾの加工はリューターや彫刻刀などを使って行いました。

 続いてはコクピット内部のパーツ。

 ヘッドボードや両サイドのパネルはモノコックの加工にあわせて下側を削り、寸法を調整しました。その他のパーツは仮組みしてみたところそのまま使えることがわかったのでほとんど未加工です。

 ただ、左側のパネルパーツに付くブースト作動用のグリップはパネルと一体になっていたので、削り取ってプラ棒で自作して取り付けました。白いんで写真だと見難い! ゴメン!!

 さてさて、これで外装まわりのパーツは一通り加工したことになります。今回は結構いろんな所を盛り削りしたので、この辺りで一発サフ吹きしておこうかな。

 サフを吹き終わったら、それぞれのパーツをチェック。今回はカーモデルなので特に外装部分はキズが無いか念入りにチェックします。

 で、やっぱり探せば出てくるもんです。上の写真の赤で囲った部分が微妙に凹んでる。ここはプラパテ(通常のタミヤのベーシックタイプの事ね)で修正。

 パテ盛りの後、スポンジヤスリで形状を整えてもう一度サフ吹き。うん、これならいいだろ。外装部分に関しては、滑らかな下地ができるまでこんな作業を繰り返します。

そんな作業が済んだら、いよいよ足回りの組み立て。というか、組立て確認作業。

 まずは一通りの加工が済んだスイングアーム類。各パーツは薄く細く加工した後にスポンジヤスリで表面を整えた状態。まあ、スイングといってもフォーミュラーカーのスイングアームはほとんど稼動しません。一般車だと乗り心地と走行性能を両立させるために色んな工夫がされているんですが、フォーミュラーカーの場合、ただひたすら「走行性能を上げるための可動」が追及されているため基本的にはリジッドに近い。このスーパーアスラーダの場合、サスペションアームが見当たらないので、スイングアームの取り付け自体に工夫が凝らされていて、サスペション機能を持っているものと思われます。そのあたりを徹底検証して、内部構造を作ってみるなんていうのも楽しそうですね。

 モノコックの成形のために切り取ったフロント側のアンダーアームもウスウス加工。取り付けは0.5mmの真鍮線で行います。使っている真鍮線はウェーブのCライン。チョコッと取り出して使えるので、なかなか重宝してます。

 で、続いて登場するのがウェーブのCパイプ。今回はNo.3とNo.4を使ってドライブシャフトを再現してみたいと思います。

 このCパイプ、番号が連番のもの同士なら、ちょうど中に差し込めるサイズになっているのが特徴。つまり「4の中には3が、3の中には2が2の中には1が」というふうにピッタリと納まる。これが結構重要で、一般的な市販の真鍮パイプだと、表示寸法ではきっちり納まるはずなのに、メーカーが異なると微妙にガタが出たり入らなかったり、といったことが起こることがあります。その点Cパイプなら確実に内径ピッタリに収まるサイズになっているので安心なんですね。で、これをどうするかというと、

 まずは4番のパイプの方を適当な長さに切ってモノコックに差込み。

 そうしたらその内側に3番のパイプを通してアクルスと繋げます。これでフロント側のドライブシャフトのできあがり。キット付属のシャフトはどうしても太い感じがしたので差換え、というわけです。ディテール的にも、そのまま棒を差し込むより説得力があります。

 ちなみに、アッパーアームはステアリングアームを兼ねていると判断して、先端の取り付け部の位置を変更。ボルトはウェープのRリベットで再現。完成後はほとんど見えなくなるところなんで、いいっちゃぁいいんですが、どうしても気になったので。だって、こういう形状じゃないと曲がらないじゃんか!

違う角度から構成の確認。なんとなく落ち着いたような気がするので満足しました。

 フロントのステアリングブロックとドライブシャフトのつなぎ目には、写真のよにドライブシャフトのブーツを自作して取り付けました。

 これは2mmのプラ棒をリューターに取り付けてデザインナイフで旋盤加工したもの。

 アップで見るとこんな感じです。これを切放してセンターに穴を開けて真鍮パイプを差し込むという構造。いっつもこんな使い方をしてもめげずに働き続けるリューター。いつもありがとう(笑)。

 さて、普通のフォーミュラーカーだと、この辺りで組立てに入るんですが、今回はちょっと一工夫。モノコック部分にカーボン模様を再現してみようと思います。
 最近のF1なんかでは、エンジンまわり以外のほとんど全てのパーツがカーボン製。サイバーフォーミュラが放映されていた当時からその傾向はありましたが、今ほどじゃありませんでした。実際、サイバーフォーミュラの劇中でモノコックやカウルの素材について語られることはありませんでしたが、やっぱりここはカーボンだろう、ということで、勝手にカーボンが多用されていると思い込むことにしました。だって、その方が見た目にもカッコいいじゃんか!

 模型のカーボン表現には色んな素材が使われます。

 まず、ワタシも愛用するハセガワさんのTFシート。これはTF9というブラックのカーボンを再現したもので、2種類あるうちの目の細かい方。ノリ付きのごく薄シートにカーボン模様が印刷されていて、「剥がして貼り付けるだけ」という手軽さと、「伸びる素材で曲面にも貼りやすい」というのが特徴。

 こちらはグッドスマイルカンパニーのカーボンデカールB。一般的な水転写デカールにカーボン模様を印刷したもの。うまく使えば相当細かなディテールの部分にも馴染ませることができ、仕上がりが均一で、クリアーコートが可能なため、このタイプを好む人も多いようです。
 そして、今回メインに使うのはこれ!

 はい、「ストッキング」! べつにストッキングを模型に張り込む訳じゃありませんよ。このストッキングをマスクにして、金属色の上にブラックを吹くことによってカーボン模様を再現してみようというわけです。この手法だと新たにデカールやシートなどを購入することも無く、ミニマムなコストでカーボン模様が再現できます。写真のストッキングは100均で買ってきたもの。つまりコスト100円です。デメリットはそれなりのテクニックや慣れが必要なこと、それなりの手間がかかること、細かい凹部分の再現には向かないことなどがあげられますが、最大のデメリットは『ストッキングを買う時が結構恥ずかしい』ということです。

 で、実際にどんな手順で塗ればカーボン模様ができるのか、というテスト。上の写真は下地として、左からスターブライトシルバーEx-ホワイトEx-ブラックを足して作ったメタリックグレー/スターブライトブラス/スターブライトシルバーをエアブラシで塗装したもの。

 この上に切り取ったストッキングを固定して、

 その上からEx-ブラックをエアブラシ塗装。

 ブラックの乾燥を待ってストッキングを剥がすと、こんなふうに仕上がります。乾燥してないうちにストッキングが動いちゃったんで、ちょっと失敗してますが、ストッキングのひっぱり具合や重ねる黒の濃度によって色んな表現ができることがわかっていただけますでしょうか? 下地に3色を使ってみたのは、それぞれの仕上がりの感じをつかむため。通常のモノコック表現をするにはメタリックグレーが良いかな? ちょっと派手目のフィニッシュがお好みならシルバー。ブラスベースはシート裏なんかに良いんじゃないかな?


 ということで、カーボン模様を塗る予定の所にメタリックグレーを下塗り。組み立ててからではストッキングのマスクをかけにくいところが多いので、大まかな所は塗装後に組み付けます。

 てなことをやっていたら、今回もそろそろ時間切れ。最後に今回下地が終わったアスラーダ君でお別れしましょう。

 あっちこっちのフォルムをいじったんで、若干不安はあったものの、こうして組んでみると、やっぱりスーパーアスラーダ。これでひと安心(笑)。

 フロントやリアビューは劇中の雰囲気に近づいてきたと思うんですが。

 さあ、このぶんなら次回で完成させられそうだぞ。

 てなところで今回はここまで。
 それでは次回も、乞御期待!!

(C)サンライズ

詳しくはアオシマHPへ

<前の記事へ ◆ 後の記事へ>


Leave a Reply

CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.