線香亭無暗のやたら模型制作室
はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
前回の記事でもネタにしたBNコンペなんですが、実は今回の作例「グフカスタム」も展示させていただきまして、サイトユーザーの皆さんより一足早く、参加者の皆さんにご覧いただいたわけですが、コレが一筋縄じゃぁ行かなかった。主催の方に「多分当日には出来上がってると思うんでグフカスタムもって行きますよぉ」なんて言ったはいいものの、ちょっとした問題がありまして、中々仕上がらない。何とか体裁はついたもののけっきょくウェザリング無しの状態で展示することになりました。オマケに輸送途中でツノの先っちょとスパイクの先っちょが折れて、余計な作業を増やしてしまうという、まさに“泣きっ面に蜂”状態です。ううむ、今度から余計なことは言わないようにしよう。
ということで、バンダイ HGUC 1/144 「MS-07B-3 グフ カスタム」もいよいよ完成編。今回は少々盛り沢山。早速まいりましょう! 今回は長いよっ!!

さて、前回は本体の加工もおおまかに終わり、今回は細かいディテールアップに入ろうということでしたね。てなわけで、まずは左腕のウエポンラック(でいいのかな?)の加工から。

はい、いきなり出来上がってます。キットのままではチト貧弱な感じがした部分ですが、キットのモールドを切り落とした後、基部を0.3mmプラバンで作り直し、1mmプラバンで挟んだネオジム磁石を取付けました。

上から見るとこんな感じ。普通にポリキャップなどを使って武器を止めてもいいんですが、それだと確実に塗装が剥がれてくる。なのでちょっと勘合に余裕を持たせておいてネオジム磁石で取付けようという魂胆です。磁石は4×4×1mmの四角いものを使用。本当は接地面が広いほうが固定力が強いんですが、スペースの都合上こうなりました。しかも、見た目にもちょっとカッコイイので。磁石の接着には瞬着を使用。プラ部分は普通のプラ用接着剤を使用しています。基部のボルトヘッドのディテールはHiQpartsのヘックス1mmを使用。これなら塗装が剥がれてもチッピングみたいに見えますからね。

で、取り付けるほう、「3連装35mmガトリング砲」側にもネオジム磁石を仕込みます。

ただ、キットのままだと上手く収まらないので、写真左のように加工。取付け基部をプラバンで作って頑丈に固定。カバーのパーツのほうは中身をがらんどうに削っておきます。

“カチッ”っと気持ちよく収まりました。で、ついでにこんな所も加工。

はい、「3連装35mmガトリング砲」のスコープ部分。キットだとレンズ部分もモールドで再現されているので、HiQpartsのSPプレート4mmに差換え。後でレンズパーツを仕込みたいと思います。


続いてはこんなパーツを作ってみましたよ。さて、何のパーツでしょう??

正解は右腕のヒート・ロッドの巻き取り部分。どうも元のデザインだと巻き取り容量が少ない気がしたんで、こんな加工をしてみました。なんかいかにも“ひも状の物が収まってそう”という演出です。

ちなみにキットパーツとの差換えも可能。いや、特に意味は無いんですけどね。

ディテールを加えて自作パーツの完成。真ん中の六角ポルトがそれっぽいでしょ。これはWAVEのプラ製のパーツを使いました。ついでにこんな場所にも。

ヒザのアーマー部分ですね。この部分、大きく張り出した上側は攻撃用な雰囲気を感じたんで、補強ということでボルトヘッドを追加してみました。

さて、お次はランドセル部分。

まずは上面の段落ちになっている部分を削り取り、断面を裏側からウスウス攻撃。

両側の加工が済んだら裏から細密な黒染めのメッシュを張り込みました。地上用なので熱対策が必要かと。

バーニアはフチを薄く加工。写真は加工途中。もっとしっかりウスウスに仕上げます。

ついでに首部分にも一工夫。ジャンク箱の中に転がっていたモールドで丁度いい大きさのものがあったんで、首のポリキャップを少し削ってはめてみました。パリキャップの後ろの穴も見えなくなるし、大きく開口した首の付根のパーツから覗いてもいい感じに見えるという、一石二鳥な小改造です。

さて、お次は武器類。

まずはガトリングシールドのガトリング部分。

まずは銃口を開口してメタルパーツを埋め込み。HiQpartsの1mmのものを使いました。

裏側も製面のために削り落としてしまったボルトヘッドのディテールを再生。

こんなところもメタルパーツでディテールアップ。いや、それほどメタルパーツ好きってわけでも無いんですが、色んなものに使った残りが発掘されたので、今回、積極的に使用してみました。個人的には、この手のパーツは判らないようにチョロッと使うのが好みなんで。

さて、ここまで来たらお次は塗装という事になるんですが、その前に「動力パイプの処理をもうちょっと詳しく説明して欲しい」というお問い合わせが意外と多いもんで、ちょっと詳しく説明しましょう。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ということで緊急特集

■動力パイプの加工法

まず用意するのはこんなパーツ。

上から外装となるパイプのパーツ、メッシュチューブとプラ棒、針金と。必要なのはこれだけ。
実は前回の記事でメッシュチューブのことを「グラスパイプ」って書いたら『そりゃどこに売ってるんじゃ?』というご質問をいただいてしまいました。ゴメン、昔はグラスウールで編んだこの手のチューブのことを“グラスパイプ”とも言ってたんだよぅ。元々は絶縁用の素材なので電工パーツ屋さんに売っていたり、今なら模型用ディテールアップパーツとしても売っているはず。どうもスンズレイしました。チューブやパイプのサイズなどは前回の記事を参考にしてくださいね。


で、お題となるのはHGUCのザクF2。グフはもう加工が終わっちゃってるんで、こちらで説明します。構造的にはほぼ同じなんで、登場してもらいました。

まずはパイプパーツの加工から。写真はグフに使ったコトブキヤのM.S.G。もう塗装した後の状態ですね。プラパーツはゲート処理などをしなければならないので、針金やプラ棒などでこんなふうにしておくと便利です。メタルパーツを使う場合でも同じようにしておくと、塗装などが楽ちん。こうしておけば失くすことも少ないしね。

続いては重要な工程。メッシュチューブの端っこに挿すプラ棒の加工。写真は2mmプラ棒を使ったもの。差し込み部分を丁度具合のいい太さに削っておきます。この“丁度具合がいい”というのが重要で、メッシュチューブに取り付けた状態で外装となるパイプをはめて、“キュッ”と止まるくらいが理想的。まあ、多少スカスカでも瞬着で止めちゃえばいいんですけど、これが太すぎると接続部にメッシュチューブがはみ出して、はなはだ見栄えがよくない。差込部の長さは使用するパイプの一個分が目安です。そうすると取付けた時に最初の1個のパイプとキットパーツの組み付けがぴたっと決まるんで。このあたりは何回も仮組みして組み付けを確かめておきましょう。ちなみにこの加工はリューターがあると非常に便利。プラ棒のほうをリューターに止めておいて細く削り出すという手法が一番早く、精度も出せます。まあ、リューターをお持ちでない方は手動でもできる加工なんですけどね。

メッシュチューブに加工したプラ棒を差し込んだところ。こんなふうに気持ちメッシュチューブが太くなるくらいが理想的。

キットパーツのほうも加工しておきましょう。このキットの場合、問題となるのは腰の前側のパーツとサイドの止具状のパーツ。どちらも2mmのピンバイスで穴を広げておきます。

ひととおり加工が済んだら仮組み。ここも意外と重要で、最終的なパイプの数は仮組みで決定します。これは使うパイプの形状によって微妙に異なってくるので、必ず仮組みしてから決めましょう。実はこうやって何回も取り外しして調整ができるように、面倒なプラ棒細工なんかをしているわけです。

前側が決まったら今度は後ろ側。とりあえずパイプを差し込んで仮組みしてみます。このキットの場合、バックパック側の基部が差し込み式になっていて自由度が大きいので、後ろ側のパイプの数はアバウトでも結構いけるんですが、グフの場合は取付け基部がしっかりモールドされているので、パイプの数合わせが必要です。で、まあ、写真を見ると、こんな感じでいいんじゃないの、と思うでしょ? ところが後ろから見ると

ちょっとダル~ンとした感じに見えてしまいます。そういう時は針金の登場。

はい、こんな感じでズルズルっと内蔵します。これ、無理矢理端っこから端っこまで通そうとしないで、形状が決まった前側には通ってなくてもOKです。

あとは好みの形状にあわせて曲げるだけ。曲げる時はパイプの状態を見ながら「このパイプのあたりでこれくらいの角度」という具合に、ひとつずつ曲げていくときれいにまとまります。まあこのキットの場合、腰のパイプは針金無しでも何とかなる感じなんですけどね。でも針金を仕込んでいないとまとまらないのがココ。

頭部のパイプ部分。写真は針金を仕込んでいない状態。パイプがないのは手元に丁度いい大きさのパーツがなかったため。これ、一瞬「これでいいじゃん」と思ってしまうんですが、

上から見るといかにも“成り行きまかせ”な形になってしまいます。

そこで、針金登場。一度真っ直ぐにしたメッシュチューブに針金を通し、片一方の端を瞬着で止めてしまいます。片一方だけ止めるのは、この後曲げているうちに針金がはみ出してくるから。止めてないと形状が決まりにくいしね。

で、こちら針金バージョン。ダルな感じがなくなって、欲しい形状に収まってくれます。パイプの形状を整えたら先ほど止めていなかったほうの端っこも瞬着で止めておいて、丁度いい長さに切ってキットパーツに納めれば完成、というわけです。

で、まあ、こんな感じにできました。これでおわかりいただけましたでしょうか? ちょっと慣れがいる加工ですんで、何回かあきらめずに挑戦してみてくださいね。ということで、皆さんも質問があれば、どしどしお問合せください。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

そして唐突に本編に戻る。

さて、ココからは塗装。いやー、これが一筋縄ではいかなかった。グフといえばやっぱり青ですから、それ系の色にしようと家にある塗料で何色か作ってみたんですが、これがどうもしっくりこない。最初はね、軍用色っぽいくすんだ青系でまとめようと思ったんですが、なんだかイメージと違う。そこで毎度お馴染み、ガイアノーツのY氏に相談したら届きましたよ。ドドーンと。

はい、ガイアの青系塗料。

後の列は限定色系のカラー。これらを使って試行錯誤の連続……。例えば……

こんな感じ。実際はこの倍くらいの調色を繰り返してしまった。途中でばかばかしくなって写真を撮るのをやめたくらい。そして締め切りは迫る。さあ、どうすんだオレ! どうにかしろオレ!!

と途方に暮れかかって、ふと目にに入ったのがコレ。

最近発売された「ラベンダー21」と「ブルー21」。非常にいい色なんですが、イメージとして“紫系”っていうのがあったんであんまりよく見てなかったんですね。ところがこれ、塗料皿に出してみたらピンときました。いいんじゃない、これ ( ̄ー ̄)ニヤリッ

で、この2色をベースに作ってみたのがコレ。青2色は若干の純色シアンを入れて青めに振った後、Ex-ホワイトで明度調整。彩度を押さえるため純色グリーンを極少量足しました。グレーはミディアムブルーをベースに辛うじて青みが残る位までEx-ブラックEx-ホワイトを足して作ったもの。今回の3色は全部“よく見ると何色?”という色味になってます。そういう青が欲しかったんだよ!!
てなわけで早速塗装。

一通り吹き終わったところで一度組んでみました。

この手の色は照明や周囲にある色によって大分見え方が変わります。コレがやりたかったんです!

で、この後にデカール貼り、トップコートを終えて、スミイレ。ごく軽めにウェザリングをしたら完成。こんな感じに仕上がりました。

ううむ、中々満足。今回は塗装色で大分悩みましたが、まずまず満足できるレベルに仕上がって良かった。まあ、こういうことはよくある、ちょっとしたトラブルですな。はっはっは……。後はギャラリーでご覧下さい。

さて、このバンダイ HGUC 1/144 「MS-07B-3 グフ カスタム」。プロポーションは非常に良く、ガンプラの定番改造のみで非常にに見栄えの良くなるキット。今回はブルー系で仕上げてみましたが、ザクのようなグリーン系や目の細かいカモフラージュなんかに塗っても面白そうです。とにかく、ちょっとした改造で大きな満足感が得られるのでオススメです。


さて、グフカスタムも無事完成。次回は何をつくろうかな、ってことでお後がよろしいようで。

(C)創通・サンライズ

詳しくはバンダイホビーサイト

ギャラリーへ
<前の記事へ ◆ 後の記事へ>


4 Responses to “バンダイ HGUC 1/144 「MS-07B-3 グフ カスタム」 その4”

  • on_gyou:

    いつも楽しく拝見させていただいております。
    いつもやろうとしてうまくいかなかったザク系MSの動力パイプの記事
    大変参考になりました。

    塗装もバイクモデル用の塗料を使うとは、思いもつきませんでした。

    もうすぐトレフェス有明ですが、
    わたしは今年も行く予定なので、
    線香亭師匠の塗装講座を楽しみにしています。

    これからも楽しい記事をよろしくお願いします。

    • 線香亭 無暗:

      >on_gyouさん

      コメントいただくのはお初ですね。ご購読ありがとうございます。
      メールはいつも拝見しておりますよ。

      MPJの記事が模型ライフのお役に立てれば幸いです。
      ぜひとも御自分で挑戦してみてくださいね。

      >塗装もバイクモデル用の塗料を使うとは、思いもつきませんでした。

      “何用”としてあると、ちょっと騙されやすいんですが、元々の顔料に“何用”はありません。
      ネーミングに騙されず、色自体を見ることが大事だなぁ、と思います。
      とはいえ、ワタシも塗料皿に出してみるまでは見逃していたわけですが(笑)。

      今年、年末のトレフェスですが、ワタシの出演予定はありません。
      お会いできなくて残念ですが、またいつかの機会に!

  • 動力パイプの工作、分かりやすかったです。
    何はともあれ手を動かして試してみようかと思います。

    F2ザクの方も完成を楽しみにしてますね。

    • 線香亭 無暗:

      うさぎさん

      毎度コメントありがとうございます。

      >何はともあれ手を動かして試してみよう…
      あなたならできるわ!!

      >F2ザクの方も完成を楽しみにしてますね。
      そのうち、皆が忘れた頃に完成させて、そっと箱にしまっておきます(笑)

Leave a Reply

CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.