線香亭無暗のやたら模型制作室
はい、皆さんこんにちは。
ふと気が付くと夏のワンフェス直前。ということはMPJが立ち上がってから早1年という事になります。この1年、色々とやってきたわけですが、皆さんの模型ライフのお役に立ってますでしょうか? ここまでお付き合いいただいた方々に心より感謝申し上げます。この連載はメーカの皆様、関係者の皆様、そして何よりユーザーの皆様のご協力やご支援で成り立っております。どうぞこれからもお付き合いのほどを、心よりお願い申し上げます。

てなわけで、ハセガワ「1/72 VF-11B サンダーボルト“マクロスプラス”」完成編。張り切ってまいりましょう。

前回は基本的な塗装が終わっていよいよウェザリングから仕上げに入ろう、というところで終わってました。今回はその続きから。

こんな様子になってます。これは基本塗装の上から、エナメルの濃いグレーを塗り重ねた状態。

塗ったのはこんな色。タミヤエナメルのフラットブラックとジャーマングレーを足したものを筆塗りしました。前回の最後の写真を見た方から「こんなんなっちゃってダイジョブですか!?」なんてメールをいただいたんですが、ダイジョブダイジョブ。

エナメル溶剤を含ませた布等で拭き取れば、こんなふうに落ちていきます。今回は「エナメルでジャブジャブウォッシングする」というよりも「薄いエナメル塗料を上塗りする」といった感じで塗装します。こうすると表面に残るエナメル塗料の量が多くなり、より多くの“汚れ”が残った雰囲気になります。もっとあっさり仕上げたい場合は“ジャブジャブ”にすればOK。その辺りを調節するのがこの技法の“肝”です。

拭き取り方は進行方向と風の流れを考えて、一定方向に流れが出来るように気をつけます。で、全体を拭き取り終えた状態。あーっと!! しまった。気が付いちゃった。

このキット、機体上面、エンジンブロック前半のエアブレーキが開閉選択式で組めるというのをすっかり説明し忘れていた。すいません写真も撮らないうちにここまで進んじゃったんで、ハセガワさんの完成見本写真をお借りしちゃおう。

こんな感じにも組めます。これはコレでメカニカルな魅力があっていいですな。2キット買って1機は飛行状態、もう1機は駐機状態なんていうのもいいかもしれない。イサム・ダイソン用107以外の機体番号もデカールで用意されているので、機番も変えてね。いっそのことVF-11だけで小隊作っちゃうとか。そんな楽しみもあります。量産機がいっぱいあるとそれだけで萌えるという。皆さんもわかっていただけると思いますが。

てことで、唐突に作業に戻る。

裏側もこんなふうに。この状態から拭き取りが足りない所はさらに拭き取りしたり、拭き取りすぎた所はもう一度エナメルを塗ったりします。微調整ですね。

さて、これで大体本体の色味が決まったわけですが、前回の基本塗装色を見たユーザーの方から「VF-11はもっと白っぽい感じじゃないの?」というメールを頂きました。はい、仰るとおり、キットの指定でも本編の色を見ても、パッケージアートでも大分コレより白っぽい色です。ホントの所を書くと、こんな色の塗料も作ってたんです。

指定に拘るなら多分この辺がドンピシャな色。でもこの色をチョコッと塗り始めた時に「あ、なんか違う」って思っちゃったんですよねぇ。

このVF-11、とてもしっかりした「ジェット戦闘機」として構成されています。元デザインもそうだしキットの味付けもそう。でも実機の現用ジェット機を考えたとき、「ぱっと見た目が白」ってあんまりないような気がしたんです。だったらもっとジェット戦闘機機よりの表現ってできないのかなぁ、と考えた結果、今回の塗装色にしてみたという訳。「こんな風な仕上げもあるんだね」位に考えていただけると大変ありがたい。そんな“自分なりの解釈”を取り入れることができるのも“模型の楽しみ”の一つだと思うんですよね。

さて、作業は進む。

お次はコクピットブロックの左右に付くクリアーパーツ。真ん中のピラーを黒く塗っておかなければなりません。キット付属のデカールを使用する場合は問題ありませんが、本体のほうを塗装で処理したので、こっちも塗っておかないとね。

こういった場合はエアブラシなど使わず、マスキングだけしっかりとして、筆塗りで対応するのがラクチンな方法。

中身のほうもシルバーを筆塗り。

そして、クリアーパーツの接着。接着はパーツの合わせ目全体に少量の接着剤を付けて慎重に。点付けしたりすると接着部の色が変わっちゃいますから注意が必要です。これ、結構難易度の高い作業だったりしますが、“慎重に作業する”以外の方法を知らない……。なんか良い方法があったら教えてください。

続いて足回り。

足回りもエナメル塗料による汚しをかけています。こちらは元の色が濃いので、少し拭き取りを控え気味に。脚室のカバーはグレーの側を本体と同じ色で汚した後、内側の白いほうをエナメルのハルレッドで汚しました。白地に黒いウォッシングだと少し強い感じがするので。

おっといけない、またパーツを付け忘れるとこだった。前輪の根元にあるライト。しっかりと取り付け完了。

そうしたら今度は、脚類やカバーを本体に取り付け。このキットに限らず航空機キットの一番の弱点はランディングギアまわり。最も破損率の高い部分なので最後に組み付けます。最後の最後に足を“ポキッ”とやって今まで何度泣いたことか。

足回り部のアップ。前輪あたりは意外とブレーキホースが良い感じで嬉しい。

さて、作業もそろそろ終盤。お次はスラスター部分の焼け表現をしてみようと思います。

実はここも指定色とは異なった色で塗っています。指定では黒鉄色、つまりもっと暗いメタリックなんですが、実際に塗ったのはガイアカラーのスターブライトアイアン。このパーツを”爪先”では無く、あくまでも”ベクターノズル”として捉えた結果です。

タミヤエナメルのクリアーオレンジに少量のクリアーレッドを足したもの。まずはコレをエアブラシで拭き付け。ここはラッカー塗料でも良いんですが、失敗したらふき取れるというメリットを活かして、エナメルを使用してみました。

はい、1色目終了。通常のノズルのように全体に吹くのではなく、厚みを考慮して直接熱が当たるであろう内側を中心に吹きつけました。

続いて2色目。エナメルのクリアーブルーにクリアーを足したものを調色。

今度は外側にも拭き付け。パーツの状態で見ると結構塗ってるように見えますが、このパーツの根元はエンジンブロックの中に収まるので、コレでも結構控えめ。

角度を変えるとこんな感じ。まあ、実際こんなふうになるかどうかは実物の素材にもよるので、あくまで雰囲気で。「それっぽい雰囲気」を演出する手法のひとつだと思ってください。

最後はハセガワTFシリーズ最新作の登場。「クリアーレッドフィニッシュ」と「クリアーブルーフィニッシュ」を使います。

ブルーのほうは緑っぽく見えますが、コレは黄色い台紙の色が透けているせい。実際には非常に発色の良いブルーです。今回は各部翼端灯に使用してみましょう。

まずは使いやすいサイズに切り出し。台紙の色が確認できるよう端っこを切り取ってみました。

次は貼りたい部分より大きめに切り取って片側に軽く置き、

端っこを押えて反対側まで持ってきたら”グニュッ”と引っ張る。素材自体が伸びるので、こうすることでパーツに密着します。

で、クリアーパーツのフチによく切れる刃物で切れ目を入れておいて、余った部分を剥がせば出来上がり。

反対側のブルーも同様に。

はいできた。簡単にムラ無く美しい発色が得られます。非常に便利なマテリアル。良い時代になりましたなぁ~。注意点があるとすれば貼り付ける時に引っ張りすぎないこと。シートが伸びすぎて色が薄くなっちゃったり、ツヤがなくなったりしますからね。

で、最後はガンポッド。こちらはスミイレ後、タミヤのウェザリングマスター「ガンメタル」や「青焼け」「赤焼け」などでエッジを立たせるようにしました。簡易ドライブラシですな。

でなわけで大体完成。後は各パーツを組上げるだけ。

こうして見ると暗すぎると指摘のあった本体色も気になりませんなぁ。後はギャラリーでお楽しみ下さい。

今回制作したハセガワ「1/72 VF-11B サンダーボルト“マクロスプラス”」、組み立てに全くストレスは無く、組みあがってみるとバッチリ”航空機”としてのVF-11が楽しめるという好キットでした。「今までキャラクターモデルばっかり作ってきたけれど、最近航空機キットにも興味が出てきたんだよね」なんていう方には正にオススメのキット。今回は気になる所だけちょこっと手を加えた作例でしたが、航空機ヘビーユーザーなら、いろんな所に手を加えて徹底改修! なんていう楽しみ方にも答えてくれるハズ。ビギナーからヘビーユーザー、マクロスファンから航空機ファンまで、幅広くそれぞれの嗜好に合わせて楽しめる良いキットです。

さて、それでは今回はこの辺で。次は何をつくろうかなっ! てことで、
お後がよろしいようで。

(C)1994 ビックウエスト


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2 Responses to “ハセガワ「1/72 VF-11B サンダーボルト“マクロスプラス”」その3 完成編”

  • うさぎ小屋の住人:

    完成しましたね!
    意外にエナメルをあれだけ塗っても大丈夫なもんですね。
    もう少し気を遣ってやらないといけないと思ってました。
    このコーナーの影響を受けてキットを買ったので、
    参考にさせてもらって制作に入りたいと思います。
    しかし実物を見てみたいものです。

    • 線香亭 無暗:

      毎度ご贔屓ありがとうございます。
      エナメルはいつもより濃い目に塗ったもので、
      可動箇所のない分ロボなどよりは楽ですが、
      それなりの気を使わないといけません。
      実物は機会があればご覧頂きたいと思っています。
      VF-11、大変良いキットなので楽しんで制作してください。

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