線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 ええ~、「歳をとってショックなこと」っていうのはあるもんで、お若い方と話なんかをしているといろんなことがございます。とくに“昔起こった事”について話したりしてると、そういうことが多い。たとえばこの間、「東西ドイツの壁が壊れたときにはビックリした」と話したら、「ああ、子供の時にニュースで見ましたけど、なんで壁壊すだけでニュースになるのか不思議でしたよ。ちょうどウチの隣のビルを壊してる最中だったんで」とか、「オイルショックっていうのがあって、店頭から石鹸やトイレットペーパーがなくなったんだよ」っていったら、「この間の震災みたいなもんですか?」って言われたり。中でも一番ショックを受けたのは「へぇ、東京オリンピックって本当にあったんですね」っていうヤツ。ワタシゃその年の生まれだちゅうねん(笑)。
 さて、気を取り直して今回からは新ネタ。その世代の方にとってはたまらない模型の登場です。それでは張り切ってまいりましょう!!

 今回からのお題はこれ!

 バンダイ1/1000「宇宙戦艦ヤマト2199」です。

 『宇宙戦艦ヤマト 2199』の元となった「宇宙戦艦ヤマト」は1974年に放送されたTVアニメ。アニメ史上のみならず、その後のエンタテイメントのあり方に変革を与えるきっかけとなったエポックメイキングなアニメーションです。
 ストーリーは謎の他星系国家「ガミラス帝国」により突如攻撃、放射能汚染され、滅亡まで残り1年と迫った地球を救うため、宇宙戦艦ヤマトが放射能除去装置を求めて14万8千光年離れたイスカンダル星を目指すというお話。途中、ガミラス帝国との激闘や様々な苦難を乗り越え、不屈の精神で目的地を目指すヤマトクルーをはじめ、敵であるデスラー総統やヒス、ドメルなどの敵役、イスカンダルの女王スターシャなど魅力的なキャラクターがみせるドラマや、メカニカルでダイナミックな戦闘シーンなど、凝った作画と魅力溢れるストーリーでそれまでのアニメの常識を覆す魅力を持っていました。
 初回放映当初は最大39話の放映が予定されていましたが、低視聴率や予算、制作スケジュールの都合などで26話に短縮。しかし、一部ファンから大きく支持され、日本SF大会のファン投票では星雲賞を受賞しています。1975年くらいから再放送が始まり、これをきっかけに全国にファンクラブが乱立、一躍ブームとなり、劇場版公開でピークを迎えました。これが“ヤマトブーム”に留まらず“アニメブーム”の起点となり、後の「機動戦士ガンダム」や「超時空要塞マクロス」等が誕生するきっかけにもなりました。
 また、ヤマトブームに呼応する形で多数のアニメーション専門誌が発刊され、「アニメと雑誌、漫画」といった複数媒体での展開は、アニメ業界のメディアミックスの原点となりました。また、ユーザーの作品情報への加熱する欲求は、声優ブームの発端ともなりました。
 現在活躍されている庵野秀明氏や出渕裕氏などをはじめとする多くのクリエイター陣にも深く影響を与え、「ヤマトが無ければ今の自分はいなかった」という関係者の方も多くいらっしゃいます。
 そして、その出渕裕氏を総監督として現代に蘇ったのが「宇宙戦艦ヤマト 2199」
 現在のところ第二章までが公開されていますが、元の作品をきっちりリメイクすることに加え、魅力的な新要素も盛り込まれ、弟一級のエンターテイメントに仕上がっています。
 それにあわせて発売となったのが今回のお題、バンダイ 1/1000「宇宙戦艦ヤマト 2199」。新作に合わせて完全新設計のニューキットとしてリリースされました。

 なんて具合に40代以上の方には“お馴染み”どころか語っても語りつくせないヤマトですが、ご存じない世代の方にしてみるとイマイチなんのことかわからないらしい。ちょっと聞いた話では「イスカンダルまで空気清浄機を取りに行く話」という、いささか宅配便か家電量販店のシェア争いみたいな話だと勘違いしていらっしゃる方もいるよう(笑)。そういう方は是非とも作品本編をご覧頂くことをオススメします。本当に面白いんですから。

 てな具合に異様に長い前置きはさておいて(ゴメン、世代だもんで、つい力が入っちゃったんだよ)、まずはランナーチェックから。

 まずはA枠。船体のグレー部分のパーツですね。A枠が単色のバンダイキットって、なんだか新鮮。

 続いてB枠。船体下部の赤いところのパーツ。“丈夫過ぎる艦橋”こと第3艦橋もこのランナー。

 C枠は船体の内容物と台座のパーツ。今回の2199で特徴的な回転式の艦載機収納部などのパーツも見えます。

 D枠は船体中央の第一、第二艦橋付近を構成するパーツ。煙突の下側もこのランナーですね。

 E枠は主砲、福砲を中心に最前部の甲板、艦首部分など。

 F枠はある意味目玉の艦載機。

 艦載機収納部に使用する板にくっ付いたコスモファルコンが16機、単体の物が16機のほか、お馴染みのコスモゼロ2機も付属します。計34機という航空母艦並みの積載数!

 G枠はパルスレーザーなどの対空(?)機銃のパーツ。銃身なんかは極細で成形されています。バンダイ脅威の技術力!

 H枠はクリアーパーツ。艦橋の窓に加え波動砲、メインエンジンの中心部が含まれます。これは発光させろってことかぁ?!

 組み立て説明書はブックレットタイプの凝ったつくりのものが付属。

 中面のデザインも工夫が凝らされていて“その気”にさせてくれます。

 センターのカラー面も雰囲気たっぷり。真剣に読んじゃいました。

 あとはシール類。といってもこの2199版ヤマトにはマーキングがないので、台座に貼るものが6種類付属します。ちょっと豪華な感じ。

 それから、初回生産分特典としてパッケージに面白い仕掛けがしてあります。

 それがこれ。パッケージの内箱がコート紙でできており、なにやら印刷されております。そうです、皆さんお馴染みのヤマト・メカコレクションの三段空母のパッケージが印刷されてるんですね。

 この「宇宙戦艦ヤマト 2199」、初回生産特典としてブルーで成形されたメカコレ三段空母が付属するんです。内箱の印刷はそのパッケージというわけ。「宇宙戦艦ヤマト」にはドメル艦隊を構成する宇宙空母として緑、紫、青、3隻の三段空母が登場しています。ちなみに通常のメカコレとして発売されているのはこんな成形色。

 はい、緑で成形されています。ドメルの艦隊の戦闘空母が赤で、レギュラーの三段空母が緑、そしてこの青というわけで、あとは紫を再現すれば全色整うわけですな。この先、特典で付いたりするのかな? どちらにしろちょっと楽しい仕掛けです。

 せっかく楽しい仕掛けなので、ハサミで切り取ってみました。

 箱ができ上がりましたよ。

 せっかくなんでランナーも普通の三段空母に習って切放して箱の中へ。

 うう~ん、なんか楽しい。こういう遊び心はいいですね。って、遊んでる場合じゃない!!

 やっぱりヤマトも作らなきゃ、ということで、一気に素組み完成状態。

 基本デザインに大きな変更はないのかと思いきや、艦首波動砲周辺のラインのつなげ方や、バルバスボウの長さが微妙に変わっていたりして、2199バージョンのデザインへのコダワリが感じられます。主砲もしっかりとした高さがあってイイ感じ。

 後ろから見ると、これまでのヤマトより船尾の絞込みが少ない印象。それじゃあ、細部を見ていきましょうか。


 まずは上部艦橋部分。このあたりはクリアパーツの見せ方がポイントになる部分。劇中では内部の光が漏れているのをどう表現するかが見せ所。

 艦尾のメインエンジン中央部もクリアーパーツ。本来なら船体色と同じ色の部分です。これは発光させなきゃだめか? やっぱり。まだわかんないけど(笑)。

 めんどくさがりの方はいきなり敬遠してしまいそうな機銃まわり(笑)。非常にシャープな造型で、切り出して組んだだけでこんな仕上がり。

 艦橋後部の構造物は結構複雑な構造の上、塗り分けをしなきゃならない部分もあったりして、コツがいります。まあ、そのあたりはおいおい。

 主砲は回転させると外側から順に上可動するというギミック付き。劇中でもそういう演出がされていました。多分、設計者コダワリのところなんじゃないかと想像して、ひとりニヤニヤ。

 ちなみに、主砲は基部から外すことができ、砲が正位置の状態で8方向に取り付けることができます。このあたりも細かい配慮ですね。

 左舷中央部分にはちょっとした仕掛けがあります。

 この部分が外れて……

 アクションベース取付け用のパーツと差し替えが利くという仕掛け。船底に取り付け穴があるよりスマートな方法。これでヤマトを“飛ばす”ことができるわけですね。

 さて、ここは今回の2199バージョン最大の大仕掛け。艦載機を収納するシリンダー状の格納部。写真ではまだ艦載機を載せていない状態です。艦載機を乗せる部分は塗装後に接着しなきゃならないんで。

 このシリンダー部分だけ取り外して飾ることもできます。

 こちらが艦載機「コスモファルコン」と「コスモゼロ」。板にくっ付いたコスモファルコンはシリンダーに組み込むパーツ。既に一部塗装を始めてます。なんせ30機以上塗らなきゃならないんで、コツコツ進めていくしかありません。

 ちなみに艦載機の大きさはこれくらい。細かい塗り分けはヘッドルーペをかけながら、米粒に字を書く人の勢いで筆塗り。老眼には辛い作業です(笑)。

 艦尾船底の開閉ギミックも再現。ここからコスモファルコンが出撃するんですな。

 まあ、こんな按配で、素組みが出来上がっております。

 で、まあ――白状しますとワタシ、実はメーカーさんの展示用モデルを作らせていただきまして、この2199バージョンのヤマトを作るのは5隻目。もう説明書いらずの手馴れた勢いでチャチャッと組んで、この状態まで3時間ばかり。なれない方だと5~8時間といった所でしょうか。特に複雑な構造の所はないんですが、パルスレーザーの組立てや艦載機の収納部分など、“同じ作業を繰り返す”系の面倒さはあります。
 あ、それから忘れないうちに書いておくと、このキット、バンダイお馴染みの“全部スナップフィット”や“成型色で塗り分け完全再現”ではありません。細かい部品や強度的に不安な所は接着剤を使うようになっていますし、ポイントとして必須という塗装箇所もあります。船体などはそのまま組めるようにはなっているんですが、ここもある程度接着していったほうがきれいに仕上がります。というふうに、ガンプラに慣れた方にとってはちょっと面倒なキットかもしれません。ただ、リアルタイムでヤマトに夢中になった方々にとっては、「プラモデル制作に必須の作業」をちょっとだけ披露すれば大分良い感じで仕上がるキットです。
 例えば

 「美しい船底を再現するための接着、合せ目消し作業」とか、

 「余分なスキマを残さないためのすり合わせや接着の工夫」など、あの頃を思い出して挑戦して欲しいなぁと思います。

 てなワケで、次回からは4隻の2199版ヤマトを組んだノウハウなんかを紹介していきましょう。さあ、いざイスカンダルの旅へ発進!!

 それでは今回はこの辺で。
 次回も、乞御期待!!

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト 2199 製作委員会
(C)東北新社


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詳しくはバンダイホビーサイトへ


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