線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 最近、数名の模型仲間から、このMPJの「技の泉」で作った「1/6プラクティスキットノーツちゃんリアルタイプ」を見せろ、とか、ノーツちゃんのここはどうやって塗れば良いのかなんて要求をされてまして、よく考えたらこの原稿が公開される頃にはガイアノーツさんのペインティング・コンテストの投票開始直前という時期なんですね。さてはお前ら、アネスト岩田のエアブラシを狙っているなっ! ということで、はなはだいい加減な返事をすることにしました。だってみんなライバルだもんね~。こちとら生活がかかってるんじゃイ! ということで、MPJユーザーの皆様は10月22日から投票が始まるガイアノーツさんの投票ページより、是非とも線香亭の作品へ清き一票を(笑)。詳しい経緯はこちらあたりをご覧頂くとして、皆さん結構本気で出品されているらしいので、組織票で対向しようという浅ましい根性の線香亭です。いや、でもマジで欲しいんだよ岩田さんのエアブラシ。超音波洗浄器でもいいけど。みんなも使い心地のレポート見てみたくないかい? という、連載完全私物化の体で始まりました「やたら模型制作室」。
 さて、今回からは新ネタに入ります。早速、張り切ってまいりましょう!

 今回からの新ネタはこれ!!

 バンダイ 1/1000 「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」
 10月31日発売予定の「宇宙戦艦ヤマト 2199」関連の最新キットです。発売より一足早く、皆さんにレビューを見ていただこうという企画。今回は発売前に無理を言って、バンダイさんに出来立てホヤホヤの製品をご提供いただきました。いつもありがとうございます。

 さて、この「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」、「宇宙戦艦ヤマト 2199 第一章」に登場した、宇宙海軍の艦艇、沖田十三総司令が乗艦する旗艦「キリシマ」と、「ムラサメ級」、古代守が艦長を務める「ユキカゼ」の3タイプがセットになったキットです。本編ではイスカンダル星からの使者とコンタクトするために、地球の全戦力を投入して陽動戦闘を行うという「メ号作戦(後に『第一次メ号作戦』)」に参戦、全22隻をもってガミラス艦隊と壮絶な戦いを繰り広げました。スケールは1/1000と、先に発売された「宇宙戦艦ヤマト 2199」と同スケール。「地球を旅立つヤマトを見送るキリシマ」という名シーンを再現することもできます。まあ、その辺りは本編を見て盛り上がっていただくとして、早速ランナーを見ていきましょう。


 まずはAランナー。「ムラサメ級」と「イソカゼ級(ユキカゼと同型艦のことね)」の赤いパーツが収まっています。このキット、バンダイさんお得意の多色成形ランナーはありませんが、数色の成型色で構成されていて、組上げただけで、ほぼ設定どおりのカラーリングを再現することができます。

 続いてはBランナー。これも同じく「ムラサメ級」と「イソカゼ級」の白いパーツが収まります。第一章で古代と島が搭乗する100式空間偵察機もこのランナーですね。

 Cランナーは黄色い成形色。「ムラサメ級」「イソカゼ級」のイエロー部分に加え、「キリシマ」の黄色いパーツもこのランナーです。

 Dランナーは黒い成形色。「キリシマ」「ムラサメ級」に使うパーツですな。

 Eランナーは「キリシマ」の船体部分のうち、赤い部分が収まっています。赤といっても大分朱色っぽい成形色。確かに設定ではこんな色なんですが、人によって好みが分れそうなところです。

 Fランナーは「キリシマ」に使用する白い船体部分と3隻分のスタンドが入っています。この「白いスタンド」というのは中々斬新ですね。好みの色に塗装するにも都合がいい。

 そ・し・て、バンダイさん、今回もやってくれました、「初回生産限定の三色空母紫バージョン」。「宇宙戦艦ヤマト 2199」の初回生産特典として付属したヤマトメカコレの「三段空母ブルーバージョン」と同様の特典です。

 そしてヤマト2199の時と同じように、内箱には色違いの算段空母のパッケージが印刷されています。どんなふうになっているかはヤマト2199の作例記事に書いていますんで、そちらをご覧頂くとして、これが付くのは初回生産分だけ。中身の三段空母はレギュラー品を塗装しちゃえば3色の物が作れるけど、パッケージが手に入るのはこのキットだけです。さあ、これでレギュラーの三段空母とあわせて全色が揃ったことになる。あ、ドメルの戦闘空母も買ってこなくちゃ、って、思わずキット本体の制作を忘れてしまう嬉しいサービス! このほかにデカールが付属するという事ですが、まだ手元に届いておりません。届いた時点で改めてご紹介したいと思いますが、どうやらサービスデカールも付属するらしいので、期待して待ちましょう。

 さて、ここまでご覧頂いておわかりのように、このキット、それぞれの艦艇の色を塗装無しでも再現できるよう細かくパーツ分けされています。しかも各ランナーをよく見てみると、

 こんなふうに細かくスイッチが設けられています。このスイッチというヤツ、同じ型を流用して他のキットを作るための仕掛けとして使われることが多いんですね。さては出るな! カラーバリエーション!!

 第一章の「メ号作戦」に参加した連合宇宙艦隊のうち、「ムラサメ級」「イソカゼ級」は3種類のカラーリングがされています。じゃあちょっと内緒の資料を公開。

 ハイ、「連合宇宙艦隊」全艦集合! ズラッと並べると壮観です。実はワタシ、メーカーさんの展示用として、すでにテストショットを組ませていただいていたんですね。この写真を見ていただくとおわかりかと思いますが、「ムラサメ級」「イソカゼ級」それぞれ「赤白黄」「赤白」「赤灰」の3バリエーションがあることがわかると思います。元は違う艦隊編成になっていたものが、それまでの戦闘で消耗し、メ号作戦のために持てる戦力を結集した、ということなんでしょうね。で、考えてみるとこのキットのタイトルは「国連宇宙海軍 連合宇宙艦隊セット1 」。この「1」がポイント。恐らく連合宇宙艦全22隻が再現できるようシリーズ化されるものと思われます。実際に連合艦隊を全艦作った経験からいうと、「全部揃うとすごく楽しい!」。仕事ながら手放すのが惜しかったほど。今のところ正式なインフォメーションがされていませんので、あくまでワタシの個人的な予想ですが、ぜひとも全バリエーションが組めるような展開を期待したいところ。この手の艦艇はズラッと並べると充実感がひときわ違いますからね。

 さぁて、では組み立て。

 もう手馴れた作業でチャチャッと組上げてみた素組み状態。実際のところ、この状態に組上げるまで小一時間ばかり。慣れない方でも2~3倍くらいの時間があれば素組みで完成させられるんじゃないかと思います。じゃあ、組みあがったそれぞれの艦艇を見ていきましょう。

 まずこれは「キリシマ」。「メ号作戦」では沖田総司令が搭乗する連合艦隊旗艦として活躍します。旧「宇宙戦艦ヤマト」では「沖田艦」として登場していましたね。ヤマト2199では映像に登場する同型艦は無く、この「キリシマ」のみ。たぶん同型艦もあったんでしょうが、それまでの戦闘でやられちゃったんでしょうね。旧帝国海軍でいえば「霧島」は第二次世界大戦で最も活躍した超弩級巡洋戦艦 金剛型の4番艦。ヤマト2199に登場する「キリシマ」も超弩級の名にふさわしい大きさです。
 あ、ちなみに「超弩級」とは当時の英国戦艦ドレッドノートを超える規模という意味。つまり、弩級戦艦(「弩」はドレッドノートの「ド」ね)を超える規模の戦艦のことで、英語で言うなら“スーパー・ドレッドノート・クラス”。旧帝国海軍では「金剛」が日本初の“超弩級”巡洋戦艦でした。まあ、今回の作例とはあんまり関係ありませんけどね。ちょっとしたマメ知識です。

 閑話休題。

 さて、お次は「ムラサメ級」。

 「ムラサメ級」は今回のヤマト2199で初登場の宇宙戦艦。曲線で構成された艦首と艦尾にスクエアな中央部が特徴的な艦艇です。大きさは「キリシマ」と「ユキカゼ」の中間くらい。きっとキリシマなんかが登場するまでは主力戦艦だったんだろうなぁ、なんて想像してしまいます。サイズはキリシマよりも小さいんですが、実はパーツ数は多く、組立てにもちょっとしたコツがあります。まあ、その辺りは後ほど。

 続いては「突撃宇宙駆逐艦ユキカゼ」。クラスとしては「イソカゼ級」として分類されます。旧ヤマトでは「古代艦」なんて呼ばれてました。ヤマト2199本編ではガミラス艦隊との戦闘で任務を果たして帰還命令が出るなか、沖田の乗るキリシマの撤退を助けるため、古代守が艦長を務めるユキカゼが、並居る敵艦隊に向かって単艦突撃します。キットを手にすると「こんなに小さいの?!」という大きさながら、しっかりとディテーリングされていて、なかなか小気味の良い出来。ちなみに大量に作って並べると、なんだか海老っぽく見えてくるのは経験済み(笑)。

 あんまりこんなことばっかり書いてると、怒られそうだな(笑)。それじゃあ、怒られる前に実制作に入りましょう。

 今回はまず「キリシマ」の制作から。

 素組みで組む分には何の問題も無く出来上がるキット。今回はもちろんしっかり塗装して仕上げます。それにはちょっとしたコツがいるので、そのあたりを重点的に紹介していきましょう。その前に、まずはキットのギミック部分から。

 艦中央のハッチは閉鎖状態と展開状態のパーツが付いており、劇中にあった100式空間偵察機の収納シーンを再現することができます。組んでみたところ、ハッチのパーツは接着せずとも十分に保持が可能なので、完成後も差し替えでハッチ開閉を再現することが可能です。

 ちなみにこれがキット付属の100式空間偵察機。1/1000ヤマト2199に付属していた艦載機と同じような仕様。並べて飾ったら楽しいかもしれない。

 じゃあ、キリシマ全体のパーツ構成を見てみましょう。

 これがキリシマを構成する全パーツ。一部組み立てている部分もありますが、複雑な形状をシンプルな構成でまとめています。このキット、大体はスナップフィットで組み立てられますが、一部接着が必要な箇所もあり、部分的にですが合せ目が露出する所もあります。

 まず思いっきり真ん中に合せ目が来ちゃうのが艦載機の収納部分。フタを閉じちゃえば見えない部分なんで目立たないんですが、ちょっと気になるところです。

 そこで接着後に合せ目をパテ埋め。なんかまだ合せ目が出るような気がするなぁ。後でサフを吹いてチェックしてみよう。
 お次は艦首の黒いパーツの部分。

 この黒い部分は初めから接着するようになっています。

 この部分の接着面は成形の都合上パーティングラインがあるので、事前に写真の青で囲った部分を平面にならしておくときれいに接着できます。まあ、当たり前っちゃぁ当たり前の作業なんですが、結構忘れがちな部分なんでお気をつけて。

 続いては合せ目が出てしまう艦尾の上面。

 ここも接着、パテ埋めするんですが、注意点としては真ん中の赤いパーツと挟みこむ桁を組み込んでから接着すること。この部分は最初に真ん中のパーツを組み込んでしまわないと、接着後では組み込めません。ちなみに、こうして接着してしまっても最終的な組み立てに支障はないので大丈夫です。

 お次はちょっと問題の船体中央下部のインテーク状の部分。

 黄色いパーツの真ん中に合せ目が来るのと、中の黒いパーツが塗装後に取り付けられないというダブルパンチ。選択肢としては「あらかじめ塗装してマスキングして取り付けておく」か「塗装時にマスキングして塗る」か「アトハメ加工をする」の三択。どれも似たような手間はかかりますが、今回はアトハメでいってみようと思います。

 まずは黄色い部分の加工。写真の青い丸で囲んだ部分の長さを調整すれば、左右のパーツの接着後もアトハメが可能です。

 問題はこの黒い方のパーツ。黄色いパーツとの勘合の都合で、どうしてもアトハメしなけりゃならない。

 写真の丸で囲った部分を加工すればいいんですけどね。しばらく考えて、次のように加工しました。

 この状態で取り付けてみると、

 あ、上手くいきそう。

 そこで黄色いパーツも取り付けて、組み込みのテスト。

 おお上手くいった。若干強度に不安は残るものの、塗装後の組み立て時には接着を前提としてますから問題はありません。と思ったら新たな問題。写真の青い丸で囲った部分に段差ができてしまいます。
この部分に段差があるのやら無いのやら、映像や設定画を見てもちゃんと確認できませんでした。でも、ここはやっぱり面位置なんじゃないかなぁ、ということで修正することにしました。

 方法としては白いパーツの接触面にマスキングしておき、黄色いパーツにポリパテを盛り付け成形するという手法。やってみたら思いがけず成形色とポリパテ、マスキングテープの色が同じで、写真では非常にわかりにくい。まあ、この後、ポリパテ部分の気泡などをプラパテで埋めたので、グレーが乗っちゃったんですけどね。そのままだったら塗装無しでもいけるくらいに似た黄色でした(笑)。

 こんな按配でそれぞれのパーツの加工が済んだキリシマ。

 この状態でも齟齬無く組み立て分解することができます。考え方としては「艦首から中央部分」と「艦尾部分」をブロックとして捉えておくと組み立てがスムーズ。こうしておけば、ほぼマスキング無しで効率よく塗装してから組み立てることができます。

 それじゃあ、組み立て手順。まずは艦首部分を組み立てたら中央の艦載機収納部分を組み立てます。

 次はアトハメ加工をした黄色いパーツと黒いパーツをあらかじめ組んでおいて取り付け。

 そうしたら船尾の合せ目を消すために、あらかじめ接着しておいた船体上部の赤いパーツを取り付け。

 続いて艦尾下部の白いパーツを取り付け。

 そうしたら艦載機収納部の下側の赤いパーツを取り付け。このパーツは構造上、船体前部と後部をしっかりと繋ぐ役目を果たす重要な部分。

 その下の船体中央下部の白いパーツをはめ込んで、

 船尾の丸いスラスター部をはめ込めば船体の組み立て終了。

 その後は砲塔や各部の細かいパーツを組み付ければキリシマの完成。ちなみに艦載機収納部のハッチは左右があって、端っこに二重の縦ラインが入っている方が後ろ側に来ます。お間違いないように。

 あ、いけね、スタンド部分を忘れてた。写真のようにキットにはスタンドを取り付けない場合用のフタも付属します。試してみたところ、ここの勘合もしっかりしていますので、接着せずとも完成後に差し替えが可能です。


 さて、そんなこんなで「キリシマ」の下ごしらえは終了。次回は「ムラサメ型」と「ユキカゼ」の下ごしらえをしてみましょう。

 いやぁ、この模型。シンプルな割に満足度が高い。「組んでいて楽しい」タイプの模型です。この連載でも取り上げた「1/1000 宇宙戦艦ヤマト 2199」同様、組みあがってからもフォルムを眺め回したり、各艦を並べてみたり、といった、どちらかというと「大人が楽しむタイプ」の模型だといえるでしょう。もちろんお若い方が作っても楽しいですけどね。

 てなところで今回はここまで。
 それでは次回も、乞御期待!!

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト 2199 製作委員会
(C)東北新社


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