線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 ええ~、この連載ではいろんな方々からメールなどでご質問を頂くことがあります。「作り方」や「ちょっとしたコツ」「使っている道具や工夫」など、お応えできることはなるべくお答えするよう心がけておりますが、中にはこまったメールというのがありまして、それは「お金を出すので作例で作ったような完成品を作ってもらえないか」という個人の方からのご依頼。MPJでこの連載をやるにつけ、皆さんに一番味わっていただきたいのは「思いいれのあるキットに自分なりの思い入れを投入して完成させる喜び」なので、そういうご依頼はお断りをさせていただいております。どうかそのあたりご理解を頂いて、ご勘弁を願いたいと思います。特に今回の「ヤマト2199」ではそういうご依頼が複数寄せられておりまして、まあ、「昔は作っていたけれど今は完成させる自身がない」というお気持ちもわかるんですけど、このキット、決して難しいキットではありません。その昔ヤマトやコスモゼロなんかを作ったことのある方なら絶対に完成させられるキットです。どうか騙されたと思ってご自分で挑戦してみてください。昔、とてつもなくワクワクしながらキットに取り組んだあの気持ちに加え、新たな技術やノウハウなどが投入された現代の「宇宙戦艦ヤマト 2199」を肌で感じられる好キットとなっております。このヤマトに限らず、それが「キットであること」の最大の理由です。どうぞご一緒に『蘇ったヤマト』を存分に楽しんでみようじゃありませんか。
 なんて、妙に堅苦しいイントロは置いといて、今回はバンダイ『1/1000 宇宙戦艦ヤマト 2199』完成編。少しでもそういった方々の参考になるように超絶に張り切ってまいりましょう!!

 さて、前回までの作業で電飾加工の一部を残し、下ごしらえはほぼ完成のヤマト2199。

塗装に手間のかかる艦載機搭載部分も既に塗装済みということで、気分が大分なごやかです。実はこれが全体をスムーズに仕上げるコツのひとつでして、「こりゃあ塗装が厄介だぞ」なんて所は、事情が許せば先に仕上げておくっていうのがよろしい。例えば全体が仕上がった後に「うおっ! そういえば艦載機全部塗らなきゃ!!」なんてことになったら、こりゃあ確実に挫折しそうでしょ。そんな「我が身のメンタリティ」を考慮しておくことも、模型を作る手順として非常に重要です(笑)。

 さて、じゃあ今回はまず電飾を仕上げてしまいましょう。

 前回はチップ型の白色LEDをエンジン部分に仕込んだ後、写真のように配線を取り回したところでした。そういえば、『エンジン内部に取り付けたLEDの写真を見せて欲しい』なんてリクエストを頂いたので載せておきましょう。

 そういやぁ前回載せてなかったんだね。塗装に備えてマスキングしてありますが、真ん中の白っぽい四角部分がLED。接着はスーパーXを少量使って止めてあります。
で、今回の電池ボックスはこんな感じに仕上げました。

 なんか、いつもと違ってちょっとちゃんとした感じに見えますが、ボックス自体はウェーブのプラ・プレート1mmの新しいヤツ「ダークイエロー」の箱組みです。昔の「タミヤ工作セット」に入ってたスイッチみたいな色で、なかなかそそります。

 電池ボックスに使った金具は、バンダイの1/700の「アンドロメダ」(昔に出たやつね。最近再販されたので、まだ店頭にあるはず)に付属していたパーツ。別にヤマトつながりという訳ではないんですが、組み立てた際に使用しなかったものが余っていたので流用しました。電池はLR41を3個使用。これも前にタイガー&バニーの作例をやった時に多めに仕入れたものが余っていたので。船体内のスペースを考えると、単4電池なら2本がいいところ。単5電池なら3本いけそう。それ以外だとボタン型電池ということになります。あらためて部材を用意される方はご参考までに。

 はい、これが実際に配線を済ませたところ。実は、この連載に合わせて同じくヤマト2199を作っているというモデラー仲間がおりまして、「電飾が苦手なんで配線を教えてくれないか」といわれて送ったのが次の図面。

 案の定ね、来ましたよ。「これ何のことか全然わからない」という返事が(笑)。まあ、そういうヤツなのはわかってたんですけどね。ちょっとは図面の読み方とか調べろっちゅうねん(笑)。で、そんなヤツのために起こしましたよ、新しい図面を。

 これならわかるだろう、と思ったら、まだわからなかったらしく、電話で質問攻め。もしかしたら、この連載をご覧の方の中にも『電飾全然ワカラネェ!』っていう方もいるかもしれないと思ったので、チョコッとLEDの電飾について書いておきましょう。


 「LEDの点灯」といっても、小学校の時にやった豆電球の点灯実験とそれほど違いはなく、基本的には『電池に繋いで点灯させる』という所は変わりません。ただしLEDの場合、繋げ方に方向がありまして、アノード側にプラスを、カソードにマイナスを繋げないと発光しません。上の図面の「A」とか「K」っていうのはそれを表してるんですね。砲弾型のLEDの場合、足が長いほうがアノードという決まりになっています。チップLEDの場合は種類によって違うんですが、大概わかりやすいように何らかの印が付いていますし、説明書に明示してあります。
 で、もうひとつハードルになっているのが「抵抗」(上の図の『100~180Ω』とある部分)だと思います。LEDの別名は『発光ダイオード』。つまり半導体の一種ですから、過剰な電圧をかければ壊れてしまいます。これを防止するために回路の中に抵抗を設けてLEDを保護しようというわけです。でもまあ、経験上、乾電池などを使って6V以下で点灯させるぶんには抵抗無しでもほとんど問題はありません。外部から交流電源で発光させる場合などは抵抗を入れないと危険ですが、乾電池を使って模型に使用する場合は『明るさの調整』も兼ねて取り付けることが多いようです。まあ、実際の抵抗値の目安はLEDの説明書に書いてありますので、それを参考にして取り付けます。ちなみに、今回使用したLK-1の場合は、
4.5~9Vの場合180Ω
8~13Vの場合470Ω
12~20Vの場合1kΩ

 となっています。他にもLEDの説明書には輝度や照射角などの情報が載っていますから、よく読んで使用することをオススメします。じゃあ、ちょっと実験。

 はい、これが実物の抵抗。最もノーマルな種類のものです。写真上が180Ω、下が150Ω。これを繋げてどれくらいの差が出るか実験してみましょう。

 まずは配線を施したチップ型LED。ヤマトに取り付けたLK-1とほぼ同スペックのものです。

 まずは単3アルカリ電池2本、つまり6Vに180Ωの抵抗を付けた状態。LEDのスペック表どおりの数値の抵抗を付けた状態です。

 これは同じく6Vで150Ωの抵抗に変えた状態。ちょっと明るくなっているのがわかるかな? ちなみに抵抗を付けない状態でも問題なく発光します。電池を使っている限りそれほど神経質にならずに明るさの調整として抵抗を使う感覚でいいんじゃないかと思います。ちなみにウチに常備してあるのは100、150、180、300、350、500、1k、1.5kΩと、調べてみたら結構ありました。それほど値の張るものではないので、いろいろと揃えておくといいかもしれませんね。この手のパーツの購入に関しては過去の記事に紹介しているんで、そのあたりをご参考に。


 さて、実作業に戻りましょう。今回の電飾で一番悩んだのがスイッチの付け所。あんまり表に出したくないし、かといってあんまり操作が面倒なのも困る。ということで悩んだ結果、ここに取り付け。

 どこに付けたかおわかりでしょうか?

 はい、正解は第一主砲の下の部分。

 スイッチの動作部分が入るよう四角い穴を空けて、裏からは2mmの4角プラ棒で補強。電極をしっかり半田付けしたのちスイッチの足を左右に広げて取付けスペースを確保しました。

 スイッチを付けた後でも、しっかり主砲が取り付けられます。

 スイッチのON/OFFは第一主砲を取り外して行います。組み付けテストでもしっかり発光。

 さぁて、ここまできたらいよいよ本体の塗装。まずは船体各所の『グリーンの窓』部分を先に塗っておきます。

 まずガイアノーツのEx-シルバーメタリックマスターで希釈して塗った後、乾燥を待って蛍光グリーンで塗装。しっかりと乾燥させたら写真の赤で囲った部分をマスキングしておきます。煙突の根元の丸などはマスキングゾルが便利。その他の部分はマスキングテープの細切りで対処します。この部分は最終的に塗装が終了するまで剥がさないので、しっかりとマスキングしておきましょう。

 艦橋部分のクリアーパーツも蛍光グリーンで塗装。艦橋の取り付け部分にはハセガワのTFシート「ミラーフィニッシュ」を張っておきます。

 さて続いてはいよいよ船体の塗装。今回は船体を滑らかにするため大分ヤスリ掛けしたので、サフを吹いておきます。使用したのはサーフェイサーエヴォ シルバー。いくつか見つかった傷などを修正した後、船体のグレー部分にEx-シルバーを吹きます。

 これはEx-シルバーを塗った後、混色した『ヤマト色』を大きなパネルラインに沿って軽く細吹きしたところ。今回の『ヤマト色』はブルーグレー50%+Ex-ホワイト30%+Ex-ブラック20%+純色シアン少々といった具合に混色したものと、Ex-クリアーを半々くらいに混ぜてシルバーに重ねていくことにしました。
 かつての宇宙戦艦ヤマトでは、シーンに合わせて様々な色が使われていました。あまりアニメの知識のなかった子供時代は、各シーンで彩色が違うヤマトを巡って「ヤマトの色論争」が起こったりして(笑)。今回の2199版でもシーンによって彩色が異なっており、第一章公開時の資料では、いわゆる「軍艦色」のような濃い目のグレーで塗られていましたが、二章以降では暗い宇宙がバックになることが多いため、幾分ブルーがかった船体色となっていることが多くなり、そして、最近公開された第三章のPVを見ると、濃いブルーグレーの船体に金属感を演出するハイライトが加えられていたりします。宇宙戦艦とはいえ『ヤマトはヤマト』。やはり鉄(くろがね)感が重要だろう。ということで、今回の作例では『一瞬メタリックに見えない重厚なメタリック仕上げ』でフィニッシュしてみようかと思います。

 まあ、簡単に言えば「シルバーに塗った上にクリアーのヤマト色を重ねて表現するメタリックカラー」なんですけどね。この手法だと重ねる塗料の調整一つで様々な船体の表情を演出することができます。

 ポイントは「メタリック感を残しすぎず消しすぎず」の按配をどう調整するか。楽しくもあり難しくもありといった塗装法です。

 艦橋や主砲の類も同じようにシルバーを塗った上からヤマト色を重ねます。「ハイライト部分がメタリックっぽい感じ」になるように仕上げました。

 おっと忘れちゃならない波動エンジンの真ん中部分。根元部分にクリアーオレンジを残して船体色をグラーデーション塗装しました。

 さて、こんな所で船体色グレー部分はひと段落。フラッシュを当てるとメタル感が増しますな。さあ、お次は船体下部の赤い部分。

 まずは船体の赤い部分を残してマスキング。それが住んだら赤い部分にサーフェイサーエヴォ オキサイドレッドを吹きます。下地としてはちょうどいい色なんで、これで下塗りは終了。

 ここに重ねる赤はプレミアムレッドをベースにローズディープレッドナチュラルブラウンを混ぜたものに、Ex-クリアーを半分以上足したもの。ただし、グレー部分のように「色を重ねて暗くしていく」のではなく「色を重ねて明るくしていく」感覚になります。これ、続けてやってるとちょっと不思議な感覚になる作業です(笑)。

 さあて、赤い部分も塗り終わったらマスキングを剥がして全体の彩色バランスを確認。メタリック感はまずまず狙い通りかな。

 全体を見ると、若干陰影に欠けるような気がしたのでクリアーブラックで少し調子を付けることにしました。

 大きなパネルラインに沿って軽くクリアーブラックを吹いた後、船体の汚れやら、ダメージっぽい感じやらを追加してみます。

 艦橋や砲塔部分も若干のシャドウを入れました。シャドウを入れると船体のメタリック感がわかりやすくなります。これは「単一面での明度差が大きくなったため、ハイライト部分の特徴が強調される」ことによるためだと思われます。

 さて、これで組み立てれば――、と思ったら、こいつらが残ってました。

 コスモゼロ2機とコスモファルコン2機。実はこの間塗装を終えてから、「コスモゼロの黄色い部分は山本機だと白い」事を発見して慌てて塗りなおしてあります(笑)。

 説明書ではこの艦載機たち、キット付属のベロ状のパーツに接着するよう指示されていますが、それだとちょっと寂しいかなぁ、と思いまして……、

 このベロパーツの根元だけをカットして0.5mmの真鍮線を取り付け。メタルプライマーを吹いてフラットブラックで塗装しました。

 これを台座に取り付けて、底面に0.5mmの穴を空けた艦載機を差し込むと、なんとなく“編隊飛行”みたいでカッコいいんじゃない?

 という具合に全部のパーツの作業が完了! それぞれのパーツを慎重に組み立てて、いよいよヤマト完成です!!

 ヤマト本体は組上げた後、全体にセミグロスのクリアーを拭いてツヤを統一しています。フラッシュ撮影なので、ちょっと派手目のヤマト君。

 波動エンジンも調子よく発光。

 もちろん艦載機搭載部分は取り外して展示できます。

 おっといけない、こいつを忘れる所だった。初回特典のメカコレ三段空母ブルーバージョン。しっかり塗装して仕上げましたよ。

 お馴染みのアングルは,コンデジで撮るとさすがに全部にはピントが合わない(笑)。後はギャラリーでお楽しみください。

 さて、バンダイ『1/1000 宇宙戦艦ヤマト 2199』いかがだったでしょうか? 38年の歳月を超えて蘇った名作「宇宙戦艦ヤマト 2199」。キットはそれにふさわしい説得力に満ちた出来でした。なんといってもフォルムが美しい。出来上がってからも手にとって何度も眺め回してしまうほどです。現在リリースされている第一章、第二章に続き、10月には第三章が公開、キットも10月には1/1000の統一スケールで「国連宇宙軍 連合宇宙艦隊セット1」として「キリシマ」「ムラサメ」「ユキカゼ」が発売予定となっており、その後も続々とリリース予定とのこと。オジサン世代にとっては懐かしくも新しく、お若い世代には新鮮な驚きを提供するヤマト2199から、今後も目が話せません。この「宇宙戦艦ヤマト 2199」シリーズ、是非とも皆さんに一度取り組んでいただきたいキットです。この連載でも機会があれば追いかけて行きたいシリーズ。また皆さんに作例をお届けできればと思っています。

 さて、それではバンダイ『1/1000 宇宙戦艦ヤマト 2199』もこれにて完成。次回は何を作ろうかな、ってところで、お後がよろしいようで。

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト 2199 製作委員会
(C)東北新社


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