はい皆様、いかがお過ごしでしょうか。
春も近づいてTV番組もずいぶんと様変わりし始めました。個人的に外せない「スーパー戦隊シリーズ」も「ゴセイジャー」が終り、35作目となる「ゴーカイジャー」が始まりました。今度のモチーフは“海賊”。海賊???? それ悪者じゃないのか? とか思いつつ、今後の展開を楽しみにしております。今度の黄色い人なんか決めポーズが“セクシーグラビア”っぽいし。
まあ、そんなことは置いといて、今回のやたら模型制作室、いよいよハセガワ「YZR-8000Δ“マイザー・デルタ」完成編です。張り切ってまいりましょう。
先週はキットのパーツを紛失するという、プロモデラーにあるまじき失態をリカバリーした所で終わってしまいました。
実は、この記事をご覧になったハセガワの担当者の方から「よろしければ失くしたパーツ、お送りしましょうか?」という優しいお言葉を戴きました。でも、良いんです! 自分でやったことは自己責任で何とかする、これが潔いモデラー魂です!! ハセガワさん、お気遣いありがとうございます。皆さんはパーツを失くしたらメーカーさんのサービスで取り寄せてくださいね。逆にそっちのほうが潔いっていう意見もあるんで。
で、今回最初にやるのは前回残った紫部分の塗装。使うのはこんな色です。
使ったのはガイアノーツのパープルヴァイオレット80%にEx-ホワイトを20%ほど足したもの。キットの指定ではもっと赤みの強い紫なんですが、全体のバランスを考えて若干薄めに調整しました。これを塗ったのが次の写真。
なかなか狙いどうりの色が出てます。そして、基本色全体を塗り終わったのがこちら。
いつものことながら、写真で見るとあっという間だな。でも今回の塗装はここからが本番。
予告どおり、今回はこの上にパール塗料を重ねていきます。その目的は“CGっぽさの演出”。
VRシリーズのハイエンドCGはコントラストが強く、各面の様子が強調されています。CGどうりとはいかないまでも、なんとかそんな雰囲気が出せないかなぁ、という試みです。パールの元となるのは雲母堂(きららどう)本舗の「ビスマスパール」。
極小のパール粒子と溶剤があらかじめ混合されているという優れもの。とりあえずどんな効果が出るものか、何種類か塗料を作って実験してみましょう。
はい、これがビンから出したままの状態。取扱い説明書によると「塗装可能な最大濃度でパールを混ぜた状態」ということで、かなり白いです。
続いてビンから出した塗料に6割ぐらいクリアーを入れたもの。中でパールの粒子が踊ってます。
さらにクリアーを足していって、ギリギリパールがわかる位まで調整したもの。よーく見るとパールの粒子がわかります。あ、説明し忘れましたが使ったクリアーはガイアノーツのEx-クリアーです。これをグロスブラックで塗った上に重ねて塗ってみます。
写真右からそのまま塗ったもの、真ん中が7割希釈、左はギリギリまで希釈したもの。そのままで塗るとシルバーになっちゃうので、今回は左側の一番薄いパールを選択します。最初は真ん中の調子で行こうと思って、テストしてみたらこんなふうになりました。
もう、明らかにパール。今回パール塗料を使う目的はCGっぽさの演出ですから、ここまでの効果は不必要。「ちょっと見ではわからないけど、よく見るとパール」というのが理想です。それに、一度塗ってしまったパールを取り除くことはできませんが、薄い分には塗り重ねて調整することができますからね。そうと決まれば早速塗装。途中で足りなくなると同じ濃度に調整するのが困難なので、大きめのビンに多めに作っておいて塗装開始です。
ざっと一回目のパールを吹いた状態。殆んどわかりませんが、エッジが目立つようになりました。とはいえ、このレベルではクリアーコートとあまり変わらない。
そして2回目。わざと変化がわかりにくいパーツを選んで撮ってみたんですが、結構効果が出てきました。羽根の真ん中のエッジなんかは普通だとこんなに調子が出ないんです。でもパールの粒子は目立たない。
アップだとこんなふう。拡大してみても殆んどわかりませんが、紫などの暗い部分に薄っすらとパールの粒子が見えます。これ、極小の粒子を使ったビスマスパールのおかげですね。これこそ狙い通り。
こっちの方がパールの様子がわかりやすいかな。目で見るともう少し見えてるんですが、まあ、いかにも“パールです”っていう仕上げのほかに、こんな使い方も面白いんじゃない? という提案だと思ってください。
さて、ここまで来たら、あとは塗装! 塗装!! 塗装!!! の繰り返し。塗装中は写真が撮れないのと、殆んど代わり映えの無い写真になってしまうので、そのあたりは省略。手順だけ説明しておくと、「基本塗装」→「パール1回目」→「パール2回目」→「クリアーコート」といった手順です。それが乾燥したら各部の黒いラインをタミヤのエナメル塗料を使って入れていきます。使ったのはグロスのブラック。全て筆塗りです。これらの黒いラインをマスキングして塗ろうと思ったら、相当の覚悟が必要だと思ったんで。もう到底締め切りには間に合いそうもないし。はみ出したら拭きろれるし。という感じで、皆さんも塗料は適材適所で使いましょう。
で、エナメル塗料が乾くまでの間、各部の細かい仕上げなど。まずはVRシリーズ特有の“光ってる部分”。
MPJのギャラリーでもおなじみのコトブキヤ「ライデン」と同じく、ハイキューパーツのオーロラデカールを貼りました。このデカールの特性としてバックが暗いほうが“ピカッ”とした感じが出ます。でも黒の上に貼ると光が当たった時にしか反応しない。
そこでパーツの後ろ側をシルバーに若干グレーを混ぜたもので塗装しておきました。
ここは塗装しにくそうだなぁ、という所はハセガワTFシリーズの「ミラーフィニッシュ」を直接貼り付けています。裏側は若干輝きが鈍いので丁度いい感じに光ります。
頭部バイザーやヒザの部分も忘れずに。ヒザ部分は作業途中写真。こんなふうにTFミラーフィニッシュを貼り込んでいます。
ここも重要な“VR部分”。クリアーパーツはマスキングしてグレーで塗装。そのあとスミイレしてあります。バックには同じくTFシリーズ「ミラーシニッシュ」を貼り込んでおきました。
さて、あとは全体をマスキングしてフレームのグレーを塗れば作業終了。グレーは表面の光沢感を強調するためにニュートラルグレーⅢをベースにEx-ホワイトとフラットベースを加えて調整した艶消しで仕上げました。ハイエンドCGを見るとフレームもグロスっぽいんですが、まあ、ちょっとしたオリジナリティの主張、ということで。
さて、ギャラリーに行く前に、ちょっとだけ仕上がりをお見せしましょう。
おっと、忘れちゃいけない。変形用のパーツも仕上げておきましょう。
そして全体像はこちら。
こんな感じで、なんとか完成。あとはギャラリーでお楽しみください。
いやー、このマイザーデルタ。結構なパーツ数でした。でもその分仕上がったときの充実感はひとしお。コンパクトながら密度濃く仕上る良い模型です。皆さんもぜひ挑戦してみてくださいね。
さて、次週は前々から作ってみたいと思っていた模型を取り上げます。どうぞお楽しみに。それでは今回はこの辺で。
次回も、乞御期待!!
(C) SEGA, 2001 CHARACTERS (C) AUTOMUSS CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME
詳しくはハセガワHPへ
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