線香亭無暗のやたら模型制作室
はい皆様、一週間のご無沙汰でした。
今回は前回に引き続き「寄せられたご質問にお答えしちゃう! スペシャル」その2回目。皆さんからお寄せいただいたご質問にお答えします。なるべく沢山お答えしたいので早速本編へまいりましょう。
ということで、今回もこいつの登場です。

編集部(以下 編)「いやあ師匠! 今回はこんなご質問からご紹介したいんですけどね」
線香亭無暗(以下 無)「なんだい、藪から某に」
「横浜市のNAGAMINEさんからのご質問で、『いつも編集部の人は(編)って呼ばれてますけど、名前はないんですか?』ってことなんですけど、僕にもひとつ、付けてくれませんか? 高座名というかペンネームっていうか……」
「何でワタシがつけるんだよ」
「いや、これでも弟子のつもりなんで、師匠直々に命名していただこうかなっ、なんて(笑)。線香亭○○なんて、なんかカッコいいじゃないですか」
「イヤだよ。キミみたいに出来の悪い弟子を持った覚えはない(笑)。それにワタシの場合の“師匠”ってのは呼称みたいなもんだから。弟子を取れるほど偉い訳じゃない」
「ええー、つれないなぁ。じゃあせめてペンネームくらいはつけてくださいよ。“プリンス○○”とか“グッジョブ○○”とか」
「グッジョブってなんだよ! ええと、じゃあねぇ……『与太郎』
「えええーっ! 与太郎ですかぁ、そりゃないですよ」
「いや、もう決めた。これからキミの渾名(あだな)は『編集部与太郎』!」
「ううう、ヒドイ……。まあ、名無しよりかはいいか……」
「というか、こんなことやってる場合じゃないんだよ。今回も盛りだくさんになりそうなんだから」
「そうでした。それじゃあ早速まいります(泣)」

◆エアブラシの最も基本的な使い方

編集部与太郎(以下 与)「じゃあ、前回の続きなんですけど、。Ytaichiさんのご質問で『ストライクドッグでやっているような、色を重ねてシャドウを表現するような塗装が上手くいきません。塗っているうちにいつの間にか全部塗りつぶしてしまっています。どうすれば上手くいきますか』という事でしたけれども、これはエアブラシの基本的な使い方がわかってないと、というところで終わってましたね」
「あははは、ちゃんと呼称か直ってる。 対応力あるなぁ。やっぱりキミは面白い(笑)」
「もう、茶化さないでくださいよ。ちゃんと質問に答えてください」
「ああ、ごめんごめん。いやぁ『線香亭無暗と編集部与太郎』って、いよいよ落語っぽくなってきたなぁと思ってさ(笑)。まるで模型の記事とは思えない。で、もうひとつご質問を頂いていてね。これは、。Kjm-shinjiさんという方からのご質問なんだけど、『初心者なんですがどんなエアブラシを買っていいのかわかりません、シングルアクションやダブルアクション、トリガータイプやボタンタイプ、他にも色んな機能が付いたものがあって、迷っています。アドバイスをいただけないでしょうか』という事なんだけれども、これも今回の記事をご覧いただければわかっていただけると思う」
「ああ、そうですね。確かに色んなタイプのエアブラシがあって、どんな違いがあるのかボクもよくわかりません」
「うん、まあ、エアブラシを大まかに分類すると2種類に分けられる。まずは“ひとつの動作で塗料を吹く”もの。これがシングルアクション。ワンアクションで空気と共に塗料が出るようになっている。それから、“ふたつの動作で塗料を吹く”のがダブルアクション。この場合『空気を出す』動作と『塗料を出す』動作が別々にできる。ただし、基本的に『空気で塗料を吹く』ものだという機械的な部分は変わらない」
「ああ、もう。またわかんなくなってきちゃいましたよ」
「それは追々わかってくる。まずはこの『空気で塗料を吹く』ってどういうことなのか考えてみよう」
「はい」
「小学校の時とかさ、お絵かきの時間に、たっぷり塗料を含ませた筆の穂先を紙に向かって“ふっ!”っと吹くと、紙に点々ができるっていうのやったことないかい?」
「あ、あります。星とか波のしぶきなんかが書けるんですよね」
「そうそう、エアブラシの仕組みって基本的にはそれと同じなんだよ。紙に付く点々がうんと小さくなっただけでね。で、塗装面に大量に点々が付くと、お互いにくっついて面になる」
「はあ、なるほど」
「じゃあ、そうやって塗料を『吹きつける』ってどういうことかっていうとさ、図で表すとこういうことになる」

「はあ、真ん中のヤツは筆ですね」
「そう、今はわかりやすいように、さっきの話になぞらえて塗料の部分を筆で書いてみた。エアブラシの場合、種類によってこの部分の塗料の供給方法が違うんだ。まあそれは後で説明するとして、注目して欲しいのは『噴出された塗料』のところ。放射状になってるけど、これって感覚的にわかるよね」
「それはわかります。エアブラシでも缶スプレーでもこんな感じですもんね」
「うん、これに理屈をつけると、風の直進性というのはそれほど高くないから、距離が離れるにしたがって拡散する、ってことなんだ」
「なるほど、頭良さげですね」
「頭良さげかどうかはわからないけど(笑)、これがエアブラシでの塗装をコントロールする上で一番重要なところなんだ。まず次の図を見てみて」

「お、エアブラシの絵、上手いですね。ダブルアクションですね」
「いやそういうことじゃなくて(笑)。シングルでも何でも便宜的にエアブラシを表しただけ。それで、まずaの図は『何にも考えないで、とりあえず吹いてみました』って状態だと思って欲しい」
「はい」
「じゃあこれよりも『小さい円を吹きたい』と思ったらどうする?」
「ううーん、ボタンの引き具合を調節する」
「残念でした。それが大きな間違い。ダブルアクションのボタンの使い方を間違ってる。大体シングルアクションだったらボタンなんか調節できない。実はどんなエアブラシを使っても、『吹きつける面積を小さくしたい時は塗装面にエアブラシを近づける』以外の方法はないんだよ」

「ええー、ああー、なるほど。どんな場合でも放射状に噴出されるんですもんね。ああ、なるほど。いっちばん最初の図と同じ原理なんですもんね。でもほら、フチを浮かしてマスキングするとグラデーションができたりするじゃないですか」
「そういう方法もあるね。でも今回は『どうやってエアブラシをコントロールするのか』って話なんで、マスキングはとりあえず置いておこう。またリクエストでもあれば別に話すことにする」
「わかりました。じゃあ、マスキングは置いといて先に進みましょう」
「うん、まず基本的にエアブラシの塗装面積をコントロールするのは塗装面との距離だっていうことを覚えておいて欲しい。で、もうひとつ覚えておいて欲しいのはエアブラシと塗装面の距離が離れているほどボケ足は大きく、近いほどボケ足は小さくなる、ってこと。これはわかるかな?」
「なんとなく感覚的にはわかります」
「うん、このボケ足のコントロール、一般的に言う“グラデーション表現”っていうのがエアブラシ塗装の大きな魅力のひとつなんだ。筆塗りで表現するよりスムーズな変化が出せる。あ、勘違いがないようにいっておくと、筆塗りのグラデーションが悪いってワケではないからね。筆塗りのグラデーション表現にも独特の味があって捨てがたい。私は下手なんで作例なんかではあんまりやらないんだけど、筆塗りの上手な人のそういう塗装は物凄く魅力的だ」
「AFVなんかでは筆塗りのグラデーションって結構ありますよね」
「そうだね。やっぱり『こういう表現をしたいからこういう手法で』ってことなんだと思うけど、たまに“筆塗りでエアブラシのような表現がしたいんですけど”って人がいて困ったりする(笑)。それはエアブラシでやったほうが早いですよ、っていう。やっぱり筆塗りには筆塗りの、エアブラシにはエアブラシの味っていうのがある。これを両方使ってスゴイ塗装をしちゃう人もいる。目指す表現に対して手法を選択しよう、ってことだね。で、さっきのボケ足のコントロールに話を戻そう」
「お、脱線から自力で立て直した。ヤル気満々だ」
「なんだいそりゃ。いつもヤル気は満々だよ。で、話を戻して、最初のYtaichiさんのご質問にお答えすると、エッジを残すようなグラデーション塗装にも『エアブラシと塗装面の距離』っていうのが重要なんだ」
「ええと、この間のストライクドックでグラデーションがわかりやすい写真っていうと……、このあたりでしょうか」

「ああ、そうだね。じゃあ、これにちょいちょいと加工して――、次の写真を見てみて」

「なんですかこりゃ?」
「写真の赤で囲った所は“面”で、黄色で囲った所は“角”だ」
「そりゃわかります」
「ところが塗装している時にこの区別が付いてないと、いつの間にか全部塗りつぶしちゃったりする。この場合はエッジやパネルライン、黄色で囲った所に下地の色を残したいから、その回りはなるべく狭いボケ足で繊細なグラデーション表現をしたい」
「そうですね」
「ところが赤で囲った“面”の部分は広く吹いて均一な面を作りたいわけだ」
「はい」
「そうすると面のほうを吹いているうちに、ボケ足が長いもんだから、知らないうちに“角”のほうまで塗料が回っちゃうんだね」
「ああ、わかります。ボクもそういうのよくありますもん。そういう時はどうやって対処するんですか」
「さっき言ったボケ足のコントロールと塗装する手順を工夫する。じゃあまず、こんな所にエッジだけ残したグラデーション塗装をする場合を考えてみようか」

「はい」
「まずは細吹きができるように調整したエアブラシでエッジの内側を塗る。そうしたら、同じ太さを維持したまま、一回り内側を塗る。狭い面だったらこれを繰り返していくと全部が塗れる。広い面積の場合は、ある程度フチが塗装できたら、フチの半分くらいのボケ足まで円の面積を広く吹けるように調整して内側を塗り潰していく。基本的にはこんな感じ。恐らく、こういう塗装が上手くいかない人って、もっとダイナミックに塗装してたんじゃないかと思うんだよね。意外と繊細な塗装なんだよ。手間もかかるし。それから、なれないうちに内側から外側に広げていくと、大体失敗するんだよね。エキスパートになると“どっちから塗っても同じようにできる”って人もいるけど」

「なぁるほど。あ、師匠。“細吹きができるように”って実際にはどんな調整をするんですか?」
「うん、まず噴圧をできるだけ落とす。具体的に何キロとか言えればいいんだけど、これ、それぞれの塗装用具の環境によって変わるんだ。例えば圧力計に水抜きが付いてるかとか、どれ位の長さのホースを使っているかとか。ウチのはコンプレッサーに水抜きが付いたレギュレーターが付いていて、その後に分岐も兼ねた水抜きをもうひとつ付けてるんで、圧力計の数字より噴圧は落ちてる。だからそれぞれの環境に合わせて『塗料が吹けるギリギリのエア圧の低さ』っていうのを確かめておくのが大事だと思う。繊細なグラデーションで失敗する第一の原因って、大体噴圧が高すぎるってことが多いから」
「ああ、そういえばボクも慣れないうちはビュンビュン吹いて失敗してました(笑)」
「噴圧が高いままで塗装面に近づけて吹くと、大体吹き返しで“くらげ”を描く事になる」

「ああ、よくありますねこういうこと」
「これはMPJの作例でやったコア・ファイターの時の写真なんだけど、このときはこんな実験もやった」

「ああ、覚えてます。たしか一面グレーの上に塗ったんですよね」
「写真の白っぽい方はベタ塗りと同じ噴圧で、エッジの残っているほうはその半分くらいの噴圧で塗ったんだと思う。『繊細なグラデーションはエア圧を落として』っていうのがわかっていただけるかな」
「なるほど、わかります。あと、これは個人的に聞きたいんですけど、細い線吹きの場合、均一に吹けないんですよ。なんだか太さが変わっちゃったり、ボケ足が一定じゃなくなっちゃうんですけど……」
「ああ、それは塗装面との距離が一定じゃないのと、吹いているうちに塗装面に対しての角度が変わっちゃってるんだよ。基本的にエアブラシと塗装面の角度は常に直角を意識していないと、斜めに吹いて左右でボケ足が変わっちゃう。塗装面との距離も一定を保っていないと太くなったり細くなったりする。これはもう練習して慣れるしかないね」
「いや、ここまでのお話でなんとなく予想はついてたんですけどね……」
「そういう塗装の時は、塗る対象物をなるべく固定した状態で塗るといいよ。パーツとエアブラシを持った両手がフリーダムだと、どうしても距離や角度が狂いやすい」
「なんかパーツを固定しちゃうと、かえって塗りにくそうですけど」
「何もガチガチに固定するわけじゃなくて、パーツを持った腕を机に付けて吹くとかさ」
「ああー、なるほど。そういうことですか。今度やってみます」
「で、もうひとつ、細吹きをしたい時の注意点なんだけど、塗料の濃度にも工夫が必要だね。ワタシの場合ガイアノーツの塗料と溶剤っていうのが使用頻度が一番高いんだけど、普通に塗装する時は塗料1に対して溶剤1~2位の範囲で希釈してる。でも“物凄く細く吹きたい”って時は1:2~1:3位で塗るときもある」
「その溶剤のほうの割合って、何で振れ幅が大きいんですか? 同じメーカーの塗料なのに」
「それは同じ希釈率で薄めても吹きにくい塗料っていうのがあるからなんだ。よく、“この塗料は重い”なんていったりするんだけど、顔料の比重が高いと、吹きにくいってことがあってね。そういう時は薄めに調整すると上手く吹けたりする。慣れてくるとビンの塗料をかき混ぜた時に“ああ、この塗料は重いな”っていうのがわかるようになる」
「なんかそのあたりの見分け方は自信がないんですけど……」
「そういう時はテストで吹いてみる。その辺に転がってるジャンクパーツとかプラバンの切れ端とかさ。ワタシの場合、新しい塗料を作例で使う前には必ずテスト塗りしてるよ。乾燥後の色も確かめられるし。原稿には書かないから伝わりにくい努力なんだけど(笑)」
「大丈夫です。たった今伝わりましたから(笑)」
「まあ、その辺は置いといて、エアブラシの基本的な使い方は“エアブラシと塗装面の距離”、“噴圧の調整”、“塗料の濃度”の3つの調整だということがわかっていただければいいんだけどね(笑)。まず基準となるのは“エアブラシと塗装面の距離”。これによって吹きつける面積、つまり細さが決まる。これを基準に噴圧と塗料の濃度を決めればいい。『この距離で吹きたいからこの噴圧と濃度』っていうふうに決めるとわかりやすい」
「なるほど、わかりました」

◆エアブラシの選び方あれこれ

「じゃあ師匠、次は具体的なエアブラシの選び方ってことなんですが」
「うん、じゃあ最初にいっておくと、今回これまで話した事は、大体どんなタイプのエアブラシを使ってもできる」
「ああもう~、そんな事いうからまた混乱するじゃないですかぁ~」
「まあ、もうちょっと黙って聞いておいでよ。基本的には、これまで話した事はどんなタイプのエアブラシでもできるんだけど、それぞれの機構によって得意不得意っていうのがあるんだ」
「得意不得意ですか?」
「うん。まず吸い上げタイプのシングルアクション。これなんかは微細なグラデーション表現には向いていない」

「何でですか?」
「構造を見るとわかるけど、塗料の噴出し口にエアの流れを作って気圧を下げ、その気圧差で下にある塗料を吸い上げて吹きつける形式だ。だからきれいに塗料を吹くには、それなりのエア圧が必要になるんだよ」
「ああ、それだと気圧を落として近づけて吹く極細吹きなんかができないわけですね」
「まあ、細吹きが全くできないわけじゃなく“ある程度しかできない”って感じなんだけどね。ある程度高い噴圧でベタ塗りをするには安定度も高いし、物によっては塗料のビンがそのまま取付けられるようになっているとか、メリットもある。何よりも構造がシンプルなんで価格が安いというのがありがたいところだよね。この間、昔のこのタイプのエアブラシを引っ張り出してきてコンプレッサーに繋いでみたら、結構便利に使えた。あ、デメリットとして掃除がしにくいっていうのもあるな。その時に思ったんだけどね」
「なるほど」
「で、次はドロップタイプのシングルアクション。これは通常のボタンが付いたタイプと、引き金式のトリガータイプがある」

「それぞれどう違うんですか?」
「まあ、見た目で、上にある塗料カップに塗料を入れて、ワンアクションでエアと塗料を噴射するっていうのはわかると思うんだけど、吸い上げ式と大きく違うのは塗料の流量=出具合を調節するニードルが入っているって事。お尻の部分のつまみを回して調整するんだけど、これとエア圧の調整で、ずいぶんバリエーションの広い塗装が可能になる。ボタンとトリガーの違いは、トリガーの方が指が疲れにくいというところ。ただし、感覚的にいうとペンのようにもって使えるボタン式のほうが、吹きつけの微妙なコントロールはしやすいように感じるけどね。どちらかというとトリガータイプは長時間、大きな面積を塗るのに適していると思う」
「なるほど」
「使い慣れると迷彩模様なんかも結構細かいのが塗れるようになる。例えば、MPJ作例のヴィルベルヴィントは全部ボタン式のシングル0.3mmで塗装した」

「へえ、要は使い方ってことなんですね」
「そうだね、エア圧と塗料の流量、濃度。その辺を調整すると結構なんでも吹ける」
「でも、なんでわざわざシングルで塗ったんですか?」
「長年使ってきたダブルアクションが壊れたから。急だったんで代用がなかったんだよ(笑)。まあ、それはおいといて、この手のシングルタイプのデメリットは塗料の流路が開きっぱなしになるって所なんだ。塗装の間にちょっと置いておいて、続きをすぐ吹き付けようとすると、先端に塗料が溜まっていてミストを飛ばすなんてことが起こりやすい」
「ミストってでっかい塗料の粒が飛んじゃうんですよね。そりゃあまずいじゃないですか」
「だからこの手のエアブラシを使う時は、塗り始める前にボロギレなんかに一吹きしてからパーツに塗るようにする。それだけでミストはずいぶん減らせるよ。“ひとつもないように”っていうのは中々難しいけど」
「はあ、やっぱりシングルアクションだと不便なこともあるんですねぇ」
「まあねぇ。でもエアブラシ塗装の基本をマスターするのにはとてもいいタイプだと思うよ。全てのセッティングを固定して塗るからエアブラシの基本的な使い方を覚えられる」
「なるほどなるほど。じゃあダブルアクションはどんな具合ですか?」

「まあ基本的にはこんな形なんだけど、結構いろんな機能が付いたものや、様々なデザインのものが出てる。基本的にはボタンを押すことでエアが出て、そのボタンを引くことで塗料が出るというスタイルだね。シングルアクションとの一番の違いは、塗料の出具合を吹きつけながらコントロールできるという所だ」
「ボクもこのタイプを使ってます。何だかんだで模型ユーザーでは、このタイプを持ってる人が多いと思います」
「それでも、意外となんとなく使っている人が多いような気がする。キミもボタンの使い方を間違ってたじゃない(笑)」
「あーあははは、そうでした」
「まあ、基本的には今回の前半に説明したようなことはシングルアクションのエアブラシでもできるんだけど、ダブルアクションの場合、よりフレキシブルにコントロールできる、っていうのがポイントかな」
「具体的にはどんな所ですか?」
「まあ、例えば吹きつける幅をだんだん大きくするとか小さくするとかさ。シングルアクションで塗装しながら塗装面との距離を変えると、絶対にボケ足が変わっちゃうんだけど、ダブルアクションなら塗料を出す量を調整することである程度カバーできるとか。あ、それから、意外と単純な所なんだけど、塗装の初めと終わりがコントロールしやすい。ピタッと止めるとかホンワリと始めるとか。とにかくそのあたりは“塗装しながらコントロールできる”ってところが大きいね」
「なるほど、確かにそうですね」
「さっき言ってた極細吹きなんていうのも、エア圧を下げて塗装面にうんと近づけて、様子を見ながらちょっとづつ塗料を出すなんてこともできる。“シングルアクションでもできるんだけど、それよりもデリケートな表現が可能”って感じなんじゃないかな」
「それって、シングルも使い込んだ人じゃないとわかり難いのかもしれませんね」
「確かに。でも望んでそうなったわけじゃないのが悲しいけど(笑)」
「でもいいじゃないですか、今は立派にWAVEさんのアドバンスユーザーなんですから(笑)。そういえばアドバンスについている『エアマチックシステム』ってどんなものなんです?」

「上の写真で言うと右側の写真の下側の黒いツマミで、エアの流入量をコントロールするんだけど、これが結構便利なんだ。普通のエア圧のコントロールっぽくも使えるし、塗料の濃度をコントロールすると“薄い濃い”って感じの表現もできる。使い方しだいって感じだね」
「うーん、なんか欲しくなってきましたアドバンス。他にもいろんな機能がついたエアブラシってありますよね」
「そうだね。まあ基本的な機構は変わらないんだけど、塗料カップが変えられたりね。中にはノズルを交換して吹きつけのサイズを変えられるなんてのもある。あと、最近増えてきたのがダブルアクションと同じようなデザインでトリガータイプってやつ」
「へえ、引き金が付いてるんですか?」
「引き金が付いてるやつもあればボタンタイプのやつもある。基本的な操作はまず軽く引くとエアが出て、さらに引くと塗料が出るっていうタイプ。『押してエア』と『引いて塗料』っていうふたつのことをいっぺんにやらなくていいんで、結構使いやすかった。エアの流量と塗料の流量を自動でコントロールしてくれるんで繊細な表現もできるしね。使い込んだわけじゃないから今の所は“便利”って印象。気になった人はコラーニとかハンザとかグラフォとか、色々あるんで調べてみるといい。&エアテックスのHPなどに出てるよ。
「普通のダブルアクションを持ってても、トリガータイプは1本欲しい気がしてきました(笑)。特に引き金の付いたヤツ。しばらく塗装をしていないで、急に長時間ボタンタイプのエアブラシを使うと人差し指が痛くなることがあるんですもん。そういう時に楽そう」
「そういえばこの間そんな話になってさ。ワタシはそんな事感じたことがないんで、そういってる人と右手の人差し指を比べてみたら、私の指には“エアブラシダコ”ができていたという(笑)」
「そりゃあプロモデラーならではですねぇ(笑)。あ、そういえば師匠、エアブラシのサイズってあるじゃないですか。0.3mmとか0.2mmとか0.5mmとか色々。それってどうやって使い分けるんです」
「色々って、模型に使うようなのは、今キミが全部言っちゃったけどね(笑)。これは塗りたい最小の小ささと、使う塗料なんかによって使い分ければいい。基本は0.3mmと考えて、0.3mmでは再現できない繊細な表現をしたいというのであれば0.2mmを使えばいいし、大きなフレークのメタリックや顔料の粒子が大きいサフなんかを吹くんだったら0.5mmが使いやすい。まあ、普通に使うんだったら大体のものは0.3mmでカバーできると思うけど」
「師匠はどんな種類のエアブラシを持ってるんですか?」
「ダブルアクションの0.5mmと0.3mm。あとはシングルアクションの0.3mm。あ、それから最初のほうにいった吸い上げ式のヤツがひとつ」
「意外と種類はないんですね」
「そうかな。大体これだけあれば何とかなるんだけどな。まあ、作るものによって、どうしても必要だと思ったら揃えるんだろうけどね。今欲しいのは新しい塗装ブースとかだからなぁ。吸引力の強いやつ」
「何だかんだと物欲は収まりませんねぇ(笑)」
「そうだねぇ。これが“モデラーの性”かも知れないねぇ(笑)。まあ、モデラーの物欲と同じで、エアブラシや塗装に関してはとてもじゃないけど1回や2回の記事じゃ語りきれないんで、またいつかやりたいね。ご質問なんかがあればどしどしお寄せいただきたい」
「そうですね。じゃあ今度は師匠のサボりは無しにして、『技の泉』のほうで」
「話の〆に何で余計なことをいうんだよキミはっ! だから与太郎だってんだ!!」
「あ、いけね。怒った。じゃあ師匠、ボク引越しがありますんで失礼しま~す」
「あ、待てよ全くもう(怒)!!」

てな具合で2回に分けてお送りした特別編、いかがだったでしょうか?
次回掲載は編集部の都合で2月上旬となる予定です。詳しくは編集部よりお知らせがあるはず。
ということでしばしのお別れ。それではお後がよろしいようで。

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