線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 暖かい日が何日か続いて、ようやく春になったかな? という今日この頃。思えば去年の今頃は大変な震災で「模型どころじゃないよ!」という方も多かったのではと思います。それから“早くも1年”の方もいらっしゃるでしょうし、“まだまだ1年”という方もいらっしゃることでしょう。もしかしたら“なんかこの1年でやり残したことがあるような気がする”なんて方もいらっしゃるかもしれません。実はワタシもそうなんです。
 そこで今回からの「やたら模型制作室」は、その“やり残し”を解消しようという企画です。タイトルを見て「おや?」と思った方も多いと思いますが、今回からのお題は「1/60 ガンキャノン」。当然というか何というか、そんなキットは発売されていません。そうです、当コンテンツ初のセミスクラッチに挑戦してみようと思います。

 そこで登場するのがコイツ!

 バンダイの1/60「PGガンダム」。実はこれ、発売当時に作って棚の上に飾っておいたんですが、去年の震災で棚の上から落下して大破したもの。ア・バオア・クーの最終決戦後よろしくバランバランになってしまいました。

 上半身はこんなふう。途中の棚に引っかかって回転しながら落ちたらしく、まんべんなくバラけております。

 下半身もしっかり壊れました。

 ただコア・ファイターは健在。これならアムロも安心の頑丈さ。

 そして頭部のスイッチを入れてみると「まだ生きてるよっ!」と言わんばかりに目が点等。

 という具合にクラッシュしたPGガンダム。このまま捨ててしまうのはなんだか悔しいし、勿体ない。何かに使えるんじゃないかと思って保存していた所、某模型サークル主催の方から『次の展示では大きいもの祭りをやりたいと思うんですけど、1/60V作戦なんてどうですかね?』なんてお話をいただきまして、その時の会話で『ガンダムはキットがあるから何とかなるとして、キャノンとタンクが問題だ』『まあ、映画版だと言い張れば最低限キャノンだけでもいけるんじゃないの?』なんて話をしているうちに、“ああ、そういえばクラッシュPGガンダムのフレーム使えばできるかも”なんて考えちゃったのが運の付き。「もしかしたらガンキャノンできるかも……」とつぶやいたが最後、どうやら本気で作らなきゃいけない羽目となりました(笑)。まあ、このまま置いておくのも地震に負けたようで面白くないので、震災後1年を期して一丁やったるか!! と。そういうわけで当コンテン初のセミスクラッチ「1/60 ガンキャノンを作る」でしばらくお付き合いのほどを。

 とはいうものの、今のところ全くのノープラン。本当にできるのかどうかも定かではありません。そこで、どうやったら「ガンダム」が「ガンキャノン」になるのか、しっかり作戦を立てて臨みたいと思います。そうなると「ガンキャノンってどういう形?」ってのを確かめておくのが先決。

 はい、これワタシが昔、今は無き「Pcfan」という雑誌で連載していた「ガンプラ・クロニクル」で作った1/100 MGガンキャノン。

 こっちはメイン・ビジュアル用に撮った写真ですな。お対に写っているのはMGザクとガンダムのVer.2.0。ただ赤く塗るのは面白くないなぁ、と思って、控えめに赤のスプリッター模様にしてあるというのがチャームポイント。そいうえばこんな写真も撮ったんだった。

 HGUCとMGガンキャノンの比較。HGUCガンキャノンってHGUCシリーズで最初に発売されたキットですね。こうして見るとMGガンキャノンは非常によくまとまったプロポーションだというのがわかります。こんなふうに仕上がれば文句なしなんですけどねぇ。

 ガンキャノンのほうの確認が済んだら、今度はPGガンダムの形状をチェック。とはいえさすがに外装部分を全面流用というのは無理だと思うので、フレームだけにして組み立ててみました。

 で、でかいな……。ガンダムは18mという設定ですから1/60で30cmちょうど。ガンキャノンは17.5mの設定ですから、どこかでちょっと寸を詰めなくちゃならないわけですね。
そしてイメージを作るため、この写真の上にガンキャノンを描いてみました。

 なんだかよくわからないな。ということで、描き足した部分だけを見てみると、

 あはは、何だコリャ、下手な画だ。もう圧倒的にスリムすぎて俊敏な動きをしそうなガンキャノン(笑)。これじゃだめだ、ということで、デジタルの力を借りて再確認。

 はい、先ほどの1/100ガンキャノンを引っ張り出してきて、PGガンダムのフレーム写真とほぼ同じ画角で撮影してみました。この2枚の写真を重ねると、

 こんな感じ。これだけじゃよくわからないのでザックリ切り抜いたフレームの写真を上に表示してみました。

 わかりやすいようにガンキャノンをモノクロにしてあります。ざっと見たところ何とかなりそうな予感。ただ、細部をよく見てみると、いくつか課題も見つかります。

 まずは脚部。関節の曲がり位置を考えると、やっぱりフレームがちょっと長い。どこかで切り詰めなきゃなりません。

 そして碗部。ここもフレームのほうが若干長い感じですね。それから問題は肩関節のカバー。フレームを上手く収める工夫が必要になりそうです。

 胸部の構造も検討の余地アリ。スリムなガンダムに比べ、特に胸部のボリュームのあるガンキャノンですから致し方ありませんけどね。それから胸部のダクト。ガンキャノンのダクトは“タレ目”なのが特徴。キットパーツを活かすかスクラッチするか悩みどころです。

 ここまで検証してわかったことがいくつかあります。まずその1。
「ガンダムとガンキャノンのフレームは似ても似つかない」
 もういきなり否定的なお話(笑)。比較してわかったのは各部のバランスが異なるという事。いわゆるMG的なガンキャノンにするならフルスクラッチしたほうが早いです。多分。でもそれじゃあせっかくの企画が台無し。ということで、今回の制作コンセプトは
『ガンキャノンに見えればいいや』
です(笑)。
 制作手順としては
 1)フレームのバランスを整える。
 2)フレームに取り付けるベースパーツを作る。
 3)そこに肉付けしてフォルムを作る。
 という、実に大まかでおおらかな手法で、どこまでガンキャノンにできるかに挑戦してみたいと思います。気が付いたこと「その2」「その3」はいづれまた後ほど。

 さて、そうと決まれば早速フレームの加工。どこをどうやって加工するか考えます。

 このPGガンダム、スネ部分にスプリングが仕込まれていて、サスペション的な動きをします。このスプリング機構を取り除くことで、スネを短縮することができそうです。

 続いて碗部。ううむ、これはどこかで強引に切り詰めるしかなさそうだな。

 肩部分も厄介な感じ。なんせガンキャノンの肩関節は円形ですからね。上手いこと収まるかどうか。

 頭部はマスクを外してしまえば意外とプレーンな形状です。トサカの部分を何とかすればガンキャノンのまあるい頭が作れそう。頭部バルカンはフレームのディテールを活かしたいところです。

 フレームの確認も済んだ所で、一番手軽に短縮ができそうな脚部の加工に取り掛かりましょう。

 まずはフレームをバラすところから。PGガンダムはあっちこっちがネジ止めになっているので、強引にバラそうとするとパーツを破損する恐れがありますから注意してくださいね。写真右の青い工具はウェーブの「パーツ・オープナー」。スナップフィットのパーツを分解するときなどに威力を発揮する工具です。

 このスネのスプリングを外すと5mm位スネの長さを短くすることができます。

 こんな感じですね。この写真じゃよくわからないので未加工のものと比較。

 写真右が加工後。長さの差がわかっていただけるでしょうか。ついでにガンキャノンには不要なヒザのフレームとフクラハギのふくらみ(トニーたけざき氏がいうところの“ダム”の部分ね)も取り外しました。

 ちなみにMGのヒザ関節はこんなふうになっています。ガンダム特有の「マルイチ」もいらないわけですね。

 そこでヒザ関節サイド部分のマルイチパーツの基部も切り離し。カットには毎度お馴染みハイパーカットソーを使っています。

 さてさて、なんだか作業が半端ですが、この辺で時間切れとなりました。最後は昔に撮ったMGガンキャノンの写真でお別れ。いや、こんなふうに仕上がればいいなぁ、という願いを込めて。

 てなところで今回はここまで。次回も乞御期待!!

(C)創通・サンライズ

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