線香亭無暗のやたら模型制作室
 はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
 「やたら、模型制作室」はようやく制作環境も整い、いよいよ本格始動! とはいえ未だ塗装ブースが壊れたままだったり、いろんなものがどこかにいっちゃってたりといった状況ですが、いつまでも模型制作をサボってるわけにもいかない。ということで、今回は自分が最も好きなジャンルの、最も思いいれの強い模型を作って、テンションを上げていきたいと思います。
 タイトルでお気付きの方も多いと思いますが、今回のお題はハセガワ「1/48 三菱 零式艦上戦闘機 21型」。いやぁ、じつはワタシ、このジャンルが大好きでして、特に二次大戦中の日本海軍機が好み。じゃあなんでこれまで取り上げてこなかったのかといえば、好きなだけに、やりだすととめどなく弄繰り回してしまい、上手いこと作例記事に収まらなくなったりする恐れがあったから(笑)。まあ、引越しも済んだので心機一転、ここいらでお届けしようという企画でございます。それではハセガワ「1/48 三菱 零式艦上戦闘機 21型」でしばらくお付き合いのほどを。

 まずはこの手のジャンルにあんまり馴染みのない方のためにちょいと解説。
 この「三菱 零式艦上戦闘機21型」はごく初期に配備された零戦です。この「零式」という型番の由来は、当時の海軍規定で採用年次の皇紀下2桁を名称使うことになっていたため。零戦が制式採用された1940年(昭和15年)は皇紀2600年にあたり、その下2桁が「00」だったことに因ります。試作時の名称は「十二試艦上戦闘機」。当時の日本では十分な出力を持った発動機が用意できなかったため、徹底的な機体の軽量化や空力の追及、操作感を重視した操縦系の改良などにより“名機”と呼ばれる戦闘機が完成することとなります。開発過程については主任開発技師であった堀越二郎氏の著書「零戦」や「零戦の遺産―設計主務者が綴る名機の素顔」などに詳しく述べられています。海軍から提示された“ないものねだり”の要求に対し、いかに立ち向かったかが詳細に描かれていて非常に面白い! 零戦に興味のある方は必読といっていい本です。ちなみに、ついこの間まで現役だった戦後初の国産旅客機「YS-11」も、この堀越技師による設計です。そんな系譜を踏まえて“準国産”なんていわれているB787なんかをみると、非常に感慨深いものがあったりします。
 配備された当時の零戦は、その圧倒的な空戦性能と当時の常識を超えた長大な航続距離を活かし、正に“空の王者”といった活躍をみせます。その頃の米空軍では「ゼロファイターに遭遇したら空戦を避けて急降下で回避するように」といった指示が出されていたというのは有名な話。実質的には試作機である十二試艦戦と同仕様であった11型に続いて、艦上戦闘機としての機能を装備した本格量産型として配備されたのがこの21型です。つまり、最も強かった時期の零戦という事になります。この後、大馬力発動機を積み、頑丈な機体を持った連合国軍機の登場にあわせて終戦まで改良が加えられましたが、徐々に優位を失っていくことになります。軽量で操作性に勝るといった開戦当時の優位点が仇となり、後継機の開発、配備が遅れたこともまた皮肉な結末だったといえるでしょう。結局、終戦まで日本海軍の主力機として戦い続けた「零戦」は、良くも悪くも日本を代表する戦闘機だといえます。
 まあ、こんな按配で書き始めるとキリがないんでこの辺でやめときましょう。なんか、全部解説で終わりそうなんで(笑)。そろそろ写真が出てこないとね。


 ということで、まずはパッケージ。お馴染み小池繁夫画伯のイラストがイイ! この時期の零戦は灰色の機体色が特徴です。盛り上がるなぁ。それではキットの内容をみてみましょう。

 まずは胴体周りのランナー。一口に“零戦”といっても型番によって微妙に形状が異なります。特に違うのはエンジンが納まるカウリングと翼面形状。そのあたり、よく考えられたパーツ構成になってますね。

 続いてはエンジンやコクピットまわりなどのランナー。水平尾翼もこのランナーです。

 主翼は別ランナー。この21型は翼端に折りたたみ機能を加えたタイプ。キットは一体になってますが、その辺りを再現してみるのも面白いかもしれません。

 それからキャノピーなどのクリアーパーツとデカール。基本的には3種の機体が再現できるデカールが付属します。二次大戦のレシプロ機はパーツ数が少なめなのが特徴。結構手軽に組めるので挑戦しやすいんじゃないかと思います。また手軽に組める分、細部の仕上げやディテールアップに手間をかけられるのも楽しみのひとつ。

 そして忘れちゃならない説明書。この手のキットの説明書は、機体解説やカラーリング指示などを見るのも楽しみ。「なるほど、この時期のこの機体はこんなカラーリングだったのか」なんて感心したりね。

 さて、それでは早速制作にかかりましょう。

 まずはコクピットまわりから。これは航空機キットでは定番の手順。パーツを切り出して成型し、組付けを確認したら早速塗装しちゃいます。まずはガイアノーツのライトグリーンに若干ダークグリーンを足したもので下塗り。その後ライトグリーンに白を混ぜた塗料でハイライトっぽく部分塗装しておきます。これでコクピット部分のベース塗装は完了。

 ベース塗装が乾いたら筆塗りで細部の塗り分け。このあたりは説明書に指示があったり無かったりなので、手元の参考資料なんかをみながら作業します。

 さて、お次はメーターパネル。「よく見た時の見せ場」になる部分です。キットにはデカールが用意されてるんですが、連装メーターが一緒くたになっています。きれいに仕上げるのならひとつづつ切り離して使うのが得策です。

 切り離したデカールを貼っている最中。デカールは軟化材を使ってしっかりと馴染ませておきます。キットパーツはしっかりとメーターまでディテーリングされているので塗装で再現することも可能。ワタシの場合は老眼著しいのでデカールを使ってますが(笑)。まあ、そのあたりはお好みで。

 デカールを張り終わったら軽くフラットクリアーを吹いて全体のツヤを整えておきましょう。
 コクピット内部はこんな感じ。実物資料なんかを見ると、以外と配線なんかがあったりするんですが、このスケールで再現しても殆んど見えないんでオミットします。

 はい、反対側も。説明書にない塗り分けは手元の資料を参考にして行ってます。このあたりも軽くフラットクリアーを吹いてツヤを整えておきます。

 これは照準機。メーターパネルの上部に取り付けるパーツです。クリアー成型のパーツをフラットブラックで塗装した状態ですな。このパーツ、最初のほうに接着するといつの間にかどっかへいってる確率が高いので、後のほうで接着することにします。ちなみに零戦21型に採用されているのは「九八式射爆照準器」という、当時最新のもの。一番先っちょの丸い部分は十字冠になっています。それ用のエッチングパーツなんかも発売されてますんで、気になる方は差換えてもいいでしょう。

 さきほどフラットクリアーを吹いたメーターパネル。メーター部分だけエナメルのクリアーを塗り重ね、メーターガラスを再現しました。

 さて続いてはシート。キットパーツは若干厚めな感じがしたんで、薄く削り込んで背面の穴を開口しました。ここで問題なのがシートベルト。キットには付属していないので再現するには自分で用意しなければなりません。ストックの中に、確か1/48の日本海軍用のシートベルト用のエッチングパーツが1機分くらい余ってたはずなのに、いくら探しても見つからない。こりゃ買ってくるか自作するしかないな。ということでこの部分は保留。シートはコクピット組み付け後でも取付けることができるので、後で考えよう。

 ここまでできたらコクピットの組立て。うむ、なかなかイイ感じ。


 お次は胴体の組立て。説明書では“コクピットを挟み込んで接着”的な感じで指示されていますが、仮組みしてみたところ、胴体を接着した後でもコクピットは収められるので左右接着してしまいます。

 接着部分の合わせ目消し。キットパーツのスジボリは後で彫りなおすことにして、しっかりと合わせ目を消しておきましょう。

 先ほど組みあがったコクピットはうまく収まるように外側をすり合わせておきましょう。特に両サイドパーツの突き出しピンの後は若干出っ張っているので注意が必要。

 「栄12型エンジン」もしっかりと塗装。スターブライトアイアンガンメタルなどで塗り分けた後、シリンダー部分をシルバーで軽~くドライブラシしました。

 あ、忘れてた。フロントカウルの手前上面の7.7mm機銃の部分。キットでは別パーツになってますが実機では違う分割になってます。なんでここもしっかりと合わせ目を消しておきましょう。

 で、こんな感じにエンジンが付いて、

 その上にカウリングが付くわけですね。この少し細身の機首が21型の魅力のひとつ。下方排気の集合管も特徴ですね。

 さあ、あっという間にここまでできた。

 が、問題はシートベルトだ。どこへ行ったワタシのエッチングパーツ。

 てなところで今回はここまで。今回の作例、個人的に非常にテンションが上がっております。上がりすぎてあんまりマニアックにならないように気をつけないとね。
 それでは次回も、乞御期待!!

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詳しくはハセガワHPへ


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