線香亭無暗のやたら模型制作室
はい、皆さんこんにちは。
最近大分良い陽気が続いていますが、うっかりしているとすぐに梅雨がやってきます。なんたって梅雨の湿気は塗装の大敵。今のうちにできるだけのことはやっておきましょう。なんて言ったところで一年中締め切りがあるモデラー家業ですから、相変わらずのペースで模型を作り続けるだけなんですが。
さて、サイバーホビー「1/35 WW.Ⅱ ドイツ軍 IV号対空戦車 ヴィルベルヴィント 初期型」今回はいよいよ完成編、張り切ってまいりましょう。


前回は下面のウェザリングが終了した状態。今回は上面のウエザリングを行います。

まずはエナメル塗料を使って各部の「タレ」を描き込んでいきます。

使ったのはタミヤエナメルのハルレッド、ジャーマングレー、フラットブラックなど。一色で片付けようとしないで何色か使うのがリアルに見せるコツです。身近にある同じような汚れを観察してみると、必ず数色が混じっています。世の中はそう単純じゃないんですなぁ。

車体後部もタレを書き込むポイント。細い面相筆を使って“スッ”と入れていくのがコツ。薄めの塗料で好みの感じが出るまで何回もなぞってやります。今回は比較的おとなしめにしておきました。

平面部のタレだけでなく水分が流れたりたまったりしそうな所には全て入れていきます。ついでにへこみや凹凸を強調したい部分にもスミイレしておきましょう。

車体の上面なんかも重要。サイドにはタレ表現があるのに上面はきれいなまま、というのもおかしいでしょ。さて、今回は読者の方からリクエストがあったのでパステルを使ったマフラーの錆表現について解説しておきましょう。


本当は実物のパーツに塗ってる所のほうがわかりやすいと思うんですが、写真を撮るのを忘れちゃったんでプラ棒を使って再現します。まずは下塗りから。

まずは塗料の食い付を良くするため軽くサンドペーパーをかけておきます。元パーツが梨目だったりする場合はこの作業は必要ありません。

その上に溶きパテを塗りつけていきます。この時に予めデコボコを作っておくのがポイント。後でパステルが付着しやすくなるのと、これだけでそれらしい雰囲気が出せます。

まずはガイアカラーのスターブライトアイアンを拭き付け。あんまり光ってもスケール感を損ねるので、メタリックマスターではなく普通の溶剤を使って塗装します。

その上から下地が透けるようにグレーを軽く拭き付け。ジャーマングレーニュートラルグレーなど、その辺りはお好みで。ガイアノーツのニュートラルグレーはⅠからⅤまで、様々な諧調のグレーが用意されているので便利です。

ここでパステル登場。こんな場合に使うのは、私の場合NOUBELのドライパステル019、142、143、147辺りです。画材屋さんなどで売ってますからチェックしてみてください。これを茶漉しに擦り付けて粉状にしたのが写真の状態です。

まずは一番ダークな色をエナメル溶剤で溶いて筆で塗りつけます。きっちり全体に塗るというよりも、ザックリ置いていくという感じです。

続いて2色目、3色目と様子を見ながら部分的に乗せていきます。この作業のときは気温が大事。エナメル溶剤は温度で乾燥するところが大きいので、気温が低い日にやるといつまでたっても前に塗った所が乾きません。夏場の太陽の光に当てて強制乾燥させながら塗っていくなんていうのが理想です。

最終的に生の錆色となる明るいオレンジを入れたら調子を見ながらエナメル溶剤を含ませた筆で全体を馴染ませて完成。写真ではかなりヘビーに錆びてますが、パステルの量を調整すれば軽い錆びの表現も可能です。

続いてはドライブラシ。

エナメル塗料にしようかと思ったんですが、ちょっと色気を出してタミヤのウェザリングマスター《Aセット》を使ってみようかと思います。ドライブラシだとどうしても明度差が大きくなりがちなのと、全体に粉っぽさを出したいという狙いがあります。

使うのは主に左側のふたつ。「サンド」と「ライトサンド」。上の写真の筆を使ってドライブラシの要領で角や出っ張った部分に乗せていきます。

はい、こんな感じ。だいぶ立体感が出てきました。

お次は各部の細かいチッピングなどを書き入れていきましょう。

これはチッピングなどを入れる前。スミイレとドライブラシのみの状態。

ここに極細の面相筆を使ってチッピングを入れるとこうなります。基本的にはエナメルのジャーマングレーを使っていますが、強くこすれるような部分にはほんの少しシルバーを入れてみたりして。

こういった装備品は特に“それらしさ”の演出が必要。金属は金属らしく木は木らしく、というのを念頭において作業します。

上面や足回りなどもそれらしく。キャタピラの側面には少量の「こすって銀さん」を塗りつけて磨いています。

お気に入りの対空砲にもチッピング。外側と比べて違和感のない程度に汚しをかけておきましょう。

うーん、なかなか良い感じ。やや腰高なⅣ号戦車の車体とダイナミックな砲塔、それに繊細な対空砲のアンバランスが、この車両の魅力かもしれません。

座席やハンドルなどもしっかりとウェザリング。とにかく「ここだけ新しくねぇ??」的な部分がないよう気をつけましょう。

さてこの辺まで来たら、後は全体のバランスを整える作業。


この辺りになると作業は行ったり来たりになります。ドライブラシをかけた上にもう一度エナメルで書き込みをしたり、部分的にドライブラシを追加したり。全体のバランスを見ながらそういった作業を時間切れになるまで繰り返し行います。AFVはこういった作業が醍醐味。心ゆくまで楽しみましょう。


さて、こんな感じで出来上がったヴィルベルヴィント。その名の如く“つむじ風”のごとき作業は終了。懸案だったフィギュアは良いのが見つからなかったんで今回は見送りました。いつかこのヴィルベルヴィントを使ってジオラマ制作なんていうのも楽しいかもしれません。その時のために取っておこう。てな感じで後はギャラリーでお楽しみしみ下さい。

今回の制作で思ったのは“やっぱり戦車は面白い”ということ。どんな模型でも作ってみるとそれぞれの楽しさがあるんですね。皆さんもワンジャンルだけでなくいろんな模型に挑戦してみると、それぞれに違ったテクニックが使えて楽しめますよ。

てな訳で今回はここまで。次回からは“緑色のもの”を作ります。
それではお後がよろしいようで。



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