線香亭無暗のやたら模型制作室
はい、皆さんご一週間のご無沙汰でした。
早く入梅した割には明けるのは平年並みとのことで、まだまだ塗装しにくい日が続きますが、皆さんいかがおすごしでしょうか。
さて、最近一部の方から、『お前のやっとることは難しくて再現できん!』というようなご意見をいただくことがあります。例えば前回のベルグドルのコンテナのような場合は「ディテールを切り取って作り直すなんてできるわけない」とか、「色相と彩度と明度なんて素人には全然わからん」とか、「失くした部品を自作するなんて仕事じゃなきゃやらないだろう」といったご意見、要は『もっと初心者向けの記事を書けよ』ということなんですが、それって本当に必要でしょうか? ご存知のように既存の模型媒体では一年に一回くらい初心者向けの特集が掲載されますし、そういったMOOKもたくさん出版されています。模型誌には、所謂“簡単フィニッシュ”なんていう作例もたくさん載っていますし、“色の仕組み”はネットで検索すると非常に詳しく解説されていたりします。この「やたら模型制作室」では、なるべくそういったところに載らないような手法を中心にご紹介しようというように思っています。
また、『コトブキヤ 「1/100 SAV-07 ベルグドル(Ver.1P)」その3』の冒頭に書いたように、この記事でやっていることを強制しているわけでも何でもありませんので、その辺りはご理解くださいね。模型作りは自分の意思で技法を取捨選択していかないと、みんなして同じフィニッシュの完成品を作るという、非常~につまらないことになっちゃいますからね。
もうひとつ誤解しないで頂きたいのは、私は別に特殊な能力を持って模型を作っているわけでないという事。皆さんと同じように失敗もしますし、面倒なことは面倒です。ただ、「こういう仕上がりにするためには、こういう手法が必要だよなぁ」と思いながらやっています。まあ、記事で見るとその辺は見えにくいので、実に簡単に作業しているように見えちゃうかもしれません。実の所、この連載で使っている手法のひとつひとつは努力次第で誰にでもできる、実に平均的なものです。単純に言うと、そういう“普通の手法の組み合わせ方”にノウハウがあるので、それをお知らせしていこうという趣向なんです。特別な能力はありませんが、模型制作に関わっている年数と制作数、制作ペースが人より多い分、その辺りは参考にしていただけるかなぁ、などと考えていますが、いかがでしょうか?
なんて、前置きが長くなっちゃいましたが、今回からは制作を熱望していた新ネタ。早速はりきってまいりましょう。


ということで、今回からのお題はコトブキヤ「レイキャシール:スカイブルー Ver.APSY」。これ、作りたかったんです。

2003年のワンダーフェスティバル[夏]にて浅井真紀氏による造形で販売されたガレージキット「レイキャシール」を、浅井氏の監修の元、プラモデルとして発売したという意欲作です。プラキット化に当たって1/12にスケールアップされ、可動部やデザインもブラッシュアップ。元々「組み立てる女性型アクションフィギュア」という先進的なコンセプトを持ったガレージキットをベースにしたプラモデルということで注目度も非常に高かった模型。実に楽しみ。しかも今回はコトブキヤショップやWF2011[夏]会場での限定発売となる“スカイブルー”バージョンのテストショットを無理を言ってご提供頂きました。コトブキヤさんどうもありがとう。パッケージも通常版に比べて精悍なイメージに変更! という事で、コトブキヤ『レイキャシール:スカイブルー Ver.ASPY』でしばらくお付き合いのほどを。

じゃあ早速ランナーを見ていきましょうか。

まずは商品名にもなっているブルーのランナー。想像よりもはるかにシンプルなパーツ構成となっています。

続いて通常版のエルノアでは白い成型色となっていたランナー。今回はテストショットの状態なので、丸々2種類、肌色と黒いランナーを頂きました。製品版では、それぞれ組み立てに必要なパーツのみがパッケージされると思います。後で詳しく説明しようと思いますが、この肌色と黒の組み合わせが中々ポイント高し、の部分です。

Cランナーは一部塗装済み。これが何のパーツかというと、それは後のお楽しみ。

武器類とポリキャップ。剣の類はグリーンのクリアパーツになっています。さて、それでは早速仮組み。


はい、仮組み終了。まずは組み立てやすさにビックリ。普段模型を作りなれてる人なら一時間もかからないんじゃないかな? 非常に良く考えられた構成になっています。これなら普段模型を作らない人にもお勧めできますなぁ。ピンクのエルノアを見慣れていると、非常に斬新なカラーリングに見えます。脚部分に黒を持ってきたところが中々で、フェティッシュにも見えるし、あんまり“生”っぽくならないで済んでいるという、考えられた配色です。

頭部はこんなパーツ構成です。ここでさっき書いた塗装されたパーツの謎が明かされる。

はい、フェイス部のパーツがお面状になっていて、目の部分が塗装済みになってたんですね。親切設計で面白い構成です。

で、4パーツで構成された髪の毛部分を組み合わせて頭部の出来上がり。

頭部のパーツの合わせ目はちょっと一工夫したいと思います。

さて、続いて胴体のパーツ構成。

これまた、非常にシンプル。可動のポイントは胸部と胴部分を繋ぐボールジョイントと縦方向の回転軸。

で、もうひとつのポイントはバスト部分のパーツ。

この部分が上下に可動することで、より豊かな表情のポージングが可能になっています。

腰のアーマー、というか、スカート部分はこんなパーツ構成。塗り分けの見せ場となりそうな部分です。


すいません、碗部は写真を撮り忘れて接着しちゃった。肩口はボールジョイント、二の腕に横回転軸、ヒジはシンプルなシングルの関節となっています。


脚部のパーツ構成。注目ポイントはフトモモの肌色パーツとその下の部分を繋ぐボールジョイント。“絶対領域関節”とでも申しましょうか、この可動部が非常に大きな役割を果たしています。

まず普通に立ちポース。

正位置だとこんな感じ。

股関節を動かさないでも、これくらい前後に可動させることができます。

さらに横ロールも可能。脚部の可動は、この“絶対領域関節”がポイントになっていると言って良いでしょう。

もちろんヒザ部分も二重関節で大きく可動。

で、ついでに“絶対領域関節”の後ハメ加工なんかもしております。左が加工後。肌色のパーツはノーマルのテストショット。

あ、忘れてた。このキットには色々なオプションパーツが付属します。

特に手首は様々な表情のものが付属。これもポイント高しですなぁ。この辺りは“模型”のノウハウだけでなく“フィギュア”のノウハウも活かされています。ガレージキットとプラキットだけでなく、こんな所でも密かなコラボレーションが行われているんですね。


全体的に非常に広く稼動します。まあ、腹部に可動箇所がないので、前屈はちょっと苦手。

“伏臥状態反らし”はクーザレベル。


腹部に可動が無いおかげで、美しいS字フォルムで立ちポーズが決まります。

アクションポーズも決まりますなぁ。こうやって遊んでいると、もうこれだけで十分、という気になってきます。が! そこはそれ。素組みでこれだけ面白いんだから、ちょっと手を加えたらもっと面白いはず。ひとつしっかりと仕上げてみましょう。


という訳で、只今どんな仕上げにしようか考えながら面処理などをやっています。曲面が多いのでスポンジヤスリが大活躍。そろそろ買いに行かないと在庫が切れる。

てな所で今回はここまで。上手くいけば次週フィニッシュまで持っていけるかな? などと考えてます。なんせ元キットが非常に優秀なのであんまり手を加える所がありません。まあ、天気とスケジュールに相談しながら考えます。それでは次回も、乞御期待!!

(C)SEGA


詳しくはコトブキヤHP

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