線香亭無暗のやたら模型制作室
はい皆様、ご機嫌いかがですか。
わたくし線香亭、お盆も夏休みも関係なく、原稿書きと模型制作に追われる日々でございます。かといってバンバンギャラが入るわけでもなく、締め切りのほかに貧乏にも追いかけられるという、二重苦三重苦。こうなりゃあこの火の車で逃げ切ってやるぜ! Oh! ファイヤーホイールッ!! この暑さなのに!!! という妙な開き直りの境地に達しております。多分、主な原因はここのところの暑さと、節電のせいだと思われます。ああもう、氏金時練乳がけのアイス10本食べたい!!! 腹壊しそうだけど。
なんてことばっかり言ってないで、お仕事お仕事。

さて、今回はバンダイ HGUC 1/144 「MSN-001A1 デルタプラス」も完成編。張り切ってまいりましょう。
前回までの様子はこんなふう。

本体の加工が終わってひと段落。さあ塗装に入ろうかと思ったら、まだ残ってました。こんなヤツが。

はい、まずはウェイブライダー変形時に使用するフレーム。ちょっと気になるところがあったので修正しておきましょう。

まずは主翼の取り付けピン。ピンの中央に2mmのピンバイスで突き通しの穴を開け、2mmの真鍮線を補強として通します。その際、取り付け部分の穴を、ピンが内側に向くように広げておき、瞬間接着剤で強引にに接着。3度くらい内側にピンが向くように取り付けます。

上側はフラットになるように成型しておき、目隠しにプラバンを貼ります。真鍮線は補強のため。角度をつけた理由は後で説明しますね。

続いて、脚部を撮り付けるフレームの先に1mmプラバンで作ったボックスを取り付け。形状を写真のように加工して、箱の中身が3mm四方になるように調整して接着します。

はい、これで加工終了。ピンの斜め具合とか、ボックスの取り付け具合がわかると思います。これが何のための加工かといいますとですなぁ――

こんな感じに翼と腰部ユニットを撮り付けるためです。翼は逆V字になるように、腰部ユニットは取付け時の高さを押えるための加工でした。
前回ちょこっと書いたように、ウェイブライダーとは機体がおこすショックウェーブに乗って飛行する航空機のこと。効率よくショックウェーブを機体下面に取り込むためには、翼が逆V字になっていることが多いんですね。腰部ユニットの取付け位置変更は、機体の薄さを演出するため。キットのままだと、ちょっと厚みがありすぎる感じがしたので、こんな加工をしてみました。実物は可動フレームで繋がってるんだろうし、こんな形態でも問題ないんじゃないかなぁ、と思います。取り付け位置をキットの状態に戻すとエアブレーキみたいに見えるし。中々いいアイディアだと思ってるんですが、いかがでしょう?

さて、残るはビームライフル。

今回は特に加工しないでこのまま仕上げたいと思います。でも合わせ目を消すのに邪魔なんで、バレルの上のでっぱりを切り取っちゃいました。

で、切り取った後に、0.8mmの真鍮パイプと0.6mmの洋白線でディテールを再現。ついでにバレルの先端もウスウス攻撃。今回はこの辺で勘弁しといてやろう。オレを。

さて、ここまで来たら今回の作例のメインイベント。塗装に入ります。
実は今回の作例を始める前からずっと考えてたんですけど、百式の後継機であるデルタプラスが地味目のグレーってしっくりこないなぁと思ってまして、多分、同じように考えた人が多いんだろうと思うんですが、他媒体の作例なんかを見るとゴールドフィニッシュのデルタプラスっていうのが結構多い。ただそのあたりりがカトキデザインの優れたところで、しっかりとアップデートされた機体デザインになってるんで、金色に塗ってもストレートに“百式の後継機”って雰囲気が出ないんですね。そこで色々悩んだ結果、メタリックのグレーフィニッシュにしようと決めました。それなら設定上の齟齬も出ないし、まあ、アニメ版とは異なりますが、百式のアイデンティティーでもあるメタリック塗装の進化版としてありなんじゃないかと考えました。

で、考えたまでは良かったんですが、いざテストしてみると、これが結構難しい……。最初はガイアノーツから新しく発売されたガラスパールを使おうと思って塗ってみたのが次の写真。

元になるグレー(写真下)をベースにクリアー50%を足したもの(写真中央)、ガラスパール100%(写真上)なんですが、少々粒子が粗すぎてメタリックっていう感じには見えない。この塗料、普通の塗装の上に吹付けてパールを再現できるという、非常に面白い塗料なんですが、残念ながら今回は見送ることにしました。で、そうなると残る方法は2つ。『シルバーをベースにメタリック塗料を調色して使う』か、百式などの金色表現でお馴染みの『シルバーを塗った上にクリアー系塗料を吹きつけて仕上げる』という方法をとるかという事になります。どっちがいいんだ?! と迷ったときには実験、実験!!

シルバーベースでメタリック表現っていうのも試したんですが、どうも百式のような“メッキ感”が出ない。どっちかというと自動車の塗装に近い感じになっちゃう。そこでクリアー系塗料を使ったフィニッシュという事になるんですが、これが一筋縄じゃあいかなかった。

もうテストにテストを重ねて、10枚以上のテストチップと何色もの調色を繰り返し、やっと出た結論は、『狙い通りのフィニッシュに持っていくためには、シルバーの上に同じ回数、同じくらいの厚さの皮膜を作るしかない』ということ。一度塗った上にフラットクリアーを吹いてみたり、普通のクリアーを吹いてみたりなんて実験もしてみました。この手法、金色なんていう派手な色の時は比較的簡単にできるんですが、グレーっていうのが繊細すぎて、ちょっと塗りすぎるとすぐに色味が変わっちゃうんです。でもまぁ、ここまで来たらやるしかない。てことでさらに数枚のテストチップで練習を繰り返し、いよいよ塗装開始。

まずは全てのパーツをガイアノーツのスターブライトシルバーで塗装。この段階での輝度が重要なので、溶剤にはメタリックマスターを使います。じゃあ、仕上がりまでの工程を見ていただきましょうか。

まずこれがシルバーを塗ったままの状態。この上に調色したクリアー系ブルーグレーを吹付けていきます。

写真左が1回塗った後。写真左が2回目の塗装を終えた後。皮膜の厚さで劇的に色身が変わります。塗装レシピはニュートラルグレーⅡをベースに、純色シアン、純色マゼンタ少々といった感じで色味を加えました。これをクリアー5:塗装色を1といった混合比で塗装します。上の写真だとちょっと地味目に見えますが、そこは狙い通り。光が当たるとメタリック感がしっかり出てきます。

はい、こんな感じ。強い光に反応してメタリックだとわかる、っていうのがミソ。あんまりギラギラでもスケール感が損なわれますからね。実験の結果を踏まえて今回はグロス仕上げでいってみようと思います。普段MSなんかを塗る時は、たいがいフラットフィニッシュなんですが、さて、どうなることやら、という挑戦です。

そんなこんなで、何とかグレー部分の塗装終了。ここまでで塗装に丸1.5日。時間かかりすぎだよ、オレ。

ということで、グレーの乾燥時間を利用して塗っておいたブルー部分とのマッチングを見るため、一度組み立ててみました。

うーん……。ブルーが明るすぎる……。せっかく凝った色味のグレーなのに、ブルーが派手すぎて微妙な色味を感じられないんですね。よし、塗りなおそう!

ということで再塗装。といってもこちらもシルバーベースに純色シアンと純色パープルを足した色で塗っているので、その上から極薄いクリアーブラックを吹きつけます。うん、これでいいだろう。

ということで、今度は塗りわけ部分の塗装。

まずはしっかりマスキングして、白い部分をお得意のインテリアカラー、グレーの部分をニュートラルグレーⅢに純色シアンを極少量、わかんないよっって位に混ぜた色で塗り分けます。本当は白い部分はもっとくすんでても良いような気がするんですが、ブルーが思いの他派手目に見えることがわかったので、ポイントカラーとして高めの明度で塗っておこうかな、という判断です。

塗り訳が終わったらデカール貼り。今回使用したのは、お馴染みのHiQparts NCデカール05のホワイト。メタリック地だとあんまり目立たないんで、要所要所に控えめに張ってます。

足の裏は変形時の見栄えを考えて一部に白を入れてみました。一通りの塗装が終わったら、フラットでフィニッシュした部分をマスキングして、グロス部分のツヤを均一にするため、Ex-クリアーでトップコート。

トップコートが乾いたら、最後の仕上げ。センサー部にメタリックシートなどを貼りこみます。バイザー部に使用したハセガワのTFシート「偏光フィニッシュ グリーン~マゼンタ」もいい味出してますね。ちょっと赤っぽく見えるのは夕方の外光で写真をとったせい。ホントはグレーですからね。後は全体にかる~くスミイレすればフィニッシュ!!


で、こんな感じに仕上がりました。後はギャラリーでお楽しみ下さい。

さて、今回のHGUCデルタプラス。MGが発売された今となっては『??』って部分も見られますが、お手軽に百式の後継機を手にできるという事では中々の好キットです。あえて差し替えでの変形を選択することで、しっかりした組み付けとプロポーションの両立を図るという構成で、各形態の改造もしやすくなっています。腕に覚えのある人はMGデルタプラスを参考に完全変形を目指す、なんていうのも楽しそうです。

さて、それではそろそろこの辺で。
次回は荷を作ろうかな! ってことで、お後がよろしいようで。

(C)創通・サンライズ

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One Response to “バンダイ HGUC 1/144 「MSN-001A1 デルタプラス」 その4”

  • hineko:

    毎回、楽しく拝見させていただいております。
    線香亭無暗様の作品を見ると、ガイアカラーを使ってみたいなと、思いました。実際に使ってみて、いいものだと思います。

    メタリック塗装は、写真ではわかりにくいので、実物を見てみたい。

    ただ、地方なんで見るのは、難しいかな……

    次回作を、楽しみにしています。

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