線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰です。
 今回のお題のMGマラサイ、皆さん色々と注目されていたようで、いろんな方からいろんなご質問をいただきます。まあ、お答えできることはお答えするんですが、それよりも何よりも、まずい言いたいのは「このキットは買ってくれ」ということ。技術的にもフォルム的にも、次世代MGへのターニングポイントになるキットだと思うんで、買っておいて決して損はありません。そのあたり、手元にキットがない人に説明するのは非常に難しい。とにかく一度組んでみればわかるという類のキットです。あ、なんか最終回みたいな書き出しになっちゃった。完成編じゃありませんからね。もう少し堪能しながら制作を楽しみたいと思います。それではバンダイ 1/100 MG 「RMS-108 マラサイ」その2回目、張り切ってまいりましょう! 今回は長いよっ!

 前回は上半身を組上げる所までで終わってました。今回は下半身から。

 ”から”っていっても、もう組み上がっちゃってるんですけどね。今回もMGザクVer.2.0と比較しながらご紹介。上半身はザクとほとんど同じ大きさだったんですが、さすがに下半身はぐっとボリューム感があるマラサイ。動力パイプが下半身ユニット側に付いているのもザクと違う所です。

 ではまず腰まわりのパーツから。

 こんなパーツ構成になっています。全体に、非常にシンプルにまとめられているという印象。パーツ数も抑えられていて、簡単に組上げることができました。このMGマラサイ全体にいえることですが「複雑な機構を精密再現するより、シンプルな構成でフォルムとディテール、可動の両立を図る」というコンセプトが感じられます。何よりも組立てが楽!

 これはMGザクVer.2.0の腰まわり。マラサイと比較してみると、機構自体は踏襲しながらもサイドアーマーのスライドやアーマー裏のディテールの再現方法などが簡略化されているのがわかります。

 続いては脚部フレーム。

 写真左はザク、右がマラサイ。こうして並べてみるとそれほど違うようには見えませんが、構造的にはだいぶん違います。

 ますはザクの脚部フレーム。中心にしっかりとしたフレームがあり、そこにいろんなパーツがくっ付いているという構造。シリンダーが可動式になっていたり、内部機器が別パーツになっていたりと、非常に凝った構造になっています。

 こちらはマラサイ。非常にシンプルに各パーツの挟み込みのみで構成されています。

 足首は”よく似た兄弟”みたい。非常に似てますが、マラサイのほうがずっとシンプル。可動式のシリンダーなどは付いてません。写真をよく見ていただけるとわかっていただけるんじゃないかと思いますが、ザクとマラサイのパーツの質感がなんとなく違う。これ、前回もちょっと書きましたが、MGマラサイで投入された新機軸のひとつであることが判明しました!

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 ネットでもちょこっと話題になっているようですが、このMGマラサイ、内部フレームパーツがABSじゃありません。不思議に思ってバンダイさんにお聞きした所、今回のマラサイのフレーム部分には新材料を採用しているとの事。材料特性としてABSのような粘りを持ち、可動対応性能がありながら、接着や加工については通常のPS(ポリスチレン)樹脂と同等にできる素材だということです。恐らくPS樹脂の配合に工夫が凝らされているんだと思いますが、そんなことを聞いたら実験してみたくなるのがモデラー魂! ということでキットのランナーを利用して色々実験してみました。まあ、こんなことをやるのはウチの連載くらいだと思うんで、チョコッとお付き合いのほどを。

 まずは折り曲げて素材の粘りを確認。

 フレームパーツのランナー(H、I枠)を切り取って思いっきり曲げてみました。両方の端っこがくっ付く位まで曲げてみたんですが、曲がった部分が白化したものの、折れることはありませんでした。なんじゃこりゃ! と思い、あっちこっちのランナーを切り取って曲げる曲げる曲げる。ほとんどは問題なく写真のような状態に。

 そんな中で一箇所、「メシッ!」っと折れた箇所が。よく見てみるとランナーの仲にスがほげてる。やはりこういった状態だと本来の粘り特性を発揮できないということですね。ちなみに普通のPS樹脂で同じことをやると、

 ほぼ確実にこういうことになります。粘りに関しては明らかに普通のPS樹脂より高いことがわかりました。

 次は切削加工性の実験。

 写真は400番相当のヤスリで削ってみたところ。問題なく削れますが、削りカスは若干ABSっぽい。このほかナイフで削ってみたりもしましたが、普通のPS樹脂に比べて、ちょっとだけ柔らかいのかな、という印象です。まあ、切削加工で問題になるようなことはないと思われます。

 今度は接着。

 前の写真のようにヤスリで削って平面を作った2本のランナーを接着してみました。接着に使ったのはタミヤの通常のセメント。何の問題もなく、しっかりと接着できました。この後、流し込み用の接着剤で同じことをしてみましたが、これも問題なく、通常のPS樹脂と同じように接着できました。ちなみに通常のPS樹脂との接着も可能。実験はしたんだけど写真取り忘れちゃった。ゴメン。

 お次は問題の摩擦強度。どうせなら酷使してみよう、ということで、リューターにランナーを取り付けて低速回転させ、タグの部分をグリグリやったのが次の写真。

 うはぁ、こりゃすごい。ランナーが丸くなったりタグが凹んだりしているのは、ほとんど摩擦熱によるもの。磨耗強度はABSと同等以上かもしれません。ちなみに通常のPS樹脂で同じことをすると、

 こんなふうに簡単に穴が開きます。組み付けさえしっかりしていれば関節強度は十分ということですね。

 お次は耐溶剤性。いわゆる「エナメル溶剤に弱い」とされているABSとどう違うのか実験です。

 写真は一度曲げたランナーを30分ぐらいエナメル溶剤に浸けてみたのち、取り出してウニウニ曲げてみたところ。うーむ、折れない。ABSでこれをやると脆くなってて折れるんですが、この新素材では大丈夫なようです。実際のパーツだとより薄いことも多いので、組んだもので実験してみないと保証はできかねますが、溶剤に対しても強いんじゃなかと思います。まあ、普通のPS樹脂でも割れることがありますから、十分な注意は必要ですが。

 さあ、最後は塗装。

 ランナーのタグ部分に、何も考えずにエアブラシ塗装。使ったのはガイアノーツのブライトレッドと通常の溶剤。この条件では何の問題もなく普通に塗装できます。

 塗装の定着性をみるため、同じ素材のランナーでガリガリこすってみました。うん、やっぱり剥がれることは剥がれる。ただABSに塗装したときのように”ベロン”といくことはなく、傷が付くという感じ。

 いやぁ、この新素材。実験の結果、加工性は普通のPS樹脂と変わらず、耐久性も十分ということがわかりました。今後の製品にも投入されると思うので期待が高まりますな!
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 「もう、そんなことはいいから早くマラサイ組めよ!」という声が聞こえてきそうなので、キットの紹介に戻ります。

 続いては脚部の外装。

 まずフトモモ部分はちょっと変わったパーツ構成。

 最初に関節部近くのパーツをはめ込んでからフトモモの前後パーツを装着する仕掛け。余計な所に合せ目を作らない、カシコイ構造です。

 下脚部の装甲を取り付ける前に各バーニアの取り付け。外側はボールジョイント式のベクターバドルを止める機構を持ったスラスターパーツを上から取り付ける構造。内側のスラスターは一応ボールジョイントで止まってますが、可動範囲はほとんどありません。スラスター部分のディテールはちょっとアッサリしすぎじゃないかと思います。ディテールアップのポイントかもしれませんね。

 下脚部の外装も簡略化されています。内側の外装は一体成形、外側の外装はヒザに近い所とそれ以外の部分が別パーツになっています。しかし、ここでちょっと問題が……。

 パーツを切り出してゲートの加工を終えたパーツをしっかりと組みつけても、フェアリングの後ろ側に隙間ができちゃう。

 そこで写真の赤い部分を中心に、ヤスリで削ってすりあわせ。

 写真左がすり合わせをした状態。こういう部分はきれいにパーツを成形するためのインジェクションキットの宿命ともいえる部分。それほど手間もいらないので、MGマラサイ定番加工ポイントとしてチェックしておいてくださいね。

 足首部分で面白いのは足の甲パーツのグレーの部分。これまでのMGシリーズだったら内部フレームで再現しようとしたんじゃないかと思いますが、ここも割り切った構造となっています。確かに一度塗装を終えて組上げたらほとんどバラさない箇所ですからね。

 組みあがった脚部の可動範囲はこれくらい。さすがに複雑な機構を持ったザクVer.2.0のほうが可動範囲は広いですね。まあ、形状自体も異なるので単純な比較はできませんが。

 ザクよりも優れているのは足首の左右の動き。接地度は非常に高い。これ、気が付きにくいんですが、足首部分のシリンダーなどを廃した効果が現れているところです。良くできてます。

 こんな按配で脚部は終了。お次はバックパック。

 このキットのコンセプトを表すように、内部構造などはほとんど再現されていません。下側の外装などは、一体成形のパーツをはめ込んでスラスターで固定するなんていう仕組みになっています。そのかわり背部のセンサーにはクリアパーツを採用するなど、あくまで「作りやすさと組みあがったときの充実度」を優先する設計になっています。バックパックのマウントラッチは開閉式で再現。ここが結構重要なマウントラッチなんですね。

 これで本体はほぼ組みあがりました。量産機ながら後姿も様になるにくいヤツ。


 付属武器はビームライフルとサーベル。ライフルはハイザックと同型ですね。サーベルはシールドのラックに装着できます。


 あと残っているのはこんなジョイントパーツ。ここも話題の新素材で成形されています。

 大型のジョイントはバックパックに挟み込むように取り付けます。なんでも「ラウンドフォーミング・アクションベース・ジョイント」と言うらしい。なんか必殺技みたいな名前です。

 アクションベース1に散りつけてみました。話題の「ラウンドフォーミング」は後ほど。

 もちろんこれまでのMGシリーズと同様股間に取り付けるタイプのジョイントも付属。

 アクションポーズはこっちのジョイントのほうがとりやすいかな?

 さて、ここで残ったパーツの登場。

 皆さんもうおわかりですね。そう、このパーツは……、

 バリュートパック装着用のパーツです。
 このMGマラサイ、別売りの大気圏突入用オプション「バリュートパック」を装備できるというのが大きなセールスポイント。この「MG 1/100 バリュートパック」BANDAI HOBBY ONLINE SHOPhttp://p-bandai.jp/hobby/)で購入できる別売りキットです。今回は無理をいってバンダイさんにご用意いただきました。毎度お世話をかけてすいません。

 バリュート本体は「MG 1/100 MSN-00100 百式 + バリュートシステム」に付属していたものと同じですが、新たに用意されたジョイントパーツのおかげで「MG百式」「MGネモ」「MGハイザック」「MGリックディアス」にも装着することができます。今回のマラサイを初めとして、全部揃えてZガンダム第11話の大気圏突入シーンを再現したら萌えるなぁ。もう絶対「アメリア……」って呟いちゃうな。そうなるともう1機マラサイが要るなぁ……。ハイザックも1機じゃ寂しいしなぁ……。まあ、そうなると、一体何を何個買えばいいんだって話になりますが(笑)。

 閑話休題。

 さて、制作の続き。

 バリュートのマラサイへの取り付けはバックパックのジョイント部に。こうして組んだ時に差し替えじゃなくハッチオープンするマウントラッチっていうところが良いんですね。なんか充実感がある。

 バリュートのフロント側のパーツは接続パイプで止めるようになっています。意外とシンプルな設計。

 脚部の追加スラスターはキット付属のジョイントパーツを使用。脚部外装の小さなパーツを取り外して装着します。この外したパーツ、結構な確率で無くしそう(笑)。

 バリュートを取り付けた状態で活躍するのが、先ほども登場した「ラウンドフォーミング・アクションベース・ジョイント」。

 バリュート装備でもアクションベースに取り付けることができます。そして、

 「ラウンドフォーーーム!!」とは叫びませんが、こんなふうにジョイント部がスライドすることにより、取り付け角度を調整することが可能。なんかマラサイがダラッとしちゃってますが(笑)。まあかっこよく「ラウンドフォーーム!」した状態は完成後ということで。

 てなところで今回はここまで。最後はこんな写真で。

 ううむ、バリュートつけるとかっこ良さ倍増のマラサイ。どう料理するかが問題だ。

 さて、今回で仮組みは終了。次回からは気になる所に手を加えつつ完成を目指します。
 てなところで、次回も乞御期待!!

(C)創通・サンライズ


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詳しくはバンダイホビーサイトへ


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