線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 世間ではロンドンオリンピックも無事終了。加えて夏休みなんて方も多いと思います。帰省される方はくれぐれも道中お気をつけて、楽しい休暇をおすごし下さい。そして、「どこにも行く予定なんかねぇよ!」という方は、この際ですから思いっきり模型を作るっていうのはどうでしょう。最近の気候だと溶剤系のものは非常に早く乾くので、意外とはかどるかもしれません。まあ、かくいうワタクシも月末までにちょっとした大仕事を抱えて必死に模型を作る毎日です。ロンドンでメダルを獲得した女子バレーの如く「見失っていた光はロンドンの風の中にありました」ってな具合に行けばいいんですけどね。「見失っていた光は西東京の風の中にありました」じゃあ様にもならない(笑)。
 てな具合で今回はハセガワ 1/72 「エースコンバット 震電 Ⅱ」 その3回目。完成編をお送りします。それではハリキッってまいりましょう!!

 前回までで組み立ては終了。今回は塗装してフィニッシュしちゃおう。

 ということで、まずはココから。

 機体後部中央のベスタード・ノズル部分の塗装。この機体の特徴であるタンデムで搭載された発動機系のの後端部ですね。この部分、意外と凝った塗り分けになっていて、

 こんなふうに、黒鉄色と焼鉄色で塗り分けるように指示されています。ただジェットエンジンのノズル部分ですから、指定どうりに塗り分けてオシマイというのも色気が無い。

 そこで、まずはノズル部分をシルバーで塗装。

 組み付け済みのノズル部分もマスキングしてシルバーで塗ります。使用した塗料はガイアノーツのEx-シルバーメタリックマスターで希釈して吹き付けました。Ex-シルバーを使ったのはスターブライトシルバーよりメタリックの目が細かいから。シルバーをベースにクリアー系塗料を吹き重ねるような手法の場合、スターブライトシルバーを使うよりも落ち着いた仕上がりが得られます。

シルバーが乾燥したら、その上からクリアーブラックを吹き付け。クリアーブラックには若干のEx-クリアーを足して透明度を調整して使っています。こういう使い方の場合、重ねる塗料は薄めのほうが調子が付けやすいんですね。

 先ほどマスキングした所も同じように塗装。「ほとんど黒鉄色なんだけど、よく見ると若干調子が付いている」くらいの仕上げにします。あんまりやると下品な感じになっちゃいますからね。

 クリアーブラックが乾いたら、焼鉄色の指定の部分にクリアーオレンジを重ねます。エアブラシは細吹きにしてフリーハンドで塗装。マスキングしてもいいんですが、焼け色の再現なんで若干アバウトなほうが雰囲気が出せるかなぁという魂胆。

 ノズル部分の塗装が済んだら機体下面のグレーの塗装。

 指定ではクレオスの308番です。今回はガイアノーツのニュートラルグレーⅠをベースにブルーグレーサンシャインイエロー純色シアンなどを足して作りました。

 差し替え式に改造した翼端も忘れずに4枚分を塗装。

 ウェポンラッチなんかも同じ色指定なので、ついでに塗っておきます。ミサイルなどはラッチをマスキングして後で塗装するわけですね。

 さて、ここまで来れば機体上面の塗装、となるわけですが、その前にチト考えておかなくちゃならない所があります。

 ええと、付属デカールの写真です。白いんで見えにくいかと思いますが、主翼上面に貼る白いラインの内側がクリアーで埋まってます。これ、面積が広いんで、そのまま張るとほぼ確実にシルバリングを起こすだろうと。それを回避するためにはこのクリアー部分を切り取るか、白いラインを塗装で再現するかという選択に迫られるんですが、前回ハセガワの零戦21型を作った時は、同じようなデカールでクリアー切り取りというのをやったので、今回は塗装による再現に挑戦してみましょう。

 ということで、まずは主翼上面のラインが入る部分に、アバウトにEx-ホワイトを吹き付けます。あ、書き忘れましたが、今回の塗装、サフは使いません。この震電Ⅱ、機体全面にかなり繊細なディテールが施されていますので、サフで埋まっちゃいそうな気がしたんでそのまま塗装することにしました。もしサフを使うなら機体全体のスジボリを彫りなおす作業が必要だろうと思います。

で、話をラインの再現に戻します。ええと、アバウトに塗った白い塗料が乾いたら、0.8mm幅に切ったマスキングテープをラインを残したい部分に貼り付けます。0.8mmというのは付属デカールのラインをノギスで測って決めました。貼り位置を確かめながら、マスキングテープが歪まないように注意して貼り付けます。

 そうしたらよく切れるデザインナイフなどで余分な所を切離せばマスキングのでき上がり。余ったマスキングテープを切る時は力を入れないで「スッ」っと切るのが大事。「デザインナイフでマスキングテープ1枚を切る感覚」というのを大事にしてください。乱暴にやると塗装面に余計な傷が残りますが、上手くやるとラクチンで、素早く仕上げることができます。

 さあ、マスキングも完了したし。いよいよ機体上面色の塗装! と思って調色した1色目を塗ってみたら――なんか違う。

 ええー、このあたりでお気付きの方も多いと思いますが、今回の震電Ⅱ、塗装見本に無いカラーリングをしてみようと思います。
 この機体で最もイメージが強いのはパッケージアートにもなっているグレーのロージビ。キットではそれに加えて洋上迷彩が再現できるようになっています。ただ洋上迷彩といってもミディアムブルー単色の仕様。そんならいっそのことF-4やF-2の洋上迷彩みたいに2色のブルーで塗り分けたらカッコいいんじゃない?! 機体の特性上、海上からの侵入作戦なんてのも有りそうだし。なによりせっかくの架空戦闘機なんだから、カラーリングで楽しまないとね! ということで2色迷彩にしようと思ったんですが、さっきの写真。イマイチ派手さにかけるカラーリング。もうちょっと派手でもいいんじゃないかということで、早速塗りなおし。

 で塗装を終えたのがこちら。コバルトブルーEx-ホワイトブルーグレーなどを足して、さっきより明度の高い明るい青で塗りました。うむ、これなら良かろう。

 翼端部分も忘れずに。ちなみに、ここまでは全くのノーマスキング。吹き付けの方向や噴圧などを調整して塗り分けています。

 そして2色目の青。こちらもコバルトブルーをベースにEx-ホワイト、それにウルトラマリンブルーを足して作った色。こちらもマスキング無しのフリーハンド、「エアブラシでお絵かき」的手法で塗りました。本当はもうちょっとボケ足が短いほうがいいかもしれない。0.2とか0.18とかのブラシがあると、フリーハンドでも比較的簡単にできるんですけどね。残念ながら我家には0.3しかない。

 で、塗ってて気が付いた問題。「あ、差換えの翼端部分はどうするんだ?」。ええい大丈夫。1回塗ったものを見本に同じように塗ってやる! と挑戦した写真が上のもの。若干違うけど大丈夫だろ。これで。

 というような工程を経て基本塗装が終わった機体。この後各所の細かい塗り分けを行っていきます。まあ、もっと几帳面にやるなら型紙からマスクを作って塗り分けるって手法がいいんでしょうけどね。なんせ架空機体の架空カラーリングですから、ある程度は勢いで攻めてもいいんじゃないかと。あくまでも個人的な考え方ですが。

 で、勢いでどうにもならないのがデカール貼り。

 キット付属のデカールには洋上迷彩用としてえらい数のコーションが用意されています。一番多い「NO STEP」は300個以上。まあ、全てを貼るわけじゃなく、余ったデカールはお好みで御使用下さい的な扱いなので、それほど臆することはありませんが、それでも多い。もう切り取っては水に浸けて貼り込んで、という作業をチマチマ、チマチマ……。

 そしてさらにチマチマ、チマチマ……。

 そして、「できたー!!」と思ったら、まだコーションを貼り終えただけだった……。もう『踏むな』だらけ(笑)。

 ミサイルのライン貼りなんかもけっこう面倒。まあ、あせらず気長にやることが成功の秘訣です。ちなみに後に写っているのはガイアノーツの「フィニッシュマスター」。スミイレのふき取り用として発売されているツールですが、細かいデカールの貼り付けなんかに最適。線香亭オススメツールです。

 で、この後に部隊章やナンバリング、日の丸なんかを貼り付けて……、

 デキター!! 結局、半日以上デカール貼ってた。このデカールが乾いたら全体にトップコートを吹きます。今回はEx-フラットクリアーに若干Ex-クリアーを混ぜてセミグロス気味の仕上げとしました。

 で、トップコートが乾いたら武器類を接着。スミイレなどを行って完成です。


 さて、こんな感じに仕上がりました。後はギャラリーでお楽しみ下さい。

 今回のお題ハセガワ 1/72 「エースコンバット 震電 Ⅱ」。“近未来架空戦闘機”という、これまでありそうでなかったジャンルで、非常に楽しんで制作することができました。初回の原稿にも書いたんですが、実はワタシ、このゲームやったことがありませんが、手にとって作ることで機体の面白さが倍増するという、非常に面白いキットだと思いました。ゲームをやる方ならもちろん注目キットなんでしょうけど、ゲームをやらない方にも挑戦していただきたいキットだと思います。「架空戦闘機の架空カラーリング」なんていう面白さはなかなか味わえませんからね。

 てなワケで震電Ⅱも無事完成。次回はアレをやるよアレを!
 ということで、お後がよろしいようで。

(C)NBGI

ギャラリーへ
<前の記事へ ◆ 後の記事へ>
詳しくはハセガワHPへ


Leave a Reply

CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.