線香亭無暗のやたら模型制作室
はい、皆様こんにちは。
前回の予告で「今度はちょっと毛色の変わったものをやるぞっ!」と宣言したので、ちと変わったものを作りますよ。やたら模型制作室始まって以来のスケールモデル、フジミ模型の「フェラーリ250GTO」です。


あ、今「キャラクターモデルじゃないなら関係ないや」と思った人、ちょっと待ってください。

ええと、これはあくまで個人的な感覚なんですが、プラモデルの基本って、乱暴に言うと2ジャンルに分かれると思うんです。ひとつはカーモデルやバイクなどの種類。なるべくピカピカに美しく仕上げるのが基本ですよね。もうひとつはAFVなどのミリタリーモデルに代表される質感や使用感を重要視したジャンル。もちろんどちらにどの手法を用いてもかまいませんし、部分的にお互いの手法を流用したりもします。また、「そんなジャンル分けは乱暴すぎるっ!」と怒る方もいらっしゃるかもしれません。そうなんです、模型っていうのはあらゆる種類でそれぞれの技法があるものなんです。その中でも、最も基本的だと思われる「模型をきれいに作る」という事においては、やっぱり自動車に一日の長があるような気がします。「オレ、ガンプラしかやらないよ」って方でも、きっと参考になるはず。まあ、たまには違う街の模型屋にでもいったつもりで、しばらくお付き合いのほどを。

さて、では早速今回のお題のパーツを見ていきましょう。

フジミ製1/24 フェラーリ250GTOのパーツ数は188と、1/24スケールでは標準的。今回はフジミ純正のエッチングパーツも使ってディテールアップをしてみたいと思います。

ではなぜこの車を選んだかというと……

だってほら、美しいでしょ。ボディラインが。個人的に、フェラーリのロード・ゴーイング・カーの中では一番好きな車なんです。鏡面に仕上げられたボディも、フジミさんの伝統的な技術力を感じさせます。さて、ここで、設定好きの私としては、この車のことを書かずにはおられません。

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1961年、GT選手権がチャンピオンシップになった年、250GT Berlinetta SWBの後をついでフェラーリが投入したFR2シーターのホモロゲーション・マシンで、何種類かのバリエーションを含め39台が生産されました。本来であれば12ヶ月連続で100台以上生産されなければ選手権出場が認められなかったのですが、250GTBと合わせて100台を超えるとのフェラーリの主張が認められ、ホモロゲーションを取得することに成功しました。12気筒3000ccのV形エンジン、鋼管フレームにオールアルミボディ、6連キャブレター、5速ミッション等を装備した美しいボディは人気を呼び、バブル当時には一台10億を超える値段が付いたこともありました。ほとんどがワンオフのような状態で生産されたため、生産時期により微妙に形状が異なります。キットはボディ形状から見て1962年後記に生産されたもののようです。
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なーんて、あんまり能書きばっかりたれててもしょうがないので、制作にかかりましょう。

カーモデルを作るうえで重要なのは、それぞれのパーツの特性を考えること。特に塗装に関しては重要で、例えば「シルバー」について考えてみると、メッキのところも金属地丸出しのところもある。ただ金属地といったところで、鉄の部分もアルミ合金の部分もある。アルミ合金でもキャブレターに使う合金とエンジンケースやハブケースに使う合金は質が違うので色が違う。説明書の塗装指示では「シルバー」と「アルミ」位で表現されていますが、実物のほうがずいぶん「シルバー」の種類が多いんですね。同じように実物の「ブラック」にも結構なバリエーションがあります。まあ、どこまで再現するかはそれぞれのこだわりに任せるとして、より細かい色分けで塗装することが一味違う仕上がりへの第一歩なことは確かです。

はい、いつもの如く使う色をあらかじめ作ってしまいます。ほとんどのカーモデルはスナップフィットではありませんから、塗装と組み立てを同時に行う必要が出てくる場合も多くあります。なので最初に組み立てる足回りやエンジン、フレーム用に何色か作っておきました。作ったのはセミグロスブラックとフラットブラック、シルバーにフラットアルミ、セミグロスアルミ、ゴールド、メタリックグレイです。混色比は大体以下のとおりです。

ビンはクレオスのものを使っていますが、カラーは全てガイアノーツのガイアカラーです。ブラック系は2色で、後ほどちょっと細工をしようと思っています。どちらかというと金属の質感を再現するために、色々考えたという感じです。さあ、まだまだ下準備は続きます。


これはキットのメッキパーツのメッキを落としたところ。キットパーツのメッキがちょっとキンキラした感じだったので、塗装で再現することにしました。メッキの上に塗装すると上手く塗料が乗らなかったりして、意外な失敗の元ですからね。メッキの落とし方は意外と簡単で、キッチン用の漂白剤にしばらく漬けておくときれいに剥がすことができます。

さて、ここからはいつもの如く、説明書に従ってパーツを切り出し、パーティングラインやゲートの処理をし、必要ならば面処理をして組み立てていくわけですが、スナップフィットに慣れてしまっている人はくれぐれも注意して仮組みを行ってください。組み立てには接着剤を使いますから、一度間違えてくっつけてしまうと余計な苦労をすることになります。どこにどのパーツが、どんな風に付くのかをよく確かめてから接着しましょう。ついでにこのとき、どこは接着してしまっていいのか、どこは塗装後にくっつけるかを、よく考えて作業してくださいね。組み立ててからでは塗れないパーツも出てきますから。この辺がガンプラなどと違うところで、あらかじめ手順をよく考えておくことが重要になります。

で、あらかた組みあがったパーツは塗装色ごとに分けておきます。


そうそう、今回はエッチングパーツを使用するので、キットの説明書と一緒にエッチングパーツ用の取り付け図も見ておかなければなりません。組み立ててからでは付けられないパーツや、改造が必要な部分もありますから。

とはいえ、フジミ純正のエッチングパーツはそれほど難しい加工を必要としません。じゃあ、ちょっとエッチングパーツの扱い方を説明しておきましょうか。

見本にするのはエンジンに付けるパーツ。このキャップ部分をエッチングパーツに置き換えるため、キットパーツの先端を平らに削ります。
 
ここに使うのは「35」番のパーツ。このままだと切り取りにくいので、ちょっと捻っておきます。 

そうしたらニッパーで切り取るんですが、このとき使うニッパーにちょいと秘密があります。

私がエッチングパーツの切り取りに使っているのは電工用の足切りニッパー。基盤に半田付けしたパーツの、余った脚の部分を切り取るためのニッパーです。硬度が高いのでエッチングパーツの切断も容易です。2,500~3,000円とちょっと高価ですが、ゲートの処理などにも使えるので、一本あると便利です。こうして切り取ったパーツをアクアリンカーで接着すると、

こうなるわけですね。

さて、そんなこんなで、ざっと塗装が終わったパーツを組んだところ。

 
うーむ、写真じゃ伝わりにくいかと思うんですが、結構質感に差が出ていてうれしい。例えばシルバーですが、抑え目の「塗装した銀色」に見せたい部分は普通の溶剤、メッキっぽく見せたい所や金属感を出したいところにはT-09メタリックマスターを使っています。これ輝きが違うので結構お勧めです。


もっとメッキ感が欲しいところには、お得意の「こすって銀さん」を使います。シルバーなど明るい下地の上に塗ると、若干黄色が入るのでマフラー部分などには最適です。写真の一番左側が「こすって銀さん」加工後ですね。


 さて、それでは今週はこの辺で。来週はエンジン回りの組み立てとディティールアップをしましょうか。コメント、質問などもお待ちしておりますよ。
それでは次週も、乞御期待!!

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