線香亭無暗のやたら模型制作室
はい皆様、大分寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
最近、自分のことを”まるで子供だなぁ”と感じることが多々あります。例えば映像資料として借りたDVDを、とんでもない長時間にわたって一気観したり、新しく届いた模型用具をいじり出したら面白くなっちゃって、半日以上仕事もしないで遊んでたり。元からその気はあったんですが、最近、余計にひどくなった気がする”子供ぶり”。まあ、誰も止めてくれない一人暮らしだから加速してるってのもあると思うんですが、これが何か恐ろしい兆候だったらどうしましょう。散歩に出て迷子になったり、何回も朝飯食っちゃったりするくらいだったらいいけど、なんか、模型店の店先で勝手に店の商品とか作り始めちゃったり、展示会の人の作品にやおら色を塗り始めちゃったり……。そんな状態にならないためにも手先の作業で脳を鍛えておきましょう。って、なんか変なテンションのオープニングですが(笑)……。
てなわけで、今回からは新ネタ。ファンの方にとっては”待ってました!”という模型を作りますよ!

はいこれッ!!

『装甲騎兵ボトムズ』より、WAVEの1/24「スコープドッグ レッドショルダースペシャル」 です。

まず、制作に入る前に、「ボトムズってなんじゃらホイ??」という方のためにちょこっと解説。
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『装甲騎兵ボトムズ』は1983年4月から1984年3月にかけて全52話が放送された、いわゆる「リアル・ロボット・アニメーション」の金字塔です。ストーリーは”アストラギウス銀河”と呼ばれる他星系が舞台。二大勢力”ギルガメス”と”バララント”により、一世紀にもわたって続けられた戦争”100年戦争”末期、ギルガメス軍の一兵士であった主人公「キリコ・キュービー」が、軍の最高機密に関わってしまったため命を狙われ、放浪と闘争を繰り返すうちに、自らの出生の秘密と、世界の根底を覆すような陰謀や謎の核心に迫っていくという、ある意味”お子様完全無視”の大変ハードなストーリー。放映終了後も絶大な人気に応えて、様々なOVAや小説などが発表されています。
で、ここに出てくるのが「アーマード・トルーパー=AT」と呼ばれる4~5mほどの人型兵器。劇中では完全な消耗品として描かれていて、いわゆる”ヒーローメカ”的な扱いではありません。ストーリーの都合上、同型機同士の戦闘シーンも多く描かれ、放映当時には「わかりにくいけど、そこがリアル」と感じたのを覚えています。一方、回転するターレット式三連レンズ、足裏のホイールを回転させて滑走する「ローラーダッシュ」、パンチを火薬の爆発力で繰り出す「アームパンチ」など、ギミカルな面白さを演出するメカニズムも装備しており、それらを最大限に活用した映像は非常に見応えがあります。また、「ウド編」「クメン編」「サンサ編」「クエント編」という物語の変遷により、それぞれ市街戦・ジャングル戦・砂漠戦・宇宙戦などを展開し、ATの魅力を存分に見せてくれました。
なんでこんなに熱く語っているかというと、某氏よりDVDをお借りしてTV版全52話+OVAを一気観したから(笑)。いやいや、今みても良いんですよ! というか、歳をとった今だからこそ、といったほうが良いか。興味のある方や、“昔見たけどね”という方は、ぜひともご覧になることをオススメします。
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ということで、前フリが長くなりましたが、WAVE 1/24「スコープドッグ レッドショルダースペシャル」でしばらくお付き合いのほどを。

では早速ランナーチェック。

まずはオリーブグリーンのランナー類。

ライトグリーンのランナーとパラシュートザック、フィギュアのキリコちゃん。

こちらは「レッドショルダー カスタム」用に用意されたパーツとポリキャップ&デカール。
もうお気づきの方もあると思いますが、同じパーツが違うランナーにいくつか見られますね。実はこのキット、ちょっと変わった生い立ちを持ってます。
80年代初頭の作品放映当時はタカラ(現タカラトミー)が商品展開をしており、1/24、1/35、1/60等のキットを発売していましたが、後にプラモデル事業から撤退、長いことタカラ製キットにプレミアが付くといった状態が続いていました。その旧タカラキットを復活させると共に、新規パーツを追加して作られたのがWAVEの1/24ボトムズ プラキット・シリーズなんですね。よく見るとランナーによってタブに書いてあるメーカー名が異なっています。

WAVE製のパーツは、旧タカラキットの定番改造点であった部分や、新たな装備などを追加するものです。だからキットには旧タカラパーツと新規パーツが混在してるんですね。こんな比較もできちゃう。

写真左の奥のほうが旧キットパーツの碗部、手前がWAVE版。肩口の四角いパーツは共通ですが、二の腕、下碗部は短くなり、より立体的な造型となっています。写真右の左側はWAVE製の頭部、左は旧パーツ。旧キットを作る時は皆この頭部の丸みを作るのに苦労したんだ、ホント。ガシャポンの容器を使ってみたり、スーパーボールの大きいのをヒートプレスしたり。いやあ、懐かしい。
ということで、このキット。特性上”半分モナカ”的な構成です。パーツの合わせ目なんか、もう思いっきりセンター割なんてところも沢山あります。スナップフィットしか組んだ事のない方は、それなりの覚悟が必要です。でもまぁ、それも楽しみのうちのひとつ。模型作りは何でも楽しまないとね。


てなわけで早速作業開始。まずは腕から。

はい、ざっと組んで一通りヤスリをかけてみたところ。この時点で接着しても差し支えなさそうな部分は、どんどん接着してしまいます。あ、もちろん仮組みはしっかりとしてからね。

構造はこんなふうになっています。

アームパンチ機構もしっかり再現。

ありがたいのは、下碗部が塗装してから組立てできるようになっていること。旧タカラキットでは泣き所でしたからね。

ただ、このあたりのパーツのすり合わせはしっかりと慎重に。きつすぎるとアームパンチが動かないし、緩すぎると普通にしてても腕が伸びっぱなし、なんてことになります。何度も仮組みしながら塗装の厚さ分も考慮してすり合わせておきましょう。



で、碗部の大幅改造箇所。この肩の付け根の四角い部分は旧キットのパーツを使用するため、二の腕との接続はハメ込みのみとなっています。ここを何とかしておかないと、”武器を持たせた腕がクルッ!” という状態になってしまうのは旧キットを作った時に経験済み。こういうのも”歳の功”と言うのだろうか……。

ということで二の腕に3mmポリキャップを仕込みました。肩の四角いパーツのほうも接続部先っちょを切り取り、真ん中に穴を開けて3mmプラ棒を接着。今回、ポリキャップは何かのキットに付いていて余ったものを使いましたが、市販のものでも問題ありません。

キットのままとの比較。スペースは狭いんですが、収める3mmポリキャップの長さを調整することでなんとか収めることができます。



続いて肩アーマー。まずはしっかり接着して合わせ目を消したら、ジョイント部に後ハメ加工。

で、フチのリベットが打ってある部分の合わせ目消し。色々と考えたんですが良いアイディアが浮かばなかったんで一旦全部削り落として成型しました。

で、その後リベットの打ち直し。打ち直しっていっても、ほんとに打ってるわけじゃありませんけどね。WAVEの丸リベットパーツを貼り付けました。ついでにフックの端っこのディテールもWAVE角リベットに差換え。より立体的になりました。

ついでに手の甲のアーマーもリベット打ち直し。大昔のプロもデラーさんが『ボトムズはリベットとの戦いだ』と書いてらっしゃったのを思い出します(笑)。ついでに、このアーマーの裏もディテールアップしましょう。

まずはプラバンの切出し。アーマーの厚さによって異なりますが、ココは0.5mmと0.3mmの2枚重ねでディテールを作ってみたいと思います。キットパーツ裏側に収まるような型紙を作ったら、0.5×2枚と0.3×2枚のプラバン計4枚を瞬着で点付けし、型紙に沿って切出し。0.3の方は2枚重ねのままピンバイスで仮穴を開けておきます。

次に穴を開けたところにデザインカッターで切り込みを入れていき、リブのディテールを作っていきます。

パーツができあがったところ。コレを重ねて接着すると、

はい、こんな感じ。スコープドッグは、この手のアーマーだらけなのでこんな作業が多い。まあ、気長にやりましょう。

さて、腕はこれくらいにして、お次は足。まずは足首から。

まずは仮組み。この辺は合わせ目消しのオンパレードですな。

はいこんな感じ。アキレス腱辺り(アキレス腱はないと思いますが)の四角いディテールなんかは、削り落としておいてからプラバンで再生したほうがきれいに仕上がります。

ついでにココもリベット打ち直し。なんだか質問が来そうな予感がするんで、リベットの打ち直しに付いて説明しておきましょうか。

まず用意するのは市販のリベットパーツ。写真はWAVEの角リベットです。キットパーツのリベットのディテールは、デザインナイフなどで切り落としておきます。

そうしたら好みの大きさのリベットをひとつ切りはなし、デザインカッターの先っちょをちょっとだけ挿しておき、裏側に接着剤を付けて接着。接着剤は流し込み用のセメントがオススメです。リベットのパーツは金属製やプラ、レジンなど様々なものが売られていますが、こんなふうに大量に使うにはプラ製のものがオススメ。コスト的に有利な上、接着後に削ることで、高さの調整などもできるので使い勝手も良好です。

さて、足首の工作に戻りましょう。

ちょっと見ていて気になった”ターンピック”部分。足裏のローラーで高速移動しながら、このトンガリを地べたに刺して急ターンするというパーツですが、今ひとつ迫力に欠ける。

そこでまずは面だし、と思って作業をしていたら――やおら起こった衝動に耐え切れずスパイク部分を切り飛ばし、キットパーツを開口してしまいました。

で、しょうがないのでこんなパーツを自作。3mmプラ棒を尖らせたものに1mmの真鍮線を差し込んだもの。

はい、アップで。組み付けると右写真のようになります。

で、ターンピックの可動。いや、たいした意味はないんですけど、なんか楽しいなぁと思って。ヤバイ、TV版52話一気観のテンションが作用したらしい……。

てな具合に足首の工作が完了。次回は降着機構を持った足回りにかかりましょう。

それでは今回はこの辺で。
次回も”地獄まで付き合ってもらう”、じゃなくて、乞御期待!!

(C)サンライズ

詳しくはWAVE HP

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