線香亭無暗のやたら模型制作室
はい皆様、1週間のご無沙汰でした。
東京では雪が降り、そして雪が降ると必ず「機動警察パトレイバー 2 the Movie」を見てしまう線香亭です。まあ、見ながらでも作業はしているわけで、どっちかというと“聞いている”というほうが近いんですけどね。これが〆切間際になると劇中の台詞が身に沁みる。「だからぁ! 遅すぎたといってるんだっ!!」なんてね。もっと早く作業を始めていれば……なんて後悔もするわけで。
まあ、そんなことはどうでも良いんで、マイザーデルタ3回目、張り切ってまいりましょう。

前回は塗装のテストまで終わってました。そして今回はいよいよ塗装に入ります。まずはその準備から。

はい、各パーツに持ち手をつけて塗装の準備。これだけじゃありませんよ。

楊枝にさせるものは、こんなふうに準備してます。結構なパーツ数です。

今回のマイザーデルタ、基本的な塗装色は「白」「ピンク」「ブルー」「紫」にフレームなどのグレー。こんなふうに多色で塗り分ける場合にはいろんな塗装手順があります。まず、一番几帳面なのが「抜き合わせ」という手法。それぞれの色を塗りたい部分だけを残して、他の部分は全てマスキングして、塗装が乾いたら塗り終えた部分をマスキング。また次の色を塗りたい部分だけマスキングして……、というのを繰り返す手法です。この方法、ホントに几帳面にやれば美しい仕上がりが出来るんですが、非常に手間がかかる上、色と色の境目などで失敗しやすいというデメリットがあります。きれいに塗り分けたはずなのに0.1mmくらいマスキングがずれていて細いラインが残っちゃたっり、マスキングの密着が弱くて境目が泣いちゃったり、という具合です。
そこで今回はそういう面倒なことはしないで、塗り重ねても影響の無い部分は塗り重ねてしまうことにします。若干塗装が厚くなるんですが、その方が手間が少なく、手早く塗れるんで。で、その場合は塗装の順番が重要。前回のテストの写真を見ていただけるとわかるんですが、下地の影響を受けやすい色から順に塗って行くことが重要です。ということで前回の塗り重ねテストの写真。

この写真で見るとわかると思うんですが、紫が一番強い。次にブルー、ピンク、白は一番弱そうです。ただ、ブルーの部分は塗装面積が少ないのとパーツ丸ごとブルーっていう所が多いので最初のほうに塗ってしまって問題はなさそうです。はい、これで塗装の順番決定! 「白→ブルー→ピンク→紫」という順番で塗ることにします。そうと決まれば早速塗装。


はい、うりゃあ、と白を塗った後。これらのパーツは塗り分けの無い、白単色の部分ですね。前回も書きましたが、白はガイアカラーのEx-ホワイトに極少量のサンシャインイエローとVRピンクを数滴足したもの。

塗り分けのある部分も大雑把に塗っています。今回作ったピンクなら白い下地の影響を受けないで仕上がりそうなので。

ただし、こういった単面で広い平面の部分は全部白でつぶします。こういう平たい所だと、ごく少ない色の変化でもバレたりすることがありますからね。



で、白が乾いたら、まず白く残したい部分をマスキングします。これは各色を塗り終わるまで貼ったままになります。


ここは紫とピンクの塗り分けになるんですが、元パーツが紫の成型色なので白で塗りつぶしました。


ええと、ここまでの説明でお解りいただけるかと思うんですが、一口で「白で塗りつぶす」といっても、それなりの方法論みたいなものがありまして、それぞれのパーツがその模型の中でどんな扱いになるのかで塗り方も若干変わります。例えば上の写真だと、足首部分の白とピンクの塗り分けになるんですが、ヒザから下の“ワンポイント”になるようなパーツなので、若干気合を入れて塗ったりします。逆に4枚上の写真のような部分はピンクが主役になるので白は普通に塗れていればいい。もちろん場所によって塗装の精度が全然違うというのではお話になりませんが、「ここはポイントだよなぁ」という箇所は特に念入りに塗装すると、出来上がったときのメリハリが違います。これ、法則があるわけでもなく、数値化できるわけでもないので上手く説明できないんですが、グラデーションやウエザリングなど、特殊な手法を使わなくても、こうしたちょっとした演出をすると楽しいですよ、ということが言いたかった訳です。

さて、理屈はこれくらいにして実践。ユーザーの皆さんから、いくつか「塗装後のマスキング」について質問が来てたみたいなんで、説明しておきましょう。

上の写真は白を残す部分にマスキングをした状態。塗装した上にマスキングする時に、最初に気をつけるのは完全に塗装が乾いているかどうか。今回のようにグロスでピッカリ仕上げたい場合は若干厚塗りになるので一晩は置きたいところです。

はい、続いてブルーを塗りたい部分を残してマスキングした状態。細く切ったマスキングテープなどを使っています。

所がこういう部分が厄介。パーツの裏側にブルーに塗らなきゃいけないところががあるんです。そういう時は塗り分け部分のスジボリをきっちりなぞって密着させておいて、よく切れる刃をつけたデザインカッターでマスキングテープを切り抜きます。このときに思いっきり切込みを入れると塗装まで剥がれてくることがありますので、マスキングテープの“皮一枚”に刃を入れる感じが重要です。何枚かマスキングテープを重ねて、上の一枚だけを切る練習をすると上手くなります。

残った部分もマスキングして完成。こういう作業は何事も慣れなので、何回もやっているうちに体が覚えてしまいます。


残りの部分もマスキングして、ブルーの塗装にかかります。今回のブルーはガイアカラーのEx-ホワイトをベースにウルトラブルーを足したもの。割合としては白7:青3くらいかな。“ホワイトにブルーを足す”っていうのがミソで、ブルーにホワイトを足して作ろうと思うと大量に作ってしまいがちな色味です。

はい、ブルーの塗装終了。と思いきや……

ああ、やってもうた。このパーツの真ん中のラインは紫じゃないか! しかも残りの部分はピンク。もう、ちゃんとインスト見ないから!!

と、自分に怒ってもしょうがないのでリカバリー。最初に塗ったのと同じ白で塗りつぶします。最初は軽く載せて塗膜を作っておいて、

その上からがっちり吹いてリカバリー完了。リカバリーついでに、よくありがちな失敗のリカバリーについても書きましょうか。

はい、こんなことよくありますよね。きっちりマスキングしたはずが、チョロッとブルーの端っこが剥がれています。今回の原因はスジボリにほんのちょっと削りカスが残っていたためだと思われます。マスキングを剥がす時に一緒に剥がれちゃったんですね。

こんな時はもう一度マスキングして塗りなおす、なんてことはしません。極細の面相筆でチョチョイとレタッチすれば大丈夫。仕事で模型を作っていても、こんなことは日常茶飯事。ただ原稿には書かないだけです。って書いちゃったけど。大丈夫かオレ。

さて、続いてはメインのピンク。マイザーといえばピンク、というわけで、さっきの話じゃありませんが気合の入る所です。

はい、ドドーンとピンク。ピンクはガイアノーツ限定のVRピンクをベースに15~20%位アルティメットホワイトを足したもの。

どこもかしこもピンクです。でもこの中でも、さっき書いたような“メリハリ”を意識して塗り分けています。


さっき失敗した腰部分のアーマーもしっかりリカバリーできました。


先ほど“ピンクがメインの塗り分け”と書いたパーツ。きっちり仕上がってます。


こんなふうに塗り分けがきっちりいくと非常に気持ちがいい。“完成前の小さな幸せ”ってとこです。

さあ、次は紫塗るぞ!! と思ったら、姉さん事件です!!!

このヒジの両側に付く三角形のパーツが一個、どうしても見当たらない(泣)。部屋中探したんですが、どうしても見つからない。昨日掃除機をかけたのが敗因か……。
どうしよう。編集部に言って取り寄せてもらおうかしらん。それともハセガワさんに頼もうか……。いや、それはプロモデラーの端くれとして非常に恥ずかしい……。おまけに締め切りに間に合わない……。もう一個買ってこようかな……。なんて、くだらない事を考えている暇は無い!

ああ、いいさ。作るさ。作ればいいんだろう!!

プラモデルなんて、どんな失敗したって粉砕さえしなければ何とか作れるんだ。ということで、このパーツだけ自作することにします。幸い片方の腕の分は両方あるので、複製も可能ですが、こういう場合は一個しか作らないので複製を考えるより手作りの方が早い。そして素材はエポキシパテ。

まずはマスキングできる所はテープを貼っておき、直接の接合部分にはメンタムを塗ります。こうしないと後で剥がれなくなって余計にキズを大きくしたりします。


そして、元のパーツにムニュっと押し付けて、大体の形に整えます。20~30分位経ったらパーツから剥がしておき、完全硬化を待ちます。硬化したら対になるパーツを見ながらヤスリやカッターで同じ形に整えていきます。


製作途中、というかリカバリー途中。そして出来上がったのが次の写真。

これなら何とかなるだろう、ということでサフを吹いてみました。

どうだっ!! って、今回紫が塗れなかったじゃないか。なんだか今回はリカバリー特集になってしまいました。皆さんはこんな目に遭わないようしっかりとパーツ管理をしてくださいね。

てなところで今回はここまで。次回はいよいよマイザーデルタ完成編! どんな仕上げになることやら楽しみにお待ちください。
それでは次回も、乞御期待!!

(C) SEGA, 2001 CHARACTERS (C) AUTOMUSS CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME

詳しくはハセガワHPへ
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