線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 このところ引越しネタばっかりで恐縮ですが、どうやら引越しで壊れたらしい塗装ブースに、手元にあったPCのケースファンを取り付けてみました。取付けてスイッチを入れてみると、おお、ちゃんと回るじゃないか。ということで早速稼動させてみた所、元々調子の悪かったブースがさらに吸わなくなっている。こりゃ駄目だ。ということで新しい塗装ブース調達のために資金捻出中。このまま部屋で塗装を続けてると、せっかく引っ越したのにすぐ追い出されそうなのでね。一生懸命仕事しますので、お仕事のご依頼のある方、senkoutei@voice.ocn.ne.jpまでご連絡ください。という完全に連載私物化な感じで始まりました今回の「やたら模型制作室」。とはいえ作例はしっかり作りますからね。どうぞご安心を(笑)。
 ということで、ハセガワ「1/48 三菱 零式艦上戦闘機 21型」2回目、張り切ってまいりましょう!

 さて前回はコクピットや胴回りを大まかに組んだあたりで終わってました。

 まずはこの胴体部分にちょっとしたディテールアップ。

 手を入れるのはこの尻尾の部分。「尾灯」です。キットではシルバーに塗るように指示されていますが、実機には透明カバーが付いてます。ここをクリアーパーツに差換えてみたいと思います。

 といっても、用意するのはキットに付属するクリアーパーツのランナーだけ。まずは尾灯部分をハイパーカットソーデ切り離して切口を成型。クリアーパーツのランナーの太い所をみつくろって切り出します。

 そうしたらプラ用の接着剤で適当な長さに切ったランナーを接着。十分乾燥させてから荒めのヤスリで大まかな形に成型します。写真のものでは、WAVEのヤスリスティックHARDの320番で削ってます。

 大体の形になったら徐々にヤスリの番手を上げていき、それらしく成形。終盤にはヤスリスティックHARDではなく、SOFTのほうを使うと、曲面に馴染みやすいのできれいに仕上がります。

 最終的にはヤスリスティックSOFTの1200番で成型後、サンドペーパーの1500番で磨いてみました。そういえばWAVEさんから「ヤスリスティック フィニッシュ」なんていうのもでてるようなので、それを使ってもいいかもしれません。まあ、今の所手元にないのでサンドペーパーを使いましたケド。結構いけてます。もっとピカピカにしたい方はコンパウンドなどで磨くといいでしょう。

 続いては前回からの懸案だったシートベルト。

 いやー、部屋中の荷物をひっくり返してみたんですが、やっぱりストックしてあったエッチングパーツが見つからない。む~ん、じゃいいか、作っちゃえ!!

 「いいや、無くても」とならない所がこの連載のいいところ。基本的には“無いものは作る”が心情ですから、色々と知恵を絞ってみます。写真のベルト部分はコピー用紙を細く切って、アクリル系の絵具で着色したもの。そこに0.2mmの真鍮線で造った金具を取り付け、シルバーで塗装。バックル止めの穴は千枚通しを使ってそれらしく開けておきました。それぞれの形状はネットや手元の資料を見ながら決めてます。便利な時代になったもんだ。日本海軍機のシートベルトは大戦前記と後期では形状が異なります。そのあたりを注意しながらそれらしく、若干でっちあげ的に(笑)。
 
 出来上がったシートベルトを取付けてみました。取付けはアクアリンカーを少量使って貼り付け。結構いいんじゃない?

 気をよくして、早速コクピットに取り付けてみましたよ。胴体部分のコクピット周辺は、コクピット取付け前に大まかにガイアノーツのライトグリーンに若干ダークグリーンを足したもので塗装しておきました。

 反対側からみたところ。こうやって見ると、この手の戦闘機のコクピットは前から見た時はシートベルト、後から見た時はメーター類が見せ場になるのがよくわかりますね。

 お次はエンジンのカウリング部分にちょっとひと手間。

 カウリングパーツのフチを薄々攻撃。写真左側が加工後。右側はキットのままです。
 この部分、実機では状況にあわせて開閉できるようになっているんですが、実機の写真を見ると、このカウリングフラップ部分は結構ペラペラな感じがする。後ろ側から撮った写真でも隙間があるように見えるんで、薄く削り込みました。

 加工したパーツを仮組みしてみましたよ。写真左はキットのまま、右は加工した部分。ちゃんと効果があって嬉しいぞ。加工ついでにカウリング・フラップ部分のスジボリを深く彫り直しました。「なんか動きそう」って感じが出ればOK。

 続きましては、いよいよ主翼の加工。

  零戦って、この時期の戦闘機に比べて主翼面積が非常に大きい。これが長距離航行を可能にする秘密のひとつです。同じ零戦でも型番によって主翼の平面形状が異なります。この21型は翼端が非正半円形なのが特徴のひとつ。この後、32型では翼端が切り取られたような四角い形状となり、52型では正半円形の翼端となります。こういうところも航空機キットの面白い部分。型番違いで作って、並べて比較するのが楽しいところです。このキットの場合、非常に納得できる形状となってます。さすが航空機のハセガワ。
 さて、この主翼部分。恐らく11型のパーツを流用していると思われるため、若干手を入れなければならない箇所があります。

 主翼の補助フラップのリンケージの切り取りとフラップのスジボリを埋めること。赤い丸で囲った部分が、修正が必要な所。
 
 リンケージ部分をデザインナイフで大まかに切り取った後、スジボリをパテで埋めて成形。結構目立つ部分なので丁寧に仕上げておきましょう。

 あ、ついでに書いておくと、主翼のような大きなパーツには若干のヒケがみられます。これはもうインジェクションキットの宿命なので、しっかり確認して修正しておきます。

 翼端灯はクリアパーツが付属します。ここも尾灯と同様、接着後にヤスリをかけて主翼のラインとと馴染ませておきましょう。

 続いては「結構地味だけど零戦ファンには重要な注意点」。

 主翼は上下の貼りあわせで再現するんですが、この合わせ目消しの時に注意して欲しいポイントがあります。

 実機の主翼の特徴として挙げられるのが『主翼の捻り下げ』。これは零戦の前の「九六式艦上戦闘機」から採用されている技術で、飛行中の急激な姿勢変化時の失速を防ぐため、主翼前面の中央部付近から翼端にかけて仰角を変えてあるというもの。通常、翼端で失速が発生すると失速域が翼全体に広がって機体が制御不能になるのを防いでいます。あんまり考えずに合わせ目処理をしてしまうと、この捻り下げの雰囲気がなくなってしまうので、写真の矢印のようなイメージで成型すると、それらしい感じに仕上げることができます。「せっかく零戦を作るのなら特徴をイメージとして伝えたいなぁ」という意気込みを見せられる部分ですからね。

 さて、主翼の加工が終わったら部分的に塗装を始めましょう。
 まずは機体内部色の再現。零戦の機体内部色は「ジンクロ」とか「若竹色」といわれる色です。ただ「ジンクロ=ジンクロメイト」というのは錆止め塗料を表す言葉。クロム酸イオンと鉄の反応で、強固なクロム酸鉄を生じさせ、防錆や絶縁効果を得るための塗料なんで、正確に言うと色の事とは関係ありません。昔、金属加工屋さんに「ジンクロってどんな色?」って聞いたら「黒っぽい色」っていわれて驚いたことがあるんで念のため。

 で、零戦の機体内部色には諸説あり、その昔は航空機モデラーが集まると論争になったりしていました。「緑色だった」「いや青かった」「青っぽい緑色だった」なんて、中には「中島製と三菱製では機体内部色が異なる」なんて話も出たりして、結局、それぞれが好きなように塗っていたりして(笑)。
 まあ、最近の資料を見ると、実際に使われていた塗料はかなり褪色が激しく、塗ったばかりの頃は「青みの強い緑」、褪色するにつれて「薄い青緑」→「緑」となっていくというのが正解なようで、今回はそれに則って塗装したいと思います。それにしても昔はそういった論議も多く、みんな真剣だったなぁ、などと懐かしく思い出されます。そういうのも、模型を作る楽しみの大きな要素のひとつだったんですね。

 さて、塗装。まずは下地にシルバーを塗ります。実機も金属地の上に錆止めを塗っていたんでシルバーの上にクリアー塗料を重ねることにします。ただシルバーといっても少し工夫して、ガイアノーツのスターブライトジュラルミンにちょこっとフラットベースを混ぜたものを塗りました。再生された実機の零戦を何機か見たことがあるんですが、この内部の質感が機体によって結構違うんですね。ピカピカに仕上げられた現代風の内桁もあれば、地肌の粗いものもある。ただ共通していえるのは「塗ったシルバー」じゃない「地肌の質感」という雰囲気でしたから、それを表現してみようかと。

 こっちはEx-シルバーをメタリックマスターを使って塗ったもの。実機ではシルバー塗料で塗られていたり、可動部で自然に磨かれていたりする部分です。同じシルバーなのに違うメタリック塗料を使うというところが質感表現のポイントです。

 で、続いては「ジンクロ塗り」。ガイアノーツの純色シリーズ 純色グリーン純色シアンを混ぜ、クリアーを入れて濃さを調整したもので、イメージとして配置一ヶ月くらいの雰囲気で仕上げてみようかと思います。

 相変わらずわかりにくいんですが、微妙にグラデーションをかけてます。こんなふうに褪色の過程がわかっている場合なんかは、それを利用して模型制作上の設定を表現するというのも面白いでしょ。


 さてさて、大分形になってきた。細かいパーツはまだ付いてませんが、いかにも“零戦”って感じになってきましたね。こうなると余計盛り上がってきますなぁ! それでは今回はそろそろこの辺で。

 それでは次回も、乞御期待!!

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