線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 このあいだ告知した去る10月28日の上井草模型倶楽部の展示会。行ってきましたよ、ワタシも。半年振りにお会いする懐かしい顔もあり、積もる話もあり、また意外な方とお話できたりして、そういうのも中々良いもんです。何より模型好きとしては、いろんな方のいろんなジャンルの模型が生で見られるというのがうれしいところ。「なるほど、こんな手法もあったか」とか「こういうアプローチも面白いなぁ」なんて、様々な刺激を受けることができます。中にはココ一発! という大ネタ作品もあったりして大笑い。何やかやと楽しい時間を過ごさせていただきました。昔から「一人で追求する孤高の趣味」なんて言い方をされがちな模型趣味ですが、こういう楽しみ方も中々いいんじゃないかなぁ、なんて思います。皆さんもお近くの展示会なんかがあったら、積極的に参加されると予想外の楽しさですよ。KMC展示会は半年後となりますが、またご案内させていただきますんでね。よろしかったら見に来てくださいね。

 さて、それはさておき、この「やたら模型制作室」。今回はバンダイ 1/1000 「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」その3回目の完成編。それでは張り切ってまいりましょう!!

 前回まででおおよその形に組み上がった連合宇宙艦隊の3隻。

 今回は細かい所にチョコチョコ手を入れたのち、塗装、仕上げで完成! とまいりましょう。

 まず取り掛かったのはキリシマのディテール彫り直し。

 よくできたキットなんで、それほど気になる所もないんですが、上の写真の青丸で囲ったような部分はしっかりディテーリングされていた方が見栄えが良い。他にも、

 こんな所とかね。こういうスリット状のディテールは抜きの関係でディテールが甘くなりがちな部分もありますからしっかりとチェックして修正を加えます。

 ディテールを彫りなおすとこんな感じになります。

 艦橋兼砲塔のパーツもスジボリを深く彫り直します。こういう作業の場合、この状態ではあんまり効果がわからないかもしれませんが、この後でスミイレをした時に威力を発揮します。まあ、なんにせよ手を加えればそれなりの効果があるということですな。
 それから、こんな作業をしている間に気が付いたところをいくつか修正。

 まずは艦橋兼砲塔が付く下の部分。なぜか上面にスジボリがないので、サイドのディテールに繋げる形でスジボリを追加。あんまり見えないところなんで、気にならない方はそのままでも良いかもしれません。

 次はちょっと厄介。

 写真の青丸で囲った部分なんですが、どうやって組んでも大き目の隙間が出ちゃう。スリ合わせで調整しようにも上面のパーツが固定されているので、これが中々難しい。スリ合わせで調整すると大手術になりそうです。

 そこで、一計を案じて隙間ができる接合部に0.3mmプラバンを貼ってみました。隙間は0.3mmもないので、当然スリ合わせが必要。

 組み付けの調子を見ながら貼り付けたプラバンを徐々に削っていき、ピッタリと収まるように調整します。

 隙間の調整が済んだら、表面部分にプラバンとの段差ができないようしっかりと整えて作業終了。こういう作業の場合、平面を削り出す隙間の調整にはウェーブのヤスリスティックHARDの大きいサイズのものが、曲面で構成された外装にできる段差を解消するには、同じくウェーブのヤスリスティックSOFTが便利です。いわゆる適材適所ってヤツですな。

 プラバンの貼りついで(そんなついでがあるのか?)に、キリシマのスタンドの接合部にも0.3mmプラバンを貼り、スムーズに差し込みできるようにスリ合わせしておきました。仮組みした時に、ちょっと緩い感じがしたもんで。後は全体のスジボリやディテールをチェックして、スジボリの深さが足りないところは彫り直し、シャープに仕上げたいところはヤスリをかけてエッジ処理。といったところで、キリシマの作業は終了。

 続いて「ムラサメ級」。

 基本的なチェックポイントはキリシマと同様、各部のディテールの甘いところや、それぞれのパーツのつながりが美く整っているかどうかを基準に修正していきます。

 で、上の写真のように修整してみました。各部のスジボリはスクエアな印象により深く、ブリッジ回りはエッジをシャープに。もちろん全体を見て、各部のつながりや余計な隙間がないかもチェック。気になった所は修正して、ムラサメ型の作業も終了。

 さてお次は突撃宇宙駆逐艦イソカゼ級「ユキカゼ」。名前の前フリが長いですな(笑)。

 これも「キリシマ」「ムラサメ級」同様、各部のディテール修正やエッジの修正を行いました。写真左がキットのまま、右が修正後です。このユキカゼ、キットのサイズが非常に小さいので、船体のパーツがバラバラなままだと艦型の修正がしにくい。そこで、あえて船体のパーツは接着しておいてから、各部のつながりを滑らかに修正しています。船側下部のフィンのエッジを見ていただけると、なんとなくつながりが良くなっているのがご確認にただけるかと。

 さて、これで3隻の基本工作は全て終了。

 全くの素組み状態のもの(奥の3隻)と、加工が済んだ3隻(手前の3隻)を並べてみました。大改造をしたわけではないのでそれほど変わっちゃぁいませんが、なんとなく雰囲気が違うなぁ、と思っていただければうれしい。それにやっぱり、数を並べると盛り上がりますなぁ、この手の模型は。

 さて、次はいよいよ塗装。

 まずはバラせる所は全てバラしてサフ吹き。使ったのはいつものガイアノーツのサーフェイサー エヴォのグレー。今回は全ての塗装を2色重ねで塗って見ようと思います。それぞれの艦艇に使う赤、黄、白の3色は全部同じ色、同じ手法で仕上げます。同時期の艦艇ですからね。そうすることで全体の統一感を演出しようという魂胆です。

 まずは白い部分の1色目。

 ニュートラルグレーⅢにほんのちょっとだけブルーグレーをたらした色でベタ塗り。ガイアノーツのニュートラルグレーは余計な色身を含まない、本当にニュートラルな無彩色なので、白の下地=シャドウ色に使う時にはそれなりの注意が必要です。このシャドウ色にチョコッと色味を混ぜることで、他の色とのマッチングを良くしたり、「ただの白い面というだけではない表情が出る」といった効果があります。

 その上からグラデーションで重ねたのは白ではなく、ニュートラルグレーⅠにほんのちょっとEx-ホワイトを足した色。ここで普通のホワイトを塗ってしまうと、「白く塗った模型」っぽい仕上がりになりがち。要は仕上がった時に「白く見えれば良い」んで、こういう無彩色を塗る時は、色々と工夫してみると面白い効果が得られたりします。

 それから、グラデーションのかけ方をちょっと解説しておきましょう。この「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」のスケールは1/1000。大分コンパクトなスケールとなっています。つまり実物はかなり大きいということになる。そういうスケールの場合、グラデーションはごく控えめにしておいた方がスケール感が演出できます。今回なんかは、「これってグラデ?」っていうくらいの控えめなグラデ。よく見るとわかる、という適度の表現にしました。これ、やってみないとわからないんですが、これくらいのグラデーションでも十分な立体感やテクスチャー感が演出できます。

 おっといけねぇ忘れてた、と、塗装したのが艦載機の収納部。ここは下塗りのグレーを活かして、上塗りの塗料をエアブラシでフワッと重ねただけ。こうするとエッジや平面だけに明るい塗料が乗って、それらしい感じが表現できます。

 続いては黄色い部分。

 ここの下塗りはピュアオレンジサンシャインイエローを足したもの。ちょっと悩んだんですが、黄色の下塗りにもっと暗い色を持ってくるとボテッとした思い感じになってしまうことが多いので、オレンジを選択しました。まあ、オレンジも実は結構暗い色なんですけどね。

 黄色部分の2色目は橙黄色サンシャインイエローを足したもので。グラデーションはほとんど意識せず、辛うじてエッジに残るくらいの調子で塗装しています。

 続いては赤い部分。

 下地にはオキサイドレッドそのまま。この連載で制作したヤマト2199の艦底色の下地にも使いましたね。

 赤の2色目はブライトレッドをベースにhttp://shop.gaianotes.com/shopdetail/001001000009/order/をほんの少したらしたもので塗装。色味としてはブライトレッドの朱色っぽいところがぴったりですが、若干重みが欲しいかな? というところでブラウンを加えて少し暗めに調整しました。

 まだ終わりじゃありませんよ。キリシマとムラサメ級の黒い部分。前の記事で「ここは接着しておいて後でマスキングね」と書いたところ。

 予告どおりにまずマスキング。そこに塗ったのはジャーマングレーEx-ブラックを混ぜたもの。
この部分、「黒で良いんじゃない?」なんて方も多いと思います。実際、インストの塗装指定もブラック100%になってますしね。でもこれ、前述の「白」と同じように、「ほとんど黒だけど黒じゃない色」で塗ると、表情が変わってきます。

 はい、こんな感じ。真っ黒にしなかったことで“表情”が豊かになっているのがお分かりいただけるでしょうか。ここを素直に黒で塗ってしまうか、一味加えるかが分かれ道。ちょっとした演出で多彩な表現をするコツです。

 さあ、これで3隻とも基本塗装は終了。

 次はいよいよデカール貼り。これまでご紹介していなかったデカールが届きましたよ!

 はいコレ! キリシマやユキカゼの分だけでなく、同じ塗装が施された艦艇、「金剛型」3種、「村雨型」4種、「磯風型4種」のデカールも用意されています。説明書にはメ号作戦に参加した第一艦隊全22隻の一覧も掲載されていますから、それを参考にバリエーションが組めるようになっているんですね。ちなみに「村雨型」のネームシップ「ムラサメ」はメ号作戦に参加していません。きっとすでに撃沈しちゃってたんでしょうね。それから「金剛型」は「こんごう」「はるな」「きりしま」の3隻分が付属。そうか、3隻はあったんだな金剛型!

 うれしいのは先に発売された「宇宙戦艦ヤマト 2199」用のサービスデカールが付属すること。コレの使いどころは後で紹介しますね。

 まあ、デカールの数も少ないので、説明書を見ながら貼っていけばいいんですが、ちょっと注意が必要なのはキリシマの艦尾側面に貼る鎖線のデカール。

 うひょ~、写真に撮ると見えにくい。実はこの部分、鎖線の中にクリアー膜があるんですね。確かにラインだけだと貼りにくいんで、それはそれでいいんですが、仕上げる時はこの透明な膜を切り取ることが必要になります。「貼ってから切り取る」か「切り取ってから貼る」かはそれぞれ得意な手法で。ちなみにワタシは「切り取ってから貼る」派です。

 さて、後はデカールを貼って、Ex-フラットクリアーでトップコート。タミヤエナメルでスミイレをすれば船体は完成。

 これはキリシマ、

 ムラサメ型は「ゆうぎり」として仕上げてみました。

 そして「ユキカゼ」。

 で、もうひとつ届いたのが台座に貼るホイルシール。

 それぞれのクラスネームが印刷されたものが2種付属します。

 今回は台座をフラットブラックで仕上げたので、黒い下地のシールをs貼ってみました。

 さあ、できた! バンダイ 1/1000 「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」完成です。って言おうと思ったら、忘れてた。

 まだこいつが残ってましたよ、「100式空間偵察機」。「宇宙戦艦ヤマト 2199」第一章で重要な任務を果たしてキリシマに収容された機体ですからね。これもちゃんと仕上げましょう。

 ということで、いきなりプラバンでスキッドを自作。劇中にでてくる火星仕様の100式空間偵察機はスキッドを履いていて、カラーリングも火星仕様となっています。

 後は翼端のトンガリを細く加工したりして100式空間偵察機の工作は終了。写真奥はキットのままの状態。塗装後の仕上がりはギャラリーでご確認ください。でも、今回の作例で一番見た目が変わってるところがココって、どういうこと(笑)?
 さて、今回の作例では「なるべくイージーに、でも気になる所はしっかりと手をかける」という手法で仕上げた「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」。実は手を入れようと思えばいくらでも手がかけられる類のキットです。例えば「船体を全て接着成形して、スジボリは全部埋めて細く掘りなおす」とか、「劇中に大写しになった時に見える細かいディテールを全て再現する」とか。この辺りはある意味「戦艦キット」と同様。頭に「宇宙」が付いただけ、という解釈も可能です。仕上げの幅が人によって全く異なるというのは見ていても、作ってみても楽しいもんです。そういう意味でも大変オススメなキットなんですね。

 さて、ココからはオマケ。

 ヤマト2199用のサービスデカールを貼ってみたいと思います。

 これは、この連載で制作した「宇宙戦艦ヤマト 2199」。もうすっかり仕上がって、デカールなんか貼れないよ! なんて方もいらっしゃるかもしれません。でも大丈夫。追加でデカールを貼っても見栄えを損ねない方法をご紹介します。
 まず、今回のサービスデカールを貼るのはココ。

 ロケットアンカーの下と艦載機(救命艇?)の収納部。ここにデカールを貼るとこうなります。

 ふむ、ま、こうなりますな。いかにも「デカール貼っただけ」的な仕上がり。特にこのヤマトの場合、メタリックな仕上がりにしたもんだから、なおさら目立っちゃいます。

 これを解消するには、まずデカールを本体と同じような光沢にそろえること。残念ながら、この制作の時に使用したトップコートのためのクリアー塗料が残っていなかったので、Ex-クリアーとEx-フラットクリアーを混ぜて、同じような光沢が出るように調整したものを用意します。用意しますって言ったって、仕上がりの光沢ばっかりは塗装して乾いてみないとわからないので、テスト塗りしちゃぁ確認、というのを数回繰り返して、これだ! と思ったところで上塗りします。写真はそのトップコートをした後の状態。

 まあ、このままでもデカール貼りっぱなしよりは随分いいんですが、この上からエナメル塗料で軽く汚したり、場合によってはデカールの一部を剥がしたりすると、よりそれっぽい仕上がりになります。もちろん、もう一隻ヤマトを作ってしまう、なんていうのもアリです。いや、むしろそれの方が“漢”ですな(笑)。

 さて、そんなこんなで出来上がったバンダイ 1/1000 「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」。ヤマトと並べてみましたよ。

 やっぱりたくさん並ぶと良いですなぁ~。写真奥にチラリと見える紅白の艦艇は、以前に組んだテストショットを塗装した、ムラサメ型のカラーバリエーション。キットには付属しませんのでご注意を。じゃあなんでそんなもん写真に入れんだよ! という関係者の方々の罵声が聞こえてきそうなだ。だって、いっぱい並べると気持ち良いんだもん。ということで、「連合宇宙艦隊セット」の「2」や「3」が発売されることを心から祈りましょう。カラーバリエーションで22隻並んだら楽しいよ!

 てなところで今回はここまで。次回は何を作ろうかなっ! ってとこで、
お後がよろしいようで。

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト 2199 製作委員会

詳しくはバンダイホビーサイトへ

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