線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 今ね、やけどをしましたよ。Twitter風にいうなら「ヤケドなぁう」。これが模型作業でやったっていうならまだしも、この原稿をいててあんまりお腹がすいたもんで蕎麦を茹でてましてね。茹でた蕎麦を笊に取る時に自分の手にお湯かけちゃった。こりゃたまらんというので手を冷やしてたら、蕎麦の方が伸びちゃった。全く踏んだりけったり熱かったりとはこのことです。原稿の文章を考えながら蕎麦なんか茹でるもんじゃありませんね。料理も模型も集中力が大事ですから、皆さんもお気をつけて。
 さて、今回はWAVE 1/24「ATM-09-DD バーグラリードッグ改造パーツセット【孤影再び版】」 その3回目。こちらは集中力全開で張り切ってまいりましょう!

 前回の最後には手足も付いて、すっかりATらしくなったバーグラリードッグ。

 今回はまず前回やり残した足腰まわりの修正やディテールアップから。

 前回では取り付け方法を変更し、強度とアトハメを両立させる加工をしたヒザ裏のアーマー。

 この部分、設定CGを見ると、なんのディテールもなくツルッとしてますが、キットでは増加装甲らしきものや、それを止めるリベットなどがディテールされています。あんまり何にもないと模型としてはちょっと寂しいかなぁ、ということで増加装甲とリベットは活かすことにしました。どうせ活かすんならっちゅうことで、リベットも差換えておきました。

 ちょっと悩んだのが真ん中にあるスジボリ状のディテール。悩んだ末に結局埋めちゃいました。確かにこういうのがあると“スコープドッグ”らしい感じはでると思うんですが、今回はあくまで“バーグラリードッグ”の作例ですからね。すっきりしちゃった方がそれらしく見えるんじゃないかと判断しました。


 第1回目の原稿から懸案だったサイドアーマーは、キットにある段差をポリパテで埋めて、リベットを打ち直し。

 バーグラリードッグでは、このサイドアーマーの部分にマシンガン用の予備マガジンが付くんですが、これもそのまま付けるんじゃなく、1mmプラバンを挟んで取り付けることにしました。プラバンの大きさはキットの裏側の凹ディテールに合わせてあります。

 これを取り付けると、ほんのちょっと、0.6mmほどアーマーとの間に隙間ができます。これ、前から考えてたんですけど、「ペタッ」とくっ付いてるっていうのは考えづらい。なんだか取り外しがしにくそうなんで、ちょっとだけ浮かしておきました。ここの取り付けってどうなってるんだろう。多分ラッチ状のもので止まってるんだろうなぁ。こんなふうに「実物の機械として考えた時に、どうなっているのがいいのか」を考えるのも、模型の大きな楽しみのひとつ。ボトムズに登場するメカは現用機械に近いニュアンスを持っているものが多いので、特に楽しいですね。

 さて、お次は腕。
 ここは前に制作した「レッドショルダー スペシャル」で、完成後に反省した部分でもあります。

 腕が長い感じがするんですよね。作っている時はそう感じなかったんですが、出来上がってみたらやっぱりちょっと長い。そこで今回はちょうどいい長さに整えたいと思います。

 ということで、これが腕。写真左側は短く加工したもの。右側はキットのまま。全体で5mm近く短縮してあります。じゃあ、どこを加工したか見ていきましょう。

 まず取り掛かったのが肩のブロック部分。写真の赤線の部分で切放し、成形して最接着します。
 CGでなかった頃のスコープドッグなどの設定画を見ると、確かに縦長な四角の印象がある肩ブロック。この部分は旧タカラキットのパーツを使う部分なんですが、印象としては「こんな形だよなぁ」という形状となっています。ただ、よく見るとわかるんですが、スコープドッグを初めとするドッグ類の設定画は腰よりちょっと下、恐らく160~170cm位の高さから見た時のアングルで描かれています。つまりちょっと見上げた感じになっている。そこで肩アーマーと肩ブロックとの関係を考えると、「設定画の肩ブロックの見えって、下から見てるからこうなんじゃないか」と解釈しました。本来なら「腕を真っ直ぐ伸ばしたまま降着する」ばずのスコープドッグですからね。設定どおりとはいかないまでも、なるべくそんな雰囲気が出せればいいなあと。

 で、赤線部分を切断するまえ、というか肩ブロックを接着する前にやっておいたのが間に挟みこむ関節部分の形状変更。組み立てて筒状になる中の稼動部の下側を削って滑らかな形状にしておきました。これはこの後肩ブロックを短縮するので、可動時に底面と干渉するのを防ぐためです。

 さあ、それが済んで接着したパーツが乾いたらハイパーカットソーで潔く切放し。この後切断面を2~3mmほど削って再接着します。

 接着後に成形した肩ブロック。写真右側はキットのまま。結構大胆に短縮しました。

 肩ブロックだけでなく、ヒジの関節部分も一工夫。二の腕との接合部を削り込んでヒジ関節が詰まって見えるようにしました。ここ、腕の短縮だけでなく、上、下碗部のつながりをイイ感じに整えるという効果もあります。

 もちろん、こういった作業の時には何度も仮組みを繰り返しながら調整します。今回腕を最後に作ったのは、全身が組みあがってから腕の長さのバランスが見たかったからという理由があります。まあ、こんな作業を繰り返して腕自体の短縮は終了。
 あ、ついでに書いておくと、皆さんが同じような加工に挑戦する場合、各部の短縮の数値などはあくまで参考程度と考えておいてください。「どこを何ミリ縮小」なんていうのは、数値だけを見て行うとたいがい失敗します。それはおおよその場合、「数値の再現をするために見た目のバランスをとることが疎かになっている」ことが多いためだと思われます。あくまで「それぞれが見た“見た目の印象”」を大事にした方が納得のいく仕上がりとなります。

 さあ、続いては肩アーマー。ドッグ類のアイデンティティーのひとつでもあります。

 まずは接着して、しっかりと合せ目消し。その時にフチにあるリベットのディテールも削ってしまいます。

 片っ方のフックの基部がないのはレジンパーツのスモークディスチャージャーを付けるため。元のフック部分を切り取った後きれいに成形。レジンパーツとの接合を確かめておきます。あ、書き忘れましたが、この肩アーマーパーツは接合部の一部を削ってアトハメ加工をしてあります。

 ここまでできたら、削り取ったリベットの再生。ここでもウェーブの「New Rリベット」が大活躍。こういう場合の「リベットを上手く均等に貼り付けるためのコツってなんですか?」なんて質問がありましたので説明しておきましょう。

 まずは合せ目部分と内側の端っこにリベットを接着。使用するのはRリベットの丸の1.6mm。こういう目印のあるところから貼り付けていくのがポイント。接着に使用するのは、プラ同士なら流し込み用の接着剤が乾燥も速く、適しています。

 それが済んだら貼り付け終わったリベットとの間隔を確かめながら鉛筆などで印を付けておきます。印を付け終わったら良く見て、ちょっとおかしいと思ったら印を付けなおしておきます。

 後は印の部分にリベットを接着するだけ。慣れてくれば目感だけでもそこそこ正確にリベットを貼り付けることができるようになります。もう今回はRリベット大活躍。

 続いては手首の取り付け部分。

 トランスキットには専用のパーツが用意されています。写真左のアイボリーのパーツがそれ。

 シャープに成形されていてイイ雰囲気なんですが、形状の都合で接着してしまわないといけないのが困ったところ。ここには手首のアーマーが付きますからね。手首の角度に合わせて回転させたいところ。手首のアーマーはいつも手の甲の方についててほしいので。

 ちなみに手首のほうはこんな形状。付け根の丸い部分が収まればいいわけですね。

 色々考えた末、今回はレジンパーツを使用せず、プラキットのパーツを改造することにしました。上の写真の赤丸の部分を掘り込めばレジンパーツの手首は収まります。

 このパーツの裏側はエポキシパテで埋めておきます。こうしておけば反対側を掘り込んでもしっかり手首を保持できます。エポパテを使ったのはポリパテと比べて硬化後の粘りが強いため。可動部分になるようなところはエポパテの方が強度が確保できて安心です。

 あとは表側をリューターで掘り込めば加工終了。写真左からトランスキット付属のレジンパーツ、改造済みのプラキットパーツ、未改造のプラキットパーツ。

 ざっとくみ上げてみました。うん、中々いいんじゃない? この後、先ほどの手首パーツの底面をちょっと削って薄くしておきました。

 手首のアーマーはキットのディテールを削り取って0.3mmプラバンを貼り付け、フラットになるよう改造しました。裏側もプラバンでディテールを追加。この後リベットを追加しておきました。

 ちなみにトランスキットには、左右の銃の持ち手と左の握り拳が付属します。銃の握り手の方は各指を1mm真鍮線で繋いでおきます。塗装時の持ち手になるように、ってことと、組上げたときの強度確保のためです。

 マシンガンはショートマズルのものが2丁付属。OVA「孤影再び」をご覧になった方はニンマリの装備。劇中で両手持ちのマシンガンをぶっ放す姿が再現できます。同じくOVA「ペールゼン・ファイルズ」ではバーコフがロングバレルのマシンガンで両手撃ちをやってましたが、ご本家キリコがやるのは初めて。「孤影再び」ではテイタニアが駆るエルドスピーネの三点バースト両手撃ちと共にダブル両手撃ちという、ファンとしてはたまらないシチュエーションが再現できます。なんて、えらく盛り上がっても作品を見ていない方には何のことかわからないという。もうみんな見てよ! 面白いんだから!! ちなみに只今予約中の「エルドスピーネ テイタニア機」にも専用のマシンガン2丁が付属します。わかってらっしゃるウェーブさん。と思ったら「エルドスピーネ 一般機」の予約も始まってる! こりゃあ、ボトムズファンはしばらく忙しく模型を作る日々が続きそうですなぁ。


 さあ、ここまできたら全体の組み立て。アトハメが利かないような場所は真鍮線で繋いでおくと、塗装の時などに便利です。まあ、ただ穴を空けて真鍮線をはめとけばいいって訳じゃなくて、それなりに考えて取り付けておくと後が楽。

 例えばローラー部分などはローラーと本体部分を塗装後に取り付けたい。そこで写真のように瞬着の点付けで位置を決めたら、鉛筆で印を付けておきます。ポイントは「縦」と「横」2種類の線が引けるようにしておくこと。

 印を付けたら一度バラして、印を付けた部分を基準にパーツ同士の接合面にラインを引きます。

 はいこんな感じ。異なった形状のパーツでも同じラインが引けるという、誠に結構な方法。

 このラインの交点にピンバイスで穴を空け、短く切った真鍮線を差し込みます。なれないと「これ、ちゃんと合うのかよ」と不安に駆られるかもしれませんが、これでいいんです(ジョン・カビラ風)。

 これで仮組みが便利になるのと、何度組み立てても同じようにピッタリ組みあがるというわけです。まあ、こういうことはレジンキットの入門書なんかに書いてあったりするんですが、最近ではメカ物のレジンキット入門書なんかも少ないようなのでご参考までに。

 組み付けにちょっと注意が必要なのは脚部前面のトランプルリガーの部分。

 トランプルリガー本体の勘合の調整をしておくのはもちろん、この部分の取り付けに特に注意してください。

 はい、トランプルリガーと本体の取り付けのためのボールジョイント。この部分の長さが“丁度いい”按配になっていないと、変なスキマがあいたり、上手く取付けできなかったりします。キットでは取り付ける部分のシャフトの真ん中くらいまで穴を開けてボールジョイントを取り付けるようになっていますが、あえて突き通しで穴をあけ、ジョイントパーツを取り付けます。

 そして実際に組上げたスネパーツに取り付けてみて、ジョイント部分の長さを調整。長さが決まったらこの状態のまま少量の瞬着で止めてしまいます。

 もう一度取り外したら接続パーツの要らない部分を切り取って成形。これなら組んでみてから微妙に長さが合わない、なんてことがなくなります。

 さてこんなふうに足回りのパーツをいじってたら気になっちゃったのがスネ部分のリベットディテール。

 キットでは丸いリベット状のディテールが施されています。設定CGでも丸いディテール。でもここって、取り外しできないと不便なんじゃないか?? リベットなら丸いディテールでいいんですが、ネジ類だとするとプラスかマイナスの丸頭のネジってことになる。でも、可動機械の負荷が多くかかりそうなところに丸頭のネジって言うのもなぁ。

 ということでキットのディテールは削り取って「Rリベット 角」に差換え。Rリベット上面の丸いディテールは削り取って単なる六角ボルト風のディテールにしてあります。ちなみに、実際の工業製品にねじ類を使う場合、最も弱い力で絞めればいい部分にはマイナスネジ、それよりも強い力が必要なときにはプラスネジが使われます。六角ボルトは材質と大きさによるんですが、ドライバーを使うより生産性が高く、同等以上の締め付け力を発揮するので、自動車や工業機械なんかにも多用されています。それよりも強い力を発揮するのが六角レンチを使って開け閉めするヘキサゴンボルト。普通の六角ボルトで止まっている所の締め付け強度を増すために差換えて使われたりもします。まあ、余談ですけどね。模型のディテールアップの際のご参考までに。

 さあて、じゃあ、いよいよ全体を仮組み。

 と思ったら、姉さん、事件です!! 足首のジョイントが短すぎて足首が上手く前後に可動しません!

 仕方がないので足首ジョイントパーツを作り直し。トランプルリガーの部分が干渉して可動しなくなっちゃった。まあ、こういうことが最後になって判明しないように仮組みするんで、いいんですけどね。キット付属のプラサポに上手いことパーツが余ってたんで、それを使用して再度組み立て。

 で、再度組み立て。うむ、これならいいだろう。

 で、もうひとつ気になったのがバイザーの隙間。

 よく見るとターレットレンズのスリットから中身が丸見え。

 中身がないんで丸見えったって空間が開いてるだけ。こりゃあまずいってことで、あわてて追加作業。

 まあ、0.3mmのプラバンを短冊に切って裏側に貼り付ければいいんですけどね。

 裏側の張り込みに使ったのはウェーブのプラ=プレート0.3mm。グレーなんで塗らなくてもイイ感じ。

 さて、これで全体の下ごしらえは終了。こんな按配になっております。

 うん、なんとかいい感じになってきた。

 足回りの展開もスムーズで勘合もいい感じで仕上がってます。これで次回は完成させられそうだな。

 てな具合で今回はここまで。次回は細かいディテールアップから塗装、完成までをご紹介したいと思います。はてさて、どんな仕上がりになることやら。

 てなところで、次回も乞御期待!!

(C)サンライズ

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